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10年を経て、満を持してのタッグ! ヨーロッパ企画『遊星ブンボーグの接近』上田誠×川岡大次郎インタビュー

『遊星ブンボーグの接近』

――川岡さんから見た、ヨーロッパ企画の魅力とは。

川岡:いつも凄いなと思うのが、観に行った後に嫌な気分にならないんですよ。劇団を知らなくても劇場に足を運べば、笑ってほんわかした気持ちで帰ることができる。誰もがその時間を楽しむことができる、これが凄いなと。あとね、ブレない。前回公演の『ビルのゲーツ』見てても改めて思ったんですけど、本当にブレないな、と。人間って、どうしても年を経ることでだんだん変わっていくものだと思うんです。でも彼らは根本がブレないから、そこが本当に好きだし、ずっと観たいと思う劇団なんですよね。
上田:多分、すごく慎重なんですよ。例えば第一回公演のタイトルが『ところで、君はUFOを見たか?』で、今回が『遊星ブンボーグの接近』。変わらないじゃないか、という(笑)。でも最初は“SFシチュエーション群像コメディ”だったのが、そこに舞台装置の仕掛けでの新たな試みが入ったり、企画性が入ったり、公演を重ねることに要素は足されているんです。だけれども根本の部分は残っていて、そこに積み上げ、重ねて行くから、結果的に変わらないんじゃないんですかね。もちろん、方向性として迷った時期もあります。でも最近はメンバーがそれぞれサイドワークをやっていて、そこで新たなことや実験的なことをやって、劇団公演に持って帰ってきてくれている。ある意味劇団として厚みが出てきたからこそ、劇団では“積み上げる”ことをやろう、と。
川岡:僕みたいに一人でやっていると、長く続いているというだけでもリスペクトですよ。

——川岡さんも映画出演以降コンスタントに舞台出演を重ねられていますが、その経験を経ることでヨーロッパ企画の見方が変わったり、ということはありませんか?

川岡:うーん、それはないかも。去年土佐君ととある作品で共演した時、土佐君に「大次郎さん、エモーショナルな芝居僕ら下手なんですよ」って言われて「ああそうか」と(笑)。まあ確かに、僕が普段やってる現場と全くアプローチが違うんですよね、ヨーロッパ企画って。それは映画の時にわかったんですけど。何度やっても本広監督に「違う」と言われてそうしたら上田君がワークショップで“ヨーロッパメソッド”を教えてくれて、「だからこうなるのか」とわかったんです。だから今回、上田君の演出をガッツリ受けるのは初めてなんで、ちょっと緊張してます。
上田:でもね、僕らは劇団でやってて、川岡さんは一人でやられている。だから鍛えている筋肉の箇所がただ違う、それだけだと思うんですよ。違う道は歩んできても、「面白い」と思う感覚は共通してると思うんで、そこは楽しみです。

『遊星ブンボーグの接近』

――ちなみに今回のテーマは『文房具』とのことで。

上田:前回はビルという大きなものに立ち向かう話だったんで、今回はミクロなものを掘り下げる話、と。あと最近、のっけから「この世界は何だ?」的な世界……ソリッドなシチュエーションを描くのが好きで。その中でさらにストーリーが変な方に行って、なぜか最後は感動を生む、みたいな、そういうのをやりたいなと思ってます。

――にしてもミニマムな題材ですよね。

上田:ホッチキスの針がガシャンとやって出なくて、入れ替えて、「ああ出た」みたいな。あと上手くホッチキスの針が止められなくて、針が曲がっちゃって……みたいなあの感覚です。それを劇場に集まったお客さんが見守る、そういう芝居になるかと。

『遊星ブンボーグの接近』

――……川岡さん、わかりますか?

川岡:……天才、としか言い様が無いですけど、何もわからないです(笑)。不安でしかないですけど(笑)。
上田:お芝居って、映像みたいに“ズーム”するものが苦手なものなんですよ。でも『ロベルトの操縦』という作品で、やはり本来演劇が苦手なはずの“移動”を描くことができた。また、さっきお話した『TOKYOHEAD』でゲームセンターの話をやったんですけど、それが意外と上手く行ったんですよね。なので、ズーム、拡大の方法はいくつかあるなと思っていて。演劇的手法としてどう見せていくか、それをこれから試行錯誤していく作業に入ります。

――ストーリーをどうするかというより、このテーマをどういう風に見せていくか、その方法論を探していくと。

上田:そうですね。本来演劇には不向きなものだとは思うんですけど、そこがうまくできれば面白くなるのではと。
川岡:僕、お仕事を受けるときに脚本がない状態で引き受けるの初めてなんでかなりドキドキなんですよ(笑)。でもそこも含めて楽しめればいいな、と思います。

『遊星ブンボーグの接近』

(文/川口有紀)

遊星ブンボーグの接近

作品情報遊星ブンボーグの接近

  • 公演:
  • キャスト:石田剛太、酒井善史、角田貴志、諏訪雅、土佐和成、ほか

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