【逸材フラゲ!】舞台『漆黒天』出演!加藤大悟ってどんな人?スカウトで訪れた転機、歌への想いが拓いた役者への道


舞台を観て”気になるあの人”を直撃する企画「逸材フラゲ!」。久しぶりとなった第5回は、舞台『漆黒天 –始の語り-』で初めて原作のないオリジナル作品に挑戦する加藤大悟さんに注目!

加藤さんは、2018年末に結成されたアイドルグループ「Hi☆Five」のメンバー。『ヒプノシスマイク -Division Rap Battle-』Rule the Stageの四十物 十四役で舞台デビューしたのち、舞台『魔法使いの約束』のヒースクリフ役、ミュージカル『刀剣乱舞』シリーズの山姥切国広役など、人気2.5次元舞台に次々と出演しています。

出演作を重ねるごとに成長を見せている芝居、その芝居をしっかりと支える歌声。その“逸材”ぶりには、すでに多くの方が注目していると思います。今後が楽しみな加藤さんに、きっと今しか聞けないお話を伺ってきました。

(取材・文・撮影/エンタステージ編集部 1号)

消防士になるつもりだったけど・・・秘めていた「夢」に火を点けた突然のスカウト

──お仕事を始めるきっかけは、「TOKAIスクールボーイズ」のオーディション参加だったと思いますが、もともと芸能界に興味があったのでしょうか?

実は、もともと芸能界にはまったく興味なくて。自分が行く世界じゃないと思っていたんですが、ある日突然、スカウトで声をかけられたんです。場所はなんの変哲もない地元の商店街でした。洋服屋さんの前で友人を待っていたら、突然TVカメラを向けられ、ちょっと強面の芸人さんに話しかけられました。

――街ロケの最中に、ですか?

多分、そうだったと思います。今、僕は「Hi☆Five」というグループに所属しているんですが、その先輩にあたる「MAG!C☆PRINCE」さんの弟分グループを作るため、「TOKAIスクールボーイズ」を探そうという番組のロケで見つけていただき、今に至ります。

――ロケの突撃は、本当に突然なんですね(笑)。

びっくりしましたよ~!何の前触れもなくカメラ向けられて「出てもらってもいいですか?」「ちょっと歌ってもらってもいいですか?」って。あまりにも突然のことすぎて、「人権はないのか!」って思ってしまいました。最近、その時の動画を見返してみたんですが、ちょっと怒ってるみたいでした(笑)。

――そんな驚きの中でスカウトから、やってみようとどこに興味を持ったんですか?

ロケは突然だったんですが、そのあとに今のマネージャーさんがすごく丁寧に説明してくださったんです。さっきも言ったとおり、僕、本当に芸能界のこと知らなくて。「ワタナベエンターテインメント」も知らなくて。いただいた名刺の裏に、そんな僕でも分かるすごい方たちの名前が書いてあったのを見て、ようやくすごいことが起こったと気づきました。親にも連絡をしたら、すごいじゃん!と驚かれました。

でも・・・当時の僕は、消防士を目指していたんです。大学には行かず就職しようと思い、ずっと消防士の資格を取る勉強をしていて、スカウトを受けたのはちょうど試験の2ヶ月前のことでした。

──「夢」に、転機が訪れたんですね。

消防士になるのは、中学校1年生の頃から掲げていた夢でした。親に小さい頃から「お前は正義感が強いから消防士になってみたら」って言われていて・・・ある意味、洗脳ですね(笑)。でもテレビで消防士さんの活躍を観た時にかっこいい、自分もこうなりたいと憧れました。ムキムキになってモテたい(笑)!とか思ってたんですけど。

・・・多分、22歳目前の今の自分だったら、確実に消防士の道を選んでいたと思います。でも、18歳、19歳ぐらいの自分はまだまだ子どもで、驚きで怒ってましたけど嬉しかったですし、弱気だった自分に自信をくれたのがスカウトでした。

――決断の裏には何があったんでしょう。

実は、消防士になりたいという夢の裏で、親にも言っていなかった夢があったんです。それは「歌手になりたい」という夢でした。もともと歌が好きで、アーティストの西島隆弘さんが大好きで、Nissyみたいになりたかったんです。でも、それは芸能界への憧れではなくて、「こういう人になりたい」という憧れでした。

