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西田大輔率いるディスグーニー3作一挙上演!「From Three Sons of Mama Fratelli」稽古場レポート

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作家・演出家の西田大輔が主宰するディスグーニーの第4弾公演「From Three Sons of Mama Fratelli」(フロムスリーサンズ オブ ママ フラッテリー)が、6月9日(金)より東京と大阪にて上演される。今回の公演では、ディスグーニーの記念すべき第1弾公演「From Chester Copperpot」の系譜を継ぐ3作品を一挙上演。開幕を1週間後に控えた稽古場を取材した。

ディスグーニー4度目の航海となるこの「From Three Sons of Mama Fratelli」で上演されるのは、フランスの救世主、ジャヌ・ダルクの生涯を描いた『GOOD -BYE -JOURNEY』、“天下の大泥棒”石川五右衛門が春の宵を疾走する『枯れるやまぁ のたりとまほろばよ あぁ 悲しかろ あぁ 咲かしたろ』、そして、平賀源内と彼が創ったからくり人形を見つめる杉田玄白の物語『SECOND CHILDREN』の3作品。

(以下、物語の一部、演出に触れています)

「From Three Sons of Mama Fratelli」稽古場写真_2

「From Three Sons of Mama Fratelli」稽古場写真_3

まず『GOOD-BYE-JOURNEY』では、冒頭のプロローグ、ジャンヌを巡る軍議、ジャンヌがオルレアンに一瞬の光を灯す聖戦のシーンが披露された。救世主を求める王シャルルを村田洋二郎、フランス軍の指揮官オリヴィエ役を田中良子、そして、ジャンヌを導くジルドレ役を中村誠治郎が演じる。

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史実を“想像力”を織り込んだドラマティックなストーリー展開と共に、繰り広げられる激しい殺陣の応酬。伊阪達也、桜田航成、斉藤秀翼らが次々と稽古場の中央に飛び出していくその迫力に、圧倒される。中でも、女性ながら田中の見せる力強い姿がぐっと心に迫った。

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本作で、運命の少女・ジャンヌを演じるのは、2月に上演された『熱海殺人事件 NEW GENERATION』での熱演が記憶に新しい文音。西田はよく、上演を“航海”、出演者をその上船員の“信頼できる仲間”と例えるが、文音はその仲間に初めて加わることとなる。その姿は、自然と物語の中のジャンヌと重なり、空気を変える存在となっていた。

「From Three Sons of Mama Fratelli」稽古場写真_12

続く『枯れるやまぁ のたりとまほろばよ あぁ 悲しかろ あぁ 咲かしたろ』は、西田曰く“オシャレな歌舞伎のような作品”。“天下の大泥棒”石川五右衛門と、天下を取った豊臣秀吉の物語を、二匹の「猫」を主役として描いている。稽古場は、中世のフランスから日本の戦国時代に一変し、拍子木の音が響く。

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この作品の冒頭で、出演者たちがそれぞれ両手に小さなライトを携えていた。暗闇の中で輝く二つの光。これは“猫の目”をイメージしているという。演劇ならではの趣向に満ちたおもしろいシーンとなりそうだ。また主人公となる二匹の猫を演じるのは田中と谷口賢志。谷口が「猫」を演じる姿は、この先なかなか見られるものではないかもしれない・・・。

そして、豊臣秀吉役は窪寺昭、石川五右衛門役は村田が演じている。どちらも、歴史の中でよく知られる存在だが、西田はパブリックイメージとはちょっと違う方向から二人を描いている。

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また、秀吉の側室・茶々を演じる佃井皆美がハツラツとしていて、とても印象に残った。アクションに秀でた女優として知られる佃井だが、本作ではあえてアクションのない役に挑んでいる。家臣の佐吉演じる川隅美慎とのコミカルなやりとりも、全力でおもしろい。そして、徳川家康役を175RのSHOGOが演じているのにも注目だ。後悔された場面の中で、家康はある“器”を秀吉の元へ持ってくる。平山佳延演じる千利休は、曰くありげに「愚朝の月」だと告げた・・・。

