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ナイロン100℃新作舞台『ちょっと、まってください』ケラリーノ・サンドロヴィッチ×大倉孝二インタビュー!「新作は別役実への挑戦!」

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劇団ナイロン100℃の新作公演『ちょっと、まってください』が、2017年11月10日(金)から東京・下北沢 本多劇場を皮切りに全国各地で巡演される。同劇団の新作公演は2014年の『社長吸血記』以来約3年ぶりとなる。

今作の内容について、ナイロン100℃主宰であり作・演出家のケラリーノ・サンドロヴィッチ(以下、KERA)は「乞食と金持ちが入れ替わる物語」と明かしているが、果たして待望の新作公演はいかなるものなのか?劇団員で舞台、映画、テレビドラマと幅広く活躍する俳優の大倉孝二とKERAから劇団で公演することの意義や次回作についての話を聞いた。

ナイロン100℃新作舞台『ちょっと、まってください』ケラリーノ・サンドロヴィッチ×大倉孝二インタビュー

関連記事:ケラリーノ・サンドロヴィッチ3年ぶりの書き下ろし!ナイロン100℃新作公演の出演者発表

「劇団公演が一番緊張します」(KERA)

――11月10日(金)から、ナイロン100℃にとっては3年ぶりの新作公演がはじまります。企画の経緯を教えてください。

KERA:あんまり経緯とかないんですよねぇ、そろそろやるかってなもんで(笑)昔は番外公演を入れると年間7本とか劇団に新作を書き下ろしていたんですけど、嘘みたいですね。今は体力的にも精神的にもそうやたらと書けなくなってる。で、自然と期間が空いた。

――大倉さんは久々の新作公演をやると聞いてどんな思いでしたか?

大倉孝二(以下、大倉):「新作ってまだやるんだ」って思いましたね。あとは・・・、個人的には新作公演が好きなので、楽しみだなあって。

KERA:(笑)

大倉:僕、再演があまり好きじゃないんですよね。再演って初演からあまり成長していない自分をいちいち確認しているような気がして・・・(笑)全く未知なものに取り組む方が自分の性分には合っていると思います。

ナイロン100℃新作舞台『ちょっと、まってください』ケラリーノ・サンドロヴィッチ×大倉孝二インタビュー_2

――やはり劇団公演と外部公演では心境は違いますか?

大倉:外部公演とは違う意味の緊張感がありますね。もちろん、誰も知らない現場に行くのと違って、一応知っている人ばかりですけど、だからといって仲が良いわけでもないですし。久しぶりに会うとそれなりにみんな人見知りするので、変な緊張感がありますよ(笑)。

KERA:確かに毎回、ナイロンの初日稽古は自己紹介から始まるし、みんないつまでたっても「よろしくお願いします」しか言わなかったり(笑)それぞれがそれなりに緊張しているのは感じますね。

僕なんかは劇団公演が一番緊張します。絶対に手を抜けないし、手を抜いてもすぐにバレちゃう。もちろん手を抜くことを前提に創作しているわけじゃないですけど、懸命にやっても届かないことはあるので、そういう時に昔と比較されてしまう人たちがいるっていうのが緊張なんです。

「僕は面白い台詞を言いたいだけ」(大倉)

ナイロン100℃新作舞台『ちょっと、まってください』ケラリーノ・サンドロヴィッチ×大倉孝二インタビュー_3

――今回の公演では「乞食とお金持ちが入れ替わる話」になると明かされていますが、その他に現時点で明かせる構想があれば教えてください。

KERA:内容はまだこれといって決まっていないのですが、作品の世界観はあります。別役(実)さんっぽいヘンテコな寓話です。非常に論理的であるようで決定的な論理破綻がある、もっともらしいものが壊れていく、そんなイメージです。

もっともらしく始まって、なんにもならない。そうした世界観の中に「乞食とお金持ちが入れ替わる」というシチュエーションがあれば、物語は自然に動き出すと思うんです。なので、あらすじ的なものを聞かれるとなにも答えられないんです(笑)。

――大倉さんは破綻の度合いが大きい作品が好みだとお聞きしました。本作にどのような期待をお持ちですか?

