長澤まさみ、浦井健治に「ビシバシ!」新感線☆RS『メタルマクベス』disc3開幕


2018年11月9日(金)に、東京・IHIステージアラウンド東京にて新感線☆RS『メタルマクベス』disc3が初日を迎えた。これに先駆け、前日には公開ゲネプロが行われ、浦井健治と長澤まさみが囲み会見に登壇。disc1、disc2から引き継ぎ、最後のカンパニーとなるdisc3の公演が幕を開けた。

橋本さとしと濱田めぐみによるdisc1、尾上松也と大原櫻子によるdisc2が大好評のうちに幕を閉じ、いよいよラストを飾るdisc3が開幕。初日公演を目前に控えて、浦井は「バトンがしっかりと受け渡されたことを感じています。disc3が色んな意味で集大成になることを踏まえて、(演出の)いのうえひでのりさんを筆頭にやってきましたので、その想いをちゃんとお客様へ届けられるようにしたいです」と意気込む。

新感線☆RS『メタルマクベス』disc3舞台写真_2

いのうえの演出についても、浦井は「めちゃめちゃ厳しい(笑)。1000本ノックをしているような感じでした」と稽古場での苦労をにじませながらも、「(この物語は)ランダムスターと夫人の物語なので、二人のシーンについては特にスパルタでやっていただきました。でも、いのうえさんの目がずっとキラキラしていてすごく楽しんでいらっしゃるのを感じましたし、僕も必死に食らいついてきたつもりです」と真摯に語る。

今回のdisc3は全60公演。これほど長い公演期間は「初めての経験」という長澤は、「なんとか無事に最後まで走り切りたいという思いで、今はまだ不安と戦っている感じです。でも、きっとたくさんのお客様が劇場に入ってくださったら、また自分の気持ちも変わってくるのかな」と正直な思いを打ち明けた。

新感線☆RS『メタルマクベス』disc3舞台写真_3

カンパニーのチームワークはとても良好なようで、長澤は「公演期間も長いですし、見せ場がたくさんある舞台なので、個々でがんばらなければいけないことが多いのですが。目標が一緒なので、皆で一丸となって作り上げていこう!という気合いを感じます」とコメント。また浦井は、「ちょっと大変だなというときは必ず夫人(長澤)がクッキーをくれるんですよ。だから、よし、がんばろう!って・・・単純な男になっています(笑)」と長澤とのエピソードを明かし、笑いを誘った。

IHIステージアラウンド東京といえば、客席が360度回転することが特徴だが、ステージが広くて移動距離も多いため出演者への負担はハードなもの。浦井も「運動会みたいに走り回っています。スタッフさんも走ってるし、舞台裏でも皆走ってるし、本当に体力勝負です」と苦労を打ち明けた。

新感線☆RS『メタルマクベス』disc3舞台写真_4

見どころについては、「すべてのシーンに井上さんの演出が行き届いているし、川崎悦子先生の振り付けも、川原正嗣さんの殺陣も万全の体制。舞台機構をフルに使っていて、ここでしか体験できないアトラクションのような・・・体感型の舞台だなと感じます」と浦井。長澤も「この劇場で新感線の舞台が観られるのは最後ですし、本当にアトラクションのような、今までに行ったことのない場所になっています」と続けた。

また、メタルらしい重厚な衣装も特徴的。浦井が「かなり衣装が重くて・・・軽量化してくれて通気性も抜群になっているんですが、汗だくになります。ただ、男だったらこれくらいの重さには絶えないと・・・」と話すと、すかさず長澤が「私がよく言ってるんです、“それくらい耐えろ!”って(笑)。恐妻であり悪女という役柄なもので、普段から浦井さんにビシバシ言わせていただいてます」と間に入り、テンポのいいコミカルなやりとりで笑わせた。