スカウトを受けた時、「人生一回きりだし、やってみたい」と初めてその夢を親に明かしました。今思うと、あの時の自分の決断はよかったと思うんですけど、後先考えていなかった。そのことで、消防士になる夢を応援してお金を出してくれていた両親とは、期待を裏切る形になってしまうこともあり、いっぱい喧嘩をしました。

毎日毎晩話し合った結果、最終的に父が「大悟の人生だし、大悟が本当にやりたいことを応援してあげる方がいいんじゃないか」と背中を押してくれて、この世界に入りました。母は渋々納得・・・という感じだったんですが、今では一番のファンでいてくれます。すごいですよ。マジで自分が出ている作品、全国どこへ行っても観に来てくれるんです。この前やったミュージカル『刀剣乱舞』 ~真剣乱舞祭2022~では、僕が出た福岡公演も広島公演も観に来てくれました(笑)。

──すごい!息子の歩みを見逃したくないんですね。

何があっても、どんな道を選んでも、親の愛がそこにあるのを感じました。

文化祭で演劇はこりごり!でも「歌」への想いが新たな挑戦へと背中を押した

──では、人前に立ったのはHi☆Fiveに加入してアーティスト活動を始めてからだったんでしょうか?

ステージでパフォーマンスをするのは、仕事を始めてからです。でも、高校の文化祭で『灰被り姫』という劇を人前で披露したことはありました。それが人生初舞台でした(笑)。

──演じることは、当時の加藤さんにとってどうでしたか?

二度とやりたくなかったです・・・(笑)。もともと、王子様役をやってくれと言われたけれど、自信がないから無理だよって言ってたぐらいだったので。最終的に折れて舞台には立ちましたけど、消極的でした。

――では、アーティスト活動から俳優へとフィールドを広げようと思ったきっかけがあったんでしょうか。

コロナ禍でグループとしての活動もままならないけれど「何かしたい」「新しい挑戦をしてみたい」という気持ちが芽生えたのがきっかけでした。でも、その根本には「歌」があってほしかった。そんなことを考えながら、『ヒプノシスマイク -Division Rap Battle-』Rule the Stageで役をいただけたことで役者への道を踏み出しました。

憧れの西島隆弘さんも、ドラマに映画に舞台にとお芝居も素晴らしい方ですし、お芝居を経験することで、歌に対する意識にも変化があるかもしれない。すべては「歌」のためだったんですが、お芝居という要素をプラスした歌はどんなものなんだろう、というところに興味がありました。でも、いざ決まったら僕だけゴリゴリの新人でビビりました(笑)。

──役者として立った初舞台は、加藤さんにとってはどんなものでしたか。

先輩方に、本当にたくさん支えていただきました。自分の力だけじゃ、絶対にやりとげられなかった。役者さんって、演じている時以外も本当に素敵な人たちが揃っているんだなと感じました。誰しも初舞台の経験があって、それを乗り越えてきている方たちだから、ド新人の僕の何も分かっていない状態を理解してくださった上で、支えて、カンパニーの一員にしてくださっているという愛を感じて・・・。

特に、廣野凌大さんと青柳塁斗さんには感謝してもしきれません。僕も、いつか先輩という立場になる日が来たら、まだまだ未熟ではありますが、皆さんにしていただいたように誰かの支えになれたらなって思います。ヒプステでの皆さんとの出会いは宝物です。

不安とプレッシャーと自信のなさとで毎日泣いていたんです

──ヒプステで初舞台を踏んだあと、まほステ(舞台『魔法使いの約束』、刀ミュ(ミュージカル『刀剣乱舞』)と次々に人気作への出演が決まりましたが、その辺りはどのようにお感じになられていましたか?

奇跡です!宝くじ当たったぐらいの奇跡ですよ。だから、自分でいいのかなという不安が常にありました。どの作品に向かう時も、プレッシャーがすごくて。これは初めて告白するんですが、実は舞台に立つことが怖くて毎日泣いていた時期がありまして。

不安とプレッシャーと、自信のなさが全部押し寄せてきて・・・。これって誰もが経験することなのかなと思いつつ、僕はキャリアがない状態で2.5次元の人気タイトルに出演させていただいているので、その場その場で吸収してついていくことだけでいっぱいいっぱいにでした。

悩みすぎて自分を追い込みすぎてしまっていた部分もありましたが、でもそれが逆に作用をした部分もあったかなと思っています。マイナスな気持ちをプラスに持っていく、そこに自分の中で到達することができたので。どん底に落ちることも大事なんだなと思いました(笑)。

――毎日泣いていたというのは、どのタイミングですか?

