太宰治 未完の遺作『グッド・バイ』を、ケラリーノ・サンドロヴィッチが舞台化!


太宰治の未完の遺作「グッド・バイ」は、新聞連載を予定し十三回分まで書いた時点で太宰自身が玉川上水で入水自殺し、絶筆となった作品である。この作品を2015年9月、劇作家・演出家のケラリーノ・サンドロヴィッチ(以下KERA)が脚本・演出を担当し、7年ぶりに再始動する彼のプロデュース公演「KERA・MAP」の第六回公演『グッドバイ』として舞台化することとなった。

ケラリーノ・サンドロヴィッチとはどんな人?この作品で彼を知ってみてはいかが

小説「グッド・バイ」は、妻子を田舎に残し、単身東京に暮らす男・田島周二が主人公。雑誌編集者という体裁の裏で、闇商売でしこたま儲け、はたまた10人もの愛人を抱えているという不埒な男。しかし一転、田舎の妻子を呼び寄せて…という里心に近い気持ちが起こり、女たちと別れようと試みるが…。

「人間失格」「斜陽」等の退廃的な作風とは一風異なり、文体は軽やかでシニカル、ユーモラスな会話や描写が、その後の物語の展開を大きく期待させる。残念ながら未完となったこの作品を、会話劇の名手と言われるKERAがどのように作り上げるのだろうか。

主人公・田島を演じるのは仲村トオル。仲村は、これまでKERA作品『黴菌』(2010年)、『夕空はれて ~よくかきくうきゃく~』(2014年12月)に続き、舞台では今作品が3作目。また来年1月からスタートする、KERA脚本・監督のTVドラマ『怪奇恋愛作戦』の出演もスタンバイ中であることから、仲村に対するKERAの信頼度の高さが伺える。仲村は今回の舞台出演に際し、「夏はドラマ(『怪奇恋愛作戦』)の撮影、そして今は舞台(『夕空はれて~よくかきくうきゃく』)の本番中。今年の大半はKERAさんの演出を受けていました。つまり夏以降は、俺、ほぼナイロン(100℃)?のような…。来年の『グッドバイ』はまだかなり遠い話のような気がしますが、KERAさんに『これでさよなら』と言われないように、千秋楽の幕が降りる前にお客さんからは『グッドバイと言わないで!』と言われるように頑張ります」とユーモアたっぷりの意気込みコメントを寄せている。

仲村トオル、小池栄子

さらに女優陣の多彩さにも期待が高まる。仲村演じる田島が数々の浮気相手と別れるべく、妻と偽り女性達に会わせていく絶世の美女…だが、男のようで口の悪いキヌ子役を、数々の舞台で高い評価を受ける小池栄子が務める。仲村、小池のほか、水野美紀夏帆、門脇麦、町田マリー、緒川たまき、 萩原聖人、池谷のぶえ、野間口徹、山崎一らが出演する。

KERA・MAP #006『グッドバイ』は、2015年9月、東京・世田谷パブリックシアターにて上演、同年10月に各地で公演予定。

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