『ベイビーさん~あるいは笑う曲馬団について』ロングインタビュー!「らも作品で、いつの日か自分で演出したいと思ったのは、この作品だけだった」


不世出のストーリーテラー中島らも。その名前を新たに刻み付ける幻の戯曲『ベイビーさん~あるいは笑う曲馬団について』が、2015年11月7日(土)より東京・Zeppブルーシアター六本木で開幕する。没後11年、今なお人気が続く中島らも作品の中でも隠れた傑作として、開幕に期待の高まる本作。演出を手掛けるのは、中島らもが旗揚げした劇団リリパットアーミー以外で唯一戯曲を演出する事が許されたG2。今回はその稽古場にお邪魔して、中島らもと親交の深かったG2と松尾貴史、そして本公演で初めてらも作品に出演する池田純矢、鈴木勝吾、井澤勇貴の三人に、中島らもとの思い出や、らも作品について、そして公演に向けての意気込みなどをじっくりと語って頂いた。

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――まずは、中島らもさんへの思いや、思い出をお話いただけますでしょうか。

G2:昔、僕が大阪のテレビ局で新人の時、なぜか通ってしまった企画が、中島らもさんが司会をするという番組だったんですよ。それをキッカケに知り合って、僕が右も左も分からない時に優しく包み込んでくれるように接してくれた方なんですね。戯曲に関して言いますと、多分、らもさんにあそこまで頼み込んだのが僕以外にいなかったんじゃないかと。らもさんが劇団以外に書いてくれたのは、僕だけなんですよ。でも、それはヒドい話で、らもさんが病気で入院している病院に行って「台本を書いて下さい」とお願いしたんですよ。そうしたら、らもさんは「ワシ、入院してんねんで」とニンマリ笑って、そんな感じです(笑)。全部話すと2時間ぐらいかかりますよ(笑)。

『ベイビーさん』松尾貴史

――松尾さんも中島らもさんとは長いお付き合いだったと思うのですが、らもさんとの思い出というと?

松尾:僕はらもさんの手下だったり、弟子だったりというような形を望んでいたんですが、あちらは「いや、違う。友達だ」というような関係で。もちろん、色々な事を教えて下さったし、気づかせてもくれましたけど。例えば、何かの事象をどういう風に捉えて、どう感じるかということまで、すごく影響を与えられたなという風に思っております。

それと、沢山の面白いことも授かりましたし、らもさんがリリパットアーミーという劇団を始めるんだと言った時には、「飲むために芝居をしないか?」と誘われて、「だったら、やります」って答えたんです(笑)。旗揚げの時はそんな感じだったのが、だんだんとプロ集団的になっていったということと、僕が物理的に東京の事務所に所属することになって稽古にも出られないので、その後は客演扱いで何度か出演するみたいなことになったんですよね。だから、最初の3、4年しか僕は劇団にはいなかったんですよ。それから、新作落語の台本を書いてもらったりとか、それ以外のことで言うとダメダメなエピソードばっかりでした(笑)。

すごく偉いものにも、悪いものにも、しっかりしたものにも、ダメなものにも、分け隔てせずに愛情を傾けていましたね。そして、ギャグの題材にする場においても、ハンデを持っている人であろうが、タブー視されるような偉い人であろうが、何でも同列に扱って笑い飛ばして愛する対象にしていたという感じがしますね。本当に良い人は、先に早く逝ってしまわれるのだなと、今でも思います。

『ベイビーさん』インタビュー

――池田さん、鈴木さん、井澤さんの三人は、中島らもさんの世界観を若手の中で体現して、若い方にこの世界観を伝えるというのは斬新なことだと思うのですが、皆さんはこの戯曲を演じる上でどのような思いがありますか?

池田:今回のお話を頂く前から、もちろん中島らもさんのことは存じ上げてましたし、すごく素敵な方だと思っていました。改めて『ベイビーさん』の台本を読ませて頂いた時は、すごく視覚的にエンターテイメントな作品だと感じました。サーカス団ということを主軸にする上で、歌であったり、ダンスであったり、アクションがあったりだとか、色々な面白い要素が詰まっている作品だと思います。でも稽古をしていて思うのは、人らしさというか、感情の機微というか、そういう所を繊細に読み解ける作品でもあるんだなと。こういう作品に出演させて頂けるというのは、純粋に嬉しいです。こんな面白い作品なんだから、もし観てもらって面白くないと思われたら、我々はヤバイぞと(笑)。だから、そこは確実なものにしていかなければならないという思いはあります。

