劇団プレステージ第10回公演『Have a good time?』高橋秀行、風間由次郎、加藤潤一インタビュー!「観に来てくれた人たちの“他力本願”になります!」


アミューズ所属の男性俳優で2005年にユニット結成、2010年に劇団として旗揚げされた「劇団プレステージ」。10周年記念企画の最後を飾る作品は、ファン待望の再演となる『Have a good time?』。10年目の売れないアイドルグループたちの葛藤をコメディータッチで描いた作品だ。作品同様、“10年目”を迎えた劇団メンバー、高橋秀行、風間由次郎、加藤潤一に劇団への想い、再演に込める意気込みを聞いた。

劇団プレステージ

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高橋:僕たち「劇団プレステージ」公演『Have a good time?』のインタビューと思って来たんですが…あれ?(加藤)潤一がいるの?

加藤:それはですね~僕は、ミュージカル『RENT』に出るので、今回の公演には出演しないんですが、僕は劇団のメンバーの一員として、「劇団プレステージ」を多くの皆さんに広く知ってほしいと思って参加しました!

――そうなんですね。では、まず劇団「プレステージ」のことを教えてください。

高橋:アミューズに所属する男性俳優だけで集まって、今から10年前の2005年に演劇ユニットをスタートさせました。出演はもちろん、スタッフもメンバーで。公演にかかわる作業は全て自分たちだけでやるという。チケットも手売りです。年に2回程度、(東京)学芸大学の千本桜ホールで公演して。それから5年後の2010年に、「劇団プレステージ」を旗揚げしました。劇場も千本桜ホールから、渋谷のシブゲキに移って。

――「演劇をやろう」と思ったきっかけはあったんですか?

加藤:舞台がやりたいやつだけじゃなくて、映画やドラマをやりたいやつもいたんだけど…

風間:そう。みんなの目標の矛先はドラマ、映画、舞台、音楽とバラバラだったんですけど、表現をするとか、芝居をするという意味ではみんなの思いは同じなので、一緒に演劇をやるのもいいんじゃないかと。それでユニット、劇団になっていった感じですね。それぞれやりたいことは少しずつ違う。でも、お客さんを「楽しませる」「感動させる」「驚かせる」作品になるかは毎公演違うけど、その目標に向かってみんなが集まっていくのが僕らの劇団のスタイル。だから、座長はいないんです。ある意味、僕たちにとってはお客さんが座長なんです!

高橋:そう、由次郎が言ったように、それぞれにそれぞれの思いがあって、舞台の時だけぐっと集まる。由次郎はダンス、潤一は歌が上手い。僕はしゃべりができると。ここにいる僕たちだけでもそうですけど、ほかのメンバーにもそれぞれ目指すものや得意なものがあってバラエティ豊かです。劇団内では、歌唱指導が必要なら潤一が、ダンスの振付やレッスンを由次郎がやったり。リーダーとして今井隆文が劇団をまとめたりとか。坂田(直貴)は映像が作れるから重宝されていたり(笑)。10年経って、それぞれのカラーが良い意味ではっきり出て来て「劇団プレステージ」ならではの感じになってきました。

風間:僕はこの10年、お客さんと一緒に成長してきた感じがします。今回の『Have~』には“他力本願“ってキーワードがあるんですけど、本当にファンのみなさんの“他力本願“でここまで来れたと思ってて。これからもしがみつこうと思ってます(笑)。

高橋:ほんとそう! 最初の公演なんて、チケット3枚しか売れなくて。もう潤一なんて稽古場には来なくて、渋谷のスクランブル交差点に行ってチケットを手売りしてたよね。

加藤:そうですよ。渋谷の交差点で、「すみませんチケット買いませんか?」って。

高橋:しばらくは千本桜ホールも9割方メンバーの友達で占められてた。そこから始まっているので、こうやって今回初めて大阪公演ができたりとか、紀伊國屋サザンシアターでお芝居を出来るというのが、なんだかフワフワしてる感じあるんだよね。「大阪公演?」「サザンシアター大丈夫かな?」みたいな気持ちのメンバーも少なくないんじゃないかな。

――個々での活動と、劇団での活動ではまた違う感覚なんですか?

