村井良大×木村達成×猪塚健太『魔界転生』インタビュー!「2018年で一番とんでもない作品に」


2018年10月6日(土)に福岡・博多座にて『魔界転生』が開幕する。本作は、日本テレビが開局65年を記念して製作する舞台。映画化などもされている山田風太郎の同名小説を、マキノノゾミの脚本、堤幸彦の演出で、一大エンターテインメント作品に仕上げる。出演者より、根津甚八役の村井良大、柳生又十郎役の木村達成、荒木又右衛門役の猪塚健太に、大作に臨む気持ちなどを聞いた。

村井良大×木村達成×猪塚健太『魔界転生』インタビュー

――『魔界転生』いよいよ開幕です。さかのぼりますが、この大作に出演が決定した時のお気持ちを教えてください。

猪塚:僕は、日本テレビさんの開局60年記念の『真田十勇士』を拝見した時に、「すごい舞台だ・・・!」と圧倒されまして。キャストも豪華ですし、お話もおもしろいですし、こんな作品に出てみたいなとずっと思っていました。その後、出演させていただいた『里見八犬伝』のプロデューサーさんが、『真田十勇士』と同じ方だったので、「(『真田十勇士』に)出たかったです!」というお話をしていたんですよ。だから今回、マキノノゾミさんと堤幸彦さんがまたタッグを組む作品に呼んでいただけた時は、その「出たい!」と思っていた感情がふつふつとよみがえってきたのと同時に、その一員としてやれるということが本当に嬉しくて、楽しみでしょうがありませんでした。

村井:僕は、これまでも何度か堤さんとご縁がありまして、またご一緒できて光栄です。それから、日テレさんの制作する舞台って、和物のお話がすごく多いんですよね。僕は、もっと和物の作品が広まってほしいという願望があるんです。日本人の奥深さというか、情や日本人の心がそのまま映し出せるのって、やっぱり和の物語だと思うので、今後もっともっと作っていくべきだと思うんです。堤さんが演出することで、笑いのスパイスも加わるから、観ていてもやっていても楽しいですし。今、自分の中でもステップアップしたいという気持ちが年々高まっているところなので、自分に課題が課せられ、精進できる作品に携われることはとても嬉しいなと思いました。

木村:僕は、過去にこういった作品に出演したことがなかったので、新たな挑戦だなと思いました。共演者の皆さんもすごい方ばかりなので・・・、委縮せずにがんばりたいという気持ちと、誇らしい気持ちが両方あって。しかも、日テレさんの開局65年記念の舞台ですしね。だからこそ、期待していただいているでしょうから、プレッシャーも感じていました(笑)。

村井良大×木村達成×猪塚健太『魔界転生』インタビュー_7

――それぞれの役どころについて伺いたいのですが、まず木村さんは、上川隆也さん演じる柳生十兵衛の弟、柳生又十郎役です。

木村:上川さんは、ずっとテレビで拝見してきた方なので、最初にお会いした時は「あ、上川さんだ!」とミーハーな気持ちでした。弟役なので、稽古や公演を通して関係性を深めていけたらいいなと思っています(本インタビューは稽古前に行われました)。

――殺陣のある作品も初めてですね。

木村:そうなんですよ。初めて練習した時は、箸も持てなくなるぐらいプルプルになりました・・・。次の日、筋肉痛で起き上がれないぐらい。

村井:マジで!

木村:でも、太刀筋は良かったみたいです(笑)。

――木村さんは、運動神経が良いですもんね。

木村:そうなんです!

村井・猪塚:(笑)!!

村井:体格もいいから、すごく映えるよね。

猪塚:我々もがんばらねば。殺陣って、付けていただく時は手を覚えて形綺麗に見せることに必死でなかなか余裕がないんですが、本番が近づいて音を入れていただくと本当に気持ちがいいんですよ。音をつけてもらうと、自分がかっこいいと思ってる姿が、音によって掻き立てられて、さらにイメージが湧いてくる。余裕が出ればでるほど、おもしろいなって思います。

村井:僕、殺陣は見得が大事だと思うんですよね。僕も詳しくはないんですが、歌舞伎でも所作だけでかっこよさと懐の深さが見える見得って、すごくかっこいいと思うので。立ち姿はもちろん、立ち回りをした後の最後の見得まで、美しく見せたいですね。

