『熱帯男子』輝馬インタビュー!「個人的にも新しい気持ち」


2018年2月22日(木)に開幕する『熱帯男子』。本作では、ひょんなことからイケメンだけが暮らす池綿島(いけめんじま)を訪れたヒロインと男たちが究極の“愛”の物語を繰り広げる。今回、輝馬が演じるのは、朴訥としていて、優柔不断な等身大の島の男。

輝馬の本作での役作りや作品にまつわること、さらに、2018年次々と出演作が発表されている心境について聞いた。

『熱帯男子』輝馬インタビュー

――今回の『熱帯男子』は、2013年の初演の再演なんですね。

そうですね。『熱帯男子2』を含めると、これで3回目の上演になります。僕は1回だけ観させていただいたことがあるんですが、今回の『熱帯男子』は、歌も倍ぐらいに増えていますし、ただの再演ではなく、新しくなっているというイメージです。

――舞台が「池綿島(いけめんじま)」という、かなり特異な設定ですよね。

いやいやいや!自分で言うのは恥ずかしいので、そこには触れないでください・・・(笑)。

――(笑)。台本をご覧になった印象は?

日常の中で悩みや不安を抱えているヒロインの女の子が、自分とまったく違った環境で生きる男子たちと出会うことで、自分の本心に正直に生きたいと変わっていくんですが、現実に生きる上でも確かにこう生きられたらいいなという一つの理想が描かれているなと思いました。

――確かに、極限状態の設定に意識がいきがちですが、根底にあるのは、究極の選択ですよね。

愛なのか、お金なのか。その葛藤を、ヒロインの菜々美を通して考えていただけるんじゃないかと思います。それを表現している歌もあるんですよ。

――先ほどの話にもありましたが、歌が増えているということは、輝馬さんの歌声もたくさん聞くことができるんでしょうか?

ソロというよりは、皆で一緒に歌うという感じです。曲のジャンルが、すごく幅広いんですよ。コミカルなものもあれば、ザ・ミュージカル!みたいなものもありますし、バラード、ポップ、ヒップホップ、演歌っぽいものも・・・良い意味で、ごちゃ混ぜ感があります(笑)。

――初演を拝見した時に、テーマパークのショーのような楽しさがあるなと感じました。

そうそう、ショーとして楽しんでもらえる要素も強いと思います。ダンスもがっつりあります。リズムに乗ったものから、コミカルなものまで、ただ今絶賛振りをつけてもらっている最中です。

『熱帯男子』輝馬インタビュー_2

――演じられるのは、島の役場職員である孝吉という役ですよね。輝馬さんは、個性の強い役のイメージが強い気がするので、この設定はなんだか新鮮です。

僕もそう思います(笑)。孝吉は、内気というか、不器用で物事をはっきり言えないような、優柔不断な男なんです。こういう役をやったことがまったくないわけではないんですが、わりと堅物だったり、悪かったりする役をいただくことが最近は多かったので、個人的にも新しい気持ちです。

――素のご自身と近い部分はありますか?

いや~、どうですかね・・・ある部分もあると思うんですが、僕自身は、わりと筋道を立てて、言いたいこともちゃっかり言っちゃうタイプなんです。だから、孝吉に対しては「おい、もっとしっかりしろよ~」と思ったりはしちゃいます(笑)。

――孝吉は、妹想いの兄という顔も持っていますが、輝馬さん、ご兄弟は?

4つ上の姉と1つ下の弟がいます。三姉弟の真ん中です。なので、妹とどう接すればいいのか、関係性をどう作っていこうか試行錯誤です。とりあえず、仲良くしようと・・・。妹役の子たちは、12、13歳ぐらいなんですよ。その子たちから見た28歳の男性って、お兄ちゃんとしては少し離れているし、お父さんというわけでもない。親戚のおじちゃんみたいな距離感なのかなあ。僕も、甥っ子に小学校4年生の子がいるので、その感覚に近いのかなと思っています。大人と仕事をするのは結構怖いんじゃないかなと思うので、仲良くなって、ちゃんと兄と妹の関係性を作っていきたいなと思いますね。

――共演者の方は、割りと初対面の方が多いですか?

反橋(宗一郎)さんと小谷(嘉一)さん以外は、初めましてなんですよ。僕らが演じる島の男たちは個性がバラバラということもあって、全体の中で絡んだり、個々に絡んだり、一つ一つの接し方を考えるのが新鮮で楽しいです。稽古を通じて考えを改めたり深めたりしているんですが、本番で、さらにいろんなものを、お互いに引き出せるようになれたらいいですね。

――共演者の方の中で特に注目されている方は?

