舞台『男水!』テイクユアマークス!松田凌「新しいものを作れたという自負がある」


2017年5月11日(木)より東京・シアター1010にて舞台『男水!』が開幕した。web少女コミックマガジン「花LaLaONLINE」(白泉社)にて連載中の木内たつやによる人気漫画を原作とするこの舞台は、1月から3月まで放送されたTVドラマ『男水!』(日本テレビほか)に続く「男水!」プロジェクトの最終章となる。初日前日には公開ゲネプロと囲み会見が行われ、メインキャストの松田凌、宮崎秋人、安西慎太郎、赤澤燈、佐藤永典、小澤廉、黒羽麻璃央、池岡亮介、神永圭佑、廣瀬智紀の10名が登壇した。

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東ヶ丘高校男子水泳部の主人公・榊秀平役を演じる松田は「この『男水!』プロジェクトが始まって、キャストともスタッフの皆さんとも一緒にいる時間が長く、青春時代が蘇ってくるような、熱い日々を過ごすことができました。舞台は、その一つの集大成。新しいものを作れたという自負があります。そして、皆さんの元へ届けるために、自分たちの成すべきことへの責任感を持っています」と、並々ならぬ覚悟を感じさせた。

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秀平の幼馴染・篠塚大樹役の宮崎は、競泳を舞台で表現することについて「正解がない分自由に、水がない分何よりも水を意識して」と言及し、「ギミックも多いですが、僕たち役者が熱量を持って、しっかりそれを作品にぶつけたいと思います」と意気込む。

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「ドラマを先にやっていてよかった」という実感を口にしたのは、コーチとして現れる川崎亮也役の広瀬。「映像では、一つ一つ場面としての風景が生まれていると思うんですけど、舞台は証明や音響の力を借りつつ提示し、表現していくので(映像とはまた違った)印象的な風景が現れるんじゃないかなという気がしています」と、その理由を語ってくれた。

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そして、秀平と大樹の幼馴染であり、ライバル校である龍峰高校のエース・藤川礼央役の安西は「『何のために泳いでいるんだよ』という台詞があるんですが、これがこの作品の肝になっている気がしています。役作りも、それを意識してやってきたので、感じて観ていただけたら嬉しいです」と見どころに挙げていた。

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映像だからこそできること、舞台だからこそできること。一つの原作に、メインキャストを同じくして取り組むことで、このプロジェクトは、両方のおもしろさと可能性を示してくれたように思う。そして、舞台という時間も空間も限られた中で、演出・脚本を手掛けた吉谷光太郎の手腕が光った。

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幕が開くと、時間は怒涛のように進み始める。秀平、大樹、礼央の関係を中心に進んでいくが、舞台版よりも色濃く描かれているのが、部の仲間、そしてライバルたちの物語。“オネエ”のマネージャーとして明るく部を支える小金井晴美(赤澤)が抱える過去のトラウマ。

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1年生で経験者でありながら内を向く滝裕太(佐藤)、対象的にひたすら明るい原田ダニエル(神永)が心の奥に持つ信念。コーチとして現れた川崎の、獅子の子落としのような指導の中でそれぞれに生まれる変化。後輩は先輩の背中を見て、先輩は後輩に背中を押されて、少しずつ成長していく。

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また、龍峰高校の主将である仁科誉(黒羽)のプライド、ライバルを求める平光希(小澤)の渇望、“バカ虎”と言われるほどまっすぐに水泳に向かっていく神宮一虎(池岡)の強さなど、強豪校の光と影が一つのシーンの中に折り重なり、龍峰高校の持つ“不撓不屈”の精神がぐっと際立つ。

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秀平と大樹と礼央、幼馴染を3人の関係は、過去と現在を重ねながら繰り返すことで、それぞれの思いを鮮明に映し出す。同じ「バッタ(バタフライ)」をスタイルワン(得意種目)とする大樹と礼央の過去に生まれた溝は、水の中でしか埋められない。二人が水のない舞台で表現するバタフライの一掻き一掻きに胸を打たれる。

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そして、主人公として軸を担う秀平は、水泳部の部長としての思い、友人としての幼馴染二人への思いを、最後の最後に爆発させている。秀平を演じる松田の叫びが、猛烈な熱を放ち、劇場を満たしていった。

一人一人の物語が絡み合い、紡ぎ出す青春。そして、目の前で躍動する役者の肉体美。舞台だからこそ感じられる、焼けつくような一瞬の“きらめき”が、ここにある。

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舞台『男水!』は、5月11日(木)から5月21日(日)まで東京・シアター1010にて、5月24日(水)から5月28日(日)まで大阪・森ノ宮ピロティホールにて上演。

また、大千秋楽公演となる5月28日(日)17:00公演では、全国の映画館でライブ・ビューイングも開催される。開演前には、ライブ・ビューイング会場限定の「スペシャル映像」の上映も予定(開演前16:45~50頃)。

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(C)男水!制作委員会

(取材・文・撮影/エンタステージ編集部)

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