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劇団スタジオライフが三原順の名作漫画の舞台化に挑む『はみだしっ子』製作発表

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2017年10月から11月にかけて東京・東京芸術劇場シアターウエストにて、劇団スタジオライフの秋の新作公演として舞台版『はみだしっ子』の上演が決定した。この製作発表が7月18日(火)に行われ、脚本・演出を担当する倉田淳と劇団スタジオライフのキャストが登壇。また、倉田と元漫画家の笹生那実による特別対談も行われ、作品への思いやさまざまなエピソードが語られた。

三原順原作の『はみだしっ子』は、少女漫画雑誌「花とゆめ」(白泉社)にて1975年から1987年にかけて連載された作品。親に見捨てられた過去を持つグレアム、アンジー、サーニン、マックスら個性豊かな4人の少年の、心の彷徨や成長が描かれている。

この日は劇団代表である藤原啓児の挨拶に始まり、まず製作発表に先駆けて倉田と笹生による特別対談を実施。笹生は、三原と同期に同じ雑誌にてデビューした元漫画家であり、三原が1995年に惜しくも病没した後は“三原ファン”という立場から三原順の単行本未収録作品の刊行を求める活動を始めた。2013年開催「永遠の少女マンガ展」では三原順原画展示、2015年開催「三原順 復活祭」では展示と解説にも協力している。

『はみだしっ子』製作発表_2

「漫画家としてデビューした当時、三原さんと仲良くさせていただいていました」という笹生。漫画「はみだしっ子」の魅力については「子どもは経験が少ないから視野が狭くて、ほんの小さなことでも落ち込んだりします。『はみだしっ子』では親からの虐待とか本当に辛いことが描かれていますが、そんな環境ではない、ごく普通の明るい子どもたちでも共感できる所があるのが普遍的だと思います」と語った。

同作品は哲学的な深い言葉が特徴であり「はみだしっ子語録」という書籍も出版されている。笹生は「まず少年たちがすごく美しいことに惹き付けられるけど内容的にはすごく深い。その他にも人生そのものを経験させられるような作品だったり、話の作り方がものすごく上手だったり、三原作品の魅力は尽きません」と力説した。

『はみだしっ子』製作発表_3

劇団スタジオライフとしては、2001年にも三原順作品の『Sons』を舞台化している。倉田の「私たち(劇団)に三原作品が必要であることの意味をどのようにお考えですか?」という質問に対し、笹生は「作品を読むだけで社会の荒波に揉まれるのと同じ効果があるような、人間社会の闇の部分まで容赦なく教えてくれます。だからこの物語によって救われる人もたくさんいると思います」と独自の表現を交えながら答えた。

また笹生は「三原さんは絶対に埋もれてはいけない作家の一人だと思っています」と気持ちを吐露。「今回『はみだしっ子』が舞台化されることをとても嬉しく思っています。原作とは別物でありながらも作品の魂を受け継いでくださることを楽しみにしています」とエールを送った。

倉田と笹生による対談後は、キャストを交えて製作発表が行われた。今回は3チームのトリプルキャストにて上演されるが、TRK(トランク)、TBC(タバコ)、BUS(帽子)というチーム名については、ヘビースモーカーで黒いトランクを持ち歩き、いつも帽子を被っていた三原にちなんだものだという。

主要キャストによる挨拶の後、スタジオライフの演劇を初めて観る原作ファンへメッセージを求められると、キャストを代表してTBCチーム・アンジー役の松本慎也が「まず最初に伝えたいのは、僕たち自身が三原順先生のファンであるということ。三原先生の思いを同じ空間で皆様と共有する、そんな舞台を作っていきたいと思います」とコメントした。

また作中では5歳児からの子どもが登場したり、男性キャストが女性を演じたりと幅広く表現される。これについて松本は「どうなるんだろうという色んな心配もあると思いますが、そこは皆様の想像力と僕たちの団結力で成立させることができると思います。ぜひ怖がらずに信じて観に来ていただきたいです」と力強く語った。

『はみだしっ子』製作発表_4

劇団スタジオライフによる舞台版『はみだしっ子』は、10月20日(金)から11月5日(日)まで、東京・東京芸術劇場シアターウエストにて上演される。脚本・演出の倉田とキャストによる挨拶は以下の通り。

