三上博史、倉科カナらが登壇!約30年ぶりの上演『タンゴ・冬の終わりに』記者会見


舞台『タンゴ・冬の終わりに』は、1984年に清水邦夫がパルコ劇場に書き下ろし、蜷川幸雄演出で上演された作品。この公演が好評を受け、1986年に同じキャストで再演。1991年にはアラン・リックマン主演でロンドン・ウェストエンドでも2ヶ月間上演され話題を呼び、2006年にシアターコクーンでも蜷川の演出で上演されている。この清水渾身の名作が、約30年ぶりにパルコ劇場に帰ってきた。そして、東京公演直前の9月4日(金)、本作の記者会見と公開舞台稽古が行われた。

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突然引退を宣言、生家の古びた映画館に隠棲し徐々に精神を壊していく俳優・清村盛を演じるのは、『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』以来、10年ぶりのパルコ劇場出演となる三上博史。その盛を追いかけてやって来る新進女優・水尾役には倉科カナ。また、盛の妻で女優のぎん役には、パルコ劇場6月公演『メアリー・ステュアート』でエリザベス一世を演じた神野三鈴。水尾の夫で、さえない俳優の連をユースケ・サンタマリアが演じるほか、岡田義徳、梅沢昌代など実力ある華やかな俳優陣が共演している。さらに、『趣味の部屋』などパルコ・プロデュース公演4作品ほかを演出し、いずれも高い評価を獲得、多くの観客を魅了した行定勲が演出を務める。

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今回の会見には主演の三上、倉科、神野、ユースケ、そして行定の5名が登壇。「本作は脚本が本当に素晴らしく、また、僕は映画人なので映画館が舞台という設定に惚れこみました。そんな色々な意味を、主人公たちが発するセリフの中に込めています。ぜひとも、そういうものを感じて楽しんで頂ければと思います」と、演出に対しての思いを披露した行定に続いて、三上は「実は、この劇場で30年前にこの芝居を観させて頂いていました。いつかこの役を演じたいと思い、30年が経ちました。そして、改めて本を読んでみたら、失敗したなと思うぐらい大変です(笑)命がけでやっていますので、ぜひ観にきて下さい」と本作への熱い思いを、笑いを込めて語った。

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また、倉科は「最初、自分がイメージしていた水尾と稽古に入った時の水尾が180度違ったので戸惑っていました。でも、共演の方々から、お芝居に対する姿勢や、色々なことを教えて頂けたことで、稽古では毎日が楽しく、真摯にお芝居に向かうことができました。本番では愛憎の物語の中で激しくいきたいと思います」と話し、神野も「一人の才能ある男を愛し抜いた女の話でもあります。女性のみならず、誰かの人生を見届けるという人たちにも届けられたらいいなと思います。観客の方の心に届く宝石のようなセリフがいっぱいあります」と本作の魅力を語った。

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そして、ユースケは「僕の役は惨めったらしい役ですが、凛とした惨めさで迫りたいと思います(笑)ゲネプロとはいえ、我々も力を抜かずにやります。ただ、燃え尽きて明日の本番は公演中止になるかもしれません(笑)」と、会場の笑いを誘った。

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現実と、狂気に蝕まれていく盛の心が錯綜する世界。やがて彼だけでなく、彼をとりまく人々も盛の狂気に引き込まれていく。そんな、狂気と耽美を合わせ持つ天才俳優・盛は、三上博史のはまり役だ。以前からのファンの方も、初めてこの作品を知った方も、ぜひとも、歴史ある本作の新たなる1ページを楽しんで欲しい。

【舞台『タンゴ・冬の終わりに』公演情報】
9月5日(土)~27日(日) パルコ劇場
10月3日(土)~4日(日) 大阪・森ノ宮ピロティホール
10月9日(金) 金沢・北國新聞 赤羽ホール
10月12日(月) 福岡・キャナルシティ劇場
10月16日(金)~17日(土) 愛知・東海市劇場 大ホール
10月23日(金) 新潟・りゅーとぴあ新潟市民芸術文化会館・劇場
10月25日(日) 富山・富山県民会館
10月31日(土) 宮城・えずこホール(仙南芸術文化センター)

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