鈴木:僕は初めてのモノに触れて、初めての世界を見ているという感じがあります。今回の本もそうですし、らもさんの世界観自体もそうです。全然、分からないですけど、また一つ新しい演劇に触れられるなということが、すごく嬉しく思っていて、そこに真摯にやれるだけかなと思っています。大きなことは言えないですけど、どれだけやれるか、という勝負ですかね。

井澤:僕も今まで経験させて頂いた作品とは少し違っているなと思いました。過去に出演した作品もエンタメ要素はもちろん沢山ありましたけど、今回の作品のエンタメ要素は少し違った印象があります。その中で、この若手の僕らと同年代の役者もいれば、大御所のベテランの方もいらっしゃる。そういう現場の中でG2さんの演出と、らもさんの脚本という作品を演じさせて頂けるのは、とても光栄なことですね。今、その機会がこの年齢で舞い降りてきて、得した感といいますか、チャンスが舞い降りてきたなと。その中で沢山のことを吸収して、日々色々と感じることもありますので、その中で成長できたらいいなと思いますし、稽古には精一杯励みたいなと思っています。

『ベイビーさん』インタビューG2

――中島らもさんの戯曲は数多くありますが、なぜ今回の公演で『ベイビーさん』を選ばれたのでしょうか?

G2:中島らもさんのリリパットアーミーという劇団の芝居をほぼ漏らさずに観ていた時期があって、その中で、大好きな芝居はイッパイあるし、すごく妬ましいというか、失礼な話ですけど、大先輩のらもさんに対して、嫉妬心すら浮かぶぐらいの芝居もあったりしたんです。中でも、いつかチャンスがあったら自分で演出してみたいなと思ったのが、この作品だったんです。

他の作品は、らもさんが中心になって、キッチュ(松尾貴史)を初めとした色々な世界から異能の人たちが、言葉は悪いですけど、“クリーチャー”というか、すごく化け物ショーみたいな感じがあったんで(笑)。キッチュだって、この人の中の一番きわどい線の「危ねぇー! 放送できねぇーよ」みたいな感じのことが、オンパレードでしたし。とにかく舞台の袖で、らもさんがクスクスと、してやったりと笑っているのが分かるような作品が多いんですけど、これに関してはある意味で“普通”というか、「え!? らもさんがこんなの書いたの?」という驚きがあったんです。

普通にも関わらず、らもさんテイストがそこかしこにあって、まさか、らもさんの本でジーンとするとは思わなかったというのと、色々な裏切りがあったんですよ。これだと僕もある種、違う演出で参加することができそうな気がしたんですよね。それまでのラインナップの中で、異質な作品だったんです。だから、僕はらもさんに『子供の一生』という本を頂いて、それはもう再々々々々々演ぐらいしたんですけど、その『子供の一生』の再演にまつわって、らもさんの本でまた何かやってやろうと思ったりとか、やろうと言われるたびに、『ベイビーさん』をやりたいと言い続けていたんですよ。

ですけど、いつかこれをやりたいという大きな夢ではなく、何となく、いつも頭の隅っこにあったという感じで。例えばですけど、いつか帝国劇場でやりたい!とか、歌舞伎座でやりたい!とかそういうのではなくて(笑)。不思議な距離感で、ずっと傍にいた作品なんです。だから、言い方を気を付けないといけないんですけど、あんまり頑張ってはいないんです。

――良い意味で力を抜いて演出できるということですか?

G2:脱力した感じですね。ただ、いざ稽古が始まってみると悩ましいことはいっぱい出てくるんですけど、でも大上段に振りかざさずに、らもさんの言葉を大事にしていけば、きっと面白いものができるなという感覚でいます。

『ベイビーさん』インタビュー

――松尾さんは、リリパットアーミーやG2さん演出での中島らもさんの作品に多く関わっていましたが、今回の『ベイビーさん』という作品についての印象は?

松尾:僕がリリパットアーミーに出てた頃は、早期の頃で、“俳優部”と“化け物部”という感じのグループ分けがされてまして(笑)。その時も、例えば僕はキチガイ・インドおかまという役で(笑)。断片的に台本に“キチガイ・インドおかま、上手より登場。舞台上にいる全員をサバ折りで倒す”で、ト書きに“キッチュ ここで5分間、訳の分からないことをする”と書かれていて、そして最後に台詞で「お店、来てー」と叫びながら上手にはける、というようなのばっかりで(笑)。だから『ベイビーさん』のような素敵なお話になっているものは、らも作品では初めて出るんですよ。

僕がリリパットアーミーに出なくなった後に『ベイビーさん』が上演されて、それを青山円形劇場の客席で観たんです。その時に、「いいなぁ~こんな仕事したかったなぁ」と思ってました。強く念願していたというものではないんですけど、「いいな」と思ったものに関われて、ある種の感慨がある作品ですね。

――若手の三人にとって演出家のG2さんは憧れだと思うのですが、G2さんの演出はいかがですか?

