ミュージカル『ピーター・パン』山﨑玲奈インタビュー「私の初がたくさんあるので、がんばれ自分!という感じ」


2023年7月25日(火)から東京・東京国際フォーラム ホールCにて、青山メインランドファンタジースペシャル ブロードウェイミュージカル『ピーター・パン』が上演される。1981年の日本上演から、多くの大人と子供に親しまれてきた本作。43年目を迎える2023年に装いが大きく変わる。

11代目となるピーター・パンを演じるのは第44回ホリプロタレントスカウトキャラバン(TSC)「ミュージカル次世代スターオーディション」でグランプリを獲得した山﨑玲奈。TSC参加以前には、ミュージカル『アニー』で主演を務めるなど、その才能の片鱗を見せていた。さらに、今回の公演より、国際的に活躍するクリエイター・パフォーマーの長谷川寧が演出・振付を担当し、美しい音楽と感動のストーリーはそのままに、新たな演出・振付で生まれ変わる。

今回は、新ピーター・パンを演じる山﨑に、『ピーター・パン』の思い出や、意気込みなどを聞いた。

ミュージカル『ピーター・パン』山﨑玲奈インタビュー「私の初がたくさんあるので、がんばれ自分!という感じ」

――2018年のアニー合格発表を取材していたのですが、アニーに続いて11代目ピーター・パンとすごい活躍ですね。

ありがとうございます! アニーの合格発表は本当に懐かしいです。それこそ『アニー』に出演していた時から、『ピーター・パン』にも出たいと『アニー』の出演者の方にも言っていたんです。だから、ピーター・パンになれると聞いた時はすごく驚きました。ずっと憧れていた作品で、しかもずっと憧れていたピーター・パンという役になれるというのは、アニー役に受かった時ぐらい嬉しかったです。

――アニーとピーター・パンの両方を1人の役者が演じるというのは史上初だそうですが、『ピーター・パン』に出演が決まった時のご家族の反応はどうでしたか?

自分でもびっくりしています。母は、『ピーター・パン』というミュージカルのことを知っていましたし、昔からずっと続いている作品に私が出ると決まった時は、本当に喜んでくれました。父は、それほどミュージカルに詳しくはないんですけど、『ピーター・パン』のことは知っていて、私がずっと出演したいと言っていた作品だったので、すごく喜んでくれました。

――『ピーター・パン』は憧れの作品だということですが、作品の印象は?

すごく小さい頃に、唯月(ふうか)さんが演じる『ピーター・パン』を観たんです。『ピーター・パン』の初体験はディズニー映画だったんですけど、ピーター・パンが世界を飛んでいて、子供の頃って空を飛ぶというのに憧れるじゃないですか。だから、フライングで空を飛んでいる人がリアルで目の前にいるという感覚がすごく楽しくて、「自分も空を飛びたい!」と思ったんです(笑)。しかも、コミカルで、内容が理解できなくても楽しめたので、小さい子でも楽しめる作品という印象です。

――新演出として生まれ変わることへの期待について聞かせてください。

台詞や歌詞はおおまかに一緒なんですけど、イメージが全く違っていて、今までのピーター・パンとは結構違う印象になっています。私と同年代の高校生が見ても、惚れてしまうぐらいのすごくかっこいいピーター・パンになっているんですよ。だから、何回も観たからもういいかなと思っている方も、今年は全く印象が変わるので、初演を観に行くような気持ちで観に来ていただきたいと思っています。

ミュージカル『ピーター・パン』山﨑玲奈インタビュー「私の初がたくさんあるので、がんばれ自分!という感じ」

――演出の長谷川さんとはどのような話をしていますか?

