中山優馬、山田純大、前野朋哉らも参加!市川海老蔵のABKAI 2017『石川五右衛門~外伝』は体感型エンターテインメント


2013年に立ち上げ、市川海老蔵が自ら企画・製作を行う自主公演「ABKAI(エビカイ)」。4回目を迎える今年は、昨年11月に福岡・博多座で上演された『石川五右衛門』を新たなストーリー、キャストを交えてスケールアップした『石川五右衛門~外伝』を、東京・Bunkamuraシアターコクーンにて上演している。

稀代の大泥棒・石川五右衛門は、海老蔵がこれまで数多く演じているキャラクター。昨年放送されたドラマ「石川五右衛門」(テレビ東京)でも、海老蔵は同役で主演を務めた。本作には、そのドラマで共演した山田純大、前野朋哉が参加するほか、五右衛門のライバル・柳生十兵衛役で中山優馬が歌舞伎に初挑戦。さらに、市川右團次、中村壱太郎ら歌舞伎俳優が脇を固め、日本舞踊、津軽三味線、太鼓、アクロバットなど、他ジャンルのプロフェショナルの技も取り込んだ、盛りだくさんな舞台となっている。

また、原作を手掛けているのは「金田一少年の事件簿」「神の雫」などの人気漫画の原作者でもある樹林伸。樹林による奇想天外な設定とめくるめく展開は、歌舞伎というダイナミックな表現形態との相性がぴったり。愛すべきダークヒーロー・五右衛門の魅力も全開で、二児の良き父親となった今もヤンチャな少年っぽさが魅力の一つである海老蔵自身が投影されたかのようだ。

ABKAI 2017『石川五右衛門~外伝』舞台写真_2

その五右衛門が発する「絶景かな、絶景かな」の名台詞が劇中何度か響き渡るが、最後はなんと巨大ねぶたに乗っての「絶景かな」となる。このねぶたは後半における大きな見ものだが、全編を通して、藤間勘十郎による演出・振付で劇場が一体となり、その美しさに興奮させられた。

まず“通路が花道”とばかりに、五右衛門vs十兵衛の一騎打ちも広くはない通路で行われ、客席にいて思わずのけぞってしまうほどの熱戦が、観客の目の前で繰り広げられる。出演者総出の、まさにお祭り騒ぎの幕切れまで油断のできない“体感型エンターテインメント”とでも言うべき、新しい歌舞伎の誕生だ。かつ歌舞伎本来の品や魅力を少しも損なわない作りで、若い観客の“歌舞伎入門”にもふさわしい作品と言えるだろう。

以下、出演者よりコメントが届いている。

◆市川海老蔵
今回はキャストが多彩なので、若い方や歌舞伎を初めて観るお客様が多いんじゃないかと。ですので、分かりやすくテンポ良く、お祭り感のある内容にしたいと思いました。歌舞伎以外の俳優さんたちも皆それぞれセンスが良く、その一生懸命な姿が、より良いものを作ろうという活力になっています。

◆中村壱太郎
いつもの歌舞伎とは違うので、僕もお芝居を受けたり、台詞を発することの一つ一つがすごく新鮮です。「歌舞伎とはこういうものなんだ」と思い込んでいるところが自分の中にあったんですけど「そうじゃない。伝えるとはこういうことなんだ」というのを改めて感じて、毎日刺激を受けています。

◆市川右團次
我々はどうしても職業化してしまっている部分がありますが、歌舞伎以外の方々は非常に純粋なものを持っていらっしゃる。ご一緒すると、何も分からなかった頃の純粋無垢な精神に戻してもらえるような感じがあります。良い化学反応を起こして“ミスマッチのマッチ”みたいな、新しい世界ができるといいですね。

◆中山優馬
すごく緊張して、ゲネプロだけでも心臓がバックバクしていました。皆さん、本当にカッコいいんです!稽古の段階から皆さんの気合や姿勢や表現方法がすごくカッコよくて、自分もそれに少しでも近づくべくやっていきたいと思いました。お客様に満足していただけるよう、本番ではやるしかないです。

◆前野朋哉
いつも僕を大いにイジってくださっている海老蔵さんに会見で「本番中、布を持つ手がカタカタ震えていた」と暴露されましたが(笑)。本格的な舞台は初めてですし、緊張しました。コンビ的な役の(山田)純大さんと相談しながら毎日違うパターンでアドリブもやっているので、ご注目ください。

◆山田純大
普段とは勝手が全然違うので「大変なところに足を踏み入れちまったな!」と。白塗りも初めて。自分ではないみたいで、鏡を見ても「おはようございまーす」みたいな感覚ですね(笑)。特に歌舞伎ならではのつらね(名乗りの場面)はなかなかやれないことなので、毎日バシッとカッコよくキメたいです。

市川海老蔵 第四回自主公演 ABKAI 2017『石川五右衛門~外伝』は、6月25日(日)まで東京・Bunkamura シアターコクーンにて上演。

ABKAI 2017『石川五右衛門~外伝』舞台写真_3

チケットぴあ
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