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「カメ止め」で注目の秋山ゆずきインタビュー!初の朗読劇で「違う一面を見せたい」

2019年3月12日(火)より開幕する、朗読劇『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』。今回の再演では、さまざまな分野で活躍している人たちがキャスティングされており、3月13日(水)の公演には、女優の秋山ゆずきが出演。

昨年大ヒットした映画『カメラを止めるな!』で注目された秋山は、これが初の朗読劇チャレンジ。映画での絶叫が印象的な秋山が、恋愛をどう“読む”のか、その思いを聞いた。

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――秋山さんは、本作が初めての朗読劇になるそうですね。

そうなんです。ずっと朗読劇には興味があって、マネージャーさんに「やってみたいです」とお話をしていたところに今回の話をいただいたので、「えっ、まさか!」って思いました。

実は、3、4年ぐらい前に小説を読んで、映画も観ていたので、有名な作品に出演できる、愛美を演じることができることにいう驚きがありました。最初は嬉しくて「やった!」と思っていましたが、お稽古をやってみて、こんなに大きな役をやるんだ・・・ということに、ソワソワし始めました(笑)。不思議な気持ちですし、この作品の中に自分が入ったらどうなってしまうのだろうと思っています。

――映画ではなく本に先に触れられていたんですね。本と映画の印象はいかがでしたか?

この小説を読んだ当時、意識的に本を読んでいた時期で。読みやすそうな作品だと思い、手にとりました。読んでいく中で「何が起きているんだろう」「どういうことなんだ?」と違和感を持ちながらも、物語の世界観に入っていき、最終的にすごく腑に落ちて。本を読んでから映画を観たので、愛美と物語が一体化され、すんなり入れました。今回は、映画のような観やすさもあり、朗読劇ならではの分かりやすさもあるので、両方の良いところが入っているなと思いました。

――私も秋山さんが出演されていた『カメラを止めるな!』を観た時に、違和感を抱きながらも物語に引き込まれていったんですが、同じ感覚だったんですね(笑)。

観てくださったんですね、ありがとうございます(笑)。確かにそうかもしれませんね。小説を読んでいる時は「なんでだろう?」「不思議な女の子だな」と思っていたのですが、次第に「なるほど」となっていくので、分かった時の爽快感は似ているかもしれません。謎が解けた時にもう一度最初から観たくなる作品ですね。

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――実際に脚本を読まれてどう思いましたか?また、愛美という役にどのように向き合っていますか?

脚本を読んでみて、朗読劇は難しい世界だと感じました。お客さんは私たちの声だけを聴いていくわけですし・・・。でも舞台上に二つのシーソーのようなベンチがあるのですが、このセットがあるから、二人が交わったり離れたりというのがすごく分かりやすいんです。素敵なアイデアだと思いました。

最初に想像したのは、映画で観た愛美なんです。本を読んでイメージしていた愛美と映画の愛美がバッチリ合っていたから。だから、私の中では映画の中の愛美のイメージがすごく強かったのですが、せっかく演じるのだから、今回は私らしい愛美を作ってみようかなと。原作や映画を意識しつつも、私が思った愛美をやっていこうと思っています。

――具体的なプランはありますか?

今回出演される方々は声優さんも多いですし、相手の目を見てはいけないなど、独特の世界観で演出されています。でも、観ているお客さんの頭の中では二人が並んで見えるように、台詞の言い方の種類分けをしていこうと思います。例えば声の出し方ですが、前に出す声、上に出す声、後ろにひく声というのを、朗読劇だからこそ意識して使い分けをしていくつもりです。

――先ほど朗読劇をやってみたかったとおっしゃっていましたが、朗読劇は好きになれそうですか?

今は稽古をしていて実力不足を感じますが、やってみたいことがたくさん出てきました。今回、ご一緒する細谷佳正さんは声優さんです。細谷さんとは結構離れた位置で稽古をしているのですが、まるで隣にいらっしゃるかのように声が聞こえるんです。声優さんとご一緒するのは初めてですが、すごいなあと感じています。

そのことを感じてから、自分の課題が見つかりました。今までの芝居とは違って、声の表現の仕方にもこんなにも種類があると気づいたんです。そう思ってから、この朗読劇にのめり込むようになりました。

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――稽古を重ねて、よりストイックになったんですね。

一人で台本を読んでいただけでは分からなかった部分が、稽古の中で立体化されて見えてきました。相手を見たり触ったりしない分、声で伝えられること、間の取り方、息づかいなど、もっとできるなと。稽古を踏まえて、本番でもっと挑戦できたらと思っています。

稽古期間は短いですが、濃密な時間を過ごせたので、その間にギュッと感じることや思うことをメモして考えています。90分間で1ヶ月間の物語を演じるので、二人の距離の詰め方とか、話し方をもっと分かりやすくできるかなと、脚本を読んでいて思いました。観た人が最後に「そういうことなんだ!」となるために、私は二重三重に考えてやらなければならない役なので、どのくらい表現するか、どのくらい隠すか・・・チャレンジです。

――この物語は高寿の視点で描かれる愛美との時間が話の軸となっています。愛美の秘密を表現するのは難しいと思うのですが?