松尾:三人とも憧れとは違うって顔してますよ(笑)。

G2:(池田、鈴木、井澤の三人に向かって)苦笑いするなよ(笑)。

全員:(笑)

『ベイビーさん』池田純矢

池田:G2さんの作品は色々な劇場で公演されていて、すごく素敵な作品で、何作も拝見していました。「いつか帝劇に~」ってお話がありましたけど、G2さん演出の作品に出るということに対してそういう感覚はありました。役者としては、いつか一緒にやりたいと思っていた演出家さんだったので、今回この作品でご一緒できるというのは純粋に嬉しいです。

稽古に入ってみて、それこそ一つの台詞に対して、考えを色々巡らせて、自分も役者なので、色々な思いを持っていくんですよ。そこで、G2さんと話をするんですけど、「ここはこっちの方がいいんじゃない?」と指摘されたりすると、「何だろうそれ? 分かんない!?」と思っちゃうんです(笑)。ですけど、演じてみるとそっちの方がしっくりきたりする。こういうことって、自分の中ではあんまりなかったので、なるほどと。でも、“何だこれ?”と思うことが、大切なのかなと思っています。

最初の稽古の段階で、G2さんがおっしゃってくれたことに対して、なるほどと思いながら、その言葉を飲み込んで演じてしまうと、全くしっくりこない時がやっぱりあるんですよ。最近、気づいたんですけど、そうではなくて、G2さんが言ってくれたことに対して、純粋に自分の心の中で“何それ?”と思った方が、きっとイイんだと。分かんねぇ!と思いながらも、何が分からないのか考えたら、分かってくるというのを最近発見しまして、一昨日ぐらいから稽古が楽しくなってきました(笑)。

――鈴木さんは、G2さんの演出の印象はどうですか?

鈴木:すごく丁寧に演出して下さるんです。でも丁寧を装わないというか飄々としているように見せたいのかな(笑)。

松尾:あー作戦だね。演出家だからね(笑)。

鈴木:だから、稽古が終わった後に思ってるんですけど、G2さんは家に帰ったらメチャクチャにキレてるんじゃないかなと(笑)。

全員:(笑)

――稽古場で、G2さんがキレたりされるんですか?(笑)

鈴木:いえ、全く怒らないですね。ものを作るために集まった人に対して、一人ずつ丁寧に言葉をくれるので、すごく楽しいです。ですけど、G2さんの言葉を理解して納得はできるんですが、自分の頭を通した時に、うまく出てこなくて。ここまでしっくり頭の中でイメージできていることなのに、全部は出てこないという事は今まであまり無くて、そっちの方が戸惑っています。G2さんの言っていることは、聞きながらストックしている、という感じですね。

『ベイビーさん』井澤勇貴

――井澤さんは、G2さんの演出の印象はどうですか?

井澤:G2さんのダメ出しはレベルや内容が的確で 台本を読み直して、その台詞やそのシーンのことを考えると、ホントだ!と思ったりするんですよ。鈴木君の言っていることが、すごく分かるんですよね。指摘されて納得してやったつもりが、自分のやりたい事ができてない感というのが、すごく分かります。稽古に入る前、三人とG2さんとの対談ということで初めてお会いした時に、食事会をしたんです。その中でG2さんが「観たこともないようなものを作るのが好き」とおっしゃっていたんですね。“ベイビーさん”の表現方法だったりとか、台本を読んだ段階では自分の中でそのシーンを考えても思いつかない事を、稽古場でG2さんの演出を見て、「おもしれぇー! すげぇー!」とか単純に思ったりするんです。なおかつ、そこに加わる役者の皆さんの対応力や適応力がスゴイので、学ばせてもらっている感覚に近いですね。他の作品でも色々と学ばせてもらっていますけど、一からこういう風に作品って作っていくんだなと改めて実感させてもらっています。幸せですね。

G2:夜になって飲みにいくと、違う事を言いますよ(笑)。でも対談の時、最初は三人とも言ってる事が優等生みたいで、つまんなくて(笑)。

池田、鈴木、井澤:(笑)

G2:ただ、その後に二次会で飲みに行ったら、三人ともハジけて面白い奴らで、これだったらやれるなと(笑)。
この三人に共通しているのは、偉そうな言い方になっちゃうけど、見どころがあるなと思っていて。何か説明するじゃないですか、そうすると、誰も即座にイエスと言わないんだよね。

松尾:それは僕とは違いますね。

G2:キッチュは「ハイ、やらせて頂きます!」だからね(笑)。僕は、軽はずみにハイって言う人は、あんまり信用していなくて。

松尾:え!?

