「正直悩んだ」杉江大志が語る新作舞台への思い!年末SPイベント「メサイア―TALK MISSION’17―」レポート


2017年12月16日(土)に東京・日本消防会館 ニッショーホールにて年末スペシャルイベント「メサイア ―TALK MISSION’17―」が開催された。「メサイア」新刻シリーズを中心にファンとともに作品を振り返る本イベントには、9月に上演された舞台『メサイア―悠久乃刻―』で主演を務めた杉江大志をはじめ、長江崚行、山沖勇輝、橋本真一、山本一慶、宮城紘大らが登壇。

小谷嘉一がMCを務め、脚本家の毛利亘宏(少年社中)と演出家の西森英行(Innocent Sphere)もゲスト出演する中、ムック本制作やコミカライズ化決定、新作舞台の発表など、「メサイア」シリーズの新展開が明らかに。開催された3公演のうち、1公演目の模様をレポートする。

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全公演チケット完売で満員御礼の会場に、まずはMC役として小谷が登場。オネエのキャラクターのまま「皆さんのヒロイン、黒子です!」と自己紹介すると、笑いとともに割れんばかりの拍手が起きた。「あったか~い!」と小谷が感激するほど和やかな雰囲気の中、舞台衣裳を身に纏った杉江、長江、山沖、橋本、山本、宮城らが登壇。

一人ずつ挨拶をしたのち、本イベントで遂行されるのは“トークミッション”。一嶋係長より預かったというメッセージがスクリーンに投影される形で、トークのお題が課せられていく。まず第一の指令は「回想ミッション」。登壇キャストが厳選した過去作品のお気に入りシーンを放映しながら、当時の思い出を振り返るというもの。

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一つ目の映像は、6月に公開された映画『メサイア外伝―極夜 Polar night―』から。柚木小太郎役の山沖と、御池万夜役の長江は、“メサイア”として初めて挑んだシーンをセレクトした。山沖は「玉ちゃんさん(玉城裕規)がすごく優しくしてくださいました。そんな僕の一番の思い出は・・・デコピンですかね(笑)」と振り返る。一方の長江は、当初すごく緊張していたそうだが、山沖は「(橋本)真一さんと僕は早い時間から集合してたのに、(長江は)遅く来ていた」と暴露。これに対し、長江は「僕、高校生だったから。朝、学校に行った後にサクラとして闘ってたの!二足の草鞋を履いてたの!」と裏事情を打ち明け、笑いを誘った。

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二つ目の映像は、2月に上演された舞台『メサイア―暁乃刻―』からのワンシーン。オープニングをピックアップした加々美いつき役の杉江は「オープニングはどの作品もかっこいいんですけど。僕は、転がり出てくる(白崎護役の赤澤)燈くんに感動しました」と理由を語る。

このオープニングシーンについては橋本もセレクトしていたそうだが、何やら杉江とは違う理由があるそう。「メサイアはアクションがすごいと聞いていたので(舞台公演よりも前に撮影された)映画をやるにあたって準備してたんですよ。でも、映画ではアクションが一手しかなくて・・・。だからやっと闘える!という気持ちで嬉しかったんです」と、念願叶った場面であることを教えてくれた。

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3つ目の映像は、8月から9月にかけて上演された舞台『メサイア―悠久乃刻―』より抜粋したシーン。この時、小暮洵役の橋本と雛森千寿役の山本コンビによるアクシデント発生率の高さが発覚。橋本は「初めて小暮の感情が出るシーンがあって、自分としては毎回しっかりやろうと思って気持ちが入っていたんです。でもDVD収録の日だけ、動きがあった場面で眼鏡に触れてしまって・・・だから映像でも眼鏡がずれた状態になっていると思います(笑)」と思わぬハプニングを報告していた。

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他にも様々なエピソードがあったといい、その話を受けて長江は「第3世代という言葉を使うのであれば、僕ら4人はポンコツなんです(笑)」と苦笑い。真剣なシーンの裏側には、たくさんのハプニングがあったことが明かされた。

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また、杉江演じる加々美、井澤勇貴演じる有賀涼、村田充演じるハングドマンによる最後のシーンについての話題も。杉江は、その時の心境を問われると「言葉では言い表せない感覚があって、複雑です。演出の西森さんには、加々美は泣きすぎずに堪えてって言われていました。形容しがたい苦しみがある中で先に進まなければいけなくて・・・それらを一緒に背負って前に進むためのシーンだったんですけど、互いに決心がつくタイミングがなかなか揃わなかったです」と振り返った。

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メサイアとしての関係性の話から、MCの小谷からスーク役の宮城へ「ジェー(サリュート役の山田ジェームス武)とはどうなるんだろうね?」と話が振られると、宮城は「仲良くなりたいですね~」とひょうひょうと回答。役としては今後の展開を待つのみだが、プライベートでの関係性を問われると「寝てるときに水をかけられました(笑)。千秋楽の前にそんなことしてくる人いないですよ!」と仲良し(?)エピソードを披露。寝ているときに水をかけられるというイタズラを仕掛けられ、「俺やっちまった!?20歳過ぎて!?」と焦って起床したという宮城の話は、会場を笑いの渦に巻き込んだ。

