舞台『クジラの子らは砂上に歌う』再演、開幕!赤澤燈「お客様の心の記録に残るように」


2018年1月25日(木)に東京・AiiA 2.5 Theater Tokyoにて舞台『クジラの子らは砂上に歌う』の再演が開幕した。初日前日には公開ゲネプロと囲み会見が行われ、出演者より赤澤燈、前島亜美、財木琢磨、伊万里有、有澤樟太郎、伊崎龍次郎、高橋果鈴、大野未来、崎山つばさの9名が登壇した。

月刊「ミステリーボニータ」(秋田書店)で連載中の梅田阿比による同名ファンタジー少女漫画。砂がすべてを覆い尽くす世界・砂の海に浮かぶ巨船“泥クジラ”を舞台に、感情を発動源とする超能力“サイミア”を操る短命の種族の少年チャクロ(赤澤)らの生き様が描かれる。2016年4月に初舞台化されたのち、2017年10月にTVアニメ化を果たした。

舞台『クジラの子らは砂上に歌う』再演_舞台写真2

メインキャストより、赤澤、前島、崎山、大野は続投。財木、伊万里、有澤、伊崎、高橋は再演より新たに加わった。登壇者9名の初日コメントは、以下のとおり。

◆赤澤燈(チャクロ役)
この作品は、舞台化の後にアニメが放送され、この再演を迎えました。今、この作品がここまで盛り上がっていること、そして、素敵なキャストとスタッフさんとこうして再演を作れていることは、とても奇跡的なことだなと思っています。今回の舞台は、Blu-rayやDVD化もされますし、大阪千秋楽公演ではライブ・ビューイングも決定しているので、より多くの方に見ていただけると思うと胸がいっぱいです。
この舞台を初演から背負ってきた身として、初演キャストの思いを受け継いで、ここにいる皆とこの再演の“クジ砂”を、来てくださったお客様の「心の記録」にずっと残していただけるように、がんばっていきたいと思います。

舞台『クジラの子らは砂上に歌う』再演_舞台写真4

◆前島亜美(リコス役)
私も初演に続いて出演させていただくのですが、またこうして舞台“クジ砂”、砂の海に再会できたことを心から嬉しく思っております。この2年の間に“クジ砂”への思いは、本当に深くなりました。今回は(初演キャストの)皆の成長を持ち寄り、さらに新しいキャストの皆さんと、より深い“クジ砂”を届けようと、日々稽古をしてきました。「過去の死への肯定と、未来の死への否定」をテーマに、観てくださった皆さんが、誰かのことを思うような、そんな素敵な時間にできるように精一杯がんばりたいと思います。

◆財木琢磨(オウニ役)
まずは、怪我なく、この公演を大阪の千秋楽までがんばっていきたいです。オウニは、泥クジラでのヒーロー的存在だなと思っていますので、最後まで強く、戦っていきたいなと思っています。

舞台『クジラの子らは砂上に歌う』再演_舞台写真6

◆伊万里有(オルカ役)
僕は再演からの参加になりますが、初演を観て感動しました。こうして、再演の舞台に立たせていただけることを嬉しく思います。場当たりを観ていて、何度も稽古をしてきたシーンなのに、あるワンシーンで涙してしまいました。いい現場であり、本当にいい作品だなと思うので、そこをしっかり感じていただけたら嬉しいです。
泥クジラでオウニがヒーローであれば、僕の演じるオルカは、帝国側のヒーロー。オルカとオウニの戦いは、見どころの一つではないかと思います。

◆有澤樟太郎(シュアン役)
僕も再演からの参加です。シュアンという色気のある、魅力的なキャラクターを演じるにあたって、稽古中、苦戦することがたくさんあったんですけれども、稽古の中で、皆さんからアドバイスをいただくことで解消されていきまして、今は120%自信を持って、本番に望めるなという気持ちです。
僕も涙ぐんでしまうシーンがあります。また、オウニやリョダリといった強者同士の戦いも、見どころにしたいなと思います。

舞台『クジラの子らは砂上に歌う』再演_舞台写真3

◆伊崎龍次郎(リョダリ役)
約2年前にこの劇場で、客席からこの作品を観ていた僕が、今ここに立っているということに、不思議な気持ちと、すごく幸せな気持ち、両方が混じり合って、役者をやっていてよかったなと思っています。その気持ちを本番にぶつけたいと思いますので、千秋楽までよろしくお願いいたします!

