ライブ・スペクタクル「NARUTO-ナルト-」~暁の調べ~ リレーインタビュー第3弾! うちはサスケ役・佐藤流司「カンパニーとして“上がったな”という実感がある」


東京・シンガポール・大阪・上海公演を経て、残すは東京凱旋公演。『ライブ・スペクタクル「NARUTO-ナルト-」~暁の調べ~』は進化と深化を続けている。本作で兄弟役を演じるうちはイタチと対極を成し、作品の中で大きな存在感を放つ、うちはサスケ役の佐藤流司。うずまきナルト役の松岡広大と共に、初演から本作を作り上げてきた佐藤に、作品や役作りに対する考え方や、リレー企画「良知真次からの3つの質問」に答えてもらった。

ライブ・スペクタクル「NARUTO-ナルト-」~暁の調べ~ リレーインタビュー第3弾! うちはサスケ役・佐藤流司

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――初演・再演・ワールドツアーを経て、「NARUTO-ナルト-」待望の新作公演ですが、ここまでを振り返って、佐藤さんご自身はこの作品についてどのような印象を持たれていますか?

初演は、完全なる挑戦でした。キャストも、スタッフも、カンパニー全員でライブ・スペクタクル「NARUTO-ナルト-」という大きな作品に向かっていきましたね。新しい一歩を踏み出した舞台だったと思うし、皆が本気で、必死になって一つの作品を作り上げたという印象です。舞台としても、新しいタイプのものになったと思っています。役者として、あそこまでのアクションをしながら演じるのも初めてでしたし、新しいことばかりだったのでなかなか大変でした(笑)。だからこそ、達成感のある初演になりましたね。
再演では、それまでやってきたものを一つの土台として、さらにパワーアップした形でやらせてもらいました。新しいキャストも迎えて、皆で話し合いながらライブ・スペクタクル「NARUTO-ナルト-」をより良いものにするために作っていく事が出来たと思います。初演も再演も、自分にとってどちらも欠かせない大事なものになりましたし、どちらも日本の舞台の歴史に名を刻めるような素晴らしい作品だったと思っています。

――少し前の話になりますが、佐藤さんご自身としては初演から再演までの間で変わったことはありますか?

いろんなお仕事を経験して、芝居に対する考え方が変わった時期でもありましたね。

――どう変わったと感じたんでしょうか?

いわゆる“キャラクターありき”で作っていたものを、“芝居ありき”に変えました。重点の置き方を少し変えただけですが、自分にとっては大きな違いです。初演の時には、何不自由なくやれていたことが、再演では急に違和感を感じるようになったり。再演の方がクオリティの高いものになっているはずだし、自分にとっても、初演と再演で作り上げたサスケはそれぞれ別物になっていると思っています。「暁の調べ」では、さらに時間軸が進んでいるので、成長したサスケの姿をお見せできていればいいですね。

――ご自身の中で、キャラクターとしてだけではなく、より人間になっていった感じでしょうか。

そうですね。初演の時は、悪い言い方かもしれないのですが“コマ割り”のアプローチだったと感じています。ページとしてではなく、漫画の一コマ一コマが独立している感覚と言ったら伝わるでしょうか。点と点が線でつながっていないような芝居だったなと思ったので、再演ではそれを無くすようにすることを考えていました。俺だけでなく、皆いろんな現場を経験していく中で必ず変わっていくだろうし。考えが変わることでスケールもアップしたと思いますね。今回もカンパニーとしてまた一つ「上がったな」という実感もありました。

――再演、そして新作をやる上で、演じる側も観る側としても、それが醍醐味の一つでもありますよね。

それができないと再演や今作をやる意味がないと思うので。スキルアップしないと同じことを繰り返しているだけですし、再演では初演をよりパワーアップする、今作では作品をよりパワーアップする。ライブ・スペクタクル「NARUTO-ナルト-」に関しては、それが成功していると思います。

