『SHOW ル・リアン』村井良大&平方元基インタビュー!「肩ひじ張らず、お気軽に劇場へお越しください!」


トップアーティスト、次世代のミュージカルスター、そしてディーヴァが贈る、素敵なストーリー仕立てのショー『SHOWル・リアン』。いよいよ開幕が今月に迫り、目下稽古の真っ最中の出演者から、村井良大と平方元基に公演に向けての意気込み、期待していること、そしてお互いについて語り合ってもらった。

『SHOW ル・リアン』村井良大&平方元基インタビュー

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――本作への出演が決まった時の心境から聞かせてください。

村井:僕自身、ショーと言われるようなジャンルの作品に出たことがなかったので、自分の中では挑戦だと思いました。今までストレートプレイを中心にやってきましたけど、去年くらいから価値観が変わってもっと新しいものに挑戦していきたいなと思うようになりました。今年は自分のなかで「挑戦の年」と決めていて、そういう意味でも今回、『ル・リアン』という作品に出ることでまた何か変われるかなと思い、ぜひやらせていただこうと。

平方:僕は出演が決まったとき、「タップできますか?」と聞かれたんですよ。ミュージカルにはよく出演させていただいていて、確かにミュージカルとタップは近い存在ではあるんですけど、僕自身はやったことがなかったんです。それで今回はぜひ挑戦してみたいなと。タップもそうですが、いろんなジャンルから共演者が集まっていて、とてもワクワクしています。

『SHOW ル・リアン』村井良大&平方元基インタビュー_2

――お二人は久しぶりの共演なんですよね。

平方:良大との共演も楽しみでした。

村井:僕も個人的に楽しみですね。

平方:舞台上でどんなふうに絡めるかも楽しみだなぁ。台本読んだらさ、ワクワクする構成だったんだよね。

村井:そうだね。届いた台本を読んだ時に、なんて可能性のある作品なんだろうと驚かされた。なにしろ自由度が高い。

平方:まだお客さんにはチラシの情報しか伝わってないから、どうなるんだろうと思われてるでしょうね。台本をもらっていない時点では僕たちもそうでした。台本を読んでみても、まだわからないところもありますが(笑)。どういう感じになるのか、良いイマジネーションができたと思います。

村井:いま皆さんが見ているチラシは作品の一面でしかないと思います。いろいろなジャンルから個性の塊のような方が集まってますから、どんな化学反応が起きるのか楽しみですね。

平方:それぞれ元をたどれば全然違うジャンルからここに集まった人たち。これからお会いして会話するにも「何から話せばいいんだろう?」って思うぐらい(笑)。でも僕は意外と今回の共演者の半分以上の方々と共演していたり、顔見知りだったりするんだよね。本間(憲一)さん、良大、テラ(寺元健一郎)、(松本)拓海君、松原(剛志)さん。拓海君は『ピーターパン』を観に行ったとき、「平方さんだ!」ってすごく懐いてくれてたんですよ、小さい頃ね。といっても2年前くらいか。今回会ったら急に大きくなってた。で、大貫(勇輔)もだし。

村井:僕は本間さんと元基くん、あと(青柳)塁斗くん。あとの皆さんは初めましてかな。

――本間さんは村井さんの初舞台作品の振付をされてたんですよね。

村井:ステージングをしていただきました。短い期間だったんですけど、その時になんて懐が深い人なんだろうと思いました。だからすごく信頼していますね。

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――平方さんの本間さんの印象は?

平方:コンサートの演出でご一緒することが多いんですけど、アイディアが次から次に生まれて来るし、アイディアを伝えるときは完成図が僕らに見えるように伝えてくれるんですよ。プレイヤーでもあるので、こちらが受け取りやすいようにと考えてくれているのかな。それにしてもすごく優しい。できないことを絶対に責めたりしない。もちろん一生懸命やっているのが根底にあるからなんですけど、なんだろう、菩薩なのかとたまに思うことがあります(笑)。

村井:わかる(笑)。仏の心だよね。

平方:そうそう。

――今回全員がタップを披露することが明かされていますから、目下タップの練習中だと思います。その指導などでそう思われるんですか?

