宇宙を舞台に「嘘」と「誤解」の応酬が笑いの渦を生む!WBB『スペーストラベロイド』ゲネプロレポート


2016年12月3日(土)に東京・赤坂RED/THEATERにてWBB第11回公演『スペーストラベロイド』が幕をあけた。WBBとはジャニーズ事務所所属の俳優・佐野瑞樹と、演劇ユニット*pnish*のリーダー・佐野大樹による兄弟ユニットで、通称Side-Wと呼ばれる奇数公演は兄・佐野瑞樹が企画を担当。今作は、ワンシチュエーションコメディでさらに“笑い”を追及した公演になっている。

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時は、宇宙旅行が現実しようとしている2050年。舞台を宇宙船のブリーフィングルームには、一般公募で当選した新婚夫婦の嘉月(川上将大)と日菜子(大久保聡美)、独占取材を勝ち取ったTVディレクター天達(畠山遼)とカメラマンの海野(篠田諒)、八木沼(尾関陸)ら乗組員たちとその上司・松金(細見大輔)。そして、スペースシップの目玉である超高性能人型アンドロイドロボ「メイサ」を乗せて宇宙旅行(=スペーストラベロイド)開業前のテストフライトが行われていた。

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このテストフライトには、見習い船長の昇格試験を始め、宇宙旅行のPR、ハイジャックへの防犯訓練、故障時への対応訓練などが組み込まれていた。しかし、その詰めすぎたミッションが波乱を呼ぶことになる。

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ぎこちない動きのアンドロイドロボ「メイサ」。エンジニアのポケットから出てくる謎の大きなネジ。時折大きく揺れる船体。「嘘」と「誤解」が雪だるま式に膨れ上がる宇宙船に乗って、彼らは無事に全行程を終え地球に帰ってくることができるのか・・・。

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公開ゲネプロ後に行われた合同取材では、佐野瑞樹が本作の見どころについて「俳優の熱量です。普段は“上質なコメディ”を掲げているのですが、今回はさらに『パワーで押しきるぞ』という気持ちで、全員フルスイング状態でホームランだけを狙っています(笑)」と語っていたが、まさに俳優たちのトップギアな演技に圧倒される。

佐野瑞樹はその理由を「宇宙に行くということは、何にせよ特別なことなので、普段の公演より一段階テンションを高め、『自分たちが疲れなくては失敗だ』を合言葉に、皆で汗をかいて演じています」と、笑って答えていたが、手練れの俳優陣のフルボリュームな掛け合いには、笑いを堪えきれなかった。

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また、テンションに乗じて「嘘」と「誤解」が幾重にも重なり、カオスな展開をみせるのも本作の醍醐味。佐野大樹も「勘違いと嘘の応酬なので、自分たちでさえ状況が分からなくなってしまうことがあります(笑)」と明かしていたが、本作のコピーに「WBB版 新喜劇」と銘打たれている所以は出演陣もパニックになるような“ドタバタ”にあるのだろう。

田村亮一座のパンチ浜崎(ザ・パンチ)や元3人組お笑いユニット「ジューシーズ」の児玉智洋(現サルゴリラ)など、笑いに特化した出演者の押しの強さは物語をさらにハチャメチャな方向へと引っ張り、宇宙というサスペンスフルな空間と相まって、もはや収集不可能というレベルにまで達する。

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他の見どころを挙げだしたらキリがないが、佐野瑞樹が照れ臭そうに明かした「やりがいというか、すべてをかけているといっても過言ではない」と語った、佐野瑞樹演じる玉地と佐野大樹演じる火野の二人きりのシーンは、ぜひ見逃さないでいただきたい。

先日、「宇宙旅行の本格事業化」というニュースが報道されていたが、一足先にWBBクルーと共に、絶体絶命の宇宙旅行に出てみてはいかがだろうか?底知れないユーモアの渦が、あなたを待っているだろう。

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WBB vol.11『スペーストラベロイド』は、12月3日(土)から12月11日(日)まで東京・赤坂RED/THEATERにて上演。

(取材・文・撮影/大宮ガスト)

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