◆倉田淳(脚本・演出)
本当に奥の深い世界で、熱い思いで三原ワールドにいらっしゃる方々を絶対に裏切ってはいけないという気持ちです。心が痛い作品ですが、その痛さが物語の魅力であると感じます。最近のニュースを見ると殺伐とした世の中だと感じますが、三原先生の力をお借りして『はみだしっ子』を上演させていただくことで、今、痛い思いをしている子どもたちのことを一緒に考えてもらえるような小さな入口の一つにできたら、この時代に上演することの意味に繋がるのかなと。そうして生き続けている作品と、大切に向かい合いたいと思います。

◆仲原裕之(TBCチーム・グレアム役)
僕は初めて三原先生の作品に携わらせていただきます。まず読んでみて山が高いなと感じ、これを僕たちが体現するのかと思うと不安でドキドキしますが、でも役者冥利に尽きるなと強く感じました。ここにいる劇団全員で取り組んでいかないと、三原先生の思いには届かないと思います。“血よりも濃い絆”を劇団だからこそ見せられると思いますので、皆で協力して稽古に臨みたいです。またグレアムを演じるにあたって、グレアムの記憶が自分の記憶になるくらいに気持ちを高めて演じたいと思います。

◆久保優二(BUSチーム・グレアム役)
まず三原先生の作品に出演させていただけることに深く感謝しています。原作を読んで感じたことを大事に、また皆とのコミュニケ―ションも今まで以上に大切だと思います。これまでに別の作品でも少年役をやらせていただきましたが、今回はまた違った姿勢で稽古に取り組まなければなりません。誠心誠意がんばりますのでよろしくお願いいたします。

◆松本慎也(TBCチーム・アンジー役)
『はみだしっ子』を読んだ時、漫画という表現方法を遥かに超えて哲学的で、奥深く、悲痛な生の人間ドラマが描かれているなと感じました。魅力的なアンジーという役を演じられる喜びを噛みしめながら、彼が抱える心の闇、そしてグレアム・サーニン・マックスとの固い絆や彼らの心の叫び。それらを生身の人間として舞台上で表現することで、三原先生が描きたかった思いを皆様と共有していきたいです。演劇作品として楽しんでいただけるよう真摯に取り組んでまいります。

◆宇佐美輝(BUSチーム・アンジー役)
初めて原作に触れてすごく深いと感じました。この作品の輝きを、アンジーという役を通して、皆と一丸となって届けられたらと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

◆緒方和也(TRKチーム・サーニン役)
(トリプルキャストの)二人のサーニン役がすごく可愛らしい顔をしているので、僕もこれからどう可愛くなっていくかが課題ですががんばります(笑)!

◆澤井俊輝(BUSチーム・サーニン役)
僕は『はみだしっ子』を読んで、心のかさぶたを剥がされてヒリヒリとした痛みを感じる作品だと感じました。その痛みをサーニンという役に寄り添って、真摯に丁寧に演じていけたらと思います。

◆千葉健玖(TBCチーム・サーニン役)
この作品を初めて読んだ時、素敵な言葉もたくさんありますが、言葉だけでなく絵の表情から伝わってくる印象がとても強かったです。自分が受けた印象を皆さんへ伝えられるように演じたいです。

◆若林健吾(BUSチーム・マックス役)
マックスは、僕にはない深く抱えたものがある役だと思いました。原作にある絵や言葉を大切にしながら演じさせていただきます。

◆田中俊裕(TRKチーム・マックス役)
マックスに対して一番初めに感じたことは、この子は甘ったれだなという印象でした。でも読み進めていくうちに、他者から愛されたいとか他者を愛することを願うとか、そういった子供独特の素直な気持ちを突き詰めていくと、アンジーのようになっていくんだと思いました。これを体現できるように努めていきたいです。

◆伊藤清之(TBCチーム・マックス役)
僕もマックスと同じで、劇団では人生経験が一番少ない立場ですが、頼りになるお兄ちゃんたちが11人も揃っているので安心です。精一杯がんばりますのでよろしくお願いします。

※TRKチームの岩崎大(グレアム役)と山本芳樹(アンジー役)は都合により欠席

※岩崎の「崎」は大に立が正式表記

(文/エンタステージ編集部)

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