毎回、どの作品も、です。特に稽古に入る前、自分なりに準備をしている段階ですね。もちろん役をいただけたことは幸せなことで、とてもありがたいことなんですけど「僕でいいのかな・・・」「大丈夫かな・・・」って不安がどうしてもよぎってしまって。僕、結構ネガティブなんですよ(笑)。きっと慣れだと思いますけど、今こういう気持ちを持つことで役者として強くなっていくのかなと思っています。

──マイナスな気持ちをプラスに持っていくために、何かやっていることはありますか?

一番のきっかけは、自分への苛立ちです。こんなことで周りの人に迷惑をかけられない、時間を取らせてはいけない、みたいな。体育会系で生きてきたので、自分への苛立ちを燃やして、自分をアゲていっています。

・・・こういう話はあんまりするものじゃないなとも思っていたんですが、最近、そういうプライドも捨てた方がいいなと思うようになりました。きっと、応援してくださる皆さんも、ダメなところを含めて、ありのまま、素の自分を見てもらった方が喜んでもらえるんじゃないかって。

憧れの西島隆弘さんも、最近少しずつ素を見せていらっしゃるなと感じています。西島さん、ずっと腰痛と戦っていらっしゃって。いつ踊れなくなるかも分からないみたいな状況の中、それでも最高のパフォーマンスを提供し続けてくれていました。最近、そういう弱い部分も含めて戦っている姿を見せてくれるのが、僕もすごく嬉しかったし、逆に自分にストイックだなあと思ったんです。だから、僕もそうやってストイックに生きたいなと。

──憧れを実現する胆力も、加藤さんの強さの一つなんですね。役者として活動をはじめてからもうすぐ2年ですが、ご自身として成長の実感はどうですか?

先輩方の背中が遠くて、まだまだだと思うことばかりです。でも、この気持ちって多分なくなったら終わりだと思うんです。もし、自分で「成長したな」と思う瞬間があったら、その時は役者をやめた方がいいなと。だから、今のこの気持ちはなくさずにやっていきたいです。

舞台『漆黒天 –始の語り-』で経験する、初めての”原作”のない役作り――女形に挑戦

――この後、初めて原作のないオリジナル舞台『漆黒天 –始の語り-』が待っていますが。

2.5次元のトップを走っていらっしゃる先輩方や、最強のアクション監督や、とんでもない方々が集まっていて、また大変なところに飛び込んでしまった・・・と(笑)。原作のない舞台は、ある意味正解がない中で、自分なりの答えを探し続けられるので、探究心をもっと身につけられるなと思いました。

稽古場にはすごい先輩方が揃っていらっしゃいますから、いろんな意味ですごくいい経験をさせていただいています。毎日揉まれに揉まれて、もっとがんばらなきゃって毎日思っています。皆さん、本当に経験値がすごくて、いろんな引き出しを持っていらっしゃるので、教えていただいたことを全部吸収できたらいいです。

──加藤さんご自身が演じる役はどんな役ですか?

悪事の限りを尽くしていたと言われている<日陰党(ひかげとう)>の一員、真嶌千蛇(ましまちだ)という役です。とても難しいです。すごく簡単に言うと、女形・・・男だけど女の子です。これもまたまったく未知の世界ですが、女性が演じるのとはまた違う妖艶さなどを出していけたらいいなと思います。

──ちなみに、本作に入る前も泣くことはありましたか・・・?

そうですね、やっぱり沈みましたね!もはやルーティーンですね。でも、泣いたのは一回だけです!稽古始まってからは、プレッシャーも不安も全部どこかいって、あの時考えていたこと活かせるかも、みたいな考えが湧いてくるようになるので、やっぱり一回落ちるのは大事だなと思いました(笑)。

──本作では殺陣も加藤さんはありますか?

はい!あります。刀ミュで殺陣は経験したのですが、今回、何が難しいって女形の殺陣なんですよ・・・!「もののふ」の殺陣と「女形」の殺陣、どちらが難しいというわけではなく、自分が女形で殺陣をやろうとすると、1手に対して5つぐらい考えないといけないこと、やらないといけないことがあるんですよ。それにずーっと今は追われています。

――今回の役作りとして意識していること、取り組んでいることはありますか?