そうなんですよ。私も一つ疑問が出てくると最初から考え直して、頭の中で混乱することがあります(笑)。文字だけを見ていると複雑になりますが、先ほども言ったシーソーのように斜めになっているベンチを思い浮かべると、なるほどと思います。高寿がベンチの端から私も端から、二人ともそれぞれ正当な道を歩んでいます。二人の時間が交わるところを2つのベンチで考えると、結構分かりやすかったりします。

物語が進んでいくうちに近づいていったり、離れていったりするのが分かりやすくもあるし、グッときてしまう部分もあります。演じながら切なくなりますね。

――愛美のほうがちょっとつらいですよね。

苦しいですよね。愛美は愛美で、普通の恋愛をしようと思ったらできると思うんですよ。でもそれをせずに、どうしてあえて高寿と苦しい道を選んで、一緒の時間を過ごしているのか。絶対に苦しいし毎回傷つくのに、それでも高寿に会いに行く愛美はどうしてなのかということを疑問に持ちつつ、この作品の世界観を生きることが大切だと思います。

――愛美と秋山さんは似ているところがありますか?

結構、真逆なんです(笑)。愛美は自分の気持ちをはっきり伝えず上手に演じて、高寿が気づくまで黙っているところがあります。でも、私は白黒つけたくなっちゃうタイプなので。高寿が「つらい!」ってなったら、「私だってつらい!」ってぶつけるようなタイプです。

実は稽古をした夜に、家族に会う夢を見たんですよ。私はこの作品の“愛”というのは、私が家族に感じている愛と似ているのかなという思いがあります。高寿に対して、どんな時がこようと一途に愛する芯の強さ、愛しているからこそ、という気持ちの強さは愛美と似ているんじゃないかな。

――男女の恋愛物語であるこの作品を、家族への愛という大きな視点で考えるのは、とても新鮮です。

確かに恋愛物語ですが、この話は悲しいのではなくて、愛おしいというか、いろいろな見方ができる作品だと思います。私がこの作品に感じた愛美の高寿に対する愛は、恋愛を超えた家族への愛のような大きなものなんじゃないかと思うんですよ。

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――高寿役の細谷佳正さんの印象は?

お稽古で初めてお会いしたのですが、二人で恋愛ものをやるということもあって、ご挨拶はしたものの、いつ話しかけたらいいのかなと最初は戸惑いました。でも、稽古が始まり二人の読み合わせを終えて休憩時間になった時に、「『カメラを止めるな!』観ました」と気さくに声を掛けてくださったんですよ。「面白くて2回も観ちゃいました」とおっしゃっていただいて、すごくいい人で優しい方だなあと思って。私も「『この世界の片隅に』を観ました」という話をさせていただきました。

それをきっかけに、いろいろお話しました!細谷さんは「普段、アニメの口に合わせたり、秒数が決まっていたりする中でやっているので、朗読劇は自分らしくできるからいろいろな方法がありますね」とおっしゃっていて、逆に私は台本を持って芝居をする経験がないし、相手をあまり見ずに芝居をすることもないので、つい癖で体が相手に向きがちになってしまうところが難しいと思っていたので、目線の違いというか感じ方の違いみたいなものを話しました。

細谷さんとは、一緒に演じていて波長が合うと感じることが多かったんです。例えば細谷さんも「ここで相手を見てもいいですか?」と言ってくださったりして、相手を見たくなる気持ちは一緒なんだなってホッとしました。私も同じ疑問を持っていたけれど、朗読劇をやったことがないので、言っていいものかどうか躊躇していたので、そういう質問をしてくださってありがたかったです。

――二人だけの舞台、そして初対面ということで、どんな雰囲気で稽古が進んでいくのだろうと思っていましたが、だんだん距離が近づいていくところは、このお話に似ていますね。

そうなんです。愛美も高寿も「初めまして」からスタートしているじゃないですか。すごく作品と通じるところがあるので、新鮮に感じられたり、作品とマッチしているなというところがあります。

――『カメラを止めるな!』では、秋山さんの絶叫されている姿が印象的でした。映画に出てから「絶叫する役をいただくようになった」とおっしゃっていましたが、今回は違った秋山さんの姿を見ることができそうですね。

『カメラを止めるな!』以降、「絶叫ヒロイン」と言っていただくことが多くなり、そういうお仕事が多かったので、恋愛ものは久しぶりです。一切絶叫がなくむしろ落ち着いているので、自分でやりながら心がキュンと動いているのを感じて楽しいです(笑)。お客さんにも新たな一面を見せることができるんじゃないかと思います。

――最後に、公演を楽しみにされている方へ、メッセージをお願いします。

『カメラを止めるな!』以降、一つの長い作品をやるのはすごく久しぶりです。朗読劇という新たな挑戦もありつつ、心の動きも繊細なので、課題がたくさんありますが、ペアの空気感を大切にして自由に演じていいと言われているので、できるだけ挑戦したいと思います。

まずはお客さんに作品を楽しんでいただきたいので90分間を全力で生きようと思います。同時に私も成長したいと思っていますので、楽しみにしていただけたら嬉しいです。

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◆公演情報
朗読劇 恋を読む『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』
2019年3月12日(火)~3月17日(日)  オルタナティブシアター

【脚本・演出】:三浦直之(ロロ)

【出演(公演順)】荒牧慶彦、三森すずこ/黒羽麻璃央、山崎紘菜/細谷佳正、秋山ゆずき/木村達成、清水くるみ/梶裕貴、高月彩良/蒼井翔太、石川由依/松田凌、内田真礼/廣瀬智紀、吉倉あおい

各ペアの最終公演の模様はニコニコ生放送で生中継(3月14日を除く)、さらにテレ朝チャンネルにてTV初放送が決定

ヘアメイク:イワタユイナ
スタイリング:宮崎 智子
衣装協力:MURUA(03-5447-6543)

(撮影/咲田真菜)

(文/咲田真菜)

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