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水谷八也×千葉哲也×中村倫也『怒りをこめてふり返れ』トークイベントレポート

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2017年7月に東京・新国立劇場 小劇場にて、イギリスの劇作家ジョン・オズボーンによる舞台『怒りをこめてふり返れ』が上演される。 本作は、日本の現代演劇の発展に大きな影響を与えた海外作品を新訳で上演する「JAPAN MEETS・・・-現代劇の系譜をひもとく-」シリーズの第12弾。その上演に向け、スペシャルトークイベントが4月2日(日)、東京・新国立劇場にて開催され、本作の翻訳家を手掛ける水谷八也、演出の千葉哲也、主演を務める中村倫也が登壇した。

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本作はイギリスの歴史的問題作として、1950~60年代に世界中で社会現象を巻き起こした「怒れる若者たち」の原点ともなった作品。その問題作が生まれた時代背景について、水谷は「1950年代のイギリス演劇界は貴族たちが書く芝居が主流で、下の階級から見た世界観はあまりなかったんです。しかし、イギリスの演劇界の変わり目に、ロイヤル・コート・シアターという新しい劇場を手に入れたイングリッシュ・ステージ・カンパニーという劇団が、新しい劇作家の劇場にしようと募集した中に、本作があったんです。ジョン・オズボーンは中産階級の下の方の人間なので、そこから見た世界観を作品に書き込んでいるので、確実に“現代の問題”とつながっているんです」と解説。

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さらに、脚本のリライトのやり取りをしている段階という水谷は「千葉さんがどう料理してくれるか楽しみ」と千葉へプレッシャーをかけると、思わず千葉は苦笑い。演出として、新国立劇場初登場となる千葉は「最初に本を読んだ時は荒っぽいなというイメージでした。時代考証をしていくと何となく分かるんですけど、現代で上演する場合『こういう本がありましたよ』という作品になってしまうことが多いんです。でも、時代は違いますが人間はそんなに変わらないから、人間としてちゃんと存在するかどうかというのを探っています」と現段階の状況を打ち明けた。

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本作の主人公ジミーは、貧しい下層階級に生まれたことで中産階級出身の妻を罵り続ける役。そのジミーを演じる中村は「最初は、何をずっとしゃべっているんだろうと思いました。本当に、ずっとしゃべっているんですよ。もう黙れと思いましたね(笑)」と、本作への第一印象を冗談を交えながら披露。さらに「字面だけ見ると、現代の日本に生きる僕らからしても、身近なものじゃない言葉が出てくる作品なので、読み進めるのは苦労しました。でも、何回か読んでいるうちに、不器用な男が何かを手に入れるため、そして自分を知るために汗をかく話なのかと思うと、シンプルに読み進めることができました。人間ドラマとしてしっかり作れば、2017年の日本人の僕たちに共感できて意義のあるプロジェクトになると思います」と、2017年版として現代によみがえらせる意気込みを熱く語った。

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また、海外戯曲の翻訳ということについて、千葉は「英語のすべては、日本語になりきらないじゃないですか。その時代の日本語と今の日本語も違うので、同じ単語の意味が違ったりしますよね」と話すと、水谷も「翻訳は、何かを拾って何かを捨てないといけないので、全く同じ言葉はありえない。でも、だからこそおもしろいんです」と翻訳の魅力を説明した。ユーモアの違いについても、中村は「人種、宗教、階級、セクシャリティなどは、日本として違うのかなと思います。でも、演じる上では意識することはあまりないかも。日本の作品でも、海外の作品でも、役者にできるのは登場人物たちの間にあるものを見せるだけですからね」と考えを明かした。

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さらに、トークでは学生時代に水谷がジミーを演じていたというエピソードだけでなく、中村の嫌いな食べ物は「しいたけ」などの脱線トークなども飛び出し、1時間半近くに及ぶ濃密なトークショーに観客も大満足の様子。

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最後に中村は、駆け付けた多くのファンへ「どう楽しもうと、どこを見ようと、そこから何を感じて、何を得るかは観る人の自由だと思います。その自由を奪わないようにしっかり稽古をして提供できるようにがんばります。そして、皆さんはその自由を満喫してもらえたらと思います」と呼びかけた。

舞台『怒りをこめてふり返れ』は7月12日(水)から7月30日(日)まで東京・新国立劇場 小劇場で上演される。チケットは4月22日(土)より一般販売開始。

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(取材・文・撮影/櫻井宏充)

(文/エンタステージ編集部)

怒りをこめてふり返れ

作品情報怒りをこめてふり返れ

「怒れる若者たち」を生んだ歴史的問題作!「生きるとは何か」に迫る

  • 公演:
  • キャスト:中村倫也、中村ゆり、浅利陽介、三津谷葉子、真那胡敬二

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