寧さんが思い描いている「こういうピーター・パンにしたい」というピーター・パン像と、私が「こういう風にやりたい」というピーター・パン像を照らし合わせるみたいなことをお話しさせてもらっています。そこで2人とも共通していたのが、みんなが「わー!あのピーター・パン、本当にかっこいい!!」と思えるようなピーター・パンにしたいということだったんです。なので、そのお話をしていた時も2人でどういう風にしたらかっこよく見えるかとか、子供たちが憧れるだけでなく、大人から見てもすごくかっこいいと思えるにはどうしたらいいかというような話し合いをしています。

――かなり深いところまで役作りの話をしているんですね。

そうですね。『ピーター・パン』は子供向けミュージカルというイメージがあるじゃないですか。だから、もっと幅広い方にも見ていただくために、子供向けというよりかは、みんなが楽しめるミュージカルにしたいということですね。

――フック船長役の小野田龍之介さんとはミュージカル『フィスト・オブ・ノーススター~北斗の拳~』(以下、『北斗の拳』)に続いての共演になりますが、小野田さんの印象を教えてください。

本当に尊敬している方で、いろんな作品にも出演されていますし、お芝居も歌もお上手で、お話していてもすごく面白くて楽しい方です。だから、ピーターとフックは掛け合いのシーンが多いんですけど、個人的にそういうシーンの会話も楽しくできそうだなと勝手に思っています(笑)。

――『北斗の拳』の小野田さんはトキという聖者的な役でしたけど、小野田さんによる悪者のフック船長はどんな風になると思いますか?

トキももちろん似合っていたんですけど、絶対にフック船長も似合うと思うんですよ。フック船長役と聞いた時は、「めっちゃフック船長だな」と思って。すごく優しい方なんですけど、意地悪な面もあったりというか(笑)。なので、フック船長と似た所も結構あるかなと思うんです。フック船長はコミカルな悪者なので、ぴったり合いそうな感じがしています。

――公演に向けて準備していることはありますか?

最近、フライング稽古が始まったんですけど、いざやってみるとやっぱり体幹が必要だなとすごく身に染みています。バランスも取らなきゃいけないし、飛んでいる最中もバランスが崩れて「うわっ!」となってしまう時もあったので、体幹をきっちりするためにも腹筋とか日々の運動とかはちゃんとやらなきゃいけないなと思っています。運動しない日も多々ありますけど(笑)、できるだけ時間を見つけて腹筋とかランニングとか体を動かすようにしています。

――ダンスも得意だと思うので、体幹は大丈夫じゃないでしょうか?

「歌とダンスで、どちらが苦手ですか?」と言われたら、ダンスなんですよ(笑)。だから、それも含めていろいろと心配はしていて、頑張らないとヤバいんです。

――フック船長との殺陣もありますが、アクションはどうですか?

寧さんによると殺陣とかダンスとかフライングとかいろいろあるようで緊張しまくっています(笑)。アクションの先生から、こういうものが入るとはまだ言われてないので、まだビクビク状態です(笑)。

――殺陣は初経験ですか?

初めてです。『北斗の拳』ではたくさんのアクションがあったんですけど、私はそれを見るか、応援するかだったので(笑)。自分がやるというのはなかったので、今回が初です。『ピーター・パン』では、フライングも初ですし、殺陣も初ということで、私の初がたくさんあるんです。とりあえず、今はもう「がんばれ自分!」という感じです(笑)。新しいことがたくさんですけど、そこも見どころにしていただければ嬉しいです。

ミュージカル『ピーター・パン』山﨑玲奈インタビュー「私の初がたくさんあるので、がんばれ自分!という感じ」

――ピーター・パンを演じるにあたっての心構えは?

