物語とクロスする*pnish*15年の生き様!*pnish*『サムライモード』公演レポート


2016年9月24日(土)に東京・サンシャイン劇場にて*pnish* vol.15『サムライモード』が開幕した。初日前日には公開ゲネプロと囲み会見が行われ、*pnish*のメンバーである土屋佑壱、鷲尾昇、森山栄治、佐野大樹と、ゲストの佐藤永典、そして脚色・演出を手掛けた鈴木勝秀が登壇し、意気込みなどを語った。ゲネプロの模様と合わせてレポートする。

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本作は「モードシリーズ」と呼ばれる*pnish*の人気舞台シリーズの中の一作で、2008年に初演。15作目の本公演を行うにあたり、満を持して再演されることが決まった。鈴木は、本作について「*pnish*メンバーのこれまでの生き様と、この作品はかなりクロスする部分がある」と語り、「演出も*pnish*15周年記念というところをかなり意識して、“僕から見た*pnish*”という形に仕上げました」と明かした。

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その言葉を受け、土屋は「*pnish*が作る*pnish*なりの“友情や師弟関係”が色濃く出て、僕らの15年が詰まった作品になったと思っています」と自信を見せ、鷲尾も「8年前とはまた違った大人になった僕らを織り込めたと思いますし、色んな年齢層の、たくさんの方に観ていただければ嬉しいです」とコメント。

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そして、佐野は「気持ち的にはスズカツさん(鈴木)が入ってくれたことと、新しいメンバーを迎えたということで、新作みたいなイメージです。この熱い想いをそのままお客様にも伝えられたら!」と意気込んだ。

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これまで*pnish*の4人と個々に共演を重ねてきた佐藤が「改めて*pnish*の皆さん全員とご一緒できることがすごく嬉しいです。稽古でも全員が本当に熱くて、強くて楽しい、おもしろい作品ができたと思いますので、本番で、出せるものをすべて出し切りたいです」と喜びを口にすると、そんな佐藤と主従関係にある役を演じる森山は「佐藤くん演じる凌明を、心の底から支えられるようにがんばりたいと思います」と優しい眼差しを向けた。

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舞台は、遠い未来・・・過去のどこかに見た遠い未来の、戦国の世。羽生賢明(川上将大)率いる「羽生家」によって滅ぼされた「伊那家」を支える二将、シスイ(鷲尾)とサイガ(佐野)が野に散って行くところから、すべては始まった。この二人を捕らえるよう命を受けたのが、羽生家の次男で謀反の気があると噂されている凌明(佐藤)。任務を遂行し、兄・賢明の疑いを晴らそうと意気込む凌明は、従者の橘(森山)を従え、先の戦いで捕らわれていたシスイの従者ガラクシャ(土屋)に近付くが・・・。

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男たちの思惑が入り乱れ、先の読めない展開が次から次へと押し寄せる。見どころは、それぞれの個性際立つ立ち回りと、入り組む人間関係だ。凌明と橘のように、確固たる関係もあれば、シスイとガラクシャのように離れ離れになった関係がどうなっていくか・・・など、表面的な部分だけでは語れない感情が、物語に立体感を持たせていく。

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剣技に長けた男たちの中で、一人異質な存在感を放つのがサイガだ。腹の底を読ませない飄々とした立ち振る舞いで、自身の持つ能力を最大限に使い戦国の世を渡り歩いていく。崎山つばさ演じる従者ナミキヨとの“あるシーン”は、初演時のアドリブが今回の脚本に活かされたそう。細かいシーンだが、二人のキャラクターと関係性を浮かび上がらせる遊び心を感じた。

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また、お笑いコンビ・ライセンスの藤原一裕が演じるトラジのトリックスターぶりにも注目。稽古合流時には、すべての台詞が入っているという気合いを見せた藤原。濃い外見ももちろん、物語を引っ掻き回す熱演で作品を盛り上げる。

男たちは皆、確固たる信念を持ち、その道をそれぞれのやり方で貫いていく。その様は、鈴木が語っていたように、“芝居をやりたい!”という情熱のもと集まり、15年という年月を共に歩んできた*pnish*メンバーの姿に重なる。

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15年を振り返り、口々に「今、とてもいい状態」であることを窺わせた4人。年齢問わず“気軽に楽しく観ることができる舞台”を、これからも届けてくれることを期待せずにはいられない。

*pnish* vol.15『サムライモード』は、9月27日(火)まで東京・サンシャイン劇場にて上演。その後、10月1日(土)・10月2日(日)に兵庫・新神戸オリエンタル劇場にて公演が行われる。

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