エンタステージ

演劇の楽しさを提案する総合情報サイト

文学座アトリエの会12月公演は『ジョー・エッグ』演出は西本由香

010535.jpg

文学座「アトリエの会」の12月公演として、『ジョー・エッグ』が上演される。「アトリエの会」では、文学座従来の勉強会、演劇研究の技芸修練に対する前衛精神を引き継ぎ、意欲的で実験的な作品を取り上げてきた。今年度のアトリエがテーマに掲げたのは「新しい台詞との出会い―戦後再考」。『最後の炎』『かのような私 -或いは斎藤平の一生-』に続き、今年最後に取り上げるのは『ジョー・エッグ』。

『ジョー・エッグ』は、イギリスの劇作家ピーター・ニコルズが1967年に発表したもの(『ジョー・エッグの死の一日』)で、平凡な日常の背後に潜む苦痛と絶望を、痛烈なユーモアを交えて鋭く描き出すニコルズ代表作。1985年にはブロードウェイで上演され、トニー賞2部門を受賞している。

【あらすじ】
1967年、12月のある夜。すれ違いを抱える夫婦ブライとシーラ。二人は重い障がいを持つ娘が生まれてからの出来事を、幾度となく繰り返し、芝居仕立てで再現していく。虚実が入り混じったやり取りの中から浮かび上がるそれぞれの思いと問いかけ。いつもと変わらぬ夜が更けていくように思われたが、ブライが発した言葉を聞いた時、一同に戦慄が走るのだった・・・。

翻訳は小田島恒志の新訳、演出は西本由香。鵜山仁、松本祐子などの演出助手を務めてきた西本だが、文学座アトリエ公演で演出を手掛けるのはこれが初となる。

出演者には、寺田路恵、奥山美代子、沢田冬樹、栗田桃子、神野祟、平体まひろが名を連ねた。

上演にあたり、西本から届いたコメントを紹介。

◆西本由香
悪意の伝播は早い。密やかに交わされていた言葉が匿名性という衣を纏って目に見えるようになった。2016年に起こった戦後最悪の大量殺人事件について、発生してすぐにSNSには加害者に寄せられた共感の声があがった。まあ、そんなもの読まなければいいだけの話なのかも知れないが、これが社会の一部を切り取った窓だとすれば、無視するわけにもいかない。戦後再考ー今、私たちは「戦後」と呼ばれる時代の終わりに立っているのではないだろうか。「戦後」という時代を消費して、棚上げにしてきた問題と向き合うことを迫られているようだ。先行きの見えない不安から、少ない椅子を奪い合うことにかまけて、自らの首を絞めてはいけない。加速する情報が溢れる世界の中で、最もアナログで非効率的で非生産的とも言える演劇という手段を通して誠実に無責任な問題提起を行いたいと思う。

文学座12月アトリエの会『ジョー・エッグ』は、12月7日(金)から12月21日(金)まで、東京・文学座アトリエにて上演される。チケットは11月7日(水)より一般発売開始。

また、下記の日程では上演終了後にアフタートークが行われる。

◆アフタートーク
12月10日(月)19:00公演 「“言葉”とどう向き合うか」小田島恒志、今井朋彦、西本由香
12月16日(日)14:00公演 「劇が描く“家族”とは」寺田路恵、沢田冬樹、栗田桃子、平体まひろ
12月18日(火)19:00公演 「これからの文学アアトリエ」所 奏、西本由香、生田みゆき

【公式HP】http://www.bungakuza.com/joeegg/index.html

(文/エンタステージ編集部)

この記事の画像一覧(全2枚)

  • 010535.jpg
  • 010535_2.jpg

関連タグ

関連記事

トップへ戻る