風間:はじめはそうだったのかもしれないんですけど、今は劇団でやりたいことがある程度できるので分けて考えてないかも。たとえば、「映像に出たい」なら、DVDの特典映像として僕らだけでドラマ仕立ての映像を作れる。僕自身、ダンスが好きで振付に興味があっても、劇団で本格的にやることはないんじゃないかって思ってたんです。でも、劇場が大きくなって、振り付けが必要な作品をやることになって、僕の得意なことが必要とされるようになった。そういうのが「劇団プレステージ」のいいところでもあるんじゃないかな。でも、自分がやりたいことだけではお客さんを魅了できないので、そこはきちんと考えていかないといけないんだけども。

――そんな着実にステップアップしてきた「劇団プレステージ」の10周年記念企画の最後を飾る公演が、今回の『Have a good time?』ということで。

高橋:僕らのユニット時代から含めて10周年、1年間かけて「PP10」として10個の企画をやっています。『Have a good time?』は、ファンの皆さんの要望がいちばん多かったんです。最後に歌って踊る曲があるんですけど、この曲は、アミューズが年末にやってる「SUPERハンサムLIVE」でもやらさせてもらったり、自分たちのイベントでもやることもあって。そういうこともあるからか、『Have~』の再演をやってくださいって声がいちばん大きかったから、「PP10のトリを飾る作品はこれしかないだろう」って。

――ファンの皆さんには待望の再演なんですね。

高橋:期待されているのを分かっててやる怖さはありますね。でも、僕らとしては、少しずつ上にあがってこれたことがどういった形で出るのかなっていうのもある。ちゃんと“集大成感”というか、今できる最高のものとして『Have~』を見せられたら。

風間:売れない10年目のアイドルたちが、最後の勝負をかけて整形をして戻って来るってストーリーなんです。10年間売れなかったアイドルたちと、俺らの10年が今回見事に重なるんです。そこが、以前とは違った作品との距離感が出るんじゃないかなと思います。そして、『Have~』は、千本桜ホールを卒業したときの作品で、今回は初めてサザンシアターでやる作品。卒業した作品だったのが、今回はスタートの作品になるわけで、そこも僕のなかでひとつ大きいことというか。この作品を越えて次にいかないと、これからの「劇団プレステージ」はないくらいに思っています。

高橋:「劇団プレステージ」は、10年前から1公演でも赤字になったら即解散、というのがルールですから。今回劇場がさらに大きくなって、久々に緊張感がありますね。さっきも由次郎が言いましたけど、ほんとうに見に来てくれる人たちの力を借りないと。

――今回は、加藤さんはそんな劇団の公演を見守るわけですが…。

加藤:そうですね。でも、僕にとっても、大事な公演なんです。由次郎も言ったんですけど、次のステップに進む作品で。新しい劇場でやる意味というか、次のステップに行くために塗り替えて、乗り越えていく作品なので…。

高橋:塗り替えていく、乗り越えていくどっちなの?

加藤:乗り越えて塗り替えます!

高橋:それじゃ全然違うものになっちゃうじゃん!

加藤:いやいや(困)。

風間:もう! 黙っててくださいよ!(笑)

加藤:(笑)。すごく大事な作品なので、僕も全力で応援します。劇団員なんですから!

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――出ていても出ていなくても、劇団員の思いはひとつということですね。

風間:今回、加藤さんが『RENT』に出るみたいに、メンバーそれぞれが違う作品に出ることも増えてきて。僕、舞台に出ていると、「早くプレステージに戻りたい」って思うことがあるんですよ。帰れる場所があるってことは大きい。学んだことを劇団で発揮できるのはいいことだなと。役者が育つってこういうことなのかなって。「劇団プレステージ」だけでなく、他の舞台も経験できるのは、すごくいいことだと思うんだよね。加藤さんが『RENT』に出るのは2回目ですけど、また違うものを持って帰ってきてくれるだろうし。そういう思いで見送って、こっちもいい準備をして迎えたいなと思ってます。

高橋:そうだよね。うちは“おみやげ劇団”だからさ。

加藤:おみやげ劇団??

