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ミュージカル「しゃばけ」参 ~ねこのばば~藤原祐規&法月康平インタビュー「日常を忘れて楽しんで」

シリーズ累計800万部を超えるファンタジー時代小説シリーズ「しゃばけ」(新潮社刊)。畠中恵のデビュー作となる本作は、2001年に第13回日本ファンタジーノベル大賞を受賞し、2016年には第1回吉川英治文庫賞を受賞。2017年1月には小説「しゃばけ」シリーズ15周年を記念してミュージカル「しゃばけ」が上演され、原作の世界観を歌とダンスで表現した公演は話題となった。

昨年9月にはミュージカル「しゃばけ」弐 ~空のビードロ・畳紙~が上演され、さらに今年4月から5月には第3弾となるミュージカル「しゃばけ」参 ~ねこのばば~が東京と大阪で上演される。シリーズを通じて屏風のぞき役で出演している藤原祐規と、今回が初参加となる秋英(しゅうえい)役の法月康平に、作品の魅力や今作の見どころについて話を聞いた。

ミュージカル「しゃばけ」参 ~ねこのばば~藤原祐規&法月康平インタビュー

――藤原さんは過去2作品(ミュージカル「しゃばけ」、ミュージカル「しゃばけ」弐 ~ビードロの空・畳紙~)に続いての出演となります。

藤原:ありがたいことなんですが、実は原作小説の「ねこのばば」の話には、屏風のぞきは出てこないんですよ。だから、お話をいただいた時は心配になりましたが、「舞台オリジナルのストーリーも加えて、ちゃんと屏風のぞきの役割もあります」と説明されてホッとしました(笑)。

――法月さんは今回がミュージカル「しゃばけ」シリーズに初参加ですね。

法月:はい。昨年「しゃばけ」弐 ~ビードロの空・畳紙~を観劇させていただき、作品の世界観に魅力を感じていたので、今回声をかけていただき嬉しいです。

――法月さんが演じる秋英(しゅうえい)は、どんな役ですか?

法月:お坊さんです。そのお寺で殺人事件が起こり、たまたまお寺に来ていた若だんな(植田圭輔)と妖(あやかし)たちが、ひょんなことから事件解決の手伝いをすることになります。

藤原:お坊さん役ってことは本番ではツルツル頭?坊主のカツラを被るの?

法月:と思うでしょ?でも、ビジュアル撮影では坊主頭じゃなかったんですよ。一応、坊主頭に近づけたい意思はあったのでジェルで髪を撫でつけて撮影をしたんですけれど、撮った写真を見たらそこはかとなく漂うヤンキー感・・・(苦笑)。誰もがイメージする“お坊さん”とは少々違う感じになったかもしれないけれど、逆に役作りが楽しみになりました。

秋英は真面目で仕事にも前向きに取り組む青年なのですが、ある秘密を抱えていて自分自身でそれを認められず悩んでいるという複雑な役。まだどう演じるか細かいところまでは考えていないけれど、稽古を通じて作り上げていくのが楽しみです。

ミュージカル「しゃばけ」参 ~ねこのばば~藤原祐規&法月康平インタビュー_3

――藤原さんも、稽古中に楽しみにしていることはありますか?

藤原:「弐」では声だけの登場だった“若だんな”こと一太郎役の植田圭輔くんと、仁吉役の中村誠治郎さんが戻ってくることですね。どんな作品でもシリーズ物って思い入れがあるもので、初演の時は一太郎、仁吉、佐助(滝川英治)がいて、弐では一太郎と仁吉がいない中で(滝川)英治さんと、俺と、守狐役の福井将太くんとで、言葉にはしなくても「作品を背負わなきゃ」みたいなところがあったと思います。

「しゃばけ」といえば、やっぱり薬種問屋の長崎屋をメインに話が進んでいくので「一太郎と仁吉がいなくても長崎屋が薄れないようにしよう」「でも長崎屋らしさって何だろう?」と悩み、考えながら作っていったんですけれど、改めて彼らの存在の大きさを実感しました。

――藤原さんがおっしゃるように、若だんな、仁吉、佐助、そして屏風のぞきと守狐が“わちゃわちゃ”しているのが長崎屋という印象があります。

藤原:はい。なので参は植ちゃんと誠治郎くんが戻ってくるので、また新たな気持ちで挑めそうです。

――藤原さん的に今作のストーリーの見どころというと?