やっぱり、真心さんですね~・・・(しみじみ)。真心さんが演じられるのは、島の住人ではない男性なんですが、まあ~おもしろいです(笑)。すごくお芝居が大好きな方だし、安定感と安心感がある。さらに、イレギュラーな驚きもある。尊敬する先輩です。

――今回のヒロインは、元℃-uteの矢島舞美さんですが、どんな方ですか?

すごいしっかりとしている女優さんだなあと。一緒にお芝居をする上で、すごく頼れる存在ですね。気弱なところが多い役なんですが、「頼ります」というよりは「引っ張っていこう」という気合いが見えて、良い塩梅で一緒に成長できそうです。

『熱帯男子』輝馬インタビュー_3

――日替わりゲストの方もいらっしゃいますが、すごくおもしろい登場の仕方をされるんですよね。

そうです!初めてお会いする方がほとんどなんですが、シャ乱Qのはたけさんとかいらっしゃるんですよ・・・。この前、通し稽古を見に稽古場に来てくださったんですが、ものすごくエネルギーが出ているんです。高い経験値と音楽への愛といった熱いものを持っているのが伝わってきて、ついていけば間違いない!と思える方でした。はたけさんをはじめ、ゲストの皆さんがどんな風に物語に絡んでくるのか、楽しみにしていてください(笑)。

――ちなみに、輝馬さんご自身としては、作品テーマとなっている「愛」と「お金」については、どんな考えをお持ちですか?

僕は・・・ほどほどに、ちゃんと生活をしていければ・・・(笑)。もちろん、どちらも大切だと思いますよ。愛は二の次でお金!というよりは、必要最低限でも好きな人と一緒になれた方が幸せになれると思うんですけど、10億!とか提示されたら、ウッ!ってなるのも分かる(笑)。最高じゃないですか、10億とか出されたら・・・。

――確かに(笑)。

でも、この物語では、僕は“愛”を提示する役なので、女の子にとって、お金以上の価値のある役にしなければと思っています。それこそ石油王みたいな男性も登場するので、田舎の役場職員が肩を並べる説得力や魅力を持たないと。

――輝馬さんが、もし、ヒロインの立場だったら、誰を選びますか?

えぇ~誰だろう・・・(笑)!?判断基準は、役としてですか?ご本人としてですか?

――どちらも教えていただけたら(笑)。

ちょっと待ってくださいね・・・誰かな~・・・(真剣にチラシを眺める輝馬さん)。・・・役としては、フクスケという、郵便局員の役が好きですね。演じる辿沓さんがすごく若くてエネルギッシュな方ということもあって、一緒にいたらきっと楽しいだろうなって思います。ご本人だと・・・反橋さんかな。

――その心は?

ミュージカル「さよならソルシエ」の再演でご一緒させていただいているんですけど、歌もダンスもお芝居もすごく上手い方で、表現者として尊敬しています。一緒にいても安心感がありますね。本当に万能で、なんでも拾ってくださるんですよ。役者としても好きですし、男性としても一押しです(笑)!

――ご自身が演じる孝吉は選ばれなかったんですね(笑)。

あはは、この物語のヒロインである菜々美には選んでもらえるようにがんばります(笑)!

――輝馬さんは、最近では年またぎで『文豪ストレイドッグス』に出演されていて、2018年もこの『熱帯男子』に続く出演作品が次々と発表されていますね。

はい、ありがたいことに、昨年の12月から始まった『文豪ストレイドッグス』が年明けに大阪、東京公演とあって、次がこの『熱帯男子』、それから先日発表があった新生ミュージカル『薄桜鬼』とLive Musical『SHOW BY ROCK!!』をやらせていただきます。いや~・・・ごちゃごちゃですね(笑)。

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――2018年は、どんな年にしたいと思っていますか?

これまでチャレンジしたことのないことができたり、新しい作品に携わることもできるので、一つ一つが楽しみで仕方がないです。ミュージカル『薄桜鬼』で、明治座に初めて立てるんですよ。しっかりやらないとって思っています。ミュージカル『薄桜鬼』と言えば、すごく嬉しいことがあって・・・。

――それは、どういったことでしょう?