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続いて、第2の指令は、脚本の毛利と演出の西森を迎えてのミッション。さっそく、杉江から二人へ「メサイアを作る時、何が一番楽しくて、何が一番辛いか?」との質問が投げかけられた。毛利は「楽しいのは、皆が苦しむ姿(笑)」とドSな一面を覗かせながらも、「苦しむ姿を見るのは辛くもあるけど、メサイアとして成長していく姿を見られるので嬉しい。役者の成長であり、キャラクターの成長であり、それらが混ざりに混ざって同じラインに立っていることが嬉しいです」と語った。

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また、西森も「楽しいのは、指示に役者さんが苦悶の表情を浮かべる時(笑)。でも“こうしたらあの子はもっと辛い目に合うな”というのを見つけていく作業が辛いです。その時は、僕も一緒になって苦しむので」と胸の内を明かす。無理に設定を作るのではなく、キャラクターが役者へ自然に寄り添うような形で作品が生まれていることについて、杉江は「そういうところが素敵です」と感銘を受けていた。

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最後の指令は、ファンからの質問に答えるコーナー。「チャーチ(スークの場合はボスフォート)に欲しいものは?」という質問には、「一人になれる場所」(長江)、「眼鏡クリーナー」(橋本)、「スパイパートナー」(宮城)など個性豊かな回答が並んだ。

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また「加々美はどこでヴァイオリンの練習をしていたのか?」との質問には、毛利が「教えを請わず、独学でがんばったイメージです」と答え、西森も「実はこれ、稽古場でも話題になったんです。毛利さんがおっしゃったように自力という前提で、こっそり奈落とかに行って見つからないようにやっていたんだろうと考えてます」と同意。これに対し、杉江は「もはや僕(のイメージ)は、チャーチの中ですらなかったです。ヴァイオリンも、部屋にも置きたくないから、どこかの路地とかに置いて(笑)。こっそり抜け出した先でやっていたんじゃないかな」と自身の考えを明かした。

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イベントの終盤では、3つの新情報を発表。一つ目はムック本制作、二つ目はコミカライズ化についての情報が明かされた。新刻シリーズを中心としたムック本「メサイアクロニクル(仮)」は2018年4月6日(金)に発売予定で、作中年表や用語集、出演キャストのインタビューも交えた内容になるとのこと。漫画版「MESSIA」、題して「MESSIA―CODE EDGE―」は、12月16日(土)よりpixivコミック内「ARIA」にて公開中。この日は作画担当のミナヅキアキラによる応援イラスト&メッセージも紹介され、キャストからも「かっこいい!」と感嘆の声が上がっていた。

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そして3つ目として、新作舞台『メサイア―月詠乃刻―』が来春に上演されることを発表。今まで触れられていなかった卒業後の姿を描くという「メサイア」シリーズ初の試みで、前作『―悠久乃刻―』で卒業した杉江が主演を務める。「正直悩みました。相方もいないし、僕はもう次に渡したつもりだったので任せてあげたいなという気持ちもありましたし・・・。でも、熱い思いや期待を感じて、考えれば考えるほど断る理由がないなと思いました」と真剣な表情で杉江が語ると、会場からは大きな温かい拍手が、長く贈られた。

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また、新キャストとなる石渡真修、三原大樹、青木玄徳からのビデオメッセージが放映されると、ファンからは黄色い歓声が上がった。ここで、過去に青木と映像の仕事をしている毛利が「青木くんはメサイアに出ることを熱望してて。僕から直接、本人にやろうよ!と声を掛けました」と裏話を披露。今回の出演が青木たっての希望であったことを知り、キャストたちも「嬉しいですね」と笑顔を見せていた。

ファンとキャストの絆が垣間見れた今回のイベント。新たな情報が発表され、悲鳴にも近い歓声が上がった時、熱い反応を目の当たりにしたキャストたちもまた嬉しそうに、顔をほころばせていく様子がとても印象的だった。これからも「メサイア」シリーズの新たな挑戦を見届けていきたい。

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舞台『メサイア-月詠乃刻-』は、2018年4月14日(土)から4月22日(日)まで東京・シアターGロッソにて、2018年4月27日(金)から4月29日(日)まで大阪・メルパルクホールにて上演される。

なお、チケットの一般発売に先駆け、オフィシャル最速先行受付(抽選)を実施中。
【オフィシャル最速先行受付(抽選)】~2018年1月8日(月・祝)23:59
【受付URL】カンフェティ:http://www.confetti-web.com/messiah_tsukuyomi(東京・大阪共通)

(取材・文・撮影/堀江有希)

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