ミュージカル『ロミオ&ジュリエット』甲斐翔真×吉田広大インタビュー!「信頼関係があるからできる敵対関係」


2021年5月21日(金)より上演を控える小池修一郎 潤色・演出のミュージカル『ロミオ&ジュリエット』。今回キャストを一新し、フレッシュな「ロミジュリ」を誕生させる。ロミオ役は黒羽麻璃央と甲斐翔真、ジュリエット役を伊原六花と天翔愛、そして敵対するティボルト役には立石俊樹と吉田広大をキャスティングしている。

エンタステージでは、『RENT』でも共演していた甲斐と吉田にインタビューを行った。「まてしても敵対関係」だが、役とは裏腹にとても仲が良い二人。ジュリエットを巡るロミオとティボルトの関係性を、信頼関係の出来上がっている二人がどのように捉えているのか聞いた。

役では敵対しがちな二人、仲を深めたのは「筋肉」トーク?

――新たなキャストでの『ロミオ&ジュリエット』が誕生しますね。

甲斐:『ロミオ&ジュリエット』は、誰もが知っている作品で。そして、出演できるのは一線級の方々ばかり。だから、オーディションを受けさせていただけるとなった時は、こんな機会なんてないと。

オーディションの結果が出るまでにしばらく時間が空いたんです。「きっとダメだったんだな」って半分諦めかけていたところに、「ロミオ役をお願いします」とご連絡いただいたもので、「・・・えっ?!」と驚きが先に立ってしまいました。そのあとに、じわじわと嬉しさがこみ上げてきて。歌稽古が始まった時に、やっと「自分がロミオを演じるんだな」って現実味が湧いてきました。それぐらい、夢のような嬉しいことでしたね。

吉田:僕は「歌唱動画を送ってほしい」とお声がけいただいて、2パターンの曲を送ったら、「ティボルトでお願いします」とご連絡いただいて。翔真とかぶるけど、「・・・ティボルト?!」ってなりました(笑)。ご連絡をいただいた当初はほんまに、実感がなくて。僕も今、やっと「俺、ティボルト演じるんや・・・」と、ちょっとした不安やプレッシャーと同時に実感しています。

――お互いがキャスティングされていることを知ったのは?

甲斐:初めての共演となった『RENT』中でした。稽古中だったかな?「やるんですよね」「やばいね」「ここでも敵対してるのにロミジュリでも敵対するよ」みたいな話をしていました(笑)。僕ら、すごく仲がいいんですけど。

吉田:役では敵対しちゃうんだよね(笑)。

――インタビューが始まる前の様子からも、お二人すごく仲がいいんだなあと思っていました。

甲斐:『RENT』はコロナ禍の稽古ということもあり、実質的な距離は離れがちだったんですけど、気持ちの面ではすごく近くに感じられていたんですよ。だから仲良くなりやすかったんだと思います。

吉田:筋肉の話、したよね。

甲斐:そうですね(爆笑)!

吉田:翔真が「二の腕から脇腹にかけての筋肉(広背筋)がある男って、かっこいいよね」って言ってて、俺が「ええよな~」って話に参加して。

甲斐:そうだ、そこから会話が始まったんだ!よく覚えてますね。

吉田:あの筋肉は、鉄棒みたいな器具で鍛えるんですよ。それを二人で一緒にやって「今ここ(広背筋)、バリ筋肉ついたわ~」みたいな会話をね(笑)。それが二人の、最初の共通の話題でした。

甲斐:筋肉トークから仲を深めました(笑)。

煽りのアイコンタクトから感じる役者としての「信頼と愛情」

――筋肉から始まった仲良しのお二人ですが、先ほどおっしゃっていたように今回も敵対する役どころですね。

甲斐:今回は、最後まで敵対していますからね。

吉田:どこにも仲良くなる要素がない(笑)。

甲斐:刺してしまうし。でも、演じるのはとても楽しみです。信頼関係があるからこそ。敵役って、僕は何よりも信頼していないとできないと思っているんです。『RENT』のベニー役の時もそうだったんですけど、広大くんって、すごく敵の目を見るんですよ。

吉田:煽りのアイコンタクトを取ります(笑)。

甲斐:そうそう。でも、役者目線で話すと、そこに敵だからこそ“愛を持って接してくれている”と感じるんですよ。だから、また敵対できるのがすごく楽しみだし、嬉しいです。

吉田:敵役だったけど、『RENT』では翔真の役とがっつり絡むことはなかったからね。でも、今回は役の生命に関わる関係だから。だから、ティボルト役を演じさせていただくと決まった時は、真っ先に「ロミオ役は誰なんだろう」と気になりました。そこに翔真の名前があった時は、もうね。

