『Club SLAZY The Final invitation ~Garnet~』太田基裕&加藤良輔インタビュー!「何が起こってもSLAZYならアリ!」


大都会の片隅にあるという「Club SLAZY」(クラブスレイジー)を舞台に、パフォーマーたちの笑いあり涙ありの物語が描かれるエンターテイメントショー『Club SLAZY』シリーズ。クオリティの高いステージを見せるパフォーマーたちの素性などが徐々に明かされつつ、悩みや葛藤を乗り越えそれぞれ成長していく姿が観客の共感を呼び、熱狂的なファンを生み出してきたこのシリーズが、2016年12月、ついにシリーズ最終章を迎える。

『Club SLAZY The Final invitation』太田基裕&加藤良輔インタビュー

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――2013年にシリーズ第1作『Club SLAZY』が初演され、これまでナンバリングされていない『Another wolrd』も含めて5作を上演、そして2016年12月にシリーズ最終章の上演が発表されました。お二人は初演から出演されてきたわけですが、これほど長い期間この作品に関わり続けると思っていましたか?

太田・加藤:思っていなかったですね(笑)。

太田:初演の時はけっこうキャラクター押しみたいなところがあって、それぞれの人物像や過去を深く掘り下げることを意識せずにやってたところがあるので・・・、ね?

加藤:ね(笑)。

太田:だからここまで続くとは想像してなかったですし、逆に、続いたことによって「Bloomってどういう人間なんだ?」と、稽古をしながら作っていったところがあります。

――公演を重ねていくと、前作で見た何気ないことが伏線だったりして、お客さんびっくり!ということも見どころの一つですが、これは初めからキャストの皆さんに伝えられているんですか?

太田:僕たちもお客さんとあまり変わらないです(笑)。最初はくだらないことだったのが、後にすごい意味を持っていたりして、自分たちもびっくり!みたいな。でも、お客さんが「こんな伏線を初演から考えていたんだ・・・」って思ってくれていたら、それは嬉しいことですね。

加藤:実はそうではないこともあるよね(笑)。

太田:そうそう(笑)。

『Club SLAZY The Final invitation』太田基裕&加藤良輔インタビュー_2

――では、初演のことを思い出していただけますか?ご自身の役について、どう思いました?

加藤:最初かぁ・・・。

太田:台本をいただいた時、脚本・演出の三浦(香)さんがやってほしいキャラターというか、普段の自分たちに寄せて書いてくださったところがありました。それぞれのキャラクターが物語で立つようにもしていただいたので、自分たちの立ち位置を意識しつつ、まずはキャラを濃くしていかないとおもしろくないなって。

加藤:なんとなく作品のキャラクター同様の役割分担が普段にも通じていたよね。SLAZYのパフォーマーにはランクがあるでしょ?Act(大山真志)がトップ、セカンドエースのBloomは、どこまでいってもセカンド気質で・・・。

太田:Actが店を出ていって実質トップなんだけど、マイペースなところは変わらない。でも面倒くさいくらい繊細な感じ(笑)。

加藤:でも誰よりも輝いているっていうか・・・。

太田:何それ?(笑)。それはDeepからの視点でしょ?

加藤:そう、僕からの目線。「グランプリよりも準グランプリがもてる」みたいな感じ。分かる?

太田:そんな感じある?!(笑)

加藤:僕の中でのイメージだよ。そういう雰囲気を持つのが2番手というか。で、サードスターに・・・。

太田:俺様キャラで、ある意味ぶっ飛んでるヤツがいて・・・。

加藤:4番手におちゃらけた、ふざけたヤツがいて(笑)。

太田:でも一番、いい意味で普通というか一般的な考えを持ってるのがDeepだよね。だから観る人たちも共感しやすいキャラクターなんじゃないかな。うまい具合に理想と現実をつなげてくれているというか。

――加藤さんはそうした立ち位置を意識されていました?

加藤:いえ、もともとの自分がDeepのような人間なので。

太田:ニュートラルでいる感じが役と一緒だよね。

加藤:そう、普段もそのままなので、僕は。

太田:普段の関係も、言ってしまえば劇中のままだよね。

『Club SLAZY The Final invitation』太田基裕&加藤良輔インタビュー_3

――ということは、三浦さんが普段の皆さんの様子をよくご覧になっていて、それがそれぞれのキャラクターに反映されているんですね。

太田:そうですね。三浦さんご自身がそれを楽しんでやられているのかなって思います。それぞれのキャラクターを見つつ、「この人にこれをやらせたらおもしろい、観てみたい」という感じで。『Club SLAZY』って、そういう好奇心で出来上がった作品かもしれないですね。

――この作品は“エンターテイメントショー”と銘打ってるだけあって、ダンスも歌もある本格的なショータイムも特徴ですよね。それにちゃんとしたお芝居もあるわけで、キャストの方はすごく大変だと思います。

加藤:その通りです。お芝居の稽古もしなきゃいけないし、ショーの稽古もしなければいけない。それも、回を重ねるごとにショーのレベルが上がっていくし、曲の難易度も上がってます。

太田:曲はいい意味で素敵、でもすごく難しい(笑)。

加藤:仮歌をもらって愕然とするっていう(笑)。

太田:本当に、アーティストが歌うような楽曲なので、そこは自分的に挑戦しがいがありますけど、お芝居もあってこその作品ですし、全部ひっくるめて僕は楽しみながらやっているところがあります。そう思って消化していかないと本当に大変な作品なんです。

加藤:しっかりショーをやるっていうのが『Club SLAZY』の魅力だと思います。ライブみたいなナンバーが続いて、芝居に入っていって、またショーに戻る。ショーも大事な要素なんです。

『Club SLAZY The Final invitation』太田基裕&加藤良輔インタビュー_4

――これまでのシリーズの中で、「ここは会心の出来!」みたいなシーンはありました?

