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神木隆之介、加藤貴子、江國香織、森雪之丞が声で紡いだ詩の世界『扉のかたちをした闇』朗読会レポート

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「江國香織×森雪之丞 新作連弾詩集発売記念朗読会『扉のかたちをした闇』」が、2017年1月23日(月)に東京・日本橋三井ホールにて開催された。この朗読会は、人気女流小説家の江國香織と作詞家の森雪之丞による連弾詩集「扉のかたちをした闇」(小学館)の発売を記念して行われたもの。江國と森に加え、神木隆之介と加藤貴子が出演し、ピアニストの園田涼の演奏に乗せ、美しい詩を読み上げた。その模様をレポートする。

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この一夜限りの特別な公演は、17:00の回と19:30の回の2公演が行われた。暗闇に包まれたステージにぼんやりと光が灯る中、江國と森が現れ、ゆっくりと本を開く。『ご挨拶の詩』として読まれたのは「扉のかたちをした闇」と名づけられた作品。これは、この日のために二人が書き下ろした共作詩だという。

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小説と作詞、異なるフィールドで“言葉”を扱ってきた江國と森は、TV番組出演をきっかけに交流を深めてきた。2012年にも二人で朗読会を開催し、それをきっかけに2013年から2016年まで今回書籍化された詩を雑誌「本の窓」(小学館)にて連載。

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次に読まれたのは、その連載で江國が書いた詩を受けて森が応える形で書かれた連詩『詩で綴られた12ヶ月』。ステージの上に置かれたチェストには、大小様々な引き出しがあり、そこから取り出された四角い木の箱が椅子となった。それに腰掛け、まず江國が最初の詩「八月の男は」を、ピアノの音色に乗せてゆっくりと読み始める。それに応える「八月は幻」を読みながら、舞台上手に神木が現れた。 新海誠監督の大ヒット映画『君の名は。』でも主人公の声優を務めるなど、声の演技にも定評のある神木。今回の出演も、森がその朗読の才能に惚れ込んでオファーしたことにより、実現したという。神木は、言葉の一粒一粒を心地よい声で紡いでいく。

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季節は少し進んで、10月。江國がチェストからコートを取り出すと、「ナイロンってなに」を読みながら下手から加藤が現れ、ステージに4人が揃う。チェストの中からは、様々なものが出てきた。4人はそれを並べながら、日々を営むように舞台上を変化させていく。

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「十一月の旅人には翼がある」では鋭角の置物が神木の翼に変わり、「いくつもの十一月が」では数字の“1”をかたどったオブジェの影が、光の中を行進するようにゆらゆら揺れた。

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江國と加藤で読む「二月の音楽」では、「雨の昼間に・・・」というはじまりに合わせ、バックスクリーンに“雨”の文字が降る。そして、神木と森で読む「二月の文学」では「やがて雨が雪に変わると・・・」という言葉と共に、“雨”は“雪”へと変わった。しんしんと降り積もる言葉は、「四月は桜吹雪の中で」の神木の声で“桜”吹雪へと変貌。人の声と音楽、光と影、そして映像が絡み合い、言葉の世界を表現していく様はとても幻想的だった。

続く『絵画と詩』では、スクリーンに映し出された「詩人に霊感を与えるミューズ」(アンリ・ルソー)、「窓辺の青年」(カイユボット)というタイトルの絵画に合わせ、それぞれ2篇ずつ詩が読まれた。 そして、4人が椅子に座り、次々と紡ぐ『連弾詩』。中でも対照的だったのが、「女たちは」と「男たちは」という詩だ。右手と左手が違うメロディを奏でるピアノのように、江國と森の感性が露になる言葉たちが、音楽のように連なっていった。

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園田のピアノ・ソロを経て、『終章』には、詩集未収録の江國と森それぞれの詩が1篇ずつ披露された。7歳の少女が世界を許すというテーマで書かれた「彼女は今全力で」を一人で読み上げた神木。そして「あなたに泣いてほしくて」で、4人は声を合わせる。 「死んだとき あなたに泣いてほしくて ・・・生きる」 舞台の中央に現れた本棚に4人は手にしていた本を納め、すっと視線を上げステージを後にした。

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「二月の文学」の中で、森は「千あるものを一文字で言いくるめたり 一つしかないものを千の比喩で言い落としたり 言葉にならなかったものを もう一度言葉にしようとして 私はここにいるのだろう」(一部抜粋)と綴っている。ト書きでもない、台詞でもない、“詩”という形で綴られた言葉たち。4人の声と小林香によるアーティスティックな演出は、文字の世界を立体的に感じさせてくれた。

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この日、訪れた来場者は約1,300人。この時間に立ち会った人は、「扉のかたちをした闇」に何を見ただろうか。垣間見たものを言葉にして分かち合いたい、そんな風に思う豊かな時間だった。

【小学館「扉のかたちをした闇」特設ページ】
http://www.shogakukan.co.jp/pr/tobira/

(取材・文/エンタステージ編集部)

(文/エンタステージ編集部)

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