ライブ・スペクタクル「NARUTO-ナルト-」~暁の調べ~ リレーインタビュー第3弾! うちはサスケ役・佐藤流司_2

――以前にお話を聞いたナルト役の松岡広大さんが、佐藤さんがイタチの登場を心待ちにしていたと言っていました。

ははは!(笑)。初演と再演では、頭の中のトラウマとしてシルエットで少し出てきただけでしたからね。今回、戦うことが楽しみでしたね。イタチの存在は、サスケが生きる上での目標であり目的なので、前作よりも圧倒的に感情を解放することが多くなっています。始まる前は、この重圧に耐えられるのかな、という怖さがありました。初演の時は、サスケにつられたというか、呑まれて、佐藤流司自身も暗くダークシリアスな感じになっていたので(笑)。

――佐藤さんご自身が、今回の公演を経てまたどう変わられていくのか楽しみです。変化と言えば、本作では新しく“歌”の演出が入りましたね。

歌というのは、お客さんにより大きな感動を伝えられる手段だと思っています。その一方で、役者、俺にとっては枷になりうるものでもある。歌のパフォーマンスは、喉のコンディションがダイレクトにお客さんに伝わってしまうので、かなり気をつけてアプローチしていかないとな、と。枯れた、なんてダサいですから。心配事が一つ増えるので、大変と言えば大変ですね。でも、歌うことは好きですし、ミュージカルはこれまでもやらせていただいているので、今回も自信を持ってお届けしようと思っています。

――サスケが歌うことで、深みや重さが出るかもしれませんね。

歌が、お客さんにとって切り替えの対象になってほしくないので、歌、芝居と切り替えるのではなく、気持ちが置いていかれることのないような歌であり芝居でありたいと思いますね。

――今回、イタチ役良知真次さんとは初共演になりますが、どのような印象でしたか?

ほんとに良いお兄さんなんですよ。懐に入りやすいですし、拒まずに接してくれるので。ほんと、良い人です。だから、甘えさせてもらっています(笑)。経験も豊富でいらっしゃいますし、歌も素晴らしいので、色々勉強させてもらっています。

ライブ・スペクタクル「NARUTO-ナルト-」~暁の調べ~ リレーインタビュー第3弾! うちはサスケ役・佐藤流司_3

――今回のインタビューですが、リレー企画を設けておりまして、以前取材させていただいた良知さんから、佐藤さんと松岡さんに聞きたい質問を3つお預かりしてきました。

なんだろう。

――まず一つ目は「一般的な作品と“ライブ・スペクタクル”である「NARUTO-ナルト-」の違いは?」というご質問でした。

なるほど・・・この“ライブ・スペクタクル”という題名がすべてを表していると思いますね。今回も、ミュージカルではなく、“ライブ・スペクタクル”ですから。それから、役者が生身でできることは、全部やっていると言っても過言ではないんじゃないかなと。お芝居、歌、アクション、アクロバットもあって、前作では「エアリアル」というシルク・ドゥ・ソレイユで観るような空中演技にも挑戦しました。自分の身体でできる限界に挑戦するので、生半可な気持ちではできないものだと思います。キャストは皆、“忍”を目指してますからね。本気でやろうと思っていますから。

――稽古もかなり過酷そうな・・・。

はい(笑)。まず、筋トレの時間があるんですけど、それでヘトヘトになってから、芝居の稽古が始まります。アクションだけの稽古もありますし。エアリアルがあった時は、午前中、稽古場とは別のスタジオで稽古をしてから、皆と合流してお芝居の稽古をする、みたいな。丸一日「NARUTO-ナルト-」のことばかり考えていましたね。だから“ライブ・スペクタクル”である「NARUTO-ナルト-」は、“舞台の限界への挑戦”ですかね。

――すごく説得力のあるお答えをありがとうございます。続いては「2.5次元作品の役づくりについて、僕は原作のない舞台より難しいと感じていますが、二人はどうやって役づくりをしていますか?」ということですが・・・。

そうですね・・・俺は形から入るタイプなので、今回のサスケで言えばちょっと大人になって、そして身体がバキバキなので、糖質制限をしてジムにも通いました。身体作りから始めますね。芝居のアプローチはどうなんだろう・・・俺は、皆と違うとよく言われるんですが、2次元を尊重して、なるべく佐藤流司という人間が消えるように考えながら、お芝居をしています。