平方:そうですね。「やっぱり楽しいと思わないとやらなくなっちゃうから」っておっしゃっていました。実際、本間さんって本当に楽しそうにタップするんだよね。

村井:確かに。

平方:あんなふうに踏めたらって思いますけど…。

村井:俺がすごいなって思ったのは、“見せつけない”んだよね。

平方:そう!すごくわかる!

村井:先生ってさ、「こうやってこうやる。はいやって!」「なんでできないの」みたいな感じになりがちだけど、本間さんは「タップでこういう振りがあるんだよ、みんなで一緒にやってみない?」って感じなんだよね。

平方:「ノリでやってみなよ」って。

村井:気持ちが大事っていう、あの懐の深さはね…。

平方:ありがたいですよ。タップに初めて挑戦する人間としては怖いじゃないですか。

村井:最初ができないとその人にとってずっとつまらないものになってしまうかもしれないから、指導の仕方がうまいと思います。

平方:心を腐らせない、絶対に。心を健康でいさせてくれる(笑)。

村井:そうそう(笑)。

平方:初めてですけど、ゆだねられます。お願いしますって。

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――村井さんは少しタップを経験されてるんですよね。

村井:一応経験として、でもほんとちょっと。すぐに追いつかれますよ。

平方:でも本番でやってたんでしょ?それは大きいよ~。

村井:まあね。でも群衆のなかの一人だったし。

――タップの難しさはどういうところなんでしょう?

平方:普通に見ていると、音が鳴って楽しそうじゃないですか。でも実際にやってみると、まずどの部分でどの音が出るのかがわからない。カウントもエイトから入ったり、裏から入ったり。その上歌いながら踏むなんて、もっと難しそうです。あと、足に集中しちゃうと手がバタバタしちゃって。普段やらない動きだから、それに体が慣れていないのか、自分でもおかしな感じです。

村井:なるほどね。

平方:新しい感覚がいっぱい過ぎて、1時間練習しただけでも頭がクタクタ。

村井:最初、足元にスピーカーがついているかと思わなかった?

平方:思った!

村井:初めて見た時は「どこから音が出てるの?」って感じなのが面白かったな。タップシューズは買ったの?

平方:買ったよ。いっぱい練習して元とらなきゃ(笑)。

――タップシーンのほかの見どころを挙げるとしたら?

平方:バトルというか、僕らそれぞれの特技をやるみたいな場面があるよね。ドキドキするね。お客さんは見ててハラハラすると思うけど、楽しいと思う。

村井:あ、そうだ、“見せかけ”をやる?

平方:“見せかけ”?

村井:要は、言っちゃえばいいのよ。コンビネーション技でさ。

平方:「俺やれます!」みたいなやつ?

村井:そうそう。「10秒で泣きます!」って言って、「…泣けないんかい!」みたいな(笑)。

――そういうこともできそうなくらい、自由度が高い作品なんですね。

平方:そうなんです。お客さんはリラックスして観にきてくださるといいと思いますよ。

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――皆さんの新鮮な姿も見られそうです。

村井:そうですね。みんなで刺激を与えられると思います。

平方:ダンサーさんにとってはショーって馴染みがあるのかもしれないけど、俳優にとってはショーっていうものにたどり着くことがなかなかないよね。

村井:そうだね。ショーって聞くとまずダンスだし。でも、役者だからできることがあるからね。

平方:やったことのないジャンルにそれぞれが挑戦するから、とても面白いと思う。あと子供たち二人だね。

村井:天才二人。初々しい、いま花開きまくってる、ぴっちぴちの花なんですよ。

平方:もうちょっと閉じといてって思うけど(笑)。

村井:(笑)。もう、ただの天才だから仕方ない。

平方:二人と会ったんだけど、すごく大人びてる。奥田君のピアノは「弾いてます」って感じじゃないんだよ。身体で奏でている感じで、まさに「僕こそミュージック」。あんな感じですよ。モーツァルトがこうだったんだろうなって思った。

村井:奥田くんってプレイヤーだよね?歌わないよね?

