芥川賞受賞作『火花』観月ありさ、植田圭輔、石田明で舞台化!又吉直樹も本人役で出演


第153回芥川賞を受賞した、又吉直樹の初純文学作品「火花」が、2016年のドラマ化、2017年の映画化に続き、舞台化されることが発表された。合わせて、舞台版キャストには、観月ありさ、植田圭輔、NON STYLEの石田明に加え、又吉自身の出演も決定。

脚本・演出を手掛けるのは、劇作家としての出自を持ちながら「ダウンタウンのごっつええ感じ」「笑う犬の生活」「HITOSHI MATSUMOTO Presentsドキュメンタルシリーズ」など数多くの人気バラエティ番組制作に携わってきた、共同テレビプロデューサー・演出家の小松純也。演劇への出演経験の極めて少ない又吉だが、小松が書き上げた脚本の冒頭を読み、出演を決めたという。

【舞台版『火花』あらすじ】
ステージに立ち、語り始めた「火花」の原作者又吉直樹。そこに女優・観月ありさが現れ又吉を抱き締める。又吉を愛しているという観月は、その愛と引き換えに「火花」を私にくださいと言う。「作者」観月によって語られる火花の物語は、小説の世界をなぞりつつ、歪めつつ、又吉の原作世界の核心をあぶり出してゆく。
スパークス徳永(植田)は祭りの営業で出会った神谷(石田)に心酔し、弟子入りを志願する。行動を共にする中で、神谷が転がり込んでいる家で一人の女性・真樹に出会う。真樹は女優が演じている。自分こそが真樹であり、これは自分が見届けた一部始終なのだと女優はいう。
交流を深めるにつれ、徳永の神谷に対する憧れや嫉妬が渦巻いていく。好調だったスパークスも解散。やがて破綻を迎える。
同時に破綻する観月の物語世界。
観月は又吉に問う「なぜこの小説を書いたのか?」
物語にはまだ続きがあった。
小説の世界と「作者」の世界は交錯し、同時にクライマックスを迎える―。

上演発表にあたり、観月、植田、石田、又吉の4名よりコメントが届いている。

◆観月ありさ
――小説「火花」を読んでのご感想は?
又吉さんの実話なのかな?と思いました。あまり売れていない時代の話などはしたことがなかったので、いろいろな思いをしながらがんばってこられたんだなと。芸人を辞めてしまった方やがんばって続けている方、いろんな方の思いが又吉さんに火花を書かせたのかなぁと感慨深く読ませていただきました。

――親交のある又吉さんとのご共演ですが、普段の又吉さんはどんな方ですか?また、舞台では初共演となりますが、役者・又吉さんのどのような点に期待されますか?
普段もテレビで見ている様子と変わることなく、落ち着いた様子でひょうひょうとした方です。でも、やはり作家さんならではの独特な物の見方や主観はおもしろいなぁと思いながら話させてもらっています。義理人情に厚く優しい又吉さん自身の良さが役者さんとしても活かされると思います。

――今回は、初のご本人役となりますが、普段の演技と比べて違いはありますか?
女優さんの役は前からやりたいと思っていたので嬉しいです。でも、観月ありさ本人のようであって本人ではない。不思議なシチュエーションなので、おもしろく演じられるようにがんばりたいと思います。

――最後に、意気込みを一言お願いいたします。
ドラマや映画版とは違った、舞台ならではのおもしろさも伝えられるようにがんばりたいと思います。

◆植田圭輔
――ご出演が決まった時のご感想は?
最初に聞いた時は「嘘でしょ?」と思いました(笑)。小説から始まりドラマ、映画とそれぞれたくさんの方々が愛情を込めて作りあげてきたこの物語を、今度は自分が舞台で表現できるなんて本当に幸せで、そして責任重大だと感じてます。

――芸人さん役を演じられますが、役者の植田さんから見るお笑い芸人さんという職業は?
どんな職業でもそうですが、芸人さんは特に「プロの厳しさ」を感じます。力がない人は残れない、必要とされない世界。その中で戦っている人は「尊敬」でしかありません。

