森田桐矢×皆木一舞インタビュー!舞台『魔法使いの約束』祝祭シリーズ Part1「どこまでいっても西は西」


2023年2月17日(金)に開幕した舞台『魔法使いの約束』祝祭シリーズ Part1。メインストーリー三部作を終え、新たなフェーズに入る『まほステ』を前に、「西の国」ラスティカ役の森田桐矢と、クロエ役の皆木一舞に作品について聞いた。

メインストーリー三部作の第2章から『まほステ』に参加した2人。自身にとっても、大切な作品になったという2人が、試行錯誤しながら役と歩んできた道のりを語ってくれた。

舞台『魔法使いの約束』祝祭シリーズ Part1 開幕!西の国・南の国の個性際立つ

――舞台『魔法使いの約束』はメインストーリーの三部作を終え、祝祭シリーズが始まりますが、お二人にとって『まほステ』はどういう位置づけの作品になっていますか?

森田:僕は、三部作の2作目から参加させていただいたんですが、確実に仕事の中心になった気がしています。祝祭シリーズに対しても、発表されてから「良いものにしたい」という想いは常に持ち続けていましたし、何をしていても、常に頭の片隅にある作品になりました。

皆木:出演されているキャストの方々、みんな素晴らしい方ばかりで。プロ意識の高さや、仕事に対する取り組み方とか、勉強させていただくことがいっぱいありました。新しい作品に関わる度に、自分の中で少しずつ新しい価値観などに出会うんですけど、『まほステ』はその気づきが一番大きかったかもしれないです。それこそ、魔法をかけてもらった、みたいな。これ、いい例えな気がする!

森田:ごめん、ちゃんと聞いてなかった(笑)。

皆木:え~!!

――撮影中も楽しそうなお姿を拝見していましたが、お二人、めっちゃ仲良しですね。

森田:いやいや、仲いいふりをするのが得意なんです!

皆木:ビジネス仲良しです(笑)!

舞台『魔法使いの約束』第1章「西の国」+賢者インタビュー!山田ジェームス武×橋本汰斗×新 正俊 “マイペースに積み上げる関係性”

――いいチームワークです(笑)。「西の国」の皆さんは、マイペースで、自分の価値観を大切に生きているキャラクターが多いですが、役者としての「西の国」チームはどんなチームになりましたか?

森田:「西の国」って、キャスト同士で集まることがあまりないんですよ。みんな自分のルーティーンや、自分のやりたいことをやって、出番直前に4人でガッと集まって、そのまま舞台に、みたいな。終わったら、また思い思いに散っていく感じで。

皆木:僕たちも、基本マイペースなのかも。

森田:そうだね。他の国の皆さんは、集まって会話をしながらあっためて、みたいなところもあるし、もっとしっかり話し合っているところもあるんですけど、僕らはもう、とにかくギリギリ(笑)。

皆木:「西の国」は、例えば「がんばろうぜ!」って円陣を組むことをあんまり重視していない人が集まっている気がしていて。そういうのも、気持ちを一つにするためにすごく大事だと思うんですけど、逆にそうしない“ゆるさ”みたいなものが、舞台上にもいい作用を生んでいる気がして、僕は逆に「西の国」のいいところだなと感じています。

森田:ジェーさん(山田ジェームス武)が、キャラクターとしても先生的な存在だし、役者としても引っ張っていってくれるんです。だから、ジェーさんの向いている方向を僕らも見ているというか。マイペースな人たちが、ジェーさんの示してくれたベクトルに乗っかって出来上がったのが、今の「西の国」だと思うんです。

お芝居のディスカッションをする時も、ジェーさんが「ちゃんとやろう、こうしよう、ああしようと決めすぎるんじゃなく、やってる僕らが楽しい、これがいいと思ったら、それが勝ちじゃん」というスタンスでいてくれるんです。芝居について、「上手くできた?」じゃなくて、「楽しかった?」って聞いてくれる。そういう導き方の上にできあがったのが、今の「西の国」で。みんなが「楽しく、マイペース」でいることは、原作ともリンクしてるのではと思っています。

皆木:ジェーさんの言動からは、「めっちゃお芝居が好き!」っていう気持ちが伝わってくるんです。そういうジェーさんのお芝居に対する姿勢に、僕らも自然と同調してきたような感覚があって。

