舞台『文豪とアルケミスト 捻クレ者ノ独唱(アリア)』赤澤遼太郎インタビュー!「あの文劇で主演?!めちゃめちゃテンション上がりました」


舞台『文豪とアルケミスト』シリーズ第四弾となる、舞台『文豪とアルケミスト 捻クレ者ノ独唱(アリア)』が2022年2月に東京・大阪で上演される。主演を務めるのは赤澤遼太郎。文劇初登場となる徳田秋声役を演じる赤澤に、「主演」に抜擢された心境、シリーズに加わる心境などを聞いた。

(取材・文・撮影/エンタステージ編集部 1号)

主演は、単純に出番が多いので嬉しいんです(笑)

――舞台『文豪とアルケミスト』第四弾は、徳田秋声が主人公ということで。出演が決まった時の心境を教えていただけますか?

まず、めちゃくちゃテンション上がりました!「あの文劇で?!」って。舞台『文豪とアルケミスト』のことは、役者の友達や先輩から「すごくおもしろいよ」「いい作品だよ」とずっと話を聞いていたんです。だから、そんな作品に関われること、しかもまさかの主演でっていうことに驚きましたし、しかもこのメンバーの中でなのかと思うと、すごく光栄でした。主演をやらせていただく機会も久しぶりなので、すごく嬉しかったです。

――やっぱり「主演」って、俳優さんにとって特別なものですよね。

そうですね。単純ですが、出番が多いので嬉しいんです(笑)。演じさせていただき以上、作品に責任は持たないといけないのはどの役でもそうなんですが、主演という立場は最も作品と向き合わなければいけないものだと思いますし、お客様も「主演、この人なんだ」と意識して観劇されると思うので、何段階も覚悟を上げて臨まないといけない気がします。でも、役者としてはその覚悟とプレッシャーが楽しくて、やりがいでもあるので。「主演」はとても魅力的でありがたいですね。

――「文豪とアルケミスト」の原作ゲームについては、もともとご存知でした?

タイトルについては知っていたんですが、プレイしたことはなかったので、出演させていただけることが決まった時から始めました。このゲーム、最初のナビゲートの声が秋声なんですよね。ダウンロードしながら、「みんな、こうして秋声に導かれて始めていくんだな」と嬉しく思う一方で、「みんな、ここからどんどん他に推しを見つけていくんだろうな・・・」って思ったり。秋声をずっと好きでいてほしいなと思いつつ、今プレイしています(笑)。

器用に出来るキャラクターはないところも含めて、「分かる」

――(笑)。文劇は、演出の吉谷光太朗さんが「第三弾までが第一章だったかもしれない」とおっしゃっていたので、今回の主人公が秋声というのはなんとなくしっくりきました。赤澤さんご自身は、秋声というキャラクターをどう見ましたか?

文アルのキャラクターって、一人一人の文豪の史実と作品がしっかり研究されていて、その要素がキャラクターに活かされているところがすごく魅力になっているんだなとすごく感じています。今、徳田秋声さんが書いた本をいろいろと読んでいるところなんですが、徳田秋声の持ち味である自然主義とか、いろんな人の評価、徳田秋声さんご本人について伝わっている話の片鱗が、文アルの「徳田秋声」というキャラクターから感じられるのがおもしろいですよね。

文アルの秋声っていうと、ちょっと捻くれ者ですが、実際の徳田秋声さんが生きていたらどう思うのかなって気になってます(笑)。「俺そんな人じゃないよ~」って思うのか、「分かるよ」ってなるのか。僕は「分かる」の方な気がするんですけど、どうなんだろうなあ。

――赤澤さんは、「徳田秋声」というキャラクターに共感するところはありますか?

感情の表への出し方とかは違うんですけど、根っこで思っていることは似ているなと思っています。「分かる分かる」です。僕自身、どこか客観的に人を見ようと思ってる節があるので、そういう考え方とかは近いものがあるんじゃないかなと。それから、秋声の中にある渇望・・・「(泉)鏡花に負けたくない」とか、「(尾崎)紅葉先生に褒められたい」とか、そういうモチベーションを持ってがんばろうとしている気持ちはすごく共感します。

器用に出来るキャラクターはないところも含めて、「分かる」というか。かわいいなって思う部分でもあります。そういう可愛げがあるから、捻くれ者だと言われていても周りのみんなが助けてくれるんだと思いますし。愛すべきキャラクターであり、人としてすごく好きだなって思いました。

――今回、サブタイトルにも「捻クレ者ノ独唱(アリア)」とついていますが、赤澤さんご自身はとても真っ直ぐな方だと感じます。ご自身で「自分、捻くれてるなあ」と思う部分とかあるんでしょうか?

