戦後70年の今年、こまつ座『父と暮せば』通算500回目上演!


現在、東京・紀伊國屋サザンシアターにて上演中の、こまつ座第110回公演・紀伊國屋書店提携『父と暮せば』が、2015年7月8日(水)13:30開演の回をもって、通算500回目の上演を迎えることとなった。『父と暮せば』は、残された膨大な広島の被爆者の手記を編み込んだ井上ひさしの代表的な戯曲。1994年の初演以来幾度もの上演を重ねる中で、読売演劇大賞の優秀作品賞や優秀演出家賞(鵜山仁)、朝日舞台芸術賞寺山修司賞・紀伊國屋演劇賞個人賞(栗田桃子)など数々の賞に輝いてきた。

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本作は、希望への祈りを込めて、幸せとは何か、平和な日常を取り戻すとは何かを問う、こまつ座のライフワークとも言える作品。井上は、あたりまえの日常(平和)を守るという一貫した想いで、生前戯曲や小説を書き続けてきた。その思いを引き継いでいるこまつ座は、戦後70年を迎える今年を「井上ひさし 戦後70年」と銘打ち、大切な人をなくしたすべての人に向けて、井上ひさしの作品を通して戦後70年を考える一年にするべく上演を重ねてきた。

こまつ座『父と暮せば』

以下、500回目の上演を迎えるにあたり、演出の鵜山仁、出演の辻萬長と栗田桃子からコメントがよせられた。
 
■鵜山仁(演出)
この約20年の積み重ねは、作者の井上ひさしさん、歴代の出演者、観客席の皆さん、そして広島の記憶を未来に伝えたいという志が力を合わせた結果です。どんなに世の中がかわっても、人間の喜び悲しみ、賢さ愚かさはかわらないのかもしれない。だからこそ、忘れないことが大切なのでしょう。500回の列に加われたことに感謝したいと思います。

■辻萬長 
色々な人たちと演じ繋いできているということは、「いい作品とめぐり逢ってよかったなあ」という熱い思いがします。テーマが重いだけに、いつもそうですが、幕が降りたとき「やったぁ!」という気持ちにならないんです。「これでよかったんだよな」という感じですかね。この500回を一つの節目として、今年はあと58回演じます。

■栗田桃子
20年の間にどれだけたくさんの方達が、この作品に関わってチカラを下さったのか…その記念すべき500回目の舞台に立てること、ただただ感謝の気持ちでいっぱいです。私にとっても大切なこの作品をこれからも1人でも多くの方に観ていただきたいと思います。

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こまつ座『父と暮せば』

こまつ座第110回公演・紀伊國屋書店提携『父と暮せば』は、2015年7月6日(月)~20日(月・祝)、東京・紀伊國屋サザンシアターにて上演。

Photo:谷古宇正彦

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