『ピーター・パン』は長く続いているミュージカルで、そこで皆さんが演じてきたそれぞれのピーター・パンも本当に素晴らしかったですし、それを受け継いで自分が今回11代目として舞台に立つので、受け継いだものを受け取って自分が皆さんにお届けするという心構えです。それこそ新演出の寧さんも初めての『ピーター・パン』なので、伝統も大事ですけど、伝統に新しいものを交えながら、新しくかっこよく、山﨑玲奈なりのピーター・パンを作りたいと思っています。

――ちなみに、山﨑さんがミュージカルを好きになったきっかけをお聞きしてもいいですか。

母がミュージカルを本当に好きで、私が小さい頃から映画の『レ・ミゼラブル』や『ウェスト・サイド・ストーリー』などを見せてくれていたんです。内容は理解できていなかったと思うんですけど、歌が映像と一緒に流れているのが楽しくて、体を動かしながら聴いていた思い出があるんです。そこからディズニー映画を好きになって、『リトル・マーメイド』のアリエルとかディズニー・プリンセスが好きになって、そのプリンセスに「うわー! かわいい!!」と憧れていました(笑)。その憧れから歌を家でしょっちゅう歌うようになって、そこから歌うことが本当に好きになったので、ミュージカルが好きになったというか、最初に歌が好きになって、そこからミュージカルも好きになっていったという感じです。

――そうなると、将来はディズニーのアニメ映画で吹替えの仕事もできるといいですね。

本当にやりたいです! ぜひやってみたいお仕事の一つです。

――『アニー』以前から舞台に出演されていたそうですが、どんな舞台に出演されていたのでしょうか?

愛媛県に住んでいる時に、ミュージカルスクールに通っていたんですけど、その時に東温市で行われていた東温市民ミュージカルで『城ノブ~愛媛のマザー・テレサ~』という舞台に出演させていただいたのが最初でした。そこから、また違う市民ミュージカルへ出演した後に、東京で『チンチン電車と女学生』という作品に出演させていただいて、その後に『アニー』に受かったんです。

――俳優としての目標はありますか?

俳優としての目標は、事務所の先輩である高畑充希さんです。高畑充希さんみたいに、舞台はもちろんですけど、ドラマや映画など幅広く活躍していけるような俳優になるのが目標です。

――高畑さんは8代目のピーター・パンでしたね。

やっぱりかっこいですよね。細かいお芝居もそうなんですけど、歌とかフライングも本当に素敵でした。高畑充希さんのピーター・パンもすごくかっこよかったので、それを越えるくらいのつもりで、自分なりのかっこいいピーター・パンを作りたいなと思っています。

――最後に、本作を楽しみにされている方々にメッセージをお願いします。

11代目ピーター・パンとして、新演出のもとでガラッと変わって、皆さんが惚れ込むようなかっこいいピーター・パンになるので、皆さんぜひ観にきてください!

(取材・文・撮影/櫻井宏充)

ミュージカル『ピーター・パン』山﨑玲奈インタビュー「私の初がたくさんあるので、がんばれ自分!という感じ」

ミュージカル『ピーターパン』公演情報

上演スケジュール

2023年7月25日(火)~8月2日(水) 東京国際フォーラム ホールC
ホリプロステージにてチケット好評販売中!

スタッフ・キャスト

【原作】サー・J・M・バリによる作品を元にしたミュージカル
【作詞】キャロリン・リー
【作曲】モリス(ムース)・チャーラップ
【翻訳・訳詞】福田響志
【演出・振付】長谷川寧

【エグゼクティブ・プロデューサー】堀威夫

【出演】
ピーター・パン:山﨑玲奈
フック船長:小野田龍之介
ウェンディ:岡部 麟(AKB48)

ダーリング夫人:須藤理彩

タイガー・リリー:江上万絢
パイレーツ:今村洋一、渡部又吁、天野夏実、藍実成、伊藤奨、米澤賢人
ロストボーイズ:德岡明、小熊綸、阿部美月、梶みなみ、松尾音音
モリビト:髙城 徹、住 玲衣奈、ASUKA、古澤美樹、西澤真耶、大津夕陽、大津朝陽、松平和希
ジョン役(Wキャスト):東未結、堀 蒼寿
マイケル役(Wキャスト):畠中一花、三田一颯

公式サイト

【公式サイト】https://horipro-stage.jp/stage/peterpan2023/
【公式Twitter】@peterpanjapan






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