ソニン デビュー20周年インタビュー!「大人になったよ、これからもそばにいてね。」


2015年度第41回菊田一夫演劇賞や、2018年度第26回読売演劇大賞 優秀女優賞を受賞するなど、数々の舞台、ミュージカルで活躍している女優で歌手のソニン。デビュー20周年を迎える今年、10月14日(水)に20th Anniversary Single「ずっとそばにいてね。/カレーライスの女”2020 Remix”」をリリースし、さらにデビュー日となる10月18日(日)に20周年記念ライブとしてSONIM’s 20th ANNIVERSARY LIVE「Cheers.」を開催する。11月からのミュージカル『ビューティフル』再演への出演も控えている彼女に、デビュー20周年の心境や、歌手として20周年記念ライブと20周年記念シングルについて、舞台女優としての思いなどを語ってもらった。

――コロナ禍と大変な状況の中ではありますが、まずはデビュー20周年を迎えての心境は?

今年が記念すべき年になるはずだったのに、「なんて年なんだ・・・」と思っていました。コロナ感染予防対策で客席数は少なくなってしまいますが、でも20周年記念ライブは開催できるし、20周年記念シングルも発売するところまで来たなと思うと本当に感謝しかないです。こんな中で、スタッフの皆さんが「記念すべき20周年だから、絶対にやりましょう!」と動いてくださったことも本当に嬉しかったです。なんかもう、できなかったことはいっぱいあるんですけど、でも今はできたことに本当に感謝ですね。

――2019年にバースデー・ライブと20周年記念カウントダウン・ライブを開催してきての、デビュー日に20周年記念ライブの開催となりますね。

2019年のカウントダウン・ライブの東京公演も10月18日に開催したんですけど、その時にカウントダウンということで、20周年記念ライブも絶対にデビュー日に開催しようと思っていました。それにカウントダウン・ライブの時点で、一年後も絶対にやろうというのを前々から話をしていたし、そのライブの時にもファンの皆さんに「20周年やりますので、みんなスケジュールを空けておいてください」みたいに言っていたんです。だから、「10月18日に絶対にやる! 稽古が入ってもこの日だけは!」みたいに考えていました(笑)。

――開催されるかどうか不安だったことは?

『ビューティフル』の再演が予定通りのスケジュールだとしたら、その稽古中になるので、10月18日は空けさせてくださいというお話はしていましたし、コロナの問題が大きくなる前から会場を実際に見に行って決めてというのをやっていたので、コロナ次第かなぐらいの感じでしたね。だけど、周りのアーティストの方々の公演が中止になるのを見ていたら、もしかしたらできない可能性もあるということを考えたことはありました。でも、「そうなったらそんな年だ!」くらいの気持ちでいましたね。でも、開催できて本当に良かったなと思っています。

――ライブでは生配信の予定などもあり、今まではとはまた違った環境でのライブとなりそうですが、ライブに向けての意気込みを教えてください。

客席も間隔空けたりするだろうし、お客さんも声が出せないから、今までと違う感じになるのかなと思いつつも、生配信というのは今まではなかなかありえなかった形じゃないですか。演劇にしてもライブにしても行きたいけど行けない方々がいて、それはコロナ禍じゃなかったとしても、そういう方々も含めてたくさんの方たちに観ていただけるというのは、プラスに捉えたいですね。20周年記念ライブの場には行けないけど、私を応援してくださる方や興味をもってくださる方と、それを共有できるというのもすごく嬉しいなと純粋に思います。

もしかしたら、コロナ禍が収まったらライブや演劇で生配信をやらなくなってしまうかもしれないですし、そういった意味では今回限りかもしれないですから。だから、「今回は特別かな」という気持ちで楽しみたいです。

――ライブはどのような構成を考えていますか?

20周年の記念すべきライブということで、今までの私の歴史を振り返られるような内容にしたいと考えています。基本的に自分の曲、自分の持ち歌、自分の演じた役の歌というのをベースに構成しています。私の曲じゃないのも数曲ありますけど、今だからこそ歌える曲や20周年だからこそというのを基本として、“周年アニバーサリー”というのに着目して選曲しています。

――ライブのゲストには、『ビューティフル』で共演の中川晃教さん、ソウルメイトと公言されている濱田めぐみさんというミュージカル界からのスターも出演されますね。

中川さんと濱田さんのお二人とは10年以上と本当に長いお付き合いでして、仕事だけでなくプライベートでも仲がいいんです。だから、仕事としてゲストに呼んだというよりも、私の心の友として呼んだお二人なんです。実は、私のライブでは初めてゲストを迎えるんですよ。初めてのゲストがお二人で、しかも、スケジュールが共に合ったというのは、本当にありがたいことです。「こんな豪華な二人、ありがとうございます!」みたいな感じで(笑)。なんか嬉しいですね。