細かい話になりますが、「台詞の一言一言のバックボーンとか、行間を考えたりとか、それを正面からストレートに読み取るのではなく、ちょっとひねって見てみると、そこにまたストーリーが生まれて面白い」ってジェーさんがおっしゃっていて。僕はそんな考え方をしたことがなかったので、ジェーさんに教えていただきました。お芝居を自然に「楽しむ」ことを優先順位の一番上に置いているのが、「西の国」の特性とも合っていて、僕らの間で活かされている気がします。

――これまでの『まほステ』を拝見して、「西の国」に抱いていた感覚がすごく腑に落ちました。祝祭シリーズとして続くことが発表された時、ものすごく大きな反応がありましたが、お二人はどのように受け止められていましたか?

森田:実は、最初は他人事感が強かったんですよ。どうしても、目の前のハードルを超えることに必死だったので、自分たちのこととしては捉えられていなくて。終わってから、「あ、僕出るんだった!」みたいな。前から知っていたはずなのに、第3章の千秋楽の袖で、初めて「祝祭シリーズやるんだ!」って改めて衝撃を受けていました。お客様と同じ反応をしていました(笑)。

皆木:そうだよね。クロエとラスティカの出るシーンでは結構苦戦していたこともあって、僕らは日々試行錯誤、目の前のことに精一杯だったから。もちろん、やるのは分かっていたんですけど、頭には全然置き場所がなくて。千秋楽前のリハの時に、発表映像も流していたんです。それを見て、「あ、やるんだ!」って実感したのを覚えています。

森田:ちょっと、1から10まで僕と同じこと言ってない?

皆木:いや、僕の方が気づいたのはちょっと早かった!

――(笑)。第2章の出演から、クロエとラスティカの役作りについては、どんな変遷をたどって、今に至っているのでしょうか?

皆木:第2章の時は、何が正解かが分からない状態だったこともあって、とにかく、言われたことを愚直にやることに必死でした。もちろん、自分で持っていくアイディアもあるんですが、言われたことをなるべく忠実に再現しようという気持ちが強くて。だから、自分の中では「クロエを演じている」という感覚が強かったのですが、第3章に入って、公演を重ねることに「クロエでいる状態が楽になった」と感じられるようになった気がします。そうすると、もっとこうしてみようという、いい意味での余裕が出てきたから生まれる変化などもありました。

森田:僕も、第2章の時は迷いもありましたね。原作に寄せようとして空回りしてしまったり・・・。当時、演出のほさかさん(ほさかよう)に「もっともっと上げて」という指示をいただいていたんですが、正直に言うとそれに疑問を持ったこともあったんです。でも、その「上げた」状態がハマった時、僕の考えていたことより、ほさかさんは客観的にもっと広い視野でラスティカのことが見えていたんだ、それが正しかったんだと実感しました。ラスティカとして、章を重ねるごとに徐々にいろんなことを学ばせていただいています。

それから、僕、ピアノを始めたんですよ!祝祭シリーズの原作では、ラスティカがピアノを演奏するシーンがあるので。元々楽器が好きで、ベースとか、ヴァイオリンとか、サックスをやってみたことはあったんですが、ピアノは触れたことがなかったんですよ。これを機に、ピアノを買って、スクールにも通っています。舞台上ではピアノを弾くのも芝居になると思いますが、気持ちは本当に弾くぐらいの意気込みで!お芝居でも、指は本物の動きができた方がいいしね。

――ちなみに、お2人は一緒のシーンに登場されることが多いですが、お2人で話し合うことも多いんでしょうか。

皆木:僕ら、いっぱいいっぱいだと自分たちのことがなかなか客観視できなくて。だから、信頼できるジェーくんや汰斗くん(橋本汰斗)に見てもらって、アドバイスをもらっていたりします。

森田:そうだね。2人で、というよりは、「西の国」4人で話し合うことが多いかもしれないです。

皆木:1回アドバイスをもらって、役を入れ替えて稽古をしてみたんですよ。俺がラスティカ、桐矢がクロエで。そうしたら、見える景色が変わったんです。台詞は決まっているものだけれど、その台詞を「どう言うのか」。相手のためになる台詞の言い方が、相手の役になることによって分かったりして。