――本間さんは先日のインタビューでなにかピアノ以外のこともやらせてみたいとおっしゃってましたが。

村井:やったほうがいい!俺らもピアノのところに絡みにいくから。

平方:どうやって絡む?(笑)。

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――タップをやったら一番うまかったりして。

平方:その花はまだ閉じといてもらいましょう(笑)。

村井:(笑)。『ル・リアン』というタイトルには「つなぐ」という意味があるので、若い子たちに未来をつないでいきたいですね。

平方:大人の意地を見せましょう!

――村井さんは去年『RENT』で本格的なミュージカルに挑戦されて、今回はショー。新鮮な挑戦が続きますね。

村井:そうですね。新鮮ですし、いやらしい言い方をすると、今回は美味しいところばかり歌えるので、これは願ったりかなったりですよ。楽しいです。

――ミュージカルの先輩の平方さんからすると、村井さんのミュージカルでの姿はいかがですか?

平方:いや俺ね、『RENT』観た時―(急に前のめりになる)、ごめん前のめり過ぎた(笑)。

村井:(笑)。

平方:『RENT』を観た時に、オーケストラを越えてちゃんとセリフとして伝えてくれて、全くストレスがなかった。芝居として、歌をセリフとして届けてくれるとこんなにストレスがないんだ、って。良大の『RENT』を観たら、作品に込められたメッセージもすごくはっきり見えてきたんだよね。

村井:それは嬉しいなぁ。

平方:あの時代に生きているんだけど、もし現代の人があの時代にいてもああ思うんだろうなって思った。存在したっていうか、景色としてセットに紛れるんじゃなくて、あの混沌とした時代ってこうだったんですよって伝えるストーリーテラーみたいな。そういう役でもあるけど。

村井:確かに。

――絶賛ですね。

平方:いやいやホントにね、びっくりした!

村井:嬉しいですね。ミュージカルをやってこなかったから余計に嬉しいです。

平方:僕も「もっと頑張らなきゃな」って思いましたね。

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――村井さんは平方さんのミュージカルは観られてますか?

村井:もちろん、何度も観てます。……もちろんですよ!ファンですから!

平方:そんなに持ち上げなくても。

村井:いやいや(笑)。元基くんの舞台上での居方は僕的にすごく好きな居方なんですよね。肩ひじ張らないし…。さらに、自分がここに存在してるんだってことを非常に繊細にとらえてるんですよ。それがすごく観ていて心地良くて。今後どんなキャラクターをやっても「あいつ嫌い」ってならないと思うんです。それは人間として魅力があるからで。歌もそうですし……また声がキレイなんですよ。それで、一番大切な純粋さがあるのがまたすごく好きで。人ってどんどん濁る人もいるし、そうなってくると芸も濁るというか。純粋に、かつ自分の成長を止めない人っていうのは、どんどん良くなっていくと思う。芝居でも歌でも。それがいつも見えるから、素敵だなと思いますね。

平方:ありがとうございます!!

村井:『エリザベート』も俺すごく好きだったのよ。いいわーって思って。

平方:ほんと?大変だったから嬉しい!

村井:伝えたいことをすごく上手く表現してて、マジで良かった!

平方:ありがとうございます!!