中河内(雅貴)くんとの共演です。中河内くんにはミュージカル『黒執事』でとてもお世話になったんです。もうだいぶ前になるんですけど・・・。

――2013年に上演された、ミュージカル『黒執事』The Most Beautiful DEATH in The World 千の魂と堕ちた死神で共演されていますね。

皆さん、尊敬する先輩がいると思うんですけど、中河内くんは僕にとってのそういう存在なんです。厳しいこともたくさん言われたけど、毎日のように、稽古の後に飲みに連れていってもらいながら、大切なことを教えてもらいました。今回も、ちゃんと事前にメールで「よろしくお願いします」って送りたい(笑)。当時、僕は22歳ぐらいでまだ芝居経験も浅かったので、格好良くて万能な中河内くんを見ながら、「僕もこんな風になりたいな」とずっと思っていたんです。その時の中河内くんは、ちょうど今の僕ぐらいの年齢だったんですよね。
久しぶりにご一緒するので、どれだけ成長したと思ってもらえるか、ちょっと緊張です。でも、本当に楽しみ。対談とかしたいです(笑)。

――それ、実現できたらいいですね。今お話にあったように、先輩の背中を追いかけてきた輝馬さんの年代の役者さんも、徐々に先輩の立場になることが増えてきたのではないでしょうか。

そうなんです。結構、中堅どころになることが増えて。作品によっては、年長組でもありますね。

――そういった立場の変化は、どう捉えられていますか?

役者だけじゃなく、同年代の皆さんも取り巻く環境が変化していくと思うんですが、先輩は常にいてくださるので甘えるところは甘えて、後輩に対しては自分が教えてもらってきたことを伝えるというか、流していきたいなと思います。最近、そういうのはとても意識しますね。

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――人から人へ、伝承でしか伝えられないことってありますよね。

最近、少し20代前半の子たちとご飯に行く機会が作りづらいと感じることもあったんですよ。4、5歳離れていると、下の子たちからは気軽に誘いづらいみたいで。僕もそうだったし。だから、その薄い壁をどうしたらいいか先輩に相談したりもしました。そうしたら「俺もあったよ、そんなもんだよ」って言われて。30歳ぐらいになると、先輩との付き合い方も、後輩とのいろんなことも分かるようになってくると教えてもらって、肩の力が抜けました(ちなみに、それを教えてくれたのは和泉宗兵さんだそうです)。
でも僕、いいなって思う子には結構厳しく接してしまうんです。最近「コイツいいな」って思っているのが、Live Musical『SHOW BY ROCK!!』で一緒になった糸川耀士郎くんです。今思うと、中河内くんと同じような状態なのかも・・・。

――『SHOW BY ROCK!!』のキャストの皆さんは、本当に仲がいいなと。

『SHOW BY ROCK!!』はまたちょっと特殊で。僕らは「若い子チーム」と「おっさんチーム」ってよく言ってるんですが(笑)。普通、若い子たちがキャッキャしていて、おっさんたちが「ちょっと黙ってもらえる?」みたいになるじゃないですか。でも、『SHOW BY ROCK!!』は逆で、おっさんたちがうるさいんです。おっさんたちがちょっかい出して、若い子たちに「うるさいです、黙ってください」って怒られるっていう(笑)。いい関係が築けているので、うまく回っている座組みだなと思います。
Live Musical『SHOW BY ROCK!!』は、次Zeppですからね!発表された時、仲良くしていただいている音楽関係の方から「Zeppでバンドやるの?!」って聞かれて、説明しづらいなって思いました(笑)。

――2018年も、輝馬さんのご活躍を楽しみにしております。

ありがとうございます。まずは『熱帯男子』でいっぱい踊って、いっぱい歌って、寒い季節ですが、観に来てくださる皆さんの心も身体も熱くさせたいと思います。ぜひ、楽しみにいらしてください!

『熱帯男子』輝馬インタビュー_6

◆公演情報
舞台『熱帯男子』
2月22日(木)~3月3日(土) 東京・全労済ホール/スペース・ゼロ
【脚本・演出】太田善也
【サウンドプロデュース】はたけ(シャ乱Q)
【出演】
矢島舞美/輝馬、冨森ジャスティン、反橋宗一郎、小谷嘉一、熊谷魁人、豊嶋杏輔、山口葵、松田周、千葉冴太、辿沓優良、真心、上松コナン、窪田七海(ハロプロ研修生)、金光留々(ハロプロ研修生)

【日替わりゲスト】
2月22日(木) 井上正大
2月23日(金) 加賀楓(モーニング娘。’18)
2月24日(土) 八神蓮
2月25日(日) 宮原将護
2月27日(火) 清水佐紀(友情出演)
2月28日(水) 山岸理子(つばきファクトリー)
3月1日(木) 根本正勝
3月2日(金) 中村誠治郎
3月3日(土) はたけ(シャ乱Q)

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2018年2月19日(月)~2018年2月28日(水)まで
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皆様のご参加をお待ちしております!

(撮影/エンタステージ編集部)

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