大倉:僕の場合は基本的に面白い台詞を言いたいという欲求しかないので、正直、どんな物語の運びになっても、極端に言えばどうでもいいかもしれません。

KERA:ひでえなぁ!(笑)。

大倉:結果として良い物語の方がいいと思うけど、僕は面白い台詞を言いたいだけなんですよ(笑)。

ナイロン100℃新作舞台『ちょっと、まってください』ケラリーノ・サンドロヴィッチ×大倉孝二インタビュー_4

KERA:へぇ、いろんな役者がいるもんだよねぇ(笑)以前書いた台詞に「お尻を出すのは私だが、出るのはお前さんのお尻だ」というのがあるんですけど、そんな台詞を言わせて大喜びする役者って限られていると思うんです。でも、作家の立場で言えば、そういうひとしきりニヤニヤできる台詞を書いた時の高揚感って・・・あるんだよねぇ(笑)。

大倉:(笑)

KERA:そんな歓びを共有できる俳優がいるっていうことは貴重なことだと思っています。だって、最高の台詞じゃない?(笑)。

大倉:そうですね(笑)なので、KERAさんは台本の執筆が遅いと言われていますが、僕はそういう台詞があるなら別に遅くても早くてもいいかなって思ってます。

ナイロン100℃新作舞台『ちょっと、まってください』ケラリーノ・サンドロヴィッチ×大倉孝二インタビュー_5

――ちなみに、大倉さんはナイロン100℃に入団されて22年経ちますが、KERAさんから見てどんな俳優になったと思いますか?

KERA:漠然とですが、ほとんど使いものにならない俳優から、使いものになる俳優になり、今やとても重宝する俳優になったと思っています。入団当時は台詞がほとんど無い役ばかりあてていたんですけど、ある時期から、大倉は負荷をかけた方が成長するのではないかと感じた。その結果、公演ごとに上手くなっていって・・・。まあ、勝手に成長する親戚の子供を見ているような心境ですよ。

大倉:僕の人生のうち、すでに劇団員人生の方が長くなっていますからね。

KERA:もし、別の劇団に入団してたら全然ダメだったかな?

大倉:どうなんですかね?(笑)。

ナイロン100℃新作公演は別役実への挑戦!?

ナイロン100℃新作舞台『ちょっと、まってください』ケラリーノ・サンドロヴィッチ×大倉孝二インタビュー_6

――大倉さんにとってナイロン100℃はどんな場所なのでしょうか?

大倉:うーん・・・、面白いことを研究したり試したりできるラボみたいな場所ですかね。

KERA:たしかに大倉の言う通りかも。これだけ長く劇団をやっていると、総まとめのような創作を繰り返して数年持たせて終わらせる、なんてこともできてしまうけど、そうはしたくない。この年齢の集団だからこそやれる、未踏の領域を常に探していきたいんです。

――ナイロン100℃の作品はその時のKERAさんの興味が色濃く反映されているように感じます。

大倉:それしかないですよ(笑)。

ナイロン100℃新作舞台『ちょっと、まってください』ケラリーノ・サンドロヴィッチ×大倉孝二インタビュー_7

――そういう意味では、今作は別役さんへの興味から始まったと言っても過言ではないのでしょうか?

KERA:はい。別役さんにはいつでも興味があるんですけどね(笑)今回は別役さんへの真正面からの挑戦といってもいいかもしれません。また、そういう意味で今作は不条理劇と言い切っていいと思うんです。ただ、不条理劇って、夢のある方向に転べばファンタジーと呼ばれ、コントっぽい方向に転べばナンセンスコメディーと呼ばれ、実は非常に幅広いものなんです。なので、今回は“不条理喜劇”だと思っていただければ。

――なるほど。別役さんへの挑戦にもなる新作、楽しみにしています!本日はありがとうございました。

ナイロン100℃新作舞台『ちょっと、まってください』ケラリーノ・サンドロヴィッチ×大倉孝二インタビュー_8

ナイロン100℃ 44th SESSION『ちょっと、まってください』は、2017年11月10日(金)、東京・下北沢 本多劇場にて開幕を迎える。地方公演を含めた上演スケジュールは以下のとおり。

【東京公演】2017年11月10日(金)~12月3日(日) 下北沢 本多劇場
【三重公演】2017年12月6日(水) 三重県総合文化センター 三重県文化会館 中ホール
【兵庫公演】2017年12月9日(土)・12月10日(日) 兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホール
【広島公演】2017年12月12日(火) JMSアステールプラザ 大ホール
【北九州公演】2017年12月16日(土)・12月17日(日) 福岡・北九州芸術劇場 中劇場
【新潟公演】2017年12日20日(水) りゅーとぴあ 新潟市民芸術文化会館・劇場

※東京公演チケット発売開始:2017年9月9日(土)

☆ナイロン100℃ http://www.sillywalk.com
☆キューブ http://www.cubeinc.co.jp/

(撮影/エンタステージ編集部)

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(文/大宮ガスト)

ナイロン100℃「ちょっと、まってください」

作品情報ナイロン100℃「ちょっと、まってください」

2015年の公演から約2年、ケラリーノ・サンドロヴィッチ率いるナイロン100℃が再始動!

  • 公演:
  • キャスト:三宅弘城、大倉孝二、みのすけ、犬山イヌコ、峯村リエ、村岡希美、藤田秀世、廣川三憲、木乃江祐希、小園茉奈、水野美紀、遠藤雄弥、マギー

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