劇団山の手事情社が『タイタス・アンドロニカス』『女殺油地獄』の二本を上演!


1984年旗揚げ当初から台本に依存せずに俳優のアイデアをもとにシーンを構成する先鋭的な舞台づくりを行っている劇団山の手事情社。2015年11月6日(金)~8日(日)、東京・吉祥寺シアターにて『タイタス・アンドロニカス』『女殺油地獄』を二本立て上演する。

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山の手事情社『タイタス・アンドロニカス』

撮影:平松俊之

シェイクスピアの『タイタス・アンドロニカス』は、6年前、山の手事情社がヨーロッパ三大演劇祭の一つ、ルーマニアのシビウ国際演劇祭に招待され、その後5年間、作品発表をするきっかけとなった作品だ。
構成・演出を手掛ける安田雅弘は、「シェイクスピアだから上演するのではない。現代的に読めるから、「私たち」がシェイクスピアを選ぶのだ。」と語っている。この芝居のテーマとなっている「復讐の連鎖」という観点で、人間はシェイクスピアの時代と、まったく変わっていないことを痛感出来る舞台なのだ。

『女殺油地獄』は、2012年、国立ラドゥ・スタンカ劇場で主宰の安田演出による『A Japanese Story』(『女殺油地獄』原作:近松門左衛門)を製作し、レパートリー作品として上演されているが、今回は全くコンセプトを変えた新作となる。油屋の不良息子が、近所の別の油屋の奥さんを借金苦の中、衝動的に殺してしまうという話だ。これまで不良息子・与兵衛がただ一人悪者のように描かれているが、「ダメなのは与兵衛だけではないだろう。地獄をみたのは、与兵衛とお吉だけではないだろう。すべての人がダメで、それぞれに地獄を背負っているのではないか。」という仮説のもとに製作に入ったのだという。
まったくの新解釈に基づいた舞台は少し寒気のするような舞台になりそうだ。

出演は、山本芳郎、浦弘毅、倉品淳子、山口笑美、大久保美智子、川村 岳ほか。
古典的な戯曲を用いながらリアリズムを追求する《四畳半》と呼ばれる新たな様式的演技スタイルがふんだんに取り入れられた二本に注目だ。

山の手事情社『タイタス・アンドロニカス』

撮影:平松俊之

『タイタス・アンドロニカス』『女殺油地獄』は、11月6日(金)~8日(日)、東京・吉祥寺シアターにて上演。

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