浦井健治が事件の鍵を握る!?『MOZUスピンオフ 大杉探偵事務所』WOWOWオンエア決定インタビュー!「今回はアクションも頑張りました!」


2014年にWOWOW×TBS共同制作の連続ドラマとしてスタートし、まもなく劇場版も公開される大人気シリーズ『MOZU』。日本のエンターテインメント界に大きな波を起こした本作のスピンオフドラマ化が決定した。11月にオンエアされる『MOZUスピンオフ 大杉探偵事務所』では、警察に不信感を抱き辞職した大杉良太(香川照之)が探偵事務所を開くきっかけとなった事件や、その過程がスリリングに描かれていく。WOWOWプライムで2015年11月15日(日)に初回放送される「砕かれた過去編」で、正体不明の容疑者・佐藤恒吉を演じる浦井健治に話を聞いた。

複雑な背景を背負ったキャラクターを演じる

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――本作に出演が決まった時のお気持ちを教えて下さい。

『MOZU』シリーズは僕も大好きなドラマで、視聴者として拝見していたので、オファーをいただいた時は素直に嬉しかったです。羽住(英一郎)監督と初めてご一緒出来るということもそうですし、香川(照之)さんという尊敬する先輩と共演させていただけるのも大きな喜びでした・・・自分の中では飛び上がっちゃうくらいの勢いで。僕の出演シーンは、なかなかハードな場面も多く、今回はアクションも頑張りました。

――浦井さんが演じる「佐藤恒吉」は、ドラマ内で重要なパートをしめる役ですが、彼の特異なキャラクターが普段の生活に影響したことは?

それはなかったです。佐藤はかなり難しい人間で、人格的にも理解しにくい点が多かった分、逆に普段の生活に彼がリンクしてこないよう意識していました。佐藤を演じる時は自分のスイッチをオンにして、終わるとしっかりオフにするということを、普段よりきっちり自覚しながら役と向き合っていけたと思います。

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ドラマの中で佐藤がうっかり防犯カメラに映りこむというシチュエーションがあるのですが、監督からはその時も“普通ではない”感じを出してくれと言われ、彼が素の状態の時にどう行動しているのか、どんな表情なのか・・・細かい仕草や体の動きも意識して演じました。

――佐藤役へのアプローチにはいろいろな“手”が必要だと感じました。

佐藤は複雑な背景を持った人物ですので、何でもアリといえばアリなのですが、彼の心情や性格を表すにはどうしたらいいか・・・まずは自分の中でいろいろなことをイメージして、それを具現化したプランを毎回何パターンか現場に持って行きました。そこで羽住監督に提案させていただいて、実際の演技に繋げていくという形を取ったんです。ただ今回は事前に役を深く作り込み過ぎずに、現場で共演者の方とどう自然に対峙し、リアクションしていくのかということにより重きをおいて撮影に参加させていただきました。

――シーン的には大杉役の香川照之さんと、三島役の桐谷健太さんとの場面が多かったのではないかと。

本当にそのお二人との場面が多くて、僕にとっては夢のような現場でした。撮影が長時間に及んで、スタッフさんたちが段々寡黙になってきたり、雨の画が欲しいのに晴れたりすると、香川さんは「あー 楽しいな!俺は今楽しい!!」「晴れてるけど、今の俺にとってはこれがいい!」みたいに、全てをプラスの空気に変える発言で意識的に場を盛り上げて下さるんです。その背中の大きさを現場で思いっきり感じさせていただき、自分もそういう風にいられる俳優になりたいと改めて思いました。

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桐谷さんとは年齢が近いこともあり、打ち合わせの段階からかなり親しくお話しさせていただけていたので、アクションシーンでも思い切りやれたことは大きいですね。

――『新解釈・日本史』や『アオイホノオ』、『ニーチェ先生』そして今回の『大杉探偵事務所』と、映像のお仕事も目白押しです。

ありがたいです。舞台と映像・・・現場が変わっても僕の中では意識的に何かが変わるという事はないんです。ただ、映像作品に関わらせていただくようになって、世界が広がったという感覚はあります。舞台の現場で馴染み深い方と撮影現場で会ったり、映像でご一緒した方と舞台の稽古場で会ったりするのも嬉しいものです。

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――『大杉探偵事務所』で初めて組まれた羽住監督の印象はいかがでしたか?