藤原:今回は、初演のようなミステリー風の謎解き話になるので、お客様への謎のかけ方、どう解決に導いていくのか、台本に書かれている“大事なところ”をどう表現するかという部分が見どころだと思います。個人的な部分だと、屏風のぞきは原作の中には出てこないので、舞台版は舞台版として僕の考える屏風のぞきらしく、その場に居たいと思っています。

――法月さんが考える見どころはどうでしょう?

法月:やはり謎解き部分が一番の見どころになるだろうなと思っています。秋英は殺人事件に関係する重要な役なので、ラストに向けて導いていけるようにしたいですね。
個人的に楽しみにしているのは、サムさん(=石坂 勇)が演じる寛朝(かんちょう)様とのシーン。久しぶりの共演なので、どうからんでいくのかが楽しみですね。あと守狐役の福井くんはミュージカル『魔界王子 devils and realist』にクロッサンブル(※アンサンブルのクロスを使った演出)として出演していたんですけど、その時にお芝居での絡みはなかったので、純粋に共演の皆さんとのお芝居を楽しみたいなと思います。

ミュージカル「しゃばけ」参 ~ねこのばば~藤原祐規&法月康平インタビュー_4

――「しゃばけ」カンパニーに初参加ということで、稽古が始まる前に藤原さんに聞いておきたいことは何かありますか?

法月:“何を”というよりは“何でも”聞きたいです(笑)。稽古の中で疑問に思ったことがあれば全部聞きたいですね。

藤原:『Club SLAZY』という作品で共演していた時は、だいたい僕の稽古合流が遅くて法月に聞く立場だったから、法月が僕に聞きたいことがあるなんて想像できない!

法月:『Club SLAZY』で僕が演じた“Q(キュー)”は、すべてを知っていて話を回していくような役どころだったから、稽古の序盤で疑問点は全部回収するようにしてたんですよ。だから、フッキーさんが合流する時点で疑問はほとんど解消されていたから、説明できたんです。

藤原:なるほど。そう考えると今回の稽古スタート直後は今まで観ることのなかった法月のテンパる姿が見られるのかもしれない?「うわぁ~、何も分かんねぇ~」みたいな。そんな姿を観られるのを楽しみにしています(笑)。

法月:あはは!あと一つ見どころに思っているのが歌の部分。僕は歌が好きなので、弐で色濃くなった「しゃばけ」のミュージカル色をより一層打ち出していける力になりたいです。フッキーさんと一緒に歌うシーンもあるといいな。

藤原:あるかなあ(笑)。あっても屏風のぞきが「お前が犯人じゃねぇかぁ~♪」って疑う歌になりそう。話は変わるけどさ、小さい子どもは好き?

法月:好きです。鳴家役でちっちゃい子が「きゅわきゅわ」っていっぱい出て来てましたよね。めっちゃ癒されそう。

藤原:癒されるけど「なんで2秒前に言われたこと忘れる?」ってビックリもするよ。「こっちから出て来て、こういう順路をたどってあっちに走るんだよ。はい、やってみよう!」ってやったら、全然違うところにダーっと走って行って「待って、待って!もう1回やってみよう」ってやると、また教えたのと違う方向に走っていくんだよ。

法月:子どもなりに一生懸命で可愛いじゃないですか(笑)。

藤原:もう~、取材だからって無理して好感度を上げるようなこと言わなくていいんだよ。本音を言おうよ、法月くん。

法月:いやいやいや!本当に子どもは好きですから(爆笑)!

――ちなみに、原作の畠中恵先生からは、ミュージカル「しゃばけ」についてどんな感想をいただきましたか?