――先輩役となるNON STYLEの石田明さんの印象は?
スタジオで写真撮影の際に、初めてお会いしてご挨拶させていただきました。僕がずっと好きだった「NON STYLEの石田さん」であり、僕が演じる徳永が心から憧れる「神谷さん」なんだな、と素直に感じました。石田さんの「神谷」がどんな感じなんだろう、と楽しみで仕方ありません。

――最後に意気込みを一言お願いいたします。
“スパークスの徳永”として、「火花」の世界の中を必死に生きたいと思います。日頃から尊敬している「芸人さん」を演じること、これは本当に簡単なことではないと覚悟もしてます。実際にお客様が観ている目の前で漫才をするわけですし。でも、自分にしかできない「徳永」に、妥協せず、もがきながら精一杯ぶち当たって行きたいと思います。

◆石田明
――ご出演が決まったことへのご感想は?
同期の又吉に迷惑かけないようがんばります。

――神谷役を演じられますが、石田さんから見る「神谷」の印象は?共感できる点などあれば教えてください。
僕とは違う芸人像やからこそ、稽古を通じて共通点を見つけたいです。

――芸人さんが芸人役を演じることへのご感想は?
又吉が描きたかった奥深いところに手が届くようがんばります。

――後輩役の植田圭輔さんの印象は?
ビジュアル撮影の時、一瞬だけ会いました。目の保養を期待しています(普段、隣があいつなので)。

◆又吉直樹
――親交のある観月ありささんとのご共演について、感想や期待されていることは?
嬉しいというか、光栄ですね。でも、怖さもあります。すごい人ですからね。以前に番組で共演させてもらってから、とても仲良くしていただいています。出演するにあたって、楽しみとは言ってくれています。観月さんとはお酒の席で会うことが多いんですよ。なので、今回の話があって、久々に酔ってない観月さんに会いました(笑)。お互いにそうなんですけどね。

――作家・又吉直樹ご本人として出演されますが、ご感想は?
なるほどな、というか。自分が呼ばれた理由がわかりましたね。すごくおもしろい仕掛けだなと思いました。これを実現するならば、やっぱり僕が居たほうがいい。ややこしくなるやないですか、又吉役でまた別の役者さんが演じてると(笑)。自分が小説で書いたものを、別の形にしてくれる機会もなかなかないですし、その中で全然違うアプローチの仕方がまだ残っていて。そのアプローチを僕自身が観たい気持ちもあります。そのためには、自分が参加しないと、というところですね。

――小説「火花」とは違う、舞台『火花』の魅力は?
映画やドラマ、マンガなど、いろいろな形にしていただきましたけど、今回の舞台がもしかしたら一番斬新で、『火花』に新しい光を当ててくれるんじゃないか。これから一緒に作っていくんですけど、より『火花』の内面に踏み込めるかもしれないですね。だから原作を読んだ方も、より楽しんでいただけるのではないかと思います。

――最後に見どころをお願いいたします。
観月さんが出てくださるということももちろんですが、僕自身が作者役として出ることで、すでに場の空間が歪んでいると思うんですよ。原作にあるものを皆が完全に演じるというわけじゃなく、プラスして書いた側の感覚が混ざってくる。でも僕も芸人なので、登場人物とも重なったりする。あと、石田(明)くんは、漫才でチャンピオンになったことのある男なんです。『火花』の中にはチャンピオンが出てこないので、途中の人間を石田くんが演じることも個人的にはおもしろいなと思っていますね。石田くんにもチャンピオンになる前の人生があるので、そういうことを考えていくといろいろな楽しみ方ができるんじゃないかな。いろいろな見方ができる作品になると思います。

『火花』~Ghost of the Novelist~は、3月30日(金)から4月15日(日)まで東京・紀伊國屋ホールにて、5月9日(水)から5月12日(土)まで大阪・松下IMPホールにて上演される。チケットは、2月10日(土)10:00より一般発売開始。

【公式HP】http://hibana-stage.com/

チケットぴあ
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