皆木:さっき、桐矢も言っていましたけど、ほさかさんにもたくさん導いていただきました。最初は疑問に思いながらも、ほさかさんが意図するものが分かった時に、改めてほさかさんのすごさも実感しました。

例えば、クロエのスカーフのエピソード。僕は悲しみを全面に出すイメージをしていたんですが、ほさかさんからは「声に泣きのトーンとか入らなくてもいい。とにかく明るく振る舞ってみて。気丈に振る舞う、そういう感じでやってほしい」というオーダーをいただいて。僕は最初はほさかさんの意図するところが腑に落ちず・・・だったんですが、やってみたらその方がバランスが取れていて。すごくハッとさせられましたね。だから、僕ら2人のシーンも、「西の国」の皆さんと、ほさかさんとで作り上げてきました。

――ちなみに、ほさかさんは今も稽古場で指揮棒を振られていますか?

森田:振っておられます!しかも、『まほステ』に特殊造形で入ってくださっている林屋陽二さんが作った特別な指揮棒を。誕生日プレゼントだそうです。

皆木:だから、本当に魔法を使っていそうなんですよ(笑)。稽古中はほさかさんが一番魔法使いっぽいです。

――いよいよ祝祭シリーズに突入しますが、今回のエピソードにはどんな印象を持たれましたか?

皆木:今回のエピソードには「家なし魔女」が登場しますが、クロエが彼女に寄り添っているところにぐっときました。クロエって、今までは「助けられる側」だったと思うんです。でも、誰かにつらい過去から助けてもらった経験があったからこそ、同じくつらい境遇にいた「家なし魔女」に寄り添ってあげられる。クロエ自身の温かい心根が感じられて、すごくいいなと思いました。スカーフのシーンを経たクロエとして、物語に向き合っていきたいなと思ってやってきました。

森田:シナリオとしては、「西の国」の深堀りとしても面白いですし、「西の国」の言わずとしても伝わるチームワークが如実に出ていると思います。僕ら以外でも、「西の国」の貴族が召使いの人に対して、「せっかく素敵な音楽なんだから一緒に楽しもう、一杯どうぞ」といった声をかけるシーンがあるんですが、そういうところに「西の国」らしさが出ている気がして、すごくいいなと思いました。そういう細かいところで、「西の国」の魔法使いを演じられて良かったなと思ったりしています。

――お2人は、一緒に歩んできてお互いに対して気づく変化とかありましたか?

森田:そうですね・・・ずっと一緒に階段を登ってきている感じなんですよ。

皆木:そうだね。それぞれの時期にそれぞれの課題があって、毎回時間が足りない!って2人とも悩んでいたから・・・。結果として振り返ってみれば、すごく変わったと思うんですけど。

森田:あっ!一つ、すごく思うところがありました。

皆木:なになに?

森田:箒の扱いがすごく上手くなったよね。

皆木:あ~!

森田:クロエの箒って、ものすごくアンバランスなんですよ。扱いに苦労しているなと思って見ていましたけど、どんどん回すのが上手くなっていってました。

皆木:最初はひたすら箒に振られていましたね・・・(笑)。中心を持って横にすることができないぐらい、重心が偏っているんですよ。縦の状態が一番安定していて、横を保つのはとても難しくて。だから、回す時は一瞬で回して、すぐ縦にして構える、みたいな工夫は身につけました。

森田:みんなで共通の振りで踊る時も、それぞれの箒のバランスが違うので、上手く出来なかったりしたんですよ。みんなと揃って見えるようにって、本当に苦労していました。映像で見返すと、公演を重ねるごとに上手くなっているのが分かると思います。

皆木:祝祭シリーズでは、より安定した箒捌きになっているはず!

――一つ一つ積み重ねた上での祝祭シリーズ、クロエとラスティカの見どころは?

森田:一貫して、ラスティカはラスティカらしい、という点です。裏がないというか、ラスティカは本当に真っ直ぐに生きているんだなと思えます。今回は、そういう「らしさ」が深堀りされていると思います。相変わらず、素敵ですよ。

皆木:衣裳とか、全体としての雰囲気が今までと全然違うと思います。クロエとしては、全体を通して他者との関わり方や、存在の仕方が少し変化しているようにも思います。それは、舞台に立って演じる上での視点かもしれないですけど。クロエも「らしさ」を、今まで以上に感じてもらえると思います。

森田:どこまでいっても西は西らしいです!