風間:それ、はじめて聞いたけど…(笑)。

高橋:劇団以外で経験してきたことを、劇団に持ち帰って来るわけだから。

――とはいえ、まだ高橋さんも風間さんも今回演じる役柄は決まっていないと聞いています。

風間:うちは毎回オーディションで決めるんですけど、まだそのオーディション前なんです。

高橋:これからですね。

風間:そこで落ちたら、このインタビューはなんだったんだという(笑)。

高橋:でも、これがオーディション後だったら、表情が暗いメンバーがいたかもしれないから、インタビューはオーディション前で良かったよ(笑)。オーディションはほんとにシビアですからね。

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――役柄は別として、風間さんは初演同様、振付を担当するということで、今回のためにいま考えていることはありますか?

風間:これから打ち合わせをするんですけど、前回は韓国に行ったりして、K-POPの振り付けとかを取り入れてたんですけど、今回はそこまではしないかな。もちろん、K-POPは衣裳とか光の使い方とか、ショーの演出がすごいので、そういうところは取り入れようと思います。さらに広くなった劇場の使い方も考えながら、自分のイメージすることを実現していきたいと思います。

――劇団員に振り付けするときの苦労はありますか?

高橋:もちろんあるでしょー。僕ら踊れませんから(笑)。踊れる由次郎からしたら歯がゆいと思いますよ。

風間:そんなことないですよ。僕は小倉久寛さんの舞台に出させてもらったことがありますが、小倉さんのダンスってほんと感動するんですよ。一生懸命なのが伝わってくる。小倉さんの横で、ダンスの世界チャンピオンが一緒に踊っても、見に来た人たちは小倉さんのダンスで感動するんです。僕はそれに近しいものを劇団のメンバーに感じます(笑)。

高橋:僕ら感動させてるんですね(笑)。

風間:一生懸命踊るということが、一番大事ということが、僕のなかでの大前提。僕らはダンサーじゃない。役者がやるんですから。ただ、今回の作品は設定上、アイドルたちは踊れなくちゃいけないので。これからレッスンを頑張ってもらわないと!

高橋:レッスンはもう地獄です(笑)。振りを見せられても「ムリムリムリムリ!」って。

風間:でも、最初に比べたらみんな踊るの好きになってくれましたよね。ほんと最初は抵抗ある人多かったですから。でも、お客さんが楽しんでくれるアイテムの1つとしてみんなが認識してくれるようになったので最近は意識が違う。これからは、もうちょっとレベルを上げたり、みんなのお尻をたたくのも自分の役目かなとも思ってますね。「コレくらいかな?」って限界を決めるんじゃなくて、ちょっと高いところに目標を置くみたいな。そのほうがいいかなと思っています。

高橋:嫌いじゃないですけどね、ダンス。最初は歌って踊ってなんて恥ずかしいじゃないですか。でもお客さんに見てもらえたときにそれが報われるというか。そういう感覚はありますよ。

加藤:たしかに、そういうときは嬉しいですよね。報われた瞬間の喜びじゃないですけど。それが病み付きになって徐々に好きになってるんだろうなと思います。

――今回さらにステップアップしたパフォーマンスも期待できるということですね!では最後に、改めまして公演に向けての意気込みをお願いします。

高橋:「もう一度観たい」と期待してくれている、その期待にも応えたいですし、初めて観る方にも。「これが劇団プレステージだ!」とこの作品で一発で示せるように頑張ります! 初めての大阪もありますし、ぜひ劇場へ足を運んでもらえたらと思います。

加藤:2015年勝負の年になる「劇団プレステージ」の作品、このあと先に行けるのかっていう重要な作品になると思っています。ぜひ一度観に来てください!それから、ミュージカル『RENT』もお願いします!