――お二人とも舞台上での自然な居方にこだわられているんですね。

平方:そうですね、そこは似ているかもしれないです。作品や役に対して素直でいたいっていうのはずっと思っていたことなので、良大に言ってもらえて嬉しかったです。楽しいことは楽しいし、イヤなことはイヤですし。だからといって「イヤなことはやらない」ということではないですけど、「イヤだと感じたのはなんだったのか」を考える。それは常に持ち続けていたいですね。舞台上でも常に臨戦態勢でいること、そうやって今まで培ってきた舞台経験をこういうところで活かせそうな気がします。

村井:今までのことがね、活きてくる。

平方:出演者みんながそれぞれ全然違う生き方をしてきたから。

村井:しかもけっこう、「自分の個性を出しなさい」って作品でしょ?だから、「今までこういうお芝居、ミュージカルをやってきました」、「このお芝居はこういう芝居ですから」って固められてきたものをいま開放されたって感じもあって。みんなこういう人生を歩んできたんだろうな、だから今こうなんだろうな、っていうのが感じられる。けっこうオープンに。
「あなたから出て来るものはなんですか?」って言われているようで、こっちもそれを押し返すくらいの勢いがないと自信を持ってステージに立てないぞ、と。

平方:そうだね。そういう意味では挑戦だし、怖いけど…。

村井:開けていかないとね。

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――そうなると、お客さんの反応も気になってきますよね?今回は関西公演もありますし。

平方:そうですよね!大阪は東京とは違う空気感になるはず。「楽しむで!」っていうのが伝わってくる感じがします。逆に僕らが乗せてもらえるかも、ワッショイしてくれる感じで。

村井:関西ネタも挟み込めそうかな?

平方:できるんじゃない?そうしたら喜んでくれそうだよね!

村井:じゃあ僕は少年に、「乳首ドリル」(吉本新喜劇の人気ネタ)をしようかな(笑)。「やめろよ~」って何度も言わせたい。かわいいよね。

平方:なにそれ?(笑)。

――そういうネタも楽しみにしています(笑)。最後に、改めてメッセージをお願いします。

村井:“ショー”と聞くと固いイメージがあるかもしれないし、チラシを見てもガチガチのショーと思うかもしれないですけど、本当に気軽に、パーティに来る感じでね。

平方:ひょっこりのぞいたら楽しそうだから入っちゃいましたぐらいの――チケットは前もって買っていただかないといけないですが(笑)。

村井:当日券ならありかもね。「良さそうじゃない?」ってさ。

平方:楽しいと思いますよ…お客様が楽しんでくださるのを見て、僕たちがまた楽しむっていう。座っていただくだけで、十分楽しんでもらえると思うので、ぼーっと僕らを眺めに来てください。

村井:そこまでしなくていいけど(笑)。ぼーっとさせない!寝させない!離さない!ので、ぜひ楽しみにしていていただけたらと思います。

平方:よろしくお願いします!

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◆プロフィール
村井良大(むらい・りょうた)
1988年6月29日生まれ、東京都出身。2006年舞台デビュー。最近の出演作に、舞台『里見八犬伝』、『弱虫ペダル』シリーズ、『殺意の衝動』、ミュージカル『RENT』、ドラマ『乾杯戦隊アフターV』、『俺旅。』映画『醒めながら見る夢』、『ハンガーZ』。映画『ドクムシ』が4月9日より新宿ピカデリーほかにて2週間限定上映。ミュージカル『キム・ジョンウク探し~あなたの初恋探します~』が6月、東京と大阪で上演。

平方元基(ひらかた・げんき)
1985年12月1日生まれ、福岡県出身。2008年ドラマデビュー。最近の出演作に、ミュージカル『ダンス・オブ・ヴァンパイア』、『サンセット大通り』『アリス・イン・ワンダーランド』等。オリジナル・ミュージカル『THE CIRCUS!』が5月14日より東京、名古屋、大阪にて上演。6月14日・15日、東京・EXシアター六本木にて「ブロードウェイ・ミュージカルライブ」。ミュージカル『王家の紋章』が8月5日より東京・帝国劇場にて上演。

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