『RENT』をやらせていただいていたことで、すでに「敵とみなす」感覚が僕の中にあるなと思ったんですよ。信頼関係があるからこそ、どこまでも憎悪を抱ける。とことん嫌いになれる。今回は特に、殺したくなるぐらい嫌いにならないといけないですから。

甲斐:そうですよ。だから、遠慮していられないんですよ。信頼関係があるから、遠慮しなくていい。そこからさらに深めていけたらいいですね。

――「ロミオとジュリエット」って、“愛と孤独”といった様々な相対するものが描かれていますが、ロミオとティボルトもまた、“光と闇”というような相対する役どころですよね。

吉田:ティボルトは、すごく孤独な存在ですよね。何かに愛を抱いている根本的な部分ではロミオと一緒のはずなのに、仲間に囲まれているロミオに対して、ティボルトは大人の固定観念の中で孤独を深めてしまう。置かれた環境と持ち合わせた方向性が違うだけで、ここまで運命が違ってくるかっていう・・・。

甲斐:どちらも、本当は平和に生きたいはずなんだよね。平和でいたいはず。なのに、家同士が何故か憎しみ合っている。でもそれが何故か、分からない。理不尽の中に生まれてしまっただけで、少しでも生まれるタイミングが違えば、ロミオとジュリエットはシンプルな恋人同士だったかもしれないし、ティボルトとジュリエットが普通に恋愛していたかもしれないですから。

相対するものと言えば、僕、ミュージカル『ロミオ&ジュリエット』の「死」を具現化しているところがとても好きなんです。どんなに楽しいシーンでも、「死」という存在がどこかにいる。それはロミジュリの世界でなく、今を生きている僕らの傍にも、いつもどこかに「死」がいるんですよ。そういう“光と闇”が、どんな時代を生きる人たちにも刺さる作品なんだろうなと思っています。

Wキャストのタイプの違いと歌でも見せたい「成長」

――Wキャストのお相手についてはいかがですか?

吉田:立石(俊樹)さんと僕って、全然タイプが違いますよね。立石さんは、すごく王子様的な雰囲気を持っていらっしゃる方だなと思いました。そういう雰囲気を持つ立石さんと、僕の演じるティボルトはきっと漂う雰囲気から全然違うものになるんだろうなと。切磋琢磨する中で、ティボルトへの解釈をお互いにしっかり持って役作りができそうです。稽古を重ねていくのが楽しみですね。

甲斐:僕は、黒羽(麻璃央)くんとWキャストでやらせていただきます。黒羽くんは、今までWキャストでご一緒させていただいた中で一番年齢が近いんです。だからかな、すごく“お兄ちゃん”感がしています。僕自身は長男なんですけど、お兄ちゃんがいたらきっとこんな感じなのかなと(笑)。ご自身もわりとキャプテン気質で、学級委員を任されることが多かったと言っていたのですが、分かるなあと思っています。なんでも受け止めてくれそうなので、変なことを気にせず、一緒にロミオを作り上げていきたいです。

――ミュージカル『ロミオ&ジュリエット』は名曲ぞろいなので、皆さんがどう聴かせてくださるのかも楽しみです。

吉田:本当に名曲そろいですよね~。ただ、歌うのは難しい・・・!今は、自分の中でイメージできる限りの感情を並べて、曲と向き合っている最中なんですが、ロックミュージカルなので普段の自分に近い要素は出しやすいのかなと思っています。あとは、稽古の中でみんなからいろんなものをもらって、感じるものを乗せていけたらいいなあ。ティボルトはやたら一人で歌うシーンが多いので、歌稽古も孤独だったんですが・・・(笑)。

甲斐:歌稽古から役作りですか(笑)?

吉田:広い部屋にぽつーんと一人だったよ。

甲斐:孤独だ~!

吉田:劇中でも孤独なのに、稽古からもう孤独(笑)。

甲斐:(笑)。ロミジュリって、5日間のお話なんですよね。たった5日の間に、大人の階段を駆け上っていく。恋に対してもまだ核心を持っていなかった青年が、最後は愛する人のために死ぬぐらいの、急成長の物語でもあるんですよね。だから、声色・・・というか、声にもたせる表情をすごく考えています。

例えば、最初の「いつか」を歌うロミオはすごく青い。でも、最後の「ロミオの死」では5日で人生のすべてを経験したんじゃないかと思わせるぐらいの貫禄と艶やかさを求められる。それをただテクニックで見せるのではなくて、中身を伴わせることが求められています。ロックミュージカルの「ロック」を大事にしつつ、ミュージカルとして言葉を忠実に伝えられるようになりたいですね。客席にいらっしゃるお客様、一人残さずその心をキャッチできるように。

