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全く新しい解釈で生まれ変わった映画『キャッツ』の魅力とは!安倍寧×堀内元インタビュー

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世界中で愛され続けるミュージカルの金字塔『キャッツ』が映画化され、2020年1月24日(金)より全国公開される。本作には『レ・ミゼラブル』のトム・フーパー監督、さらに数々のミュージカルを成功に導いてきたアンドリュー・ロイド=ウェバーをはじめとした世界最高峰の制作陣が集結。

日本での公開が迫り、映画ファンからもミュージカルファンからも期待の高まる本作だが、エンタステージでは音楽評論家の安倍寧と、ニューヨーク・シティ・バレエ団に日本人として初めて入団、プリンシパルにまで上り詰め、『Cats』では、ブロードウェイ、ウエストエンド、東京と3都市に出演したこともあるミュージカル俳優の堀内元にインタビューを実施。本作の魅力を語ってもらった。

――映画をご覧になって驚いた点、印象的だった点などを教えてください。

堀内:舞台版をベースに映画化にするのかなと思っていたら、演出も振り付けも100%違う作品に仕上がっていたので驚きました。そういう意味では、リメイクというよりも、新しい『キャッツ』に生まれ変わったような印象を持ちました。

安倍:私もトム・フーパー監督の「舞台とは違うものを作ろう」という意図が非常に鮮明に打ち出されている作品だと思いました。最初に『キャッツ』を舞台化したときも、演出家のトレヴァー・ナンがかなり奮闘していましたが、トム・フーパーと脚本のリー・ホールからはそれ以上の想いを感じました。

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――ミュージカルと比べ、セリフ、背景、設定など映画のオリジナルが新しく追加されました。それについて、どう思われましたか?ご感想など教えてください。

安倍:私が特に気に入ったのは、小さな役だったヴィクトリアにクローズアップしていたこと。ジェリクルキャッツと縁のない一匹の猫が、その集団に迷い込んでいくところから物語をスタートさせるというのは、全く新しい解釈だったと思います。

堀内:外部からきた者が、猫の世界を体験していくという流れは、映画を観ている観客にとっても、すごくわかりやすい描き方なっていますよね。

舞台版の『キャッツ』は、オープニングでキャストが客席から登場したり、休憩時間もお客さんと遊んでいたりしていて、ショーの対象がすべて人間である観客に向かっているんです。人間に猫のストーリーを分かってもらおうというのが演出法なのですが、映画版だと画面から飛び出すことができないので、そう簡単にはいかない。でも今作では、外部からきたヴィクトリアが観客と同じ位置にいて、猫たちがヴィクトリアに向けてパフォーマンスしていくのでとても素晴らしい演出だなと思いました。

昔は客席に向かって表現するものが多かったのですが、最近は、特にダンスではキャストが互いを向いて歌ったり踊ったりする作品も多く、観客はその様子を第3者として客席から見ているんです。その傾向をうまく映画にも反映させていて、現代的だなと感じました。

安倍:エンドクレジットで、ヴィクトリア役のフランチェスカ・ヘイワードの名前のところに「introducing」と記載されていて、これは通常だと「映画初登場」という意味になるのですが、今作では、「ヴィクトリアがキャッツの世界を紹介する役割ですよ」という意味合いも含まれているのかなと思いました。

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――テイラー・スウィフトによる新曲「Beautiful Ghost」が追加されましたが、この曲は本作にどのような効果を与えることが期待できるでしょうか?

安倍:ヴィクトリアを紹介する曲は元々ないので、今回主人公ということもあって制作された曲だと思うのですが、私は三重丸の出来栄えだと思います。わかりやすいけれど、迎合しない、ロイド=ウェバーの作曲家としての誇りを感じる美しいメロディだと思いました。「メモリー」が東の横綱なら「Beautiful Ghost」は西の横綱ですよ(笑)この楽曲に惹かれて、映画を観たいなと思ってくれる人がいればいいなと思います。

――名曲「メモリー」の魅力、愛され続ける理由を教えてください。

安倍:「メモリー」抜きにしては『キャッツ』は成り立たちませんよね。グリザベラは自分の魂を救済して欲しくて歌うわけですが、それは心から歌わないと観客には届きません。映画のジェニファー・ハドソンも見事に歌い上げたと思います。