風間:僕が色んな場所で経験してきたことを発揮できるのが、この『Have~』というエンターテインメントの舞台なので、初演よりさらに楽しんでもらえるように、振付担当としても、役者としても楽しんでもらいたいと思います。目で観て、耳で聴いて…

加藤:肌で感じて。

風間:そして、いっぱいツイッターでつぶやいてください!みなさんの“他力本願“で僕らは頑張ります。そして観に来てくれたみなさんの“他力本願“になれるように頑張ります!

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◇高橋秀行(たかはし・ひでゆき)プロフィール◇
1984年6月9日生まれ、茨城県出身。劇団公演以外の主な出演作に、ドラマ『さよなら私』『深夜食堂』、映画『吠えても届かない』など。現在、ドラマ『HEAT』(関西テレビ・フジテレビ系)に出演中。

◇風間由次郎(かざま・ゆうじろう)プロフィール◇
1987年7月25日生まれ、神奈川県出身。劇団以外の主な出演作に、舞台「地球ゴージャスプロデュース公演Vol.13『クザリアーナの翼』」『FROGS』「小倉久寛ひとり立ち公演vol.5『のるかそるか-SINK or SWIMI-』」、ドラマ『ディア・シスター』など。

◇加藤潤一(かとう・じゅんいち)プロフィール◇
1985年7月20日生まれ、山形県出身。劇団以外の主な出演作に、舞台『レディ・ベス』『RENT』『ロミオ&ジュリエット』など。9月8日〜10月9日東京・日比谷シアタークリエにて、ミュージカル『RENT』に出演。


◇『Have a good time?』あらすじ◇
5人組男性アイドルグループ「東京オードル」。デビューしてから10年、何度も名前を変えてデビューを繰り返して来たが、未だB級アイドルにもなれないC級アイドルのまま。メンバーの年齢も30歳を過ぎ、完全に方向性を見失っていた。
そろそろ潮時だと思い始めていたメンバーだったが、事務所の社長兼マネージャー・柴田は、「今回は大丈夫だ、俺を信じろ!」というお決まりのセリフに乗せられ、“最後の賭け”である7度目のデビューに乗り出すが…。

劇団プレステージ第10回公演『Have a good time?』
【大阪公演】2015年8月8日(土)~9日(日) 森ノ宮ピロティホール
【東京公演】2015年8月12日(水)~23日(日) 紀伊國屋サザンシアター

原作:福島カツシゲ 脚色・演出:ほさかよう(空想組曲)
出演:石原壮馬、猪塚健太、今井隆文、岩田玲、太田将熙、大村学、風間由次郎、春日由輝、株元英彰、城築創、小池惟紀、向野章太郎、坂田直貴、園田玲欧奈、高頭祐樹、高橋秀行、長尾卓也、原田新平、平埜生成

高橋さん
シャツ\16,800/Schott(Shott East)、Tシャツ\6,500/DOARAT(DOARAT)、パンツ\8,900/RED KAP、サンダル\17,000/ARCOLLETTA PADRONE(ともにADONUST.CO.,LTD)、サングラス\14,800/BLACK FLYS(CARROZZERIA JAPAN.,Co.Ltd)

加藤さん
カバーオール\29,000、Tシャツ\6,900、バンダナ\1,500/すべてSchott(Shott East)、シューズ\18,000/REGAL(リーガルコーポレーションお客様相談室)

風間さん
Tシャツ\7,000、ロングスリーブTシャツ\9,000、パンツ\20,000、シルバーネックレス\5,000、ビーズネックレス\5,000、ソックス\3,500、サンダル\16,000/すべてGDC(GDC TOKYO)、ウエストポーチ\6,800/CARTRIDGE CASE222(reload)

[問い合わせ先] ADONUST.CO.,LTD/アドナスト
03-5456-5821

CARROZZERIA JAPAN.CO.,LTD/(株)カロッツェリアジャパン
03-3863-5297

DOARAT
03-6450-7788
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GDC TOKYO/ジーディーシートーキョー
03-5728-2947

reload/リロード
03-3321-3899

Shott East
03-5778-9656

リーガルコーポレーションお客様相談室
047-304-7261

(スタイリング/池田未来 ヘアメイク/川島享子)

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