新感線☆RS『メタルマクベス』disc3舞台写真_5

会見の最後、浦井が「disc3のカラーをふんだんに散りばめていただいてるので、しっかりと食らいついて皆で作っていきたいです。そして僕は、尻に敷かれながらがんばります(笑)」と笑顔でコメント。長澤も「演じれば演じるほど素晴らしい脚本だと思える、宮藤官九郎さんとシェイクスピアの共作の舞台。今までにない舞台になっていると思いますので、ぜひ足を運んでいただきたいです」とアピールした。

物語の舞台は西暦2218年。長く続いた戦争によって荒野と化した世界で繰り返される、フェンダー国とギブソン国、新興勢力のESP国による争い。ESP国が誇る無敵の将軍・ランダムスター(浦井)は過酷な戦いを終えて、盟友のエクスプローラー(橋本じゅん)と共に、ESP国・レスポール王の居城(ラサール石井)へと向かう。

新感線☆RS『メタルマクベス』disc3舞台写真_6

そこに、怪しげな3人の魔女が登場。ランダムスターのことを「マクベス」と呼び、「あなたはマホガニーに領主となり、いずれは王になる」と予言めいた言葉をかけ、1980年代に活躍したヘビーメタルバンド「メタルマクベス」のデビューアルバムを手渡すのだった―。

新感線☆RS『メタルマクベス』disc3舞台写真_8

体の芯まで届くような重低音を響かせながら舞台の幕が開けると、プロジェクションマッピングの映像で創造された世界。重厚なメタルサウンドにのせてバイクが舞台上を走り回り、ランダムスター(浦井)が激しく歌いあげれば会場の温度は上昇。ランダムスターと夫人(長澤)のやりとりもコミカルで息ぴったり。細かいネタを散りばめながら観客を飽きさせず、シリアスな場面との温度差には思わず息をのむ。

新感線☆RS『メタルマクベス』disc3舞台写真_7

新感線☆RS『メタルマクベス』disc3舞台写真_9

さらに、橋本じゅん(エクスプローラー/バンクォー橋本役)や、粟根まこと(パール王/ナンプラー役)ら劇団☆新感線を支えてきた劇団員たちに、高杉真宙(レスポールJr./元きよし役)や柳下大(グレコ/マクダフ柳下役)ら劇団☆新感線にとっての初顔が加わり、新たな『メタルマクベス』の色が見えてくる。

そして、IHIステージアラウンド東京ならではの演出も世界観にぴたりとはまっていて、円形型の客席が360度の方向に回転することで流れるように場面転換が行われる。さながら立体絵巻を観ているかのような感覚で、ストーリーが進むにつれて客席が回転している事実を忘れていくほど、違和感のない見せ方に引き込まれていく。演劇という一つの括りに当てはまらない、まさにアトラクションのようなエンターテイメントをぜひ生で体感してほしい。

ONWARD presents 新感線☆RS『メタルマクベス』disc3 Produced by TBSは、12月31日(月)まで東京・IHIステージアラウンド東京にて上演。上演時間は、1幕:1時間55分、2幕:1時間45分(休憩20分)の計4時間を予定。

なお、本作のライブビューイングが12月6日(木)に全国約80館の映画館にて行われる。詳細は、以下のとおり。

◆新感線☆RS『メタルマクベス』disc3ライブビューイング
【日時】12月6日(木)12:30開演/18:00開演
※上映館によってはいずれかの回のみ
【会場】約80館の映画館(予定)
※最新の上映館情報は公式HPにてご確認を
※「親子シアター」ユナイテッドシネマ・アクアシティお台場(12:30の回)で開催
【チケット】4,500円(全席指定・税込)
※3歳以上有料/3歳未満で座席が必要な場合は有料
【先行販売(抽選)】~11月12日(月)23:59

【詳細】http://www.vi-shinkansen.co.jp/mmd3-lv/

新感線☆RS『メタルマクベス』disc3舞台写真_10

(取材・文・撮影/堀江有希)

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