赤堀雅秋の新作『流山ブルーバード』ビジュアル&コメント到着!賀来賢人「太賀と芝居がやりたいから始まった」


2017年12月より上演されるM&Oplaysプロデュース『流山ブルーバード』。本作は、映画『葛城事件』(脚本・監督)や、舞台『世界』(作・演出)などで、独特の世界観を作り出す赤堀雅秋の新作。千葉県流山市、東京にほど近い地方都市を舞台に、半径3キロ圏内の街でくすぶっている4人の“ダメな”若者と、彼らを取り巻くろくでもない大人たちの青春群像劇を描く。

ビジュアル公開と共に、作・演出の赤堀、出演する賀来賢人、太賀、柄本時生、若葉竜也よりコメントが届いた。

『流山ブルーバード』ビジュアル_6

◆赤堀雅秋(作・演出)
この『流山ブルーバード』は、千葉県の流山市という東京にもほど近い地方都市を舞台にした、若者たちの不毛な青春群像劇になる予定です。青春群像劇というとテレビドラマなどでは夢や希望に満ちたキラキラした話が多そうですが、この物語はおそらくそうはならないはず。といっても、あまり陰惨な話にするつもりもないですが。九州や大阪くらい離れた都市の若者の場合は、いざ上京するとなると一世一代の覚悟が必要になりますが、流山では東京までたかだか1時間半で出られるので、本当は心情的にはそれほど変わらないかもしれないのに、上京する覚悟や決意が逆に中途半端なコンプレックスになると思うんです。そういう、中途半端な自分を感じている若者たち、町を抜けだそうにも抜けだせない人たちの姿を描きながら、でもそこに一縷の希望みたいなものも生みだせればとは思っています。物語は賀来賢人くんと太賀くん、(柄本)時生くん、若葉(竜也)くんという4人の若者を中心に描いていきますが、登場人物はおそらく誰もがロクでもないやつになりそうです。もちろん皆、心の中では愚直にいろいろと葛藤はしているんでしょうけど、表面的には希薄だったり、あざとかったり、狡かったり、弱かったりする。彼ら若者たち4人には今回は、別にうまい演技を期待していません。ただ、これまで人にあまり見せたくなかった愚かな部分や弱い部分を、あえて舞台上でお客さんの前であらわにしてもらいたい。それはとても勇気がいることだと思いますが、そういう無自覚な表情を、演出家としては引き出したいと思っています。

『流山ブルーバード』ビジュアル_2

◆賀来賢人
そもそもは「太賀と芝居がやりたいです」と、プロデューサーに話したことから始まった話だったんです。太賀は昔からの友達なんですが、一度も共演したことがなかったので。そうしたら時生や若葉くんをはじめ、他にも知っている方たちとご一緒できることになって。まさに、満を持して!という気分です。ここのところ、演劇作品を何本か続けてやっていますが、その中でも自分の集大成になる作品というか、最もやりたいことができる座組みになりそうで、ずっと楽しみにしていた企画でもあります。今までは先輩たちに連れてきてもらっていたイメージでしたが、自分たち同世代を中心にした演劇を本多でやれるなんて!ぜひ同世代の方たちに大勢観に来てもらいたいですし、同世代の同業者たちには悔しがってももらいたいですね(笑)。

『流山ブルーバード』ビジュアル_3

◆太賀
賀来さんとはプライベートではよく会うのに共演したことがなく、「何かで共演できたらいいね」という話をしていたんです。それでプロデューサーの大矢さんと僕と賀来さんで若者の話をやるとしたら、演出家の方は誰が合うだろうと妄想をしていく中、「赤堀さんとやりたい」という気持ちが強くなっていて。僕自身は『殺風景』という作品で赤堀さんにお世話になっているんですが、赤堀さんの脚本は市井の人々の拭えない感情とか飲み込めない気持ちをとても丁寧に表現されていて、いつも惹きつけられます。気づけばそこに時生くんも若葉くんもいて、おもしろいメンバーが見事なほどに揃ってきて。僕も含めて全員が同じように演劇をとても好きな役者だと思うので、この4人で赤堀さんの作品ができるなんて、 本当に楽しみで仕方ありません。

『流山ブルーバード』ビジュアル_4

◆柄本時生
同世代の役者同士で話していると、赤堀さんの話ってしょっちゅう出るんですよ。だからずっと前から、赤堀さんってどんな演出をされるんだろう、どんな稽古場なんだろうと興味があったので、今回初めてご一緒できるのはとても嬉しいです。そして今回のキャストは僕、全員と知り合いなんですよね。なかでも、かっちゃん(賀来賢人)とは大親友ですから。だけど本当は、仲のいい人と仕事をするのは、苦手なんです。特にケンカとか、怒鳴り合うシーンで作られた台詞を言うのが、こっ恥ずかしくて。この芝居をきっかけに皆と仲が悪くなったらどうしよう(笑)?ま、それはそれでおもしろいのかもしれないですけどね。そういう意味では今回、改めていろいろなことを確認できる機会になりそうな気もしています。

『流山ブルーバード』ビジュアル_5

◆若葉竜也
赤堀さんが監督された映画『葛城事件』に出演しているのですが、当時は赤堀さんの言っていることが分かったり分からなかったり、混乱しながらやっていました。今回は、稽古、本番を含めると2カ月近くご一緒することになるので、軽く絶望しているところです(笑)。でも映画では、瞬間、瞬間で本当に奇跡に近いものを撮っていただきました。今回は演劇という形ですが、毎公演そういった奇跡が起こせたらいいなと願っています。赤堀さんからは「映画の時の10倍くらい言うから!」と言われているので、ボコボコにされることを覚悟して稽古に臨むつもりです。自分の考えなんて過信せずに食らいついて、最善のものを出せるようにしたい。そして「今回の『流山ブルーバード』、めちゃめちゃ自信があるんだ!」って赤堀さんに言わせたいですね。

このほかの出演は、小野ゆり子、宮下今日子、駒木根隆介、赤堀雅秋、平田敦子、皆川猿時。

M&Oplaysプロデュース『流山ブルーバード』は、12月8日(金)から12月27日(水)まで東京・本多劇場にて上演される。その後、島根、大阪、広島、静岡、東京(大田区)を巡演。日程の詳細は以下のとおり。

【東京公演】2017年12月8日(金)~12月27日(水) 本多劇場
【島根公演】2018年1月11日(木)
【大阪公演】2018年1月13日(土)・1月14日(日)
【広島公演】2018年1月16日(火)
【静岡公演】2018年1月18日(木)
【大田区(東京)公演】2018年1月20日(土)・1月21日(日)

(取材・文/田中里津子、編集/エンタステージ編集部)

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