エン*ゲキ#02『スター☆ピープルズ!!』開幕!池田純矢「稽古場で一番楽しんでいたのは僕だった」


エン*ゲキ#02『スター☆ピープルズ!!』が、1月5日(木)に東京・紀伊國屋ホールにて幕を開けた。エン*ゲキとは、俳優の池田純矢が企画・構成・脚本・演出を手掛ける演劇シリーズで、2015年7月に第1回公演となる朗読劇『君との距離は100億光年』を上演した。初日前には、公開ゲネプロが行われ、その後、池田純矢をはじめ、出演する鈴木勝吾、酒井敏也が囲み取材に応じた。

『スター☆ピープルズ!!』公開ゲネプロ_2

囲み取材で、池田は開口一番こそ「帰りたい…(笑)」と言っていたが、「一年半近く準備してきた作品なので無事に初日を迎えられることが嬉しいですし、絶対おもしろい作品になっているという自信があるので、お客様のもとに届くのが楽しみです」と自信をみなぎらせた。

『スター☆ピープルズ!!』公開ゲネプロ_3

本作で池田との共演が10作目となり、公私共に仲の良い鈴木は「笑いがたくさんある作品なので、演出家を信頼して思いっきり楽しみたいと思っています。僕たちの年齢で、こういう作品を作らせてもらえるということはすごく挑戦的。お客さんのどう目に映るのか楽しみです」と熱い意欲を覗かせた。

『スター☆ピープルズ!!』公開ゲネプロ_11

池田の演出振りを聞かれた酒井は「自分の子どもくらいの年齢なのに、池田くんは頼もしくて・・・、すごいなあって・・・。僕の20代の頃のことを考えていると“ありえない”です」と、本作のキャッチコピー“ありえない、なんて、ありえない”に被せて池田を絶賛。

また、池田から酒井の長台詞の場面があることが明かされると「(長台詞は)大変なんですよ。そのことを考えると3倍緊張するので、もうやめてください・・・」とたじたじとなり、報道陣の笑いを誘った。

『スター☆ピープルズ!!』公開ゲネプロ_4

舞台は、とある惑星から100億光年離れた地球へ向け、航海をする宇宙船。ダクトが繋がる無機質な船内の中には、惑星の言語で書かれたと思われる看板があちこちに貼られている。

『スター☆ピープルズ!!』公開ゲネプロ_8

『スター☆ピープルズ!!』公開ゲネプロ_6

乗組員である7人の男たちには、それぞれ“アビリティ”と呼ばれる特殊能力が備わっているのだが、どれも役に立たないものばかり。頼り甲斐のないリーダーのスター(鈴木)、スターの親友でミステリアスな雰囲気を漂わせるライト(赤澤燈)、荒くれ者で曲がったことが大嫌いのビーム(井澤勇貴)、楽しいことが大好きなわんぱく少年フラッシュ(吉田仁美)、食いしん坊でクルーのムードメーカー的存在であるホープ(オラキオ)、根暗で陰湿なオタク青年シャイン(池田)、乗組員を監視する立場の公務員グリッター(酒井)。それぞれ独特なポンコツさを持つ乗組員たちは、課せられたある任務の重大さに興奮していた。

『スター☆ピープルズ!!』公開ゲネプロ_5

そんな道中、難破した小型宇宙船に遭遇。船内には、地球からやってきたという美しい科学者ユキ(透水さらさ)の姿が。初めての地球人に興奮する一同であったが、ユキは彼らの根幹を揺るがす重大な秘密を握っていたのであった・・・。

本作の見どころは、個性豊かな登場人物たちのアップテンポな台詞の応酬だろう。鈴木が演じるスターを中心に繰り広げられる無為なやりとりが、滑稽さも含みつつチャーミングで、観客を笑いの渦に巻き込んでいく。

『スター☆ピープルズ!!』公開ゲネプロ_7

また、才色兼備の科学者ユキ役を演じる透水の出現によって、物語が意外なほどサスペンスフルな色を帯び始める。囲み取材で池田は「稽古場で一番楽しんでいたのは演出の僕だった」と語っていたが、ラストに向けすべての伏線が回収されていく様は、池田の脚本家・演出家としての手腕が光っていた。

『スター☆ピープルズ!!』公開ゲネプロ_9

「コメディーなので、本当適当な気持ちで来てください。適当が一番です(笑)。ラフに何も考えずに来てください!」と、笑顔で会見を締めた池田。独特なブラックユーモアに溢れた物語と、余すことなく引き出された役者の魅力は必見だ。

『スター☆ピープルズ!!』公開ゲネプロ_10

エン*ゲキ#02『スター☆ピープルズ!!』は、1月5日(木)から1月11日(日)まで、東京・紀伊國屋ホールにて上演。

(取材・文・撮影/大宮ガスト)

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