早見あかり初舞台の稽古場へ!白井晃×長塚圭史のタッグが仕掛ける夢の舞台『夢の劇-ドリーム・プレイ-』とは?!


元ももいろクローバーの早見あかりの初舞台・初主演で話題を集めた『夢の劇-ドリーム・プレイ-』。4月12日(火)の幕開けに向け、3月30日(水)に公開稽古が行われた。白井晃演出、長塚圭史脚本と、演劇界を牽引する2人が作り出す世界に、ダンサー・振付家の森山開次をはじめ、田中圭、玉置玲央、山崎一など実力派の俳優たちが集まった。

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早見が演じるのは、神インドラの娘・アグネス。ある時、雲の上から地球を見下ろしていたアグネスは、父である神から「地上へ降りて人々の不満や嘆きを見聞きしてこい」と送り出される。この日の稽古では、地上でいろいろな経験をしたアグネスが、美しい地フェアヘヴンに向かうが、辿り着いたのはファウルストランドという酷い場所だった・・・というシーン。早見は1月の製作発表で緊張のあまり涙をみせていたが、リラックスした様子を見せていた。

『夢の劇』公開稽古_早見2

硫黄の臭いの充満したファウルストランド。そのあまりの酷さに憤慨する人々や、身体を壊した男、不器量なため誰にも相手にされない娘など、人間の負を悲しげに見つめるアグネスは「人間って哀れだわ」と呟く。

ときにダンスや歌で、混沌とした“夢”の世界が描かれる。コンテンポラリーダンスやバレエのような踊りと、嵐を表現するポールダンスが、ステージの手前でも奥でも繰り広げられる。奥行きのある空間に、いつしか観客自身も“夢”の世界に登場しているかのような感覚に引き込まれる。

『夢の劇』公開稽古_白井

白井は何度も舞台を止め、柔らかい口調で自ら動いて俳優に指示を出していく。演出でありながらインドラ神として出演する白井だが、この日は演出に専念。白井は「長塚圭史さんが代役をやってくださいます。贅沢なアンダースタディです」と取材陣を笑わせた。

『夢の劇』公開稽古_玉置森山

稽古が止まるたびに、俳優たちは自主的に自らの動きを確認。振付を繰り返す玉置に、森山が手の位置などをやってみせる。その後も、少しでも時間が空くと、それぞれの立ち位置や振りを反芻していた。

限られた稽古時間に集中するように、引き締まる稽古場の空気。しかし、殺伐とした雰囲気ではない。芝居が止まった時には笑い声も起こる場だからこそ、早見もリラックスして稽古に臨めているようだ。

『夢の劇』公開稽古_生演奏

今回、舞台上には生演奏の音楽隊がいて、さまざまな音色を奏でる。さりげなく漂う音楽に、そこが人間界なのか“夢”の世界なのか、曖昧になっていく。時には俳優がピアノの前に座り、その演奏に参加することも。

今作は、スウェーデンの作家ストリンドベリの作品。もともと上演を目的として書かれた作品ではないため、世界でもあまり上演されていない。4月の同時期にはシアタートラムで、ストリンドベリの別作品『令嬢と執事』も上演されている(雛形あきこ、渡部豪太)。この機会に、イプセンと並ぶ“近代演劇の先駆者”ストリンドベリの作品に触れてみてはいかがだろうか。

『夢の劇』公開稽古_田中

KAAT神奈川芸術劇場プロデュース『夢の劇-ドリーム・プレイ-』は、2016年4月12日(火)から4月30日(土)まで神奈川・KAAT神奈川芸術劇場<ホール内特設ステージ>にて上演される。その後、長野、兵庫にて上演。日程は、下記のとおり。

4月12日(火)~4月30日(土) 神奈川・神奈川芸術劇場 <ホール内特設ステージ>
5月4日(水・祝)~5月5日(木・祝) 長野・まつもと市民芸術館 実験劇場
5月14日(土)~15日(日) 兵庫・兵庫県立芸術文化センター 阪急中ホール

(文・写真/河野桃子)

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