――佐藤さんのお芝居を拝見していると、原作やアニメを研究しつくしているような印象を受けます。

アニメ化している作品の場合、アニメを見ている方の多くの印象に残るのは声だと思うんです。だから、俺の場合は、可能な限りその役を演じている声優さんの特徴や抑揚、声のハリみたいなものを参考にした方がいいなあと思っていて、その点を意識しています。そういった感じで、まず外面を寄せていけるようにしたうえで、次に内面と照らし合わせて、動き、行動に不自然さがないかを確認していきます。

――おもしろいことに、松岡さんは真逆のことをおっしゃっていました。

アイツはアニメをあえて一切観ない作り方をしますからね。それも一つの方法だと思います。

ライブ・スペクタクル「NARUTO-ナルト-」~暁の調べ~ リレーインタビュー第3弾! うちはサスケ役・佐藤流司_4

――「NARUTO-ナルト-」という作品に、それぞれ違うアプローチをしながらもイメージ通りのところに到達されているのは、とてもおもしろいですね。それでは、これが3つ目の質問になりますが「長い公演期間、体力維持はどうしていますか?」ちなみに、良知さんは温泉だそうです。

俺も温泉、大好きなんです。体力維持か・・・昔から体力あるんで、考えたことがない・・・。

――体力に不安を覚えたことはない?

「疲れた」とか「無理」とか、なったことはないですね。

――体力って、鍛えたからあるってものでもないですよね。

そうですよね。なんでだろう、メンタル?

――メンタルも強い方ですか?

かなり打たれ弱いです(笑)。でも、取り繕うのが得意なので、そういうことだと思います。俺、舞台終わってから100%体調崩すんですよ。

――終わるとぷつっといってしまうんでしょうか。

思いっきり、ぷつっといきます(笑)。精神力ですかね。本番中も「大丈夫」って思ってるから大丈夫なんです。

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――佐藤さんのお芝居の芯が、少し垣間見えた気がします。最後に、良知さんが「二人はすでにとっても仲良しだと思うのですが、仲間はずれにしないでね(笑)」とおっしゃっていました。

(笑)。そうそう、良知さんが「牡蠣が好き」って言っていたので、その場に広大はいなかったんですけど、オイスターバーに行こうって約束したんですよ。アイツは嫌いな食べ物とかなさそうだから、大丈夫かな(笑)。

――最後にファンの方にメッセージをお願いします。

前作を超えて、さらにとんでもない作品に仕上がっていると思います。サスケも、物語も進化していますし、俺もそこについていけるようにがんばっていますので、東京凱旋公演で初めて観る方も、何度も観てくださっている方も、ぜひ楽しみにしていください。

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◆公演情報
ライブ・スペクタクル「NARUTO-ナルト-」~暁の調べ~
【東京凱旋公演】7月29日(土)~8月6日(日) AiiA 2.5 Theater Tokyo
※東京・シンガポール・大阪・上海公演終了

【脚本・演出】児玉明子
【音楽】和田俊輔
【出演】
松岡広大 佐藤流司/
伊藤優衣 君沢ユウキ/
藤田[半角SPいれる]玲 北村[半角SPいれる]諒 岡田亮輔/
大湖せしる/
萩尾圭志 七木奏音 山口智也/
林野健志 辻[半角SPいれる]諒 片山浩憲/
白崎誠也 寒川祥吾 宮川[半角SPいれる]連 野間理孔 松林篤美 知念紗耶
悠未ひろ/
良知真次
【演奏】土屋玲子(二胡) 加古臨王(和太鼓)

◆ライブ・スペクタクル「NARUTO-ナルト-」~暁の調べ~ ライブ・ビューイング
【日時】8月6日(日)18:00開演
【会場】
国内>日本全国各地
海外>香港、台湾に加えオーストラリア、インドネシア、タイ、韓国でも開催決定!

【オフィシャルサイト】https://www.naruto-stage.jp/

ライブ・スペクタクル「NARUTO-ナルト-」~暁の調べ~ リレーインタビュー第3弾! うちはサスケ役・佐藤流司_7

(C)岸本斉史 スコット/集英社 (C)ライブ・スペクタクル「NARUTO-ナルト-」製作委員会2017″

(撮影/エンタステージ編集部)

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