舞台『クジラの子らは砂上に歌う』再演_舞台写真5

◆高橋果鈴(サミ役)
私は、初演の映像を観させていただきました。この作品の中で演じてみたいと思っていたので、夢が叶ってすごく嬉しい気持ちでいっぱいです。サミというキャラクターは、元気で明るく、ちょっとワガママなところもあるけど、しっかりしているところもある、いろんな表情を持っています。本編の中で、サミちゃんのいろんな表情や、他のキャラクターとの関係性を見せていけたらいいなと思っています。

◆大野未来(ネリ/エマ役)練
再演できたということは、この作品を愛してくださる方、支えてくださる方がいてのことだと思います。感謝を忘れずに、最後まで、このカンパニー全員で、誰一人欠けることなく、がんばっていきたいと思いますので、最後までどうぞよろしくお願いいたします。

舞台『クジラの子らは砂上に歌う』再演_舞台写真9

◆崎山つばさ(スオウ役)
再演なんですが、一人一人が、一から新たに作り上げ、人が人を思う気持ちのベクトルなど、細かいところまで作り込んできました。この作品にとって“記録”は、何より大事なものになっています。この作品を、皆さんの「心の記録」として持ち帰っていただけたらと思い、演じていきたいと思います。

このほかの出演は、村田洋二郎、加藤靖久、田口涼、小市眞琴、一内侑、椙山さと美、平野雅史、浅倉祐太、中川えりか、船木政秀、伊藤亜斗武、田中良子、ほか。

舞台『クジラの子らは砂上に歌う』再演_舞台写真7

前回も感じたことだが、この物語を約2時間の中に凝縮し、伝えきる脚本・演出の松崎文也の手腕が素晴らしい。そして、初演からの続投キャストは、2年という時間の豊かさを感じさせる。赤澤演じるチャクロが示す、悲しむことを手放さずに進む優しさ。前島演じるリコスが、“泥クジラ”の住人との出会いを通じて変化していく様。崎山演じるスオウの、弱さの中に芽生える勇気。大野が見せるネリ、エマが望むそれぞれの未来。演じ手の成長と相まって、どの役もより深く物語に根ざしていた。

舞台『クジラの子らは砂上に歌う』再演_舞台写真8

そして、新キャストの財木、伊万里、有澤、伊崎は、強者をより強くした。殺陣シーンも多く、スピード感と力強さを兼ね備えて、戦いの激しさや容赦なく押し寄せる過酷な運命を表現。対して、高橋演じるサミは、自身も語っていたように、笑ったり拗ねたり、豊かな感情で、惜しみない愛を見せる。

ファンタジックな世界観だが、描かれていることは実にシンプルだ。それを如実に感じたのが、生き残った人たちが、いなくなってしまった人たちを悼むシーン。どうしたって時間は前に進むし、限りがある。その中で、どう生きるのか。人が生きる上で大切な姿が、丁寧に、優しさを持って描かれている。初演の時もそうだった、観たことをずっと記憶にとどめておきたい気持ちに駆られた。

舞台『クジラの子らは砂上に歌う』再演_舞台写真10

舞台『クジラの子らは砂上に歌う』再演は、1月28日(日)まで東京・AiiA 2.5 Theater Tokyoにて、2月2日(金)から2月4日(日)まで大阪・サンケイホールブリーゼにて上演。

なお、大千秋楽公演となる2月4日(日)17:30公演では、全国の映画館でライブ・ビューイングが開催される。また、4月18日(水)にはDVD&Blu-rayの発売も決定。それぞれの詳細は、以下のとおり。

◆舞台『クジラの子らは砂上に歌う』(再演)大千秋楽ライブ・ビューイング
【日時】2月4日(日)17:30開演
【会場】全国各地の映画館
実施映画館:http://liveviewing.jp/kujisuna/
※開場時間は映画館によって異なる
【料金】3,800円(全席指定/税込)
※3歳以上有料/3歳未満で座席が必要な場合は有料

◆舞台『クジラの子らは砂上に歌う』(再演)DVD&Blu-ray
【発売日】4月18日(水)
【価格】DVD:9,800円+税、Blu-ray:10,800円+税
【仕様】DVD:2枚+CD1枚、Blu-ray:1枚+CD1枚
【収録内容】本編(大阪・千秋楽公演)、メイキング映像(顔合わせ風景、稽古場風景、舞台稽古風景、キャスト座談会、ほか)
※副音声も収録予定
【会場予約絵限定特典】キャスト座談会フルVer.収録DVD

※出演者欄の高橋果鈴の「高」は「はしごだか」が正式表記

(C)梅田阿比(月刊ミステリーボニータ)/舞台「クジラの子らは砂上に歌う」製作委員会

(取材・文・撮影/エンタステージ編集部)

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