舞台『しあわせ荘なひとたち』対談インタビュー!「一人、ボリュームを超えてくるのがピクなんです」


2015年12月25日(木)より、東京・新宿シアターモリエールにて舞台『しあわせ荘なひとたち』が上演される。追加公演の発表もされた本作は、えろ漫画家ピクピクン☆と星屑輝矢(微熱DANJI)がW主演をつとめ、作・演出を氣志團・綾小路 翔の懐刀演出家である微熱DANJIの錦織純平が手がける。今年6月に全公演ソールドアウトにて大盛況のうちに幕を閉じた、舞台『ハグ屋』以来となるこの布陣に期待が高まる中、W主演のピクピクン☆&星屑、前作に続いての出演となる野呂拓哉、そして作・演出の錦織に前回の公演を振り返りながら、今回の公演への意気込みを語ってもらった。

「しあわせ荘なひとたち」インタビュー

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――6月上演の『ハグ屋』以来となるこのメンバーでの公演ですが。今回はピクピクン☆さんと星屑さんのW主演です。

ピクピクン☆:はい。前回の『ハグ屋』は僕が初主演ということで、純平さんの素晴らしい脚本と経験値の高い先輩方にご指導いただいて、多少は見れるくらいになったかな?という感じでしたが、今回は先輩方を喰うくらいの勢いで。W主演とは言わせないぞ!くらいの意気込みで臨もうと思っています。

錦織:その心意気は助かるなぁ!実際に行動に表れてくれるといいんだけど(笑)。

ピクピクン☆:本来、僕ってすごい自信家なんです!そこで前回はすごい自信満々で挑んだ結果、読み合わせから「なんだこいつは!?」って思われたりしたんですが……。

「しあわせ荘」ピクピクン☆&星屑

錦織:僕が今まで経験した中で、一番最低の読み合わせでした(笑)。まだ本が出来ていない頃にも、「どんな本が来ても僕が絶対面白くしてみせます!」と言われて、「まだ読んでないのに、人の本をつまんねぇみたいにいいやがって」とイライラしてたんですが。

星屑:そんな会話があったんだ(笑)。

錦織:いざ本読みになったら、キャラをガチガチに固めて来て、3行読むのに10分くらいかけて読み始めて(笑)。これはマズイと思ったから「もっと気楽に読んで」って言ったら、今度はただただ棒読みで読み始めて…。

星屑:俺はそれ見て、面白くなってたもん。「マジか!こいつとやるのか!?」って(笑)。

ピクピクン☆:あはは。今考えるとヒドいですけど、僕はあの時、人生で初めて挫折を味わったんです。だから、今も『ハグ屋』のDVDを繰り返し見て、まだまだだとは思いますけど、みなさんのご指導のお陰でよくここまで来れたなと本当に感謝してるんです。

錦織:ピクピクンって基本的に真面目じゃん?でも真面目の道が違うんだよね。「そこ真面目にやったって、何もならないぜ」ってところに必死になっちゃう。

『しあわせ荘なひとたち』星屑輝矢

星屑&野呂:あ~~~、それは分かる。

錦織:だから、彼のやりたいことを汲んで、形にしようと思って稽古を始めたんだけど。道が違いすぎて、冒頭から5分のシーンを1時間かけて演出して。

ピクピクン☆:最初に入ってきて、手を洗うシーンですね(笑)。

星屑:5分もないよ、1~2分のシーンだよ?俺たちは「純平もそういう覚悟なんだろう」と思って黙って見てたけど、1時間くらい経って、さすがに口出ししましたもん(笑)。

錦織:俺はそれでも彼がお客さんに対して何を見せたいかを汲み取ろうと思って、黙って見てました。そこから「それは何がしたいの?」って聞いたら、「なんか面白くないッスか?」って彼が言ったんです。なんで、「面白いか面白くないかで言うと、面白くない!」ってハッキリ言いました。

――あはは。ピクピクンさんは良かれと思って、自信を持ってやってたんですよね?