村井良大×木村達成×猪塚健太『魔界転生』インタビュー_3

――村井さんは、前回『真田十勇士』でも演じた根津甚八役ということですが・・・。

村井:そうなんですよ。淀殿役の浅野ゆう子さんと僕は、同じ人物をまた演じることになるんですけど。それを気にしすぎると、『真田十勇士』をご覧になっていない方にはなんのこっちゃになってしまうので(笑)。『魔界転生』にふさわしい根津甚八をお届けしたいと思います。遊び心として、楽しんで観てほしいですね。

猪塚:意図してのことなのか分からないけれど、まったく別の作品で、同じ役者が同じ人物を演じるって、すごく堤さんっぽいよね。

村井:そうそう。堤さんの映画でも、たまにそういうのあるよね。「あれ?あの役ってもしかして・・・」みたいな。

村井良大×木村達成×猪塚健太『魔界転生』インタビュー_6

――猪塚さんは、「魔界衆」の荒木又右衛門役ということで、ビジュアルのインパクトもとても強いですね。

猪塚:そうですね、3人の中では一番特殊(笑)。『魔界転生』って、原作がめちゃめちゃおもしろいんですよね。そのおもしろさにはいろんな面があるんですが、一つは、現実では交わることのなかった歴史上の英雄たちが一挙に会す、というあり得ない設定。もう一つは、絶対に敵わないであろう魔界の者たちに、柳生衆たちが力を合わせて向かっていくという部分。

悪役が強ければ強いほど盛り上がるし、熱くなりますし、物語としても重厚感が増すと思っているので、悪だけど歴史に名を残す一人として妖艶に演じたいです。まずは、悪役の一人として、“強敵”である説得力を出していけたらと思っています。

村井:堤さんのおもしろいところなんですが、敵役を敵過ぎずに見せるんですよね。今の話でも感じた猪塚くんの“ギラギラ感”を、堤さんがどう演出して作り上げていくのか、すごく楽しみ。堤さんって、台本に役者の人となりを見ながら、臨機応変に要素を付け加えていく方なので。

猪塚:そういうキャラクター性を出すのも、堤作品の魅力の一つだと思うから、それにうまく対応して、モノにできたら個人としても作品としても一番いいね。

村井良大×木村達成×猪塚健太『魔界転生』インタビュー_2

――それでは最後に、公演に向けて意気込みをお願いします。

木村:公演数が、77公演あるんですよね。かなり長い公演期間ですが、最後まで全員で駆け抜けたいなと思います。座組一丸となって、お客さんにしっかり物語を届けていきたいです。堤さんの演出も殺陣も、初めてのことが多いですが、稽古は恥かく場所ですから、それを経て成長できればと思います。

猪塚:この作品は映画にもなっているので、原作、映画、両方をリスペクトしつつ、舞台版『魔界転生』を観て、「2018年で一番とんでもない作品だったな」と思ってもらえるような、唯一無二のおもしろい作品にしたいと思います。博多座から始まり、明治座、梅田芸術劇場と続きますが、皆さん、ただただ、楽しみにしていてください!

村井:これだけたくさんのキャストの方が集まって、一つの大エンターテインメントの作品を作るには、全員が力を合わせなければ成り立ちません。怪我に気をつけて、約2ヶ月半の1公演1公演を大切に、観に来ていただいたお客様に「楽しかった」「また観たい」と思ってもらえるようにがんばりたいと思います。よろしくお願いします。

日本テレビ開局65年記念舞台『魔界転生』

◆公演情報
日本テレビ開局65年記念舞台『魔界転生』
【福岡公演】10月6日(土)~10月28日(日) 博多座
【東京公演】11月3日(土・祝)~11月27日(火) 明治座
【大阪公演】12月9日(日)~12月14日(金) 梅田芸術劇場 メインホール

【原作】山田風太郎(角川文庫刊)
【脚本】マキノノゾミ
【演出】堤幸彦

【出演】
上川隆也、溝端淳平、高岡早紀、村井良大、松田凌、玉城裕規、木村達成、猪塚健太、栗山航、丸山敦史、山口馬木也、藤本隆宏、浅野ゆう子、松平健 ほか

【公式HP】http://makaitensho.jp/

 

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