ジョン・ケアード版『ハムレット』開幕!内野聖陽らより開幕コメント到着


2017年4月9日(日)にジョン・ケアード演出の『ハムレット』が開幕した。本作は、ミュージカル『レ・ミゼラブル』オリジナル版の演出などで知られるケアードが、2000年にイギリスのナショナル・シアターで、名優サイン・ラッセル・ビールの主演により演出したバージョン。日本公演では、さらに練り上げた新解釈での上演となる。

『ハムレット』は、20~30人で演じる規模の大きな作品だが、このケアード新演出版では、内野聖陽、貫地谷しほり、北村有起哉、加藤和樹、山口馬木也、今拓哉、大重わたる、村岡哲至、内堀律子、深見由真、壤晴彦、村井國夫、浅野ゆう子、國村隼という14名の出演者で、すべての役を演じ分ける。

2日間のプレビュー公演を終え開幕した初日に、出演者を代表して内野、貫地谷、浅野、國村の4名よりコメントが届いた。

◆内野聖陽(ハムレット/フォーティンブラス、ほか)
ハムレットというのは、とにかくよくしゃべるものだと(笑)。ハムレットは若きフォーティンブラスを見て強い影響を受けるので、この写し鏡のような二人を演じるのはとても意味があるんじゃないかと感じてます。元々ハムレットには「青ざめた文学青年」というイメージがありましたが、そんな単純なキャラでもなかったことが今回分かりましたね。なぜ彼が“狂気”と言われるものの力を借りざるを得ないのか。芯の部分を堀り下げているところです。演出のジョンには「言葉一つ一つをお客さんと一緒に考えて言葉を選んで作文するようにしゃべってほしい」と言われています。ハムレットの思考を観客の皆様と共有できればと思っています。

◆貫地谷しほり(オフィー97/オズリック、ほか)
お稽古に入る前は『ハムレット』を知るために映画を観に行ってみたりしたのですが、よく分かりませんでした。でも、ジョンさんのお稽古はとてもわかりやすく、目からウロコの日々で「ジョン•ケアード恐るべし!」という感じです(笑)。悩んでいても、ユーモアを交えて導いてくれるので、何を不安に思っていたんだろう?と思うほどです。「シェイクスピアを越えたい」といたずらっ子みたいな顔で言うジョンさんに導かれて、新しい自分に会えそうでワクワクしています。

◆浅野ゆう子(ガートルード、ほか)
まだまだ守りではなく、新しいことに挑戦させていただけることはとても嬉しいので、がんばってみよう!と自分を鼓舞しています。私の中には「舞台であっても、心で演じれば映像と同じように感じていただけるものだ」という信念があるのですが、ジョンさんはその気持ちを大切に汲んでくださり、褒めてくださいます。私は褒めてもらって伸びる子なので、すごくうれしいです(笑)。ジョンさんの解釈を伺って、ガートルードという人の深さ、おもしろさを日に日に感じられるようになってきたので、シェイクスピアフリークの方にも楽しんでいただける王妃の姿をお見せできればと思います。

◆國村隼(クローディアス/亡霊、ほか)
稽古場で戯曲の解釈や表現を考えながら、ジョンさんのお話を聞くのは大学で講義を受けているみたいで本当に楽しかったです。シェイクスピアの詩的な英語を日本語にして意味があるのか、と思っていたのですが「シェイクスピアのエッセンスを正しく掴めば日本語の方がかえって自由に出来るんだ」とジョンさんに聞いて深く納得しました。僕は人としての襞(ひだ)が多い悪人の方が興味深くて、クローディアスは好きです。ジョンさんのヒントでイメージが膨らみました。極めてそぎ落としたビジュアルの中で、よりよく『ハムレット』の世界が伝わることを期待しています。

ジョン・ケアード演出『ハムレット』は、4月28日(金)まで東京・東京芸術劇場 プレイハウスにて上演。その後、兵庫、高知、福岡、長野(2箇所)、愛知を巡演する。日程は以下のとおり。

【東京公演】4月9日(日)~4月28日(金) 東京芸術劇場 プレイハウス
※4月7日(金)・4月8日(土)はプレビュー公演
【兵庫公演】5月3日(水・祝)~5月7日(日) 兵庫県立芸術文化センター 阪急中ホール
【高知公演】5月10日(水) 高知市文化プラザかるぽーと大ホール
【福岡公演】5月13日(土)・5月14日(日) 北九州芸術劇場 大ホール
【長野・松本公演】5月17日(水) まつもと市民芸術会館主ホール
【長野・上田公演】5月21日(日) 上田市交流文化芸術センター 大ホール
【愛知公演】5月24日(水)~5月26日(金) 穂の国とよはし芸術劇場PLAT 主ホール

(撮影/河野桃子)

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