皆木:上手いこと言った(笑)!

――いい言葉をいただきました(笑)。「西の国」のらしさを、楽しみにしております。

森田:今まで以上に、幕ごとにガラっと雰囲気が変わると思います。おそらく、一幕は「西の国」オンパレードです!「西の国」が好きな方も、他の国が好きな方も、ぜひ「西の国」の空気を存分に浴びてください。きっと、「西の国」らしさであたたかな気持ちになっていただけるとなると思うので。ぜひ、大いに楽しんでください。

皆木:祝祭シリーズのPart1ということで、次にバトンを繋げるように盛り上げたいという気持ちがあります。そして、作品のファンの方々に非日常を。何にも知らない方にも楽しんでいただけるように、「西の国」のカラーを存分にお届けできればと思っておりますので、ぜひ楽しんでくださいね。

(取材・文・撮影/エンタステージ編集部 1号)

\DMM TVにて3公演をライブ配信/

\ライブ配信の視聴購入はこちら/

2/17 18時(初日) 

※3月3日(金) 23:59までディレイ配信

      3/4 18時      

3/5 13時(千秋楽)

  3公演FULLセット 

舞台『魔法使いの約束』祝祭シリーズ Part1 公演情報

上演スケジュール

2023年2月17日(金)~3月5日(日) 天王洲 銀河劇場

スタッフ・キャスト

【原作】『魔法使いの約束』/coly
【脚本・作詞】浅井さやか(One on One)
【演出】ほさかよう
【音楽】坂部剛
【振付】本山新之助

【出演】
<西の国>
シャイロック:山田ジェームス武
ムル:橋本汰斗
クロエ:皆木一舞
ラスティカ:森田桐矢

<南の国>
フィガロ:和合真一
ルチル:大海将一郎
レノックス:白柏寿大
ミチル:弦間哲心

<東の国>
ファウスト:矢田悠祐
シノ:田村升吾
ヒースクリフ:加藤大悟
ネロ:坪倉康晴

真木晶(賢者):大森夏向
アントニオ:岡幸二郎
家なし魔女:牧浦乙葵

<POW-ers(パワーズ)>
片岡孝文 亀井照三 木村和磨 堀直人 望月凜 来夢
※POW-ers(パワーズ)とは「魔法使いの約束(Promise of wizard)」の世界を表現する人々のこと

ライブ配信概要

配信公演

2月17日(金)18:00公演(初日)
3月4日(土)18:00公演
3月5日(日)13:00公演(千秋楽)
3公演FULLセット

【ライブ配信時間】
各公演開始30分前~ライブ配信終了まで(予定)

販売期間

2月17日(金)18:00公演→3月3日(金)20:00まで
3月4日(土)18:00公演→3月18日(土)20:00まで
3月5日(日)13:00公演→3月19日(日)20:00まで
3公演FULLセット→3月19日(日)20:00まで

販売価格

各公演:3,800円(税込)
3公演FULLセット:11,000円(税込)※特典映像付き

ディレイ配信期間

2月17日(金)18:00公演
→2月18日(土)18:00~3月3日(金)23:59まで

3月4日(土)18:00公演
3月5日(日)18:00~3月18日(土)23:59まで

3月5日(日)13:00公演
→3月6日(月)18:00~3月19日(日)23:59まで

3公演FULLセット購入特典

【内容】配信限定 キャスト座談会映像
【配信期間】3月5日(日)17:00~3月19日(日)23:59まで

視聴方法

1.DMM.com無料アカウントへ登録し、ログイン
※DMMプレミアム会員でなくても視聴可能
2.ライブ配信販売ページより購入
3.「DMM TV」(ブラウザ版/アプリ)にて視聴

2/17 18時(初日) 

      3/4 18時      

3/5 13時(千秋楽)

  3公演FULLセット 

公式サイト

【公式サイト】https://mahoyaku-stage.com/
【公式Twitter】@mahoyaku_stage

(C) coly/舞台まほやく製作委員会






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