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この『枯れるやまぁ~』には、ディスグーニー第3弾として上演した『Sin of Sleeping Snow』に登場した織田軍団が出てくる。そのため、西田は「『SSS』との繋がりもあり、続編でもあり、外伝でもある」と、公式HPのインタビュー内で語っている。

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そして、最後に公開されたのは『SECOND CHILDREN』より、絵を描く少年・麓郎と彼の恋した相手を模したカラクリ人形・奏雪のシーン。自閉症で人とコミュニケーションを取ることが苦手な麓郎役を演じる相馬圭祐は、稽古を始める前、ぐっと集中して役を作っていた。西田は、それをじっと待つ。

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安藤遥が演じる奏雪は、平賀源内(萩野崇)に作られた、限りなく人間に近いカラクリ人形。現実に打ちのめされた麓郎に優しく語りかけ、肯定し、励ましてくれる。とても静かなシーンだったが、言葉のない部分を、繊細な表情で雄弁に物語る相馬。体調不良で暫く休業をしていた相馬だが、本作で待望の復帰を果たす。彼の芝居を再び観ることができる。その喜びと共に、その芝居の深さに本番ではより一層胸を打たれることだろう。

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まったく趣の違う3作一気に作り上げていくという取り組みについて、西田は「俳優たちと共に“ゼロからイチ”を作るオリジナル戯曲をやるべき必要があるなと、思いました。演劇のために作られた物語だからこそ生きる作品たちの、演劇でしか体験できないおもしろさを、ぜひ体感してもらえたらなと」語る。西田がこれまでに積み重ねてきた経験と信頼、そのすべてが、この“ディスグーニー”という船には乗っている。彼らにしか紡げない物語が、劇場という大海原へ再び出航する時は、まもなくだ。

「From Three Sons of Mama Fratelli」稽古場写真_6

DisGOONie Presents Vol.4「From Three Sons of Mama Fratelli」は6月9日(金)から6月18日(日)まで東京・Zeppブルーシアター六本木にて、6月30日(金)から7月2日(日)まで大阪・梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティにて上演される。

◆『GOOD-BYE-JOURNEY』
【出演】文音、中村誠治郎、田中良子、伊阪達也、平山佳延、折井あゆみ、桜田航成
SHOGO(175R)/伊藤孝太郎、馬庭良介/村田洋二郎、斉藤秀翼/谷口賢志 ほか

◆『枯れるやまぁ のたりとまほろばよ あぁ 悲しかろ あぁ 咲かしたろ』
【出演】田中良子、谷口賢志/佃井皆美/窪寺昭、村田洋二郎/SHOGO(175R)
川隅美慎、佐久間祐人、伊藤孝太郎、平山佳延
大蔵愛、田代由希子、平野雅史、西野太盛/西田大輔 ほか

◆『SECOND CHILDREN』
萩野崇/角島美緒、谷口賢志、高橋良輔/相馬圭祐/田中良子/杉山健一、窪寺昭、馬庭良介、桜田航成、安藤遥/西田大輔 ほか

※「From Three Sons of Mama Fratelli」とは
映画「グーニーズ」に登場する悪逆ギャングのフラッテリー一家。フラッテリー・ママをはじめとする3人の息子(ジェイク、フランシス、スロース)を本公演の象徴タイトルとした。(公式HPより)

※「From Chester Copperpot」とは
1985年の映画「グーニーズ」の中に存在する冒険家の名前。映画は彼の残した地図をもとに少年たちは宝探しの冒険に出ることになった。彼の地図を元手に、ディスグーニーも新たな冒険を目指していく。その冒険家の名前を第1弾の3作品の冠題とした。(公式HPより)

(取材・文・撮影/エンタステージ編集部)

(文/エンタステージ編集部)

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