藤原:屏風のぞきは原作だともうちょっと上品な飄々としている感じだと思うんですけど、演じる上で「なんかちょっとはみ出して行こう」みたいな想いがあり、演出の浅井さんに許可を得たうえでそれぞれのキャストが今のキャラクターを作り上げていったんです。正直、演じながら「中村誠治郎と滝川英治、やりすぎじゃねぇか?」みたいなシーンもあったんですけど(苦笑)。そんなサービスシーンも、先生は楽しく観てくださったようで、嬉しいことですね。器の大きさというか、親心というか、温かい目線で見守ってくださっているのを感じました。

ミュージカル「しゃばけ」参 ~ねこのばば~藤原祐規&法月康平インタビュー_2

――最後に公演を楽しみにしている皆様にメッセージをお願いします。

藤原:今回はミュージカル「しゃばけ」シリーズ初の大阪公演もあるので、たくさんの方にご観劇いただきたく思っています。とっても世界観に入りやすいし、老若男女問わず幅広い年齢の方に“ささる”作品です。友達はもちろん、家族や親戚などいろんな方を誘って来ていただいて、観劇後はお茶でも飲みながら「しゃばけ」の話で盛り上がって、何だったらその後に本屋に寄って原作小説を買って帰るぐらい、「しゃばけ」の世界にどっぷり浸かってもらえたら嬉しいなと思います。原作に負けない、舞台ならではのおもしろさを追求していくので、楽しみにしていてください。

法月:前回公演を観て、キャストやスタッフの皆さんが「しゃばけ」という作品が本当に大好きで、楽しく作っているのがストレートに伝わってきました。そこに今回、僕と石坂さんという新キャストが加わることで、さらに温かい作品に出来るように。そしてその温かさに観客の皆さんが“ほっこり”できる空間を創れるように力を合わせてがんばります。先ほどフッキーさんも言ってましたが、幅広い年齢層に楽しんでいただけるお話です。登場人物それぞれの視点で何回も観たり、「こういうことだったのか」と謎解きを楽しんでほしい気持ちはありますが、1回観ただけでも分かりやすいストーリーですし、十分に楽しむことが出来るのが「しゃばけ」の魅力だと思います。ぜひ劇場にお越しいただき、日常を忘れて楽しんでください。

ミュージカル「しゃばけ」参 ~ねこのばば~ビジュアル

◆公演情報
ミュージカル「しゃばけ」参 ~ねこのばば~
【東京公演】4月28日(土)~5月7日(月) シアターサンモール
【大阪公演】5月19日(土)・5月20日(日) 大阪ビジネスパーク円形ホール

【原作】畠中恵「しゃばけ」シリーズ(新潮社刊)より『ねこのばば』所収「ねこのばば」
【演出・音楽】浅井さやか(One on One)
【脚本・作詞】神楽澤小虎(MAG.net)
【出演者】
一太郎/植田圭輔
仁吉/中村誠治郎
屏風のぞき/藤原祐規
守狐/福井将太
秋英/法月康平
寛朝/石坂 勇

<アンサンブル>あきつ来野良、市川真也、田中大地、松山裕樹

ねこまた役(日替わり)

阿澄佳奈 5月2日(水)19:00公演
加藤良輔 大阪公演:5月19日(土)13:00公演/18:00公演、5月20日(日)12:00公演/16:00公演
桑野晃輔 4月29日(日)13:00公演/18:00公演
椎名鯛造 5月6日(日)13:00公演/18:00公演
川隅美慎 5月7日(月)13:00公演/18:00公演
鈴木裕斗 5月1日(火)19:00公演
芹沢尚哉 5月4日(金)19:00公演
廣野凌大 4月28日(土)13:00公演/18:00公演
深澤大河 4月30日(月)14:00公演/19:00公演
古谷大和 5月5日(土)13:00公演/18:00公演
松村龍之介 5月3日(木)14:00公演/19:00公演

【公式HP】https://www.clie.asia/shabamu/

(C)2001 畠中恵/新潮社 (C) 2018 CLIE

(文/近藤明子)

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