うーん!役作りは、本番に入っても掴めないかもしれないです。ずーっと探究が続いています。それから・・・これはちょっと変態みたいな言い方になってしまうんですが、日常生活での女性の立ち居振る舞いを意識して見るようになりました。座り方一つでも、やっぱり男性と女性は違うし、仕草に女性らしさを感じるんだなあと思ったり。それってどういうところから来るんだろう?どうやったら出せるんだろう?と、ずっと考えています。

──加藤さんが稽古を通して思った、本作の見どころを教えてください。

『漆黒天』は、【ムビ×ステ】という映画と舞台の連動作品になっているんですが、末満健一さんがめちゃくちゃ難しい闇の世界観を作り上げてくださいました。僕、思ったんですが・・・この作品、舞台を観てから映画を観るのもすごくおもしろそうだと思って。僕は映画を観てからこの作品に取り組んだんですが、逆だったらどう感じたんだろうと気になってしまいました。もちろん、映画から観るのもすごくいいですよ!でも、絶対に経験できない逆を想像してしまいました。

舞台をやる頃には、映画の上映はほとんど終わってしまっていると思うんですが、もし映画をご覧になっていなかったらぜひDVDか何かで観ていただきたいです。すでに映画を観てくださっている方は、ぜひ舞台を観てから見返していただくと、舞台で観たあのシーンは・・・!みたいな発見がすごく多いと思いますし、もっともっと面白く世界観に入り込めんでいただけると思います。

──連動作品のおもしろさであり、もどかしいところであり、ですね(笑)。

そうなんですよ。映画をご覧になってくださった方はもう戻れないし、観ていない方には選択肢がある。映画と舞台で同じ内容をやるのではなく、リンクさせるっていうおもしろさを感じています。どちらも観てほしいです!映画は僕は出ていないんですけど(笑)。

加藤大悟は、とにかく“一生懸命”と“熱さ”と”感謝”をモットーに人生を生きています!

――加藤さんの新たな挑戦の形、楽しみにしています。今、演じることは楽しいですか?

楽しいですし、考え方が変わりました。歌についても、自分の中で新しい歌い方を発見できた感じもあります。やってみて、役者さんのすごさが分かりましたし、いろんなことに繋がる素敵な職業だなと思っています。

──もしかしたら、いつか消防士の役を演じることもあるかもしれませんね。

それはぜひやりたいです!そういう機会があったらいいなあ。すごく夢のあるお仕事ですよね。Hi☆Fiveの活動にも、歌やダンスの経験が還元できそうだなと思っています。

──役者として、今後のビジョンなどがあれば教えてください。

グランドミュージカルに出たいです。繰り返しになってしまうんですが、僕はやっぱり歌が大好きで。歌で紡ぐ物語にずっと憧れがあるので、いつかチャレンジしてみたいです。今の僕にとって、新しいチャレンジじゃないことなんてないんですけど!いろんなことにチャレンジしてやってみたいなって思ってます。

──最後に、加藤さんのことが気になってる方々へメッセージをお願いします。

僕、加藤大悟はですね、とにかく“一生懸命”と“熱さ”と”感謝”をモットーに人生を生きています。今は、歌うことを自分が届けたいエンターテインメントの一番に置いて、お芝居、ユニット活動、ソロライブとかもいろいろやっていくので、ぜひいろんなところで観て聴いて、ちょっとでも興味を持っていただけたら、これからの活動を応援していただけると嬉しいです。よろしくお願いします!

 

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ムビ×ステ 舞台『漆黒天 -始の語り-』公演情報

上演スケジュール

【東京公演】2022年8月5日(金)~8月21日(日) サンシャイン劇場
【大阪公演】2022年8月31日(水)~9月4日(日) 梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティ

スタッフ・キャスト

【作・演出】末満健一

【出演】
荒木宏文
松田凌 長妻怜央(7ORDER) 梅津瑞樹/小島藤子
橋本祥平 松本寛也 加藤大悟 安田桃太郎
小澤雄太 鈴木裕樹
工藤翔馬 榮桃太郎 澤田圭佑 下尾浩章 菅原健志 杉本佳幹 宮永裕都 横山慶次郎

ライブ配信

配信サービス:Streaming +/PIA LIVE STREAM

PIA LIVE STREAM

視聴チケット:4,000 円(税込)
ライブ配信対象公演:8月6日(土)18:00
※アーカイブ視聴:8月14日(日)23:59まで/販売:8月14日(日)21:00まで
配信内容:全景(定点)映像 + 特典映像(メイキング映像)

【公式サイト】https://toei-movie-st.com/

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