――お二人がゲストということでフレンドリーな感じのライブになりそうですね。

そうですね。なんか変なことを暴露されたらどうしよう(笑)。ファンの人が知らないような感じのことを話されたり、そんな面が出ちゃったら、どうしようみたいな(笑)。中川さんは特にとんでもないことをしゃべりそうです(笑)。でも、お二人とも天才で、そんなお二人に囲まれてアーティスト生活を送れていることを、ゲストとして決まった時に改めてありがたいなと感じました。天才が周りにいて刺激されてきたなということを、改めて当日も感じると思います。

――20周年記念シングルがリリースできるとなった時の気持ちは?

やっとというか、それこそ歌手の頃から応援してくださっているファンの方たちにニューシングルというのをずっと出せてなかったので嬉しかったですね。これまでも自分で作曲した曲や、作った歌詞の曲を披露してはいたんですけど、やっぱりファンの皆さんの前で新曲を披露できるというのはすごく嬉しいです。「お待たせ! 新曲だよ!!」と言いたい気持ちです(笑)。ファンの皆さんにはニコニコして聴いてもらえたらなぁ。

――そのニューシングルに、つんく♂さんが作詞作曲される新曲「ずっとそばにいてね。」と「カレーライスの女”2020 Remix”」が収録されたことには、どのような思いがあったのでしょうか?

新曲の「ずっとそばにいてね。」に関しては、「カレーライスの女」のアンサーソングとしてつんく♂さんにオファーしたんです。20周年記念シングルを出そうとなった時に、どなたに作ってもらおうか、それとも自分が作るのかというのがある中で、やっぱりデビューのきっかけとなった曲を作ってくださったつんく♂さんに依頼するのはどうだろうかというのがあったんです。「カレーライスの女」は私の中では代表曲で、いまだに皆さん愛してくださっているので、だったら「18年たったカレーライスの女の子はどうなっているんだろうかというのは面白くないですか?」みたいな感じになったんですよ。

彼女が18年たってどういう状況で、彼氏はいるの? 結婚しているの? どういう幸せみたいな状態なの?と、今の私を重ねて書いてほしいとお願いしました。それと30代、40代の女性が少し共感できるような、つんく♂さんが得意な女心をつかむ歌詞がちらっと入るとすごくいいと思って提案させていただいて、快く受けていただいたんです。

――「カレーライスの女」を聴いていたファンにとっては、アンサーソングとしてどうなるのか楽しみなところですね。

そうですね、マツコ・デラックスさんが「カレーライスの女」がすごく好きだとテレビでおっしゃっていただいていて、それで番組に一度ご一緒させていただいたんです。その時に、「会わないようにしていた」とおっしゃっていたんですよ。なぜかというと、「カレーライスの女のようにどこか不幸なままでいてほしい。でも、ソニンさん自身は帝国劇場に出ているぐらいミュージカルで活躍しているのを知っているから、ちょっと不幸でいてほしいけど、でも成功しているのを分かっている」みたいな感じで(笑)。

だから、どこか少し不幸でいてほしい願望を思っている方もいらっしゃるんじゃないかと思うんです。だけど、今回はすごく明るい曲にしてほしいとお願いしました。なので、不幸な曲ではないです(笑)。カレーライスの女の子も成長したんだな、たぶん頑張ったんだな、大人の女性になったんだなと感じてもらえる曲になりました。今だからこそ、明るい曲がいいと思うんですよね。

――そうですね。こういうご時世だからこそ聴いていてポジティブになれるほうがいいですね。

本当にそうだと思うんですよ。タイトルにもありますけど、人との距離を保たなきゃいけないご時世で“そばにいてね”ですから。距離が近いからこそ感じる温かさの大切さに、みんなが気づいていると思うんですけど、そういうことが作詞に込められていると思うんです。20周年という意味でファンの方にも向けてのメッセージもすごく含まれているし、そしてこの2020年という今の世界中の状況にもすごくピッタリしていると思います。そして、カレーライスの女が1人の女性として成長した物語として「今、幸せだよ。生きているよ。いろいろあったけどね」みたいな感じが匂うような、いろんなメッセージが含まれている曲になっています。

――不幸だったのを振り返って笑って言えるような感じですか?