堀内:僕が共演したなかで一番感動したのはローリー・ビーチマンの演じたグリザベラですね。彼女は当時、癌を患っていて、自分があとどれだけ生きることができるか分からないなか、演じていました。最後の舞台を終えて3か月くらいで亡くなってしまったのですが・・・。彼女は舞台上で本当に涙を流していましたね。「もう一度、命を与えられたら」という想いが伝わってきましたね。

安倍:歌い手がその曲と心から合体しないと歌いきれないというところに「メモリー」という楽曲本来の魅力があるんじゃないかなと思いますね。

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――堀内さんが『キャッツ』に出演なさる際に、猫に見えるように心がけていたことは何ですか?

堀内:猫になるためのトレーニングはたくさんやりました。レッスンでは振り付けなどは関係なく、猫になってひたすら部屋を歩き回るんです。なんでもいいので、お互いに猫のようにリアクションをし合って、その場でストーリーを作っていく。嫌いなヤツがいたらシャー!と言ってみたり(笑)。

グループごとに交代で行って、いい猫の仕草や猫らしくない行動を見つけたら共有して研究していました。稽古着でやっていると恥ずかしいのですが、衣装を身に着けて、メイクをすると、不思議と猫になった気持ちになって、楽しかったです。

――バレエやジャズだけでなく、ストリート、ヒップホップ、コンテンポラリーなど、様々な踊りを披露する猫たちが登場しますが、その融合はいかがでしたか?

堀内:元々のミュージカルの『キャッツ』にも、コンテンポラリーやタップといった様々なダンスの組み合わせがあったんです。映画では、双子のダンサーがヒップホップを踊り、スキンブルシャンクスが今度はタップダンスを披露していて、とてもおもしろいアレンジだなと思いました。

いまをときめく振付家のフランケンビューラーが手掛けただけあって、群舞の演出がとても上手くて、芸術な作品に仕上がっているなと思いましたね。

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――舞台と映画の違いについて教えてください。

堀内:映画の素晴らしいところは何回も観れるところ。映画『キャッツ』が作られたことで、ロイド=ウェバーの素晴らしい楽曲やメロディが後世に残っていくというのは、すごく価値のあるプロセスだと思います。特に子どもたちは同じ作品を何回も観ると思いますが、そこから俳優やダンサーになりたいといったように、様々な影響を受けてもらえるといいなと思います。

安倍:舞台版と映画版というのは、別のものでもあるし、同じものでもあると思うので、二つの視点を持って観ていただけると良いと思います。映画で初めて『キャッツ』に触れる人は沢山いると思いますが、次は舞台版を観ていただきたいなと思いますし、舞台版を知っている人が映画を観れば、舞台とは違う発見があると思います。ぜひ両方見て、それぞれの違う感動を知っていただきたいですね。

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映画『キャッツ』

【公開日】2020年1月24日(金)全国ロードショー

【監督】トム・フーパー(『英国王のスピーチ』『レ・ミゼラブル』『リリーのすべて』)
【脚本】リー・ホール(『戦火の馬』『リトル・ダンサー』)、トム・フーパー
【製作総指揮】アンドリュー・ロイド=ウェバー、アンジェラ・モリソン、ライザ・チェイシン、ジョー・バーン
【原作・原案】T・S・エリオット、アンドリュー・ロイド=ウェバー

【キャスト】
ヴィクトリア:フランチェスカ・ヘイワード
マンカストラップ:ロビー・フェアチャイルド
グリザベラ:ジェニファー・ハドソン
オールドデュトロノミー:ジュディ・デンチ
バストファージョーンズ:ジェームズ・コーデン
ミストフェリーズ:ローリー・デビッドソン
スキンブルシャンクス:スティーブン・マックレー
ラム・ラム・タガー:ジェイソン・デルーロ
ジェニエニドッツ:レベル・ウィルソン
ガス:イアン・マッケラン
マキャヴィティ:イドリス・エルバ
ボンバルリーナ:テイラー・スウィフト
マンゴジェリー:ダニー・コリンズ
ランペルティーザ:ニーブ・モーガン

【公式サイト】https://cats-movie.jp/

            

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