捻くれてる・・・え~、なんだろう。家で、真夜中に外で車とかバイクとかブンブンさせてる音を聞いて、思わずベランダに出て一人で「うるさ・・・」って呟いちゃった時とかですかね(笑)。実際に目の前にしたら何も言えないし、目も合わせられないですけど、家には俺しかいないし、場所的にも俺の方が上にいる(笑)!「時間考えなよ・・・」とかブツブツ言ってみたり。そういう時に、ひねくれてるのかなって思いました。・・・違うかな、捻くれてるってこういうことじゃないのかな?!

改めて感じた2.5次元の役作りのおもしろさ

――赤澤さんのお人柄がよく分かりました(笑)。本作では、秋声と一緒に、玉城裕規さんが尾崎紅葉先生、山崎晶吾さんが泉鏡花として登場します。この3人の関係性は、原作をご覧になっていてどのように感じられましたか?

僕、最初キャラクターを見た時に、秋声がツッコミで、鏡花が天然でほわほわしている系なのかなと思ったんです。実際は、全く逆で驚きました(笑)。秋声って、わりと常識人を装っているけれど、実際に常識人なのは鏡花の方じゃないですか。鏡花に「秋声、こうしてください」って言われても、秋声は「なんでそうしなきゃいけないの?」ってどこか素直になれなくて。それを、紅葉先生が「まったく二人はかわいいねえ」って見ている・・・そんな3人のバランスが面白いなと感じました。

秋声としては、どこか一門をかき乱す存在でもあると思うので、見た目とのギャップを含めて、舞台上で3人の関係性をどう表現できるかすごく楽しみですね。玉城さんも山崎さんも初めてご一緒させていただくんですけど、お二人といい関係を作っていけたらと思います。

――関係性づくりなど、立体的にキャラクターを研究するのは楽しいものですか?

そうですね、一番おもしろいところです。描かれていないところまで、自分でどんどん考えていくのがすごく楽しくて。例えば、キャラクターの家族構成、何故この服を選んだのか、なんでこの髪色にしているのか。絶対、その一つ一つに意味があると思うので。そこを考えたことを台詞や芝居に入れ込んでいって表現する。それがお客様に伝わっていると分かった時、見つけてくれた人がいると知れた時、すごく幸せな気持ちになるんです。

――共演者の方々も猛者がいっぱいですが、出演が決まってからお話された方とかいますか?

(平野)良くん、小南(光司)くんと話しました。小南くんと話した時は、まだ彼の出演は決まっていない段階だったので、「シリーズに加わるよ」って言ったら「一緒に出たいわ~」って言ってくれていたので、一緒にできることが決まっていた時はとても嬉しかったですね。

それから、良くんが「文劇はすごいんだよ!」って熱く語ってくれました。小南くんも「平野教」の信者なので(笑)。「普通にやらないところを普通にやったり、シリアスなところをあえて笑いに持っていったり、とにかくすごいんだよ!」って、そのシーンの描写とか全部細かく説明して、良くんのモノマネをしながら解説してくれました。お二人とも共演できることがめちゃくちゃ楽しみです。

――そして、舞台化する上での見どころの一つにアクションもあります。秋声の武器は弓ですよね。

ビジュアル撮影の時に持たせていただいたんですけど、結構難しくて。持つのもその時が初めてだったので、実際に舞台のアクションとしてどう扱えばいいのかまだ想像がついていないんですけど、より見せ方を詰めていかないといけないなって思いました。舞台上では、実際に弓を放ったら客席に飛んでいっちゃいますから(笑)。お芝居としてのアクションをしっかり作ろうと思います。

――ビジュアル撮影は、キャラクターと初めて出会う場所であることが多いですから、そこからどう演じる方がキャラクターを立体的に作り上げるのか、観るのが楽しみな部分でもあります。

2.5次元作品のビジュアル撮影って、キャラクター造形はありますが、まだ台本がない状態の時にやることが多いので、自分なりにイメージしていかないといけないんです。だからこそのおもしろさ、というか、今回「2.5次元っておもしろいな~」って改めて思ったんですよ。自分が考えていたこと、カメラを通して映るもの、「秋声だったらこういう顔しますよね」というみんなの共通認識を探りながらやっていくところが、まさに“2.5次元”だなって。

