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王子の愛は姫を救えるのか?東京バレエ団ブルメイステル版『白鳥の湖』公開リハーサル

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2018年6月29日(金)より東京バレエ団によるブルメイステル版『白鳥の湖』が上演される。本作は、チャイコフスキーの名曲と共に綴られる、バレエ界でも人気の高い物語だ。ストーリーは花嫁を選ぶように言われた王子と、悪魔の呪いで昼間は白鳥に姿を変えられている姫が湖の畔で恋に落ち、永遠の愛を誓い合うことで呪いを打ち破ろうとするが、悪魔が二人の邪魔をする、というもの。二人は悪魔に打ち勝つことができるのか?エンディングは、演出によってハッピーエンドだったり悲劇だったりするので、それもまた『白鳥の湖』を見に行く楽しみの一つだ。

『白鳥の湖』02

それ以外にも『白鳥の湖』は見所満載。まず、約30人もの女性ダンサーが白の衣裳で白鳥を踊る姿は、それだけでため息の出る美しさだ。そして主役の女性ダンサーは2幕と4幕では過酷な運命に抗おうとする優美な白鳥の姫オデットを、3幕では王子を誘惑しようとする妖艶な悪魔の娘オディールを踊るという2役を務める。この2役は踊りのテクニック的に高い技術が求められるだけでなく、まるっきり真逆のキャラクターを踊りで見せるところも大きなポイントだ。もちろん王子も、卓越したテクニックと共に奔流のように移り変わる心情をその踊りで見せなければならない。

『白鳥の湖』03

王子が花嫁を選ぶ舞踏会のシーンである第3幕は、オディールと王子の華麗でエネルギッシュな踊り、謎めいて禍々しい悪魔ロットバルト、舞踏会を盛り上げるスペインの踊りやナポリの踊りなど、元々華やかで様々な踊りを堪能できる場面だが、ブルメイステル版では様々な踊りを繰り広げる招待客たちが実は全部悪魔の手先、というドラマチックな展開になっていて、どの出演者からも目を離せない。

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今回の公演では、オデット/オディールと王子を、それぞれ上野水香と柄本弾、川島麻実子と秋元康臣、沖香菜子と宮川新大の3組のペアが踊るが、それぞれのペアについて東京バレエ団芸術監督の斎藤友佳理は「上野のオデットでは彼女の存在感と彼女がこれまでに創り上げてきたオデット像を、川島はその鳥のような軽さを、沖は初々しさを。3組が全く違うペアなので、できれば3組とも見ていただきたいほどです」と語っている。

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また今回の公演のために衣裳や小物など約200点を新製作。例えば第3幕で多くのダンサーたちがはくブーツは全て本革製で、左右の足の数ミリの違いにまで合わせたオーダーメイド。最初のワルツのシーンでダンサー達がつけている衣裳も、デザインや色が全部違う。また王子の衣裳は、3人それぞれの好みに合わせて踊りやすいように、細部が違っているという。豪華な衣裳やセットも、必見だ。

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公開リハーサルで主役を踊った沖・宮川ペアは、共に今年4月にプリンシパルへの昇進を果たしたばかりのフレッシュな二人。宮川は軽く高いジャンプ、俊敏な動きと美しい足捌きを、沖は華奢な身体からはつらつとした若さと、3幕のオディールではコケティッシュな魅力を振りまいた。そして悪魔ロットバルトの率いる悪の軍団は、美しく華やかなだけに迫力満点。

沖と宮川はお互いについて、またそれぞれの課題について「一緒に踊れて良かったと思うのは、お互いがちゃんと話し合って二人の踊りを創り上げていけるところ。勉強になることがいっぱいあって、本当に組めて良かったと思っています。古典中の古典である『白鳥の湖』は本当に難しいけれどだからこそやりがいもある。この作品に取り組めることの幸せを感じて、毎日取り組んでいきたいと思っています」と沖。そして宮川は「組む時には女性が一番美しく見えるようにしたい、という意識でやっているので、彼女が少しでも気持ちよく踊れるようにしていきたいと思っています。古典にはいろんなやり方、演じ方があり、それを自分のものにしていくのがとてつもなく大変であり、おもしろいところです」と微笑んだ。

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最後に、若さ溢れる二人からコメントが送られた。「『白鳥の湖』というのはクラシックバレエの王道で、バレエを知らない方でもこの曲聴いたことがある、と思ってもらえるような作品。特にこのブルメイステル版は、本当にドラマチックで、第3幕など瞬きする間もないほど見ている人を引き込む力のある作品だと思うので、ぜひ劇場に見に来ていただけたらと思います!」(沖)。「客席からもいろんな『白鳥の湖』を見てきて、一番「面白い!」と思えたのがこのブルメイステル版でした。特に第3幕は素晴らしいので皆さんぜひ来て下さい!」(宮川)。息の合ったフレッシュなペアの踊りが楽しみだ。

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東京バレエ団によるブルメイステル版『白鳥の湖』は、6月29日(金)から7月1日(日)まで東京・東京文化会館にて上演される。オデット/オディール役とジークフリート王子役の配役の詳細は以下のとおり。

◆東京公演
6月29日(金)18:30 上野水香、柄本弾
6月30日(土)14:00 川島麻実子、秋元康臣
7月1日(日)14:00 沖香菜子、宮川新大

また、地方公演については以下のとおり。

【山口公演】7月4日(水) 山口市民会館 大ホール
オデット/オディール、ジークフリート王子:沖香菜子、宮川新大
【島根公演】7月6日(金) 島根県芸術文化センター「グラントワ」 大ホール
オデット/オディール、ジークフリート王子:上野水香、柄本弾
【鳥取公演】7月8日(日) 倉吉未来中心 大ホール
オデット/オディール、ジークフリート王子:川島麻実子、秋元康臣

(文、会見写真/月島由美、リハーサル写真/Mizuho Hasegawa、舞台写真/Kiyonori Hasegawa)

(文/エンタステージ編集部)

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