私は、カレーライスの女の子がうっすらと後ろに見える感じですね。客観的なものですけど(笑)。そのうっすら後ろに見える感じを、私は感じていただければいいなと思っています。それと、「カレーライスの女”2020 Remix”」は私が歌い直した曲ではなく、昔の「カレーライスの女」の曲をリミックスしたもので、私の18年前の歌声そのままです。再録ではなくて、つんく♂さんがリミックスしたいとおっしゃってくださったので、それならばぜひということでカップリングになりました。

――舞台では、第26回読売演劇大賞 優秀女優賞を受賞されるなど一線で活躍されていますが、受賞当時はどんな気持ちでしたか?

読売演劇大賞は1つの夢でした。日本ではトニー賞のミュージカル部門みたいなものがなくて、演劇賞というのがそれぞれあるじゃないですか。読売演劇大賞もそうですけど、その中でもミュージカルも演劇も芝居でちゃんと選考していただいているというのを個人的に強く感じていたんです。私はミュージカルもストレートプレイも両方好きで、ミュージカルで歌っていても、基本的に「やっぱり芝居だよね」という気持ちがすごく強いので、読売演劇大賞を受賞するといのうがすごく夢だったんですよ。

だから、『1789 バスティーユの恋人たち』と『マリー・アントワネット』の2つのミュージカル作品で受賞したんですけど、その時に自分の中ではミュージカルとかストレートプレイとか関係なく、演劇の役者として見てもらえたという喜びがすごくありました。

――賞に対してのこだわりというものはありましたか?

実は、賞というものに対してこだわりはそんなになかったんですよ。最初に演劇関連で賞を頂いたのは2015年度の第41回菊田一夫演劇賞だったんですけど、それまで、2004年に初舞台に立って、2007年に初ミュージカルと10年目ぐらいで、その間に同世代の子たちがどんどん賞を取っているのを見て、「あっ、私は賞に縁の無い人間なのかも。」と感じていたんです(笑)。そういうこともあって、菊田一夫演劇賞を頂いた時は感慨深かったですね。

ちょうど10年目に突入したぐらいでお客さんも少し受け入れてくださるような感じがして、「ようやくここまで来たんだな。賞を頂けるようなところに来られたのかな」と菊田一夫演劇賞を受賞した時は思いました。それで、いつかは次に読売演劇大賞を頂けたらという感じで(笑)。だからもう本当に嬉しかったですし、個人ではないですけど、次の年には出演したミュージカル『FACTORY GIRLS~私が描く物語~』が読売演劇大賞 優秀作品賞ということで、また関われたことはすごく嬉しかったです。

――演劇関連の賞を受賞したことにより、舞台女優として変化はありましたか?

毎作品に対して同じ姿勢で臨んでいるので、私は変わりないですね。もちろん成長したなとか、昔よりこうなったなと思うことはありますけど。どちらかというと、周りから見られる目が変わったのは感じますね。こんなこと言ったらちょっとダークかもしれませんけど(笑)。でも、芸術の世界って数字で表せられるものじゃないし、人の心をどれだけ動かしたかというのは分からないじゃないですか。それで、「結局、いい役者って何なんだろう? 上手いって何なんだろう」と物差しがない世界で、より感動してもらえるように、より良い作品作りに貢献できるようにと向上心を持っていつもやっているわけですよね。

その中で、賞というのは「あなたは間違っていませんよ。これからも頑張ってください」と示されているようなものなので、受賞した時は、やってきたことに間違いはなかったのかなと感じられました。でも、賞を頂いたからといって、あぐらをかいていられませんよね。だって、また次の年にまた新しい賞が発表されるとなると、次の年も注目してもらえるように「絶対にいい作品をしよう! 話題になるような作品作りをしよう!」と毎回、逆に焦っちゃう。だから賞を頂いた時は、プレッシャーとまでいかないですけど、身の引き締まる思いでした。次の日から切り替えてもっとさらに上に昇ることを目指していこうと、過去の栄光に浸ることはしたくないと、感じました。

――エンタステージの2018年のインタビューで、デビュー20周年に向けて「アミューズに入って「ニュー・ソニン」の準備はできている」と語られていましたが、「ニュー・ソニン」として「新しい」何かは見つけられましたか?