全員:(笑)

G2:三人とも言われたことをすごく頭の中で考えているので、イエスというのを忘れている感じがしていて、この人たちと遊ぶのは楽しいなぁと思いましたね。

『ベイビーさん』インタビュー

――本作ではサーカスのシーンがありますが、サーカスや曲馬団というものについて、どのようにイメージされていますか?

井澤:シルク・ドゥ・ソレイユとか、テントで行われる実物のサーカスというのは何回か観たことはあるんですが、昔のサーカスとは違ったものがありますね。今回は中国の雑技団的なものなので、そういうものをネットで観たりとかして調べていますね。あのクオリティーを今から実現するのは難しいですけど、玉とか一輪車とか、槍とか小道具が揃ってきてますので、見よう見まねから始めて、出来ることはないかと色々と考えてます。

鈴木:サーカス団だからね、一つぐらいは芸ができないとね。

井澤:だから、今はお手玉を練習しているんです。

――本作のサーカスや曲馬団、何よりも“ベイビーさん”の存在自体が、どこかフリーク・ショー的なイメージもあると思うのですが、いかがですか?

松尾:どこかそういう要素やイメージは、らもさんの頭の中にもあったとは思いますよ。みんな違うものが集まっていて、それぞれが認められているという。らもさんが全ての存在に対して尊敬しているところがあって、そういうフリーク・ショー的なサーカス団というか、何かムードとしてあるんじゃないかと思いますね。

『ベイビーさん』インタビューG2

――G2さんから見て、稽古の様子はどんな感じでしょうか?

G2:若い人たちより、キッチュたちの方が大変ですね(笑)。ベテラン勢の扱いの方が大変なんで、家に帰って三人のことを思い出して怒ることは何も無いですよ(笑)。

松尾:じゃあ、僕のことで怒ってるんですか?

全員:(笑)

G2:本当に理解しているかどうか分からないですけど、皆、僕の言葉を、頭で考えるより、浴びてくれている感じがある。こっちも言い甲斐があるし、「ハイ、やります!」と言わないのが良いね。「やります!」と言われると、こっちが萎えちゃうんですよ。「えぇ~ やれるはず無いじゃん、すごい難しい事を言ったんだけど・・・」と思うことが(笑)。だから、僕が非常に抽象的な事を言うんだけど、彼らなりに解決している現場があって楽しいですよ。

後は、やっぱり若い人たちが集まっていると休憩中に遊んだりしていて、サーカスの大玉とかが出るたびに皆で遊びだすから、騒がしいかな(笑)。キッチュが若い頃、うちの次女が生まれた時にお祝いに来てくれたんですけど、キッチュが長女と二人で風船を飛ばしてキャッキャッと走り回っていたなと、そんな事を思い出しました(笑)。

らもさんの本はテキストの部分というのも本当に良く出来ていて、そのらもさんのテキストをどういう風に受け取るかを、各自に考えてもらえれば成立するんです。それこそさっきの“ここで5分、キッチュがどうのこうの”みたいな。要するに歌があって~踊りがあって~みたいなサーカスのことが一言しか書いてない部分がいっぱいあって、そこをそろそろ現実的な線にもっていかなきゃいけないと。そこと、らもさんの戯曲の部分がどういう風に絡んでいくかというのが、今、自分が一番やりたいことですね。池田君はカーテンコールで天井から落ちてきたりとか、きっとスゴイことやるから(笑)。

池田:天井から降りてくるというのは厳しいですね(笑)。

G2:それは楽日だけでいいよ(笑)。

池田:そうですね、本編に支障をきたさない所で頑張ります(笑)。

G2:これだけ若くて今までやったことない人たちと、気心知れていて僕を突けば何が出るか知っているベテランの人たちとの組み合わせというのは、面白い空間になると思います。

『ベイビーさん』松尾貴史

――松尾さんは、稽古の感じはどうですか?

松尾:本当に周りの皆さんを見ていると、頭が下がるというか、自分はダメだなと自己嫌悪に陥る毎日です。

G2:(鈴木、池田、井澤の三人に)笑ってあげなさい(笑)。

池田:笑ってよろしいんでしょうか?(笑)

松尾:まぁでも、僕は稽古にはまだ歯抜けで入っていることが多いので、加速しないとな、と思っている所ですね。

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――三人は同年代ということで仲間意識はあると思うのですが、ある種のライバル的な意識はありますか?