ピクピクン☆:そうだったんですけど、僕ももっと色んなことをインプットして、センスを磨かなきゃいけないと反省して。前回の舞台の後、いろんな舞台を観に行ったんです。でも、そこで気づいたことは、純平さんの舞台ってめちゃくちゃ面白いんだなということでした。僕は腐っても漫画家なので、これにはこういう意味があって、こういう表現がしたいんだろうなって分解して見るんですけど。そういう見かたをした時も、純平さんの脚本にはいい意味で研ぎ澄まされたB級感というか。大衆作品を抜く、B級感があるなって。

「しあわせ荘なひとたち」ピクピクン☆

星屑:言わんとすることはなんとなく分かるけど……(苦笑)。

ピクピクン☆:『ハグ屋』の時はディレクションされるのも初めてだったので、わけ分かんないことやって「面白くないッスか?」みたいなことも言ってたし、言われたことに対して反発したりもしてたんです。でも、ほかの舞台も色々観て、DVDで『ハグ屋』を改めて客観的に観れるようになった時、純平さんや先輩方が言ってくれた通りにやれば絶対に面白いし、次はみなさんを信じきってついて行こうと思ったんです!

錦織:じゃあ、それまではずっと「俺の方が面白い」と思ってたんだ。

星屑:ま、垣間見えてたけどね、それは(笑)。

錦織:でも助かることもあるんだよ、「そういう見かたもあるんだ」って気付けるから。だから、「俺はこう思います」っていうのは言ってもらいたいんだけど……。

ピクピクン☆:もちろん、これからも意見は提示していきますけど、「いや、こうした方がいいんじゃない?」って言われたら、「はい!」って素直に答えます!

錦織:いや、そうじゃなくて。実際にやってみたいと分からないことってあるじゃない?だから、違う意見があるならば、一回やってみてから一緒に考えたいよね。

『しあわせ荘なひとたち』錦織純平

――純平さんも自分にない発想や自分の想像を超えてくれる芝居は嬉しいでしょう?

錦織:いや嬉しいし、助かりますよ。それが多いのが意外とオダワラジョーなんです。だから、男性キャストをこのメンツにしたっていうのも、ちゃんと理由があって。それぞれの良いところを引き出していくのが僕の仕事だし、みんなにそれを超えてきて欲しいです。

――輝矢さんは前回、このメンツでやってみての感想などいかがですか?

星屑:僕は純平が演出する作品を観てきて、ずっと混ざりたいと思ってました。演出家としての純平としっかり関わったのは前回が初めてだったんだけど、純平がすごくプレッシャーを感じながらやっているのもよく分かったし。俺たちも上手くサポートしたいなと思ってやってたんですけど、『ハグ屋』をなんとかやり遂げたところで、少し勝手が分かった気もして。純平の世界観を上手く具現化してあげたいという中で、だんだんチームワークも出来てきたなと思うんですが。一人、ボリュームを超えてくるのがピクなんです(笑)。

ピクピクン☆:あはは。僕以外のみなさんは、本当にあうんの呼吸ですからね。

錦織:輝矢さんはね、台本をちゃんと読んだ方がいい。途中から家に持ち帰らなくなったでしょう?アレはダメよ、重い物みたいな扱いをしちゃダメ(笑)。稽古しててやりづらいところとかも、もう一度台本読んで、前後を把握すると分かったりするから。

星屑:そういうもんなんだ。じゃあ、俺の今回の目標は「台本を持ち帰る」にするよ。

「しあわせ荘なひとたち」野呂拓哉

――最低限のところじゃないですか(笑)。野呂さんはどうですか?

