『トワイスアップ』ついに最終章!大山真志&山本タクが語る“成長”と“愛着”


大山真志が主演を務める舞台『トワイスアップ』シリーズ最終章が、2017年12月8日(金)についに幕を開ける。3作を通して、本作の脚本・演出を手掛けてきた山本タクが、今回につけたサブタイトルは「~自分を偽るそんな夜に本音を語れる雪が降る~」。果たして、この物語がどんな結末を迎えるのか・・・。シリーズ3作と、二人はどう向き合ってきたのか?大詰めとなった稽古場で、開幕直前の大山と山本を直撃した。

『トワイスアップ』最終章 大山真志&山本タクインタビュー

――『トワイスアップ』3部作、いよいよ最終章となりますね。

大山:稽古を通して、前回、前々回があっての今回なんだという感覚が強いですね。「まとまった!」って感じがすごくしています。

山本:実は、はじめに思っていた想像とは、違う最後になったんですよ。第1弾、第2弾と、出演しているキャストを見ているうちにキャラの新しい面が見えて「こっち側にいってみようかな」と思ったことが、うまく作用しているんじゃないかという気がしています。

――違う最後、というのは・・・?

山本:思っていたよりも、一段階深いところまで描けた感じです。

大山:そうだったんですね!

山本:本当は、もう一つ手前の秘密で終わらせようと思っていたんです(笑)。でも、新しいキャストが参加してくれたり、皆の新しい面が見えたことで、その人物が背負っていることをより深いところまで落とし込めたと、書きながら思いましたね。

――主人公のベックは、大山さんに当て書きした役だと聞いていますが、2作一緒に作った上で、大山さんをより知って、ベックのキャラクターが変わってきた部分もありますか?

大山:当て書きをしていただいた上で、その役を半年間かけて、3つの作品に分けて作るということは経験したことがなくて。さっき、おっしゃっていた“違う最後”ができたというのは、タクさんが僕と接していく中で、感じたことがどんどん反映されていって、今の「ベック」が出来上がったような気がします。

山本:まさしくそうですね。大山くんが演じるベックの「こんなところが見たい」「こんなことしてくれたらいいな」という部分が自分の中で増えていって、当初の構想から変更していった部分はありますね。

大山:僕自身も、ベックに対してはとても愛着がわきました。3作演じてきたということもありますし、自分のために書いていただいた作品という点で、とても大切な作品になっています。

――ベックは三枚目な部分と謎めいた部分が同居するキャラクターですが、「~自分を偽るそんな夜に本音を語れる雪が降る~」というサブタイトルのように、ベックの謎の部分が明かされるのでしょうか。

大山:そうですね・・・第1弾、第2弾って、ベックが周りの状況をすべて理解できている中でお話が進んでいきましたが、今回は、いろんなことを知っていたベックだけど「ベック自身はどういう人なの?」という、実は皆が知らない観点からストーリーが始まるので、これまでの2作とは、アプローチが少し違うかな。

山本:そうだね、確かにそうだ。

大山:そこが一番、ストーリーの肝になっていますよね。

『トワイスアップ』最終章 大山真志&山本タクインタビュー_2

――大山さんご自身は、演じてきたベックの本音に触れて、演じ方が変わったりしました?

大山:ありますね~。今回「ベックは、本当はどういう人間なのか?」ということを、強く考えながら、芝居を作っています。一人になるシーンとか、特に。第1弾、第2弾は三枚目路線が色濃く出ていたと思うんですが、それを踏まえて“ベックの本音”はどこにあるのか。前2作が“陽”だとすれば、今回はわりと“陰”の部分が見えてくると思います。

山本:稽古中、とあるシーンでジプシー役の高田あゆみちゃんがね、「3作観続けていたら、ここのシーン泣けるわ~」って言ってた。

大山:そうそう!俺も、その気持ちすごく分かります。演じながら、積み上げてきて良かったなって、すごく思ってます。実は、第1弾のオープニングのシーンって、今まで何のシーンなのか、語られていないんですよ。でも、この最終章を観ると、それがなんだったのか、分かるんです。演じていて、作品全体の新しい発見というか、「うわ~、ここにたどり着くためにこの芝居をやっていたんだ!」ってバチーンとハマる瞬間があるんですよ!

山本:あはは(笑)。自分でも、気持ちよくハマったな、うまくいったなって思う(笑)。

――第一弾は永松文太さんが演じるロン、第二弾は高田あゆみさんが演じるジプシーがキーパーソンとなっていましたが、今回は?

山本:今回は、シリーズ初参加の山口賢人がキーマンかな・・・。山口くんは、ベックの過去を知る男として登場します。

大山:第2弾の最後は、バーのメンバーが「家族」と言えるような雰囲気で終わったと思うんです。でも、家族と言っても、それぞれの過去を全部知っているわけじゃない。とりわけ、ベックは謎が多い。そこに微妙な不信感がただよい始めて・・・。という感じになります(笑)。

――なるほど・・・!ちなみに、前回は“愛”をテーマに掲げられていましたが、それについては?

山本:今回は、うーん!なんて言ったらいいかな・・・「自分の半身を取り戻す」かな?

大山:まさに「トワイスアップ」ですね!