――ロミオの急成長は、ミュージカル界での甲斐さんの急成長と重なるところがありますね。

甲斐:ありがとうございます。いろんな挑戦をさせていただいてきたんですが、ミュージカル『マリー・アントワネット』では、いわゆるミュージカルボイスを勉強しました。

吉田:僕も観に行かせていただいたんですが、すごかったよ。翔真、こんな表現もできんねんなぁ~って思った。

甲斐:ありがとうございます。あの発声方法とかも活かせたらいいなあ。それから、小池先生からも「ダンスをがんばりなさい」とお言葉をいただいたので、ダンスをがんばりたいです。稽古が始まるだいぶ前から、レッスンをさせていただいていたんですけど、僕はもともとダンスがあまり得意でないもので・・・。「世界の王」とか、あの集団の中でも目立つくらい上手く踊らないと。がんばります。

――ジュリエットのWキャストでも、お二人のお芝居に違いが生まれそうですね。

甲斐:伊原六花さんはバブリーダンスのイメージが強かったんですが、実際にお会いした時はすでにジュリエットモード、といった感じで。そのぐらいモードを切り替えられる方とのお芝居のキャッチボールは、ワクワクしますね。天翔愛さんは、初めて聞いた時の歌声が、僕の思い描いていたジュリエットの声とぴったりだったんです。小池先生も「ニュースターだ」とおっしゃっていました。これは、ロミオとしてがんばらないといけない。お二人の魅力を引き立てられるように、そして、響き合えるように。

吉田:でも、そんな彼女たちを巡って僕らは恋敵ですからね。

甲斐:そうだ、ジュリエットが僕らにとっては大喧嘩のもとだった(笑)。

ぜひ甲斐翔真vs吉田広大の組み合わせを観てほしい

――ちなみに、最近お二人が“一目惚れ”したものはありますか?

吉田:一目惚れ!なんだろうなあ・・・。昨年の冬に買ったコートかな。去年の末から今年の寒い時期は、それをめちゃめちゃ着倒していました(笑)。

甲斐:僕は、韓国で観たミュージカル『ジキル&ハイド』。初めて観た瞬間、虜になってしまって。マチソワしました(笑)。そこから韓国ミュージカルにハマりまして、一昨年は4回くらい韓国に行きましたね。

――“一目惚れ”するようなミュージカル『ロミオ&ジュリエット』、期待しております。

吉田:ある種、ティボルトにしか出せない愛の答えを、僕なりに示せるようにと稽古に励んでまいりますので、ぜひ足を運んでいただけたらと思います!

甲斐:2020年から2021年にかけて困難な時代になってしまいましたが、きっと、人々の支えになっているものって「愛」だと思うんですね。ロミジュリでも、誰かを愛しているから、誰かに愛されたいから、それぞれがいろんな策を講じて生きている。それって僕らも一緒です。観劇しにきてくださる皆さんの愛を全身全霊で受けてがんばります。

すべてはロミオとジュリエットの愛で始まります。悲劇、人によってはそう感じないかもしれません。皆さんと一緒に「愛」を共有できたらと思います。

――ぜひ、この組み合わせを観ていただきたいですね。

吉田:ありがとうございます!がんばります。

甲斐:ぜひ!注釈付きでお願いします(笑)!

ミュージカル『ロミオ&ジュリエット』公演情報

上演スケジュール

【東京公演】2021年5月21日(金)~6月13日(日) TBS赤坂ACTシアター
【大阪公演】2021年7月3日(土)~7月11日(日) 梅田芸術劇場メインホール
【名古屋公演】2021年7月17日(土)~7月18日(日) 愛知県芸術劇場 大ホール

キャスト・スタッフ

【出演】
黒羽麻璃央/甲斐翔真(Wキャスト)、伊原六花/天翔愛(Wキャスト)、味方良介/前田公輝(Wキャスト)、新里宏太/大久保祥太郎(Wキャスト)、立石俊樹/吉田広大(Wキャスト)、春野寿美礼、原田薫、石井一孝、宮川浩、秋園美緒、兼崎健太郎、岡幸二郎、松村雄基
小㞍健太/堀内將平‹K-BALLET COMPANY›(Wキャスト) ほか

【原作】ウィリアム・シェイクスピア
【作】ジェラール・プレスギュルヴィック
【潤色・演出】小池修一郎(宝塚歌劇団)

【公式サイト】https://www.rj-2021.com/
【公式Twitter】@musical_RJ

甲斐翔真 ヘアメイク:木内真奈美(Otie)、スタイリング 吉本知嗣

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ミュージカル『ロミオ&ジュリエット』にご出演される甲斐翔真さん、吉田広大さんから、直筆サイン入りチェキをいただきました。
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ご希望の方は、下記の応募方法にてご参加ください!

応募期間

2021年5月14日(金)~5月28日(金)まで

キャンペーン応募資格

・応募期間中に、この規約に同意され、応募要項に従ってご応募いただいた方
・エンタステージ公式Twitterアカウント(@enterstage_jp)をフォローしている方
・日本国内に在住している方(郵便物の受け取りが可能な方)

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