羽住監督は、とにかく現場の空気を明るくして下さる方で、それがキャスト、スタッフ全体に広がっていくのを現場で体感しました。作品の内容がハードな分、監督の優しさや温かさが、より深く現場全体に届いていたと思います。

ただ、作品作りに関しては妥協をなさらず、ご自身が納得できないシーンに関しては「ごめんね、もう1回!」と強いこだわりを持って撮り直していらっしゃいました。羽住監督がお持ちの“芯の太さ”が、武骨な男たちを描いた『MOZU』シリーズに深みと温かさを与えているのだと、撮影に参加させていただいてより実感できた気がします。

『デスノート The Musical』 劇場とは違った感覚で映像を楽しんで欲しい

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――10月17日(土)には、浦井さん版『デスノート The Musical』がWOWOWライブでオンエアされます。改めて見どころやお気に入りのシーンなど教えていただければ。

舞台作品を映像で観ると、劇場で観るのとはまた違った感覚もあると思います。例えばアップでキャストの顔が映されて、より細かい表情が見られたり、音声がクリアな分、台詞のニュアンスがよりしっかり伝わったり・・・といった感じで。劇場でご覧いただいたお客様には、いろいろな場面を再確認しながら観ていただけると思いますし、初見の方には「次は劇場に行ってみよう」と新たな楽しみを感じていただけるのではないかと。

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僕が月(ライト)のシーンで好きなのは、ラスト近くのリューク(吉田鋼太郎)との場面。あそこでリュークがちょっとシェイクスピアモードになるのが面白いです。後は父親(=夜神総一郎)役の鹿賀丈史さんと月が、互いに愛情を持ちながら相容れない感情をどう扱っていいのか分からず、その思いを胸に鹿賀さんがソロナンバーを歌われるシーン・・・ここにも注目していただければ。正にミュージカルならではの表現だと思います。

――月役でWキャストだった柿澤勇人さんとは『タイトル・オブ・ショウ』(2014)でもご共演なさっています。今でも交流が続いているそうですね。

『デスノート The Musical』の時も二人で稽古場に残って、どちらかがLの台詞を喋って遅くまで自主稽古をしたり・・・カッキー(柿澤)はそんなことが出来る“戦友”の一人です。同じ作品に関わっていなくても、LINEでくだらないことを送り合ったり、何かあれば連絡を取り合ったりもします。お互い、どこかで支え合っているという感覚が強いかもしれません。

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『デスノート The Musical』の稽古では、演出の栗山(民也)さんのディレクションのもと、まずは僕からシーンを作っていきました。あとでそれを見ていたカッキーにアドバイスを貰ったり、僕の方からも彼にいろいろ伝えたり。日本初演というプレッシャーもある中、まさに“戦友”として一緒に作品作りに参加していました。

僕自身もまだ映像になったものは観ていないので、どんな風にデスノートの世界がカメラで切り取られているのか、オンエアがとても楽しみです。

――では最後に『大杉探偵事務所』を楽しみにしている方に向けて浦井さんからメッセージをお願いします。

今回放送される『大杉探偵事務所』は、もちろん『MOZU』のスピンオフ作品ではあるのですが、新しいキャストも多く参加していますし、『MOZU』をご覧になっていない方でも充分楽しんでいただけるドラマになっていると思います。そして僕が演じる佐藤は、香川照之さん演じる大杉が、なぜ警察を辞めて探偵事務所を開いたのか・・・そのカギを握る人物でもあります。ドラマをご覧になると、画面にある秘密が隠されていたりしますので、そんな所もチェックしながら、極上のエンターテインメントとして楽しんでいただければ幸いです。

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2015年も『ボンベイドリームス』『デスノート the musical』『トロイラスとクレシダ』と、全くテイストの違う舞台三作品の芯に立ち、その演技の幅を改めて見せた浦井健治。そんな彼がドラマ『MOZUスピンオフ 大杉探偵事務所』で挑戦するのは“事件の重要なカギを握る人物”佐藤役だ。

舞台とはまた違うドラマの制作現場で、尊敬すると語る香川照之や、世代も近い桐谷健太とどんな芝居の化学反応を起こしているのか・・・これまでの「浦井健治」とは全く違う一面を魅せてくれるのは間違いなさそうだ。

WOWOW×TBS共同制作ドラマ
『MOZUスピンオフ 大杉探偵事務所~砕かれた過去編』
 
WOWOWプライム 11月15日(日)夜10:00~

『デスノート The Musical』
浦井健治×小池徹平篇 
WOWOW ライブ 10月17日(土)夜8:00~
柿澤勇人×小池徹平篇 
WOWOW ライブ 11月7日(土)夜8:30~

撮影:高橋将志

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