山崎樹範、梶原善、彩吹真央、松下洸平らによる新たな崩壊の予感!~崩壊シリーズ~『リメンバーミー』稽古場レポート


2016年4月に上演された~崩壊シリーズ~『九条丸家の殺人事件』で、観客を崩壊の渦に巻き込んだシリーズの第2弾~崩壊シリーズ~『リメンバーミー』が、2017年4月13日(木)から東京・俳優座劇場にて上演される。本番を間近に控えた4月初旬、都内の稽古場を取材した。

(以下、配役と物語の一部、舞台の構造などに触れています)

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作・演出は、前回に引き続き、バナナマンや東京03など数々の人気芸人の傑作コントはじめ、人気バラエティ番組『ゴッドタン』等で知られる構成作家のオークラが手掛ける。出演者には、山崎樹範、松下洸平、上地春奈、大水洋介(ラバーガール)、伊藤裕一、彩吹真央、梶原善が続投し、新たに味方良介が加わった。

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史上最低最悪の公演『九条丸家の殺人事件』から1年・・・劇団「荻窪遊々演劇社」座長の栗須(山崎)は、恋人である舞台監督の杏里(上地)と結婚を決意する。しかし、杏里の父親が猛反対。なんとか説得をするが、父親から結婚の条件として「俺を泣かせてみろ!」と突きつけられる。1年ぶりに再会したかつてのメンバーと共に、父親を泣かすための芝居『リメンバーミー』の幕が上がるが、それは新たなる崩壊の始まりだった・・・。

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まず、稽古場に入って目を引いたのが舞台セットだ。前作では洋館の一室を中心に、上手には2階の部屋、下手の客席側へせり出した部分には伊藤が座る音響卓が配置されていた。今回は、回り舞台が新たに下手に配置され、音響卓は上手の2階という構造となっている。前作では洋館の一室というワンシチュエーションでストーリーが展開されていたが、今回は回り舞台による場面転換が行われることで、ストーリーにも幅が持たせられるだろう。この新しいセットから、どのような“崩壊”が繰り出されるのか、稽古場に入っただけでワクワクしてしまう。

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この日の稽古は、台本の最初からシーンごとに区切りながらの返し稽古が行われた。開始直前、梶原の「1回でも噛んだら頭からやり直しだからね。俺が一番つらいけど(笑)」という言葉に周りから笑いが起き、和やかなムードが流れる中、稽古はスタート。

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冒頭、元無職の出水(梶原)と照明兼音響・鳥場(伊藤)の何やら怪しげな行動から始まり、続々と前作の懐かしいキャラクターたちが登場して、息の合ったやり取りをみせる。

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元キャバ嬢・里田(彩吹)のタカラジェンヌ風の動きや、元消防士・看場(松下)のオーバーな演技に、あの愛すべき素人劇団が帰ってきたんだなと実感させられる。

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さらに、プランどおりに芝居が進まず、自分の演技を崩壊させていく栗須(山崎)のぶっ飛んだ怪演に笑いが止まらない。その姿に、インタビューで山崎が「自分の中で考えついたことは、とりあえず稽古場で一度チャレンジしてみて、自分だけでジャッジしないように、全部さらけ出してみようと思っています」という言葉を思い出す。

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今回、唯一の新メンバーである味方が演じる大宮も、既存メンバーに負けず劣らず一癖ありそうな人物。稽古は序盤だったため、その全貌を見ることは出来なかったが、味方がどのような役割を担い、既存メンバーとどのような崩壊を巻き起こすのか楽しみだ。

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そんな出演者たちの演技を笑顔で楽しそうに見つめるオークラ。シーンの区切りで稽古が止まると、オークラは台詞のダメ出しや、演技の間とテンポなどの指示を飛ばすだけでなく、セットの崩壊についても色々な角度から検証を始める。「セットの裏側はどう見える?」「こういうの、おもしろいかな?」と役者だけでなくセットの崩壊を起こす裏方も交えて、セット前で様々なパターンを試すと、役者たちもその指示を受けてアドリブで即座に対応。その結果に、新たな笑いが巻き起こった。

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前回とはまた違った新しい笑いという“崩壊”を生み出すために、キャストとスタッフ全員が真剣に向かい合う様子が印象的で、この新たなる崩壊が爆笑を招くに違いないと思わせる稽古場だった。

~崩壊シリーズ~『リメンバーミー』は、4月13日(木)から4月30日(日)まで東京・俳優座劇場にて上演。その後、大阪、名古屋、福岡を巡演する。日程は以下のとおり。

【東京公演】4月13日(木)~4月30日(日) 俳優座劇場
【大阪公演】5月3日(水・祝)・5月4日(木・祝) 松下IMPホール
【名古屋公演】5月11日(木) 日本特殊陶業市民会館 ビレッジホール
【福岡公演】5月13日(土)・5月14日(日) 都久志会館
【公式HP】http://www.houkai-st.com

(取材・文・撮影/櫻井宏充)

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