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岩松了を作・演出に迎え、さいたまゴールド・シアター6年ぶりの新作『薄い桃色のかたまり』開幕

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故・蜷川幸雄が2006年彩の国さいたま芸術劇場芸術監督就任後、第一に取り組むべき事業として立ち上げた高齢者演劇集団「さいたまゴールド・シアター」。その新作公演『薄い桃色のかたまり』が、2017年9月21日(木)に埼玉・彩の国さいたま芸術劇場 インサイド・シアター(大ホール内)にて開幕した。さいたまゴールド・シアターとして新作を上演するのは、約6年ぶりとなる。

さいたまゴールド・シアター『薄い桃色のかたまり』舞台写真_3

作・演出を手掛けるのは岩松了。岩松はゴールド/シアターに対し、これまでにリストラされた団塊の世代と難民を描いた『船上のピクニック』(第1回公演)、基地問題に揺れる島の人々をテーマにした『ルート99』(第5回公演)を書き下ろしている。

さいたまゴールド・シアター『薄い桃色のかたまり』舞台写真_4

本作のモチーフとなっているのは“福島”。岩松は、今年5月から6月にかけて上演された自身の近作『少女ミウ』でも“東日本大震災”をモチーフに若者の群像劇を描いている。このモチーフを選んだことについて、岩松は「蜷川さんと仕事をさせていただく時は、社会的な問題を題材にしようと意識していました」と言う。

さらに「僕はこれまで、家庭内の愛憎などを描きながら言葉と人間の関係に執着してきましたが、蜷川さんの舞台を拝見すると、人物がどういう状況に立たされているかという“場所”に対する意識が強いという印象がありました。その意味で、蜷川さんと僕は時計の12時の位置から反対方向に歩いてきましたが、社会的な問題を媒介にすることで、180度回って6時の位置で出会うことができるんじゃないかと。今回のテーマを決めた時はやはり『福島』が一番大きい問題だと思いましたから、自然にそう決まりました」と続けた。

さいたまゴールド・シアター『薄い桃色のかたまり』舞台写真_5

また、今回は作家としてだけでなく、演出家としてもゴールド・シアターと関わることとなったが、稽古を「いつもより時間は短いんですが、予想以上に疲れました(笑)。僕が今まで作ってきた演劇はある意味、純粋だったなと思うんです。俳優が台詞をきちんと覚えてきて、演出家の指示に従って稽古を積み重ねて、皆で作り上げていくという、ある種の緊張感がありました。ところが、ゴールド・シアターと稽古していると、彼らが自己主張のかたまりのような集団だということが分かってくる。しかも台詞を覚えられない。それはもう不純の極みと言ってもいいかもしれない」と振り返る。

さいたまゴールド・シアター『薄い桃色のかたまり』舞台写真_7

その上で「改めて蜷川さんは大変なことをされていたんだなと思います。けれども、それをマイナスにだけ捉えるのではなく、それを抱えて演劇を作るということもまた演劇的ではないか。僕自身が、その不純を演劇として引き受けられるかという挑戦です」と語っていた。

さいたまゴールド・シアター『薄い桃色のかたまり』舞台写真_6

【あらすじ】
未曽有の大震災から6年が経った。
住人がいない地域では、動物たちが、とりわけ、イノシシが我がもの顔に人家への出入りを繰り返すという事態になっていた。
一時避難を余儀なくされている添田家では、やがて帰還するために、少しずつ家の修復をしようとしていた。集まっているのは復興に尽力するとともに添田家を励ます人たちだ。
ある日、添田家の働き頭の長男(学)がイノシシに襲われ怪我を負ったところを復興本社に勤めるハタヤマが救った。一方で、線路が見える丘の上には、一人の若い男が立っていた。男は恋人が乗るはずだった、走って来るはずのない列車を見に来るのだった。
その頃、東京から北へ向かう列車には恋人を探しに来たミドリが女たちと共に乗り合わせていた―。

さいたまゴールド・シアター『薄い桃色のかたまり』舞台写真_2

さいたまゴールド・シアター第7回公演『薄い桃色のかたまり』は、10月1日(日)まで埼玉・彩の国さいたま芸術劇場 インサイド・シアター(大ホール内)にて上演。当日券は各回開演の1時間前より大ホール入口当日券売場にて販売される。

(写真/宮川舞子)

(文/エンタステージ編集部)

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