野呂:前回、稽古で演出してもらっても正解が分からない、でもとにかくやってみようというシーンがあって、そのまま本番を迎えたんですけど。純平くんが諦めずに台詞を足してくれたり、なんとかそのシーンを活かそうとしてくれて。僕もお客さんの反応を見ながら、「こういうことかな?」とか思いつくたびに純平くんと話したら、納得するまでしっかり付き合ってくれて。ちゃんと安心出来る場所を作ってくれるのが嬉しいんです。

錦織:僕は“みんな仲良く”をモットーにやってますから。ま、やりたくない感が出るとイヤだなってだけなんですけど(笑)。「いいからやって!」になると、どうしてもやりたくない感が出ちゃうじゃないですか?だから、お互いに納得するまでしっかり時間をかけて話す必要があるんです。台本って不完全な物なので、やってる中で理解して、演じる側に意味を付けてもらわないといけないと思うんです。僕に教養があれば、本に説得力も出てくるんですけど、いかんせん学がないので(笑)。

野呂:でもだからこそ、台本には純平くんのカラーも出てて。表現がどこか幼稚な部分があるんですけど、そこにピュア感が出てるんですよね。

「しあわせ荘なひとたち」インタビュー

錦織:砂遊び感がね(笑)。僕、結果から先に言いたい台詞が多いんです。

星屑:こういうことが言いたいんだろうなっていうのはよく分かるからいいんだよ。

ピクピクン☆:純平さんの書く台詞って、耳心地のよいフレーズが多いですよね?字面で考えてるんじゃなくで、実際に画をイメージして言いながら書いてるんだろうなって。

錦織:無意識だけど、たぶん言いながら作ってる、ファミレスで(笑)。

星屑:いや、稽古の途中も「ちょっと考えさせて」っていう時、一人で喋りながらやってるよ。うろうろしながら、髪を指でくるくるして、一人で喋りながら作ってるもん。あれ、髪をくるくるしてるのは右脳のネジを回してるんでしょ?(笑)

錦織:そんなことしてる?なんかね、書いてると鬼気迫ってくるんですよ。「ホントに面白いのかな?」と思いながら、恐怖感と戦いながら書いてるんです。だから、今も7:3で不安が圧倒的に勝ってます(笑)。あとはキャストにおまかせするだけです!

「しあわせ荘なひとたち」インタビュー

――では、最後に今回の公演に対しての意気込みを聞かせて下さい。

野呂:前回を経て今回に繋がったように、今回も次に繋がる何かをそれぞれが見つけられたら良いなと思ってます。演出家の意図するところをしっかり表現させてもらって、それをまた次の公演に活かせるような舞台にしたいです。

ピクピクン☆:僕はこういう経験をさせていただくのがありがたいばかりで。『ハグ屋』の最後に下手にはける時、舞台上の誘導用の光るテープが宇宙空間に見えて、「こんな夢のある世界の中にいられるなんて幸せだな」って感動してしまったんです。なので、今回もあの幸福感を味わえることに期待してますし、僕も感動が生めるように頑張ります。

星屑:俺はまず、台本を持ち帰ってみようかな?というのと(笑)。自分で言うのもなんですが色んな能力が高いので、新しい役柄を演じることで今後の自分にも活かせるスキルを得て、さらに能力を高めていきたいと思ってます。

錦織:僕は毎回ですけど、役者さんがやって良かったと思う物、お客さんが来て良かったと思う物、スタッフさんが関われて良かったと思う物、その全てを叶える努力を怠らないのが仕事だと思ってるので。お客さんには期待して、舞台を見に来て欲しいです。

インタビュアー:フジジュン

【公演情報】
日時:2015年12月25日(金)~28日(月)
会場:新宿シアターモリエール
作・演出:錦織純平(微熱DANJI)
出演:
えろ漫画家ピクピクン☆、星屑輝矢(微熱DANJI)、
錦織純平(微熱DANJI)、野呂拓哉、オダワラジョー、
小野由香、入矢麻衣

【舞台『しあわせ荘なひとたち』追加公演決定!!】
追加日程:12月29日(火)17:00開場/17:30開演

☆最速のFC先行も同時スタート!
受付期間:11/3(火) 13:00~ 11/9(月)23:59
◆舞台『しあわせ荘なひとたち』オフィシャルサイト
https://www.sma.co.jp/shiawasesou/
◆氣志團オフィシャルファンクラブ「私立戸塚水産高校」
https://fc.kishidan.com/
◆ピクピクン☆オフィシャルファンクラブ(スマートフォン専用)
https://sp.arena.emtg.jp/piku2n/

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