舞台『銀河英雄伝説 星々の軌跡』間宮祥太朗インタビュー!「有終の美を飾りたい」


舞台『銀河英雄伝説』シリーズの特別公演『銀河英雄伝説 星々の軌跡』の上演が決定。原作は田中芳樹の長編SF小説。自由惑星同盟と銀河帝国の果てしない戦いを描いて、2011年の『第一章 銀河帝国篇』から全10作品を上演し、2014年2月の『第四章 後篇 激突』にて舞台シリーズが完結。今回の特別公演は、自由惑星同盟のヤン・ウェンリー提督を演じる河村隆一の呼びかけで決定した。銀河帝国の「常勝の英雄」としてヤンと拮抗するラインハルト役を演じるのは間宮祥太朗。2012年の『輝く星 闇を裂いて』で初登場以来、今回で6回目のラインハルト役となる。
「有終の美を飾りたい」と強い決意を持って、ラインハルト役に臨む!

『銀河英雄伝説 星々の軌跡』間宮祥太朗

――今回の特別復活を聞いてどう思われましたか?

驚きましたね。これまで舞台『銀河英雄伝説』(以下『銀英伝』)に5回出させていただいたんですが、公演の間があいても「まだラインハルトは続いている」という一種の緊張感みたいなものを持っていたんです。でも、前回の『第四章 後篇 激突』が終わったときに緊張のスイッチがオフになったというのもあって、「大丈夫かな」という気持ちもちょっとありました。でも、今日演出のヨリコジュンさんにお会いして「前回やったことを追わなくてもいい、1年たって間宮の中でも変化があるだろうし、今まで通りのものをやるというより進化していけたらいいね」と言われたんです。今までラインハルトをやって来た「線」からそれるのは違うと思いますが、変化が見てもらえたらいいなと思います。

――前回の『激突』のあと、『ミス・パイロット』『弱くても勝てます~青志先生とへっぽこ高校球児の野望~』『水球ヤンキース』『学校のカイダン』と連続ドラマの出演が続きましたね。それによって、芝居の取り組み方が変わったり、ラインハルトを演じるにあたっての意識が変わったりしましたか?

そうですね。舞台、特に『銀英伝』は見得を切るじゃないですけど、後ろの席のお客様まで伝えるために大きな動きで見せたり、声の抑揚をつけて演じる方法を取っていたんです。一方で、この1年間ドラマをやってきて、自分の中でテーマにしていたのは繊細さ。コップに水がたまっていって表面張力の状態から少しこぼれ出るというような表現がしたいなと思ったんです。自分ではまだまだだなと思う部分ももちろんありますが、そういう表現が目指せるようになったのは少しは成長できたかなと思うので。今回の『銀英伝』をやるにあたっても、そういう繊細さを持って演じられたらいいなと思います。

『銀河英雄伝説 星々の軌跡』間宮祥太朗

――今回ラインハルトを演じるにあたって、意識していることはありますか?

今回の公演で僕が演じるラインハルトと、僕もお客様も決別することになると思うんです。「有終の美」を念頭におきながら、もっともっと突き詰めていきたいですね。

――ラインハルトと間宮さんご自身に共通点はありますか?

うーん、そうですね…たとえば「あれがほしい」「あそこに行きたい」ということに対して遠回りを選ばない、直線でしか考えられない部分がラインハルトにあって、そこが共感できますね。僕も決めないでいる間は優柔不断なんですが、決めるとなると早いです。

――それは、間宮さん自身のプライベートでもそうなんですか?

以前本当にあったのは、朝起きて、約束をしてた友人と会って「どうしようか」と話していたら急に「江の島に行きたい」と思い立って。そのまますぐに江の島に行って、何をするのでもなく、一日中江の島にいました(笑)。

『銀河英雄伝説 星々の軌跡』間宮祥太朗

――なるほど(笑)。今回は『銀英伝』に以前から出演したキャストが大集結しますね。

『銀英伝』はいつも同じキャストというわけではなくて、新しいキャストの方が入ることで、どんどん刺激を受けて変わっていくんですね。僕が初めてラインハルトで出演したときもそうだったと思います。でも、そこには河村(隆一)さんであり、貴水(博之)さん、中川(晃教)さんというぶれない中心に立っている柱がある。今回もこれだけのメンバーが揃うのは河村さんが呼びかけたからだろうと思いますし、僕自身も河村さんに「ラインハルトをやるのはお前しかいないから」と言われたのは大きいです。無類の『銀英伝』のファンである河村さんにそう言っていただけたら、とても安心できるので。

――自由惑星同盟の「不敗」のリーダー、ヤンと銀河帝国の「常勝」の将であるラインハルトは鏡のような存在ですよね。

河村さんが演じるヤンには穏やかなゆとりや物事をしっかり見られる広い視野があって、存在感がちゃんと感じ取られるんです。ヤンに負けないように、ラインハルトも貫禄を持って勝負していきたいですね。

――映画、ドラマ、舞台と幅広く活躍されていますが、どのジャンルが好きですか?