山本:お!上手いこと言うね~(笑)。

大山:前2作で広げた風呂敷も、ちゃんと回収しながら、だんだんとベックの過去のお話につながっていきます。

――ちなみに、3作通して出演されている皆さんの意識に変化を感じることはありますか?

山本:このシリーズには、若手の子もたくさん出てくれていますからね。堀田くんとか、すごく上手くなったなあと。稽古中、代役をやったことがあったんだけど、大山くん相手にすげー楽しそうにやってて(笑)。

大山:そうそう、ありましたね。作品の中ではあんまり絡みがないんですけど、勢い良く、すごく楽しそうに代役やってるから、俺も楽しくなっちゃって(笑)。

山本:成長したよね。

山本:このシリーズが初舞台という子もいましたし、そういう新鮮な気持ちで舞台に臨もうとしているメンバーと作品を作るのは、僕自身あまり経験がなくて。だからこそ、教えてあげないとって気持ちにもなったし、もちろん僕以外にも教えてあげる先輩たちが現場にいてくれるので、一致団結できているなと。今の空気感、俺はとても好きですね。

――大山さんご自身も、後輩が多い現場での作品作りを通して変わった変化を感じる部分はありますか?

大山:第1弾の時は、正直「先輩として、どうやって稽古場にいればいいんだろう・・・」って思いがあって。もともと、「がんばって」って心の中で思いつつ、自分ことは自分でっていうタイプだったんですよ。だけど、第2弾をやる頃には「俺がしっかりしなきゃいけないんだ」って意識が芽生えて。

今回に関しては、最初から言いたいことも言ってきましたし、もっと踏み込めるようになっている気がします。でも、言うことによって責任を持たなきゃいけない(笑)。そういうことをこの作品を通して教えてもらって、俺も成長させてもらっているなと感じています。

山本:大山くんは、基本的に大きい背中で人を引っ張っていく感じだなと思っていたんです。でも、最近の大山くんは・・・変な言い方かもしれないですけど、余裕ができたというか、幅ができたというか。

大山:本当ですか!確かに、最初は余裕なかったですね(笑)。

山本:第1弾の頃は、大山くんがやることに皆がついていくという感じだったけど、今は、大山くんが思っているんだろうことを汲み取って先に後輩たちが動いていたりするんですよ。そういうのを見ていると、「芝居づくり」に対して、お互いが成長してきたのを感じますね。

大山:皆、がんばってますよね。僕もベックとして積み上げてきたものがありますが、今まで出てきた登場人物たちも確実に積み上げてきたものがあって、それをこの作品で爆発させていますから。皆、それぞれの役にすごく責任持ってやっていると思います。

『トワイスアップ』最終章 大山真志&山本タクインタビュー_3

――すべてがつながる物語の結末が、ますます楽しみです。そして、今回もライブがあるということで・・・少しだけ、構成を教えてください。

大山:今回は、テーマが「冬」、しかも12月の上演ということで、ベタですがクリスマスの曲から歌います。それから、今回は小川真奈さん、栗山絵美さんと、日替わりでデュエットさせていただこうかなと!どれも、冬にぴったりな曲をご用意しているので、心があったまると思います(笑)。

――最後に、お客様へ一言ずつメッセージをお願いいたします。

山本:この作品を観続けてくれた方は、半年間ずっとこの作品とお付き合いくださったということなので、まずそのことに感謝したいです。1年間の半分って、すごく長いものだと思うんですよ。人生においても。そんな皆さんに、全メンバーで応えたいと思っているので、楽しみにしていてください。12月なので、この作品が今年最後の観劇になる方もいらっしゃると思いますが、12月の素敵な一日と、ベック家族と過ごしてくれたら嬉しいです。

大山:最終章ということですが・・・半年間、3作もやると、こんなに愛着がわくものなんだなと。今まで観てきてくださった方たちは、ラストが一体どうなるのか、見届けていただけたら。今回初めて見る方も、楽しめます!ただ、絶対に前の2作を観たくなると思います(笑)。全部観たら「ここ、泣ける!」っていうシーンがいっぱい詰まっているので、『トワイスアップ』を丸ごと味わっていただけたらと思います。ライブも、心あたたまる曲を歌わせていただくので、少し早めではありますが、クリスマスプレゼントとして楽しんでください!

『トワイスアップ』最終章 大山真志&山本タクインタビュー

◆公演情報
『トワイスアップ~自分を偽るそんな夜に本音を語れる雪が降る~』&『大山真志Special Live』
12月8日(金)~12月10日(日) 東京・浅草六区ゆめまち劇場
【構成・演出】八木橋修/山本タク
【脚本】山本タク

【出演】
大山真志
小川真奈、永松文太、高田あゆみ
山口賢人、西田麻衣、堀田怜央、北村まりこ
杉浦隼永、名富航平、井上拓馬、近藤礼貴
栗山笑美、赤塚篤紀

【お見送りハイタッチ会】
毎公演終演後ロビーにて、出演者がハイタッチでお客様をお見送り!
【全5公演観劇特典】
全5公演を観劇すると、千秋楽の終演後に出演者全員とのチェキ撮影会に参加可能
※詳細は公式HP、または公式Twitterにて

【公式HP】http://www.spacecraft.co.jp/sc_stage/
【公式Twitter】@SpaceCraftStage

(撮影/エンタステージ編集部)

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