鈴木:どうですかね。微妙に年がズレてるんですよね。ライバルとか考えても、楽しい気分にならないので、あんまり考えないですけど(笑)。池田君とは何回も一緒にやっていますし、井澤君とも二回目の共演ですけど、それよりも、せっかく新しい人に出会えて楽しいことをしている方がイイですね。もちろん、二人がいてくれるという心強さはありますね。ヤバイ時にご飯を一緒に行けるし、気を抜きたければ自分のワガママに混ぜることも出来るし、二人が真剣にやっているところにちょっかいを出すことも多分あるかもと思うし(笑)。そういう関係でいる方が、イイかな。

――お互いを見て、すごく勉強になったり、刺激になったりということはありますか?

鈴木:ありますね。俺に無いものを彼らは全部持っているので。二人が出来ることが俺には出来ないし、だから、自分が出来ることをやっていって、それが刺激になれば嬉しいです。

池田:別に作品を一緒にやってなくても、プライベートでもしょっちゅう会っているような仲なので。そういう意味で言うと、ものすごく楽な関係ではありますね。自分の良い所も悪い所も知っていてくれているというのは、心強いです。そう見える、そういう目線があるっていうのは心強いのかなとは思いますね。

『ベイビーさん』インタビュー

――それでは最後に、若手の三人から本公演を観にきて下さるお客様へメッセージをお願いします。

池田:すごくエンターテイメント性があり、全てが見どころだと言える作品です。色々な軸があるので、見方や、捉え方によって何通りにも見え方が変わってきます。舞台鑑賞するというのはチケットを買って劇場に足を運ぶまでと、なかなかハードルの高い行為だと思うんですが、この作品は、観劇デビューの人にもすごく優しい作品になっています。本当に自信をもって、観て下さいと言える作品です。テーマパークに行くような軽い気持ちで観て頂ける作品ですが、観た後には、思いもよらなかった物をお土産に持って帰れるのではないかと思っております。

鈴木:本作には“ベイビーさん”という得体の知れない物が出てきますが、それは、きっと観る人によって形や姿が違うと思います。そして、この舞台そのものも“ベイビーさん”のようにそれぞれ違うものに見えると思いますし、どういう風に見えても正解だと思います。今回、劇中の時代には「個」というものがあまりないですが、「同じ色に見えなくていいじゃん!」という雰囲気になってきた現代に、一番ピッタリな作品じゃないかと思っています。この作品がどのように映るのかを皆さんに劇場で体感して頂いて、そういった部分を楽しんでもらいたいですね。

井澤:タイトルの“ベイビーさん”とは何ぞや、というのを劇場の作品でどう表現するかという事から始まり、一から十まで全てが見どころです。その素敵な作品にプラスして、錚々たるキャスト、そして演出のG2さんですから、僕ら役者側としてもやりがいがあります。こういった環境の中で、こうした作品が出来るということは役者人生の中でそう多くは無いと思って、すごく気合を入れてやっています。
お客様も役者とリンクして泣いて下さったりとか、役者から出る涙や汗とか全てを感じ取って頂きたいです。本作の時代のことを知らなかったり、中島らもさんやG2さんの舞台を観たことがない方が多いと思うので、こういう芝居もあるんだよ、こういう世界観もあるんだよということを知って頂けたらと思います。あと、この作品から何か一つ感じて頂いて、観た後に誰かと共有してもらえたら僕たち役者側は光栄だと思うので、全てを楽しみにしていて下さい。劇場でお待ちしております。

公演情報
日時:2015年11月7日(土)~14日(土)
会場:Zeppブルーシアター六本木
作:中島らも
演出:G2
出演:池田純矢 鈴木勝吾 井澤勇貴 入来茉里/小須田康人/松尾貴史 ほか
チケット料金:8,500円(全席指定・税込)

お問い合わせ:セガ・ライブクリエイション 03-6871-7680 ※10:00~18:00(土日祝を除く)

◆『ベイビーさん』公演直前プレイベント実施決定!
開催日時:11月2日(月)
18時30分開場 19時開始予定 20時終演予定
場所:Zeppブルーシアター六本木
出演予定キャスト:池田純矢、鈴木勝吾、井澤勇貴、入来茉里、坂元健児、小須田康人
司会:植本潤
<イベント参加資格>
『ベイビーさん』公演チケットを2枚以上お買い求めいただいているお客様。
※入場口にて、ご購入されたチケットを確認の上、ご入場いただきます。ご購入済みのチケットを当日会場に必ずご持参ください。

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