どのジャンルも好きだけど、そもそも業界に入ったきっかけは「映画が好き」ということだったので、思い入れがありますね。舞台は実際にナマで演じるし、スリリングじゃないですか。他の人から何かをもらったり自分も新しいものを出しながら影響を与え合っていけるところが一番の面白さだと思う。ドラマは一話一話リアルタイムで、最終的にどうなるか分からない状態でスタートを切るというのが、舞台や映画と大きく違うところ。その中で、時にはぶれたりしながら作っていくのが面白いかなと思います。

――ご自分の中で印象に残る作品は?

中屋敷(法仁)さん演出の『飛龍伝』。(つかこうへい作の)昔からある素晴らしい戯曲を中屋敷さん演出で、ということで自分の中でターニングポイントになった、思い入れのある作品です。共演した玉置(玲央)さんからもパワーや愛など、いろんなことを教わったなと思います。

『銀河英雄伝説 星々の軌跡』間宮祥太朗

――ところで、ファンの方から「間宮閣下」と呼ばれているそうですね。

ありがたいことに、そんな愛称までつけていただいて(笑)。河村さんや貴水さんのファンの人たちにしたら息子に対するように(笑)、温かい目で見ていただいているなと思うんです。それは、河村さんがずっと「俺と間宮が主人公なんだから」と言い続けてくれたり、貴水さんがご一緒したときに、ファンの方たちに僕を「これ、間宮、間宮」と言い続けてくださったりしたのが(笑)、影響があるなと思います。

――それだけ、間宮さんのラインハルトが愛されているということですよね!

本当ですよね。ありがたいです。

――皆さんの愛情と期待を背負ったこの公演、最後に意気込みをお願いします!

皆さんには期待を高めに持っていただいて、それを越えていけるものを作っていきたいと思いますね。今回が本当に見おさめになると思うし、自分もそれだけ集中して演じるので。きっと、お客様と心が通じる瞬間があると思うんです。…千秋楽のカーテンコールとかヤバそうですよね。今から感慨深くなってきちゃった(笑)。

『銀河英雄伝説 星々の軌跡』間宮祥太朗


◇間宮祥太朗(まみや・しょうたろう)プロフィール◇
1993年6月11日、神奈川県出身。2008年ドラマ『スクラップ・ティーチャー~教師再生』で俳優デビュー。2010年には、若干16歳で長塚圭史演出の舞台『ハーパー・リーガン』に抜擢。以降、テレビドラマ、舞台などで活躍。主な出演作に、舞台『露出狂』『飛竜伝』、ドラマ『水球ヤンキース』(フジテレビ系)、『弱くても勝てます~青志先生とへっぽこ高校球児の野望~』(日本テレビ系)『学校のカイダン』(日本テレビ系)にレビュラー出演。1st PHOTO BOOK「未熟者」(ワニブックス刊)が発売中。

◇特別公演 舞台『銀河英雄伝説 星々の軌跡』◇
1500年後の未来。人類は宇宙に進出し、独裁政権である「銀河帝国」、民主主義をかかげる「自由惑星同盟」が150年にも渡る戦争を続けていた。そこへ銀河帝国のラインハルト・フォン・ローエングラム、自由惑星同盟のヤン・ウェンリーの二人の天才が登場。幾度もの戦火を交え、決着の日が迫っていることを誰もが感じていた。しかし、第3勢力のカフェザーンの出現により、運命の歯車は大きく動き出すのだった…。盟友の死を乗り越え、宇宙を手に入れるという誓いを新たにするラインハルト、好敵手に奇妙な友情を感じながらも挑戦を受け入れるヤン。さまざまな思いを胸に秘め、英雄たちは最後の直接対決を迎える。
2011年1月から2014年3月まで、全10作品を上演し、累計15万人を動員、惜しまれながらも最終章を迎え幕をおろした舞台「銀河英雄伝説」シリーズ。これまでに出演してきたキャストが集結するシリーズが凝縮された特別公演。

特別公演 舞台『銀河英雄伝説 星々の軌跡』
<出演>
河村隆一、間宮祥太朗/中村誠治郎、山本匠馬、小柳心/はねゆり、三上俊、中山由香、福山翔大、長江崚行、山﨑雄介、一ノ瀬ワタル/増澤ノゾム、伊藤哲哉、宮本大誠、萩野崇/渡辺裕之、天宮良、石坂勇/中川晃教/貴水博之 ほか
<原作>
田中芳樹「銀河英雄伝説」シリーズ(創元SF文庫刊)
<演出>
ヨリコジュン
<脚本>
ヨリコジュン、川光俊哉

<スケジュール>
【東京公演】2015年6月10日(水)~6月21日(日)Zeppブルーシアター六本木

衣装協力:TOM REBL(SHIFFON 03-6666-4321)

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