この徳田秋声という役は、僕が10代の頃だったらきっとお話が来なかった役だと思うんですよね。20代半ばになった今、どちらにも振れることができる年齢になったから、もっと年齢を重ねたらできるキャラがあって、できなくなるキャラがあって。そういうキャラとも出会っていきたいし、いつまでも演じていきたいなと思う気持ちもありますし。2.5次元作品には、ずっと関わっていきたいなって。自分の大事な基盤として、しっかりキャラクターを愛するという気持ちは持っていきたいと思いましたね。

――赤澤さんがどんな徳田秋声を作り上げてくださるのか、楽しみにしております。

文学に親しむ時間も、演劇を観てくださる時間も、すごく贅沢な時間だと思うんですよ。無料で色々な物語を観ることができる時代に、大切な時間とお金をかけて「これがいい」と選んでくださる。コロナ禍において、選んでいただけることがすごくありがたいことなんだと身に沁みて思いました。そういうお客様の覚悟に応えるお芝居をしたいと思います。

今までも生半可な気持ちではやっていたわけではないですが、もっとがんばろうと思っています。説教がましい意味ではなく、お客様の人生に何か一つでも残ることができたら。それを、より多くのお客様に感じてもらえるように、日常生活から、いつかくる役のために蓄えていかなければと思っています。

そして、数ある舞台の作品・エンタメがある中で、このインタビューを読んでくださっていることが僕にとってはとても嬉しいことです。こぼれ話なんですけど、今、この話を聞いてくださっているライターさんが、僕が「にじゅういち」の写真集を出した時に、当時の僕の想いをいろいろ聞いてくださったライターさんなんですよ。話しながらそれを思い出して、ご縁だし、4年後しで、舞台の主演としてまたこうしてお話を聞いていただけることはすごく嬉しいことだなと思いました。皆さんにも知ってほしいので、書いてほしいです(笑)。

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ずっと応援してくださる皆さんとはもちろん、今までもこれからも支えてくださる方々に、もっともっといい景色を見せたい。今まで自分が考えてきたもの、積み重ねてきたもの、すべてをかけて臨みたいと思います。劇場に足を運んでくれたら幸いです。

――素敵な言葉をありがとうございます。きっと、赤澤さんが文劇に出るから、文劇と出会える方もたくさんいると思います。

そうやって世界が広がることの、一つのきっかけになれたらいいなあ。そう言っていただけて嬉しいです。ありがとうございます。これからもがんばります!

舞台『文豪とアルケミスト 捻クレ者ノ独唱(アリア)』公演情報

上演スケジュール

【東京公演】2022年2月3日(木)~2月13日(日) シアター1010
【大阪公演】2022年2月18日(金)~2月20日(日) 森ノ宮ピロティホール

<チケット情報>
全席指定9,900円(税込)

【プレイガイド二次先行】
受付期間:12月11日(土)19:00~12月19日(日)23:59

チケットぴあ:https://w.pia.jp/t/bunal4/

イープラス:https://eplus.jp/bunal4/
ローソンチケット:https://l-tike.com/bunal4/
楽天チケット:http://r-t.jp/bunal4
CNプレイガイド:http://cncn.jp/bunal4/

※詳しくは公式サイトにてご確認をホームページを

スタッフ・キャスト

【原作】「文豪とアルケミスト」(DMM GAMES)
【監修】DMM GAMES
【世界観監修】イシイジロウ

【脚本】なるせゆうせい(オフィスインベーダー)
【演出】吉谷晃太朗
【音楽】坂本英城(ノイジークローク)・tak
【アクション】奥住英明(T.P.O.office)
【振付】MAMORU

【出演】
徳田秋声:赤澤遼太郎、泉鏡花:山﨑晶吾、佐藤春夫:小南光司、国木田独歩:斉藤秀翼 川端康成:正木郁、里見弴:澤邊寧央/
尾崎紅葉:玉城裕規/
太宰治:平野良

<アンサンブル>
仲田祥司、町田尚規、多田滉、山口渓、田中慶、田ノ中亮資、平澤佑樹、安久真修

【公式サイト】http://bunal-butai.com/
【公式Twitter】@bunal_butai

(C) 2016 EXNOA LLC / 舞台「文豪とアルケミスト」製作委員会



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