舞台『クジラの子らは砂上に歌う』赤澤燈インタビュー!「自分が演じる意味を考えて、持ち味を役に結びつけたい」


2016年4月14日(木)より東京・AiiA 2.5 theater Tokyoにて、舞台『クジラの子らは砂上に歌う』が上演される。「月刊ミステリーボニータ」(秋田書店)で連載中の梅田阿比による同名の少女漫画を原作に、砂で覆われた世界とファンタジックなストーリーを完全舞台化。キャスト陣のメインビジュアルも公開され、漫画の持つ独特の世界観がどのように劇場空間で表現され、どのような結末へと向かうのか。主人公・チャクロ役を務める赤澤燈に話を聞いた。

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――今日は、イメージ衣裳に袖を通して見てどうですか?(※この日のインタビューは、イメージ衣裳を着用して行われた)

すごく楽しみですね。今はまだ稽古も始まっていないので、どんな作品になるか想像ばかりがふくらむ日々です。

――前回ご出演されたPONKOTSU-BARON project 第2弾『回転する夜』は、ストレートプレイでしたよね。今回はまたガラッと作風の違うファンタジーに挑戦されますが、その点はいかがでしょうか? 役作りや切り替え法みたいなものはあるんですか?

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前作のストレートプレイは、「何一つ嘘をつかないでやる」という環境だったんです。基本的なスタンスというか、お芝居に向きあう姿勢としては一緒だと思うんですが、今回は設定的にも嘘をつかなきゃいけない部分もある。そこをなるべく自然に成立するように演じられたら理想だなって思っています。

――確かに、この物語の世界は私たちの生きている環境からは想像がつかないようなファンタジー世界ですもんね。

原作を読ませていただいたんですけど、本当に独特な世界観ですよね。映像だったら、CGなどを使えば特殊な表現ができたりしますが、舞台はそれができない。その逆で、舞台だからこそできることもたくさんあると思っていて。

――そうですよね。その点において、この世界観が舞台上でどう表現されるのかすごく気になります。

目の前で演じる舞台だからこそ、照明や音響などその場所に生まれるあらゆる環境の力を借りて、僕自身もそれにマッチできたらと思います。それが世界観を築くってことなのかなって。

――実際出演が決まった時はどうでしたか? 共演者の方々の印象は?

(五十嵐)麻朝くんとは二作続けての共演になります。作品は違いますが、長い時間一緒にものをつくるので、密な関係になれるんじゃないかなって思っています。それが楽しみですね。他の方々は、はじめて共演する方が多いです。

――実際には初対面でも、演じる役どころ的にはすごく関係がディープだったりするじゃないですか。そういう空気感はどうやって作られるものなんですか?

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今回に限らずですが、ずっと一緒にいる役の人や絡む機会の多い人とは、コミニュケーションを取るようにしています。稽古の合間や前後とかで、なるべく自分から話しかけたり。みんなでごはんに行ったりもします。

――特に今回は主演ですもんね。周りを引っ張っていくというか、そういう意識や意気込みもありますか?

いや~、僕、それは苦手なんですよ・・・。「みんな、行こうぜ!」みたいなのが。本来みんなを引っ張っていくようなタイプではなくて・・・。なので、そういうところは、麻朝くんとかに甘えつつ(笑)。でも、なるべく共演するみんなと一緒にいる時間を意識的に作っていきたいと思います。稽古中でも前後でも、たくさんコミュニケーション取っていけたらなって。

――役どころはどうですか?主人公のチャクロは“泥クジラ”の記録係で、なんでも記録せずにはいられない“過書の病”(ハイパーグラフィア)を持っているそうですが、赤澤さんも日記とか書いたりします?

僕はどちらかというと、気持ちを自分の言葉で表現するのが得意じゃなくて…。言葉をすごく選んでしまうので、文章を書くのは苦手なんです(笑)。Twitterは何気なく書けるものなので、結構やっているんですが。その点に関しては、主人公とは違うタイプかもしれない。

――逆に、似ているなって思うところもありますか?

泣き虫なところかな・・・。それから、僕は自分の意思をあまり強く出す方ではなくて、「何食べたい?」って聞かれても周りに任せるタイプなんです。チャクロもすごく周りに影響されていく印象を受けたので、そういう部分は似ているかな。

――個人的に気になる登場人物はいますか?

山口大地くん演じるオウニが気になります。かっこいいですよね。抱えているものはあるんですけど、強くて一匹狼みたいな。男が好きなキャラクターという感じがして、いいなぁって思いました。

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――少女漫画ですが、男性が読んでも引きこまれる物語ですよね。

実際読んでも、キュンキュンするようなTHE少女漫画感っていうのはなかったです。むしろ、今少女漫画って言われて、そうだったか!ってなったくらい、世界観が凄まじく強い作品だなと思いました。

――他の出演作品でもご経験されてる部分かと思いますが、2.5次元と呼ばれるジャンルで演じることにおいて、意識していることってありますか?

原作がある作品では、自分自身をそのキャラクターに寄せたり、忠実にやっていくことはすごく大切だと思います。同時に、“自分”が演じることの意味をすごく考えます。どちらも必要なことだから。「僕がこれをやるんだ」という意識を持って、自分の持ち味を役に結びつけていけたらなと思いますね。

――赤澤さんが演じるチャクロを楽しみにしています。最後に、公演に向けての意気込みをお聞かせください。

原作は現在6巻まで出ていますが、その中でも山場と言えるところを舞台でやることになると思います。原作が好きな方にも満足してもらいたいですし、原作を知らない方には、舞台をきっかけにこの物語に興味を持ってもらえたらいいなと思います。そして、「舞台」というものの良さを肌で感じてもらえるよう頑張っていきますので、よろしくお願いします。

『クジラの子らは砂上に歌う』赤澤燈インタビュー

◇舞台『クジラの子らは砂上に歌う』◇
2016年4月14日(木)~4月19日(火)東京・AiiA 2.5 Theater Tokyo

<原作>
梅田阿比

<出演>
赤澤燈/前島亜美(SUPER☆GiRLS) /山口大地、崎山つばさ、碕理人、佐伯大地/宮崎理奈(SUPER☆GiRLS)、大野未来/五十嵐麻朝 ほか

<あらすじ>
砂が全てを覆い尽くす世界。砂の上に浮かぶ巨大な漂泊船“泥クジラ”は、農園も工房も貯水池もあり、自給自足を行える浮き島のような場所。住人たちは感情を発動源とする情念動(サイミア)を使える「印(シルシ)」と呼ばれる短命の能力者と、能力を持たない長寿のリーダー的存在「無印(むいん)」がおり、513人が共に生活していた。何故、彼らが砂の海をさまよっているのか。
「外界から閉ざされた“泥クジラ”で短い人生を終える―」
その運命を受け入れる主人公・チャクロたちは、ある日流れてくる「島」で少女に出会い、時間が動き出す・・・。

◆赤澤燈(あかざわともる)
1990年3月14日生まれ。2010年、美童浪漫大活劇『八犬伝』の犬坂毛野役にて初舞台を踏む。その後、ミュージカル「テニスの王子様」、朗読劇+新春語合『宮本武蔵~巌流島の戦い~』、『メサイア』シリーズ、残酷歌劇『ライチ☆光クラブ』、PONKOTSU-BARON project 第2弾『回転する夜』など、数々の舞台に出演。2015年には、映画『カニを喰べる。』と『羊をかぞえる。』で主演を務めた。直近では、3月10日(木)よりZeppブルーシアター六本木にて上演される舞台『美男高校地球防衛部LOVE!活劇!』に出演。

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