アミューズに入る前に、アミューズ製作のミュージカル『キンキーブーツ』に出演させていただいたんですけど、すごく温かい事務所のイメージで、家族感みたいなものが強かったんです。だから、この中に入ったら、また違うソニンが出てくるだろうなという確信があって、「ニュー・ソニン」と言ったのかもしれないですね。それで、その時に想像していたのと違う意味で、この2年間にいろんなことを経験させていただきました。それと、現場で気持ち良く芝居をやる上で、集中できるように環境作りを精一杯やってくださっているのも大きいですね。

役者ってメンタルのコントロールが重要なので、環境作りって本当に大切で、すごく感謝しています。それが変わっただけで、こんなに表に出るものが変わるんだというのを実感したし、さらに私が考えもつかない可能性を提示してくれたんです。例えば去年からだと、アミューズの新人や若い子たち、それに外部の人アーティストを入れて演劇のワークショップをしてみないかとか、オーディション対策や舞台に出演している人へパーソナルにアドバイスをしてあげてほしいとかですね。それって提示されなかったら、やろうとも思わなかったことで、現役が後輩に秘訣を教えるというのはなかなか現役の人ってしたがらないと思うんです。

――アドバイスした人たちに自分の仕事を取られてしまう心配はありますよね。

そんな感じの心配は少なからずあるのかな。でも、私はタイミング的にも、そんな気持ちより、貢献したい気持ちが事務所に対して芽生えたんですよね。

――それが先ほどの“家族感”みたいなものを感じていたからでしょうか。

はい。日本は演劇を学校ですべて習ってから現場に行くというより、何も知らない中で現場に行って習っていくというのが多いと思うんです。だけど、それだと大変だというのを私も分かっているので、現場に行く上で少しでもより良い状態で芝居をできるかもしれないというヒントを知っているんだったらやっぱり教えてあげたいし、よりアミューズのみんなが活躍できるようにという気持ちで始めたんです。

最初は「ソニンさんに教わりたいと言っている人がいるんだけどやってみる?」と言われて、とりあえずやってみようかなみたいな感じだったんですけど、「私、向いているかもしれない」と思ったんですよ。表現者一筋だけではなくて、そこから広がるクリエイトしたりとか教えたりとか、そういう可能性もアミューズが引き出してくれたと思います。こういうことを経験することによって、自分の芝居や表現にもまた磨きがかかるっていうことがあるんだというのを体験していますね。

――最後に20周年記念シングルと20周年記念ライブを楽しみにされている方々へメッセージをお願いいたします。

久しぶりに曲を出すということで、演劇の私を知らない方の中には「おっ久しぶりだな、ソニン!」と思ってくださる方もいるだろうし、「ずっとソニンの歌を聴きたかったよ」と思ってくださる方もいると思います。今回でまた新たに私を認識してくださる方が多くなればいいなと思っていますけど、でも何よりも20年やって来られたことで、ファンの皆さんに「ここまでサポートしてくださって本当にありがとうね」と本当に感謝したいです。

メンタルが崩れるようなことが本当にいっぱいありましたけど、それでも救われたのは、皆さんの言葉、サポートの力、存在だったので、改めてこの20周年でソニンという表現者が多く伝わればいいなという気持ちです。「大人になったよ。これからもよろしくね、そばにいてね」という気持ちも込めて、振り返ってそんな年になればいいなと。

でも、本当にいいきっかけを頂いたと感じています。一年一年を過ごしていると「20周年って一応記念すべき年なんだね」くらいの感じだったんですけど、こうやってアニバーサリーをすることによって、ニューシングルをまた作れたり、ライブができたりとか、たくさん取材していただいたりとかできるので、すごくありがたいですし、世の中の皆さんに少しでもエンタメを提供して楽しさが増える、そんなきっかけになればいいなと思っています。

【20th Anniversary Single「ずっとそばにいてね。/カレーライスの女”2020 Remix”」】

10月14日(水)リリース
<収録曲>
01,ずっとそばにいてね。
02,カレーライスの女”2020 Remix”
価格:1,200円(税込)

SONIM’s 20th ANNIVERSARY LIVE「Cheers.」
10月18日(日)
会場:日本橋三井ホール
<1回目>13:30開場/14:00開演 ゲスト:中川晃教
<2回目>17:30開場/18:00開演 ゲスト:濱田めぐみ
チケット一般発売:9月26日(土)~

ライブ生配信

【1回目】
2020年10月18日(日)14:00開演 ゲスト:中川晃教
視聴チケット:3,300円(税込)
※14:00公演の視聴チケットは、10月8日(木)12:00~10月18日(日)14:00まで購入可能

【2回目】
2020年10月18日(日)18:00開演 ゲスト:濱田めぐみ
視聴チケット:3,300円(税込)
※18:00公演の視聴チケットは、10月8日(木)12:00~10月18日(日)18:00まで購入可能

※いずれもアーカイブなし
※途中から試聴した場合はその時点からのライブ配信となり巻き戻しての再生は不可

【配信プラットフォーム】
ローチケ LIVE STREAMING(ZAIKO)
購入URL:https://l-tike.com/sonim/

(取材・文・撮影/櫻井宏充)

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