太田:僕は「会心」というのはないかな(笑)。単純に楽しく出来てて、舞台上に立ってるのが嬉しいなと思うことはありました。楽しんでやるって、簡単なようで意外と難しいんです。役者として楽しんで出来ていれば、それはお客さんにも楽しんでいただけていると信じているので。そんな時は嬉しいというか、楽しいなって思います。

加藤:僕は『2nd』には出てないけど、『3rd』『4th』と、回を重ねるごとに出来てるなって思う・・・(なぜかカメラ目線)。

太田:何やってるの(笑)!

加藤:(笑)。

――ちなみに、先ほど物語に張り巡らされた伏線に本人たちも驚く、という話がありましたけど、実際に驚いたエピソードはなんですか?

加藤:それは“コアラとラッコのしりとり”のシーンでしょう。(パフォーマー達の過去には謎が多いが、このシーンにより二人が過去に接点があったことが判明する)

太田:あのシーン、初めてやった時は「しょーもないなー」と思いながら、単純に楽しんでやってたんです。あれ自体を掘り下げられると恥ずかしいですけど。

加藤:そう、しりとり自体は本当になんの意味もないからね。ただ、コアラ→ラッコのエンドレスなだけ(笑)。

太田:次の日の朝には恥じらいしかないよね。昨日のことを思い出して「何やってるんだ、俺・・・」って(笑)。それが意味のあるシーンになるなんて・・・あれは一番の驚きでした。

『Club SLAZY The Final invitation』太田基裕&加藤良輔インタビュー_5

――初演から観ている人たちにとっても、この複雑なストーリー展開を完全に理解するのは大変そうです。演じている側として「この謎の部分が明かされてほしいな」というのはありますか?

加藤:まだまだ謎は多いからね。

太田:このあと「Club SLAZY」がどこへ向かうのかは知りたいかも。

加藤:ずっとあの場所にあるのか、ってね。

太田:どういうつもりでいるの?って(笑)。

加藤:でもそこはさ、僕ら以上にお客さんがいろんな想像をしたり、考えていたりするでしょ?僕らが何とも思っていなかったところまで推理していると思うから、逆に謎がたくさんあるままで終わるのもいいのかもね。

太田:この取材前に、僕たちも「どうやって終わるんだろうね」って話していたんです。「実はみんな女だったらどう?」とか(笑)。みんな幽霊だったとか、そういうぶっ飛んだ、お客さんの想像を超えるオチもありなんじゃないかと思います。「今まで何だったんだよー!」みたいにすべてをひっくり返したり・・・。

加藤:僕らも毎回、どんなストーリーになるのか楽しみだったしね。

太田:もしかしたら閉店しないってこともあるかも!でも、それだって『Club SLAZY』ならアリだよね(笑)。

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――それにしても、お二人は息が合っていますね。もともと仲が良かったんですか?

加藤:この作品でより仲良くなったっていうのはあるかもしれないです。

太田:BloomとDeepとしてのコミュニケーションを普段から自然としている感じですね。ちょっとしたくだらないことなんかは他の現場ではやらないもんね。この前は、『プロフェッショナル 仕事の流儀』(NHK)のアプリで遊んだり。

加藤:僕がジャスティン・ビーバーになりきってね(笑)。

太田:そういうくだらないことを二人でよくやります。お客さんには見せられないですけど(笑)。

加藤:いつも、こういう(距離感が近い)感じですね。

太田:お芝居の部分のちょっとした小ネタのすり合わせも二人でやることが多いです。

――2016年12月にシーズン最終章として一区切りを迎えます。それぞれ思うことはありますか?

太田:初演の時はここまで続くと思っていなくて、その時その時を楽しくやれたらと思いながら、それを重ねてたらいつの間にか今になったという感じです。

加藤:オリジナル作品でこれだけ長くやることもないもんね。

太田:キャストみんなが楽しんでやってきたから、ここまで変わらずにきたんじゃないかな。楽曲が難しいとか、大変なことはもちろんたくさんありました。でもやはり、それを越える何か、楽しさだったりとかがあるから続けてこれたんだと・・・。加藤さんは?

加藤:・・・僕の気持ちも、今話してくれたことが全部です(笑)。

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――淋しい気持ちはありますか?

太田:淋しいか~・・・。

加藤:淋しいっていうか、(真面目な表情で)「Club SLAZY」は永遠に営業していると思うので・・・。

太田:なになに?『仕事の流儀』の続き?(笑)

加藤:公演をやっていなくても、常に「Club SLAZY」は・・・お客さんの中にあるので・・・結局何を言いたいのか分からないですけど(笑)。でも、もし“2代目Bloom”とか生まれたらイヤじゃない?回を重ねるごとに「このメンバーでないとだめなんだ」っていう気持ちも強くなったし、違う人がこの役をやるのは・・・みたいな。

太田:そうかもしれない。それに、初演メンバーがそのまま残った状態で一区切り出来るのは気持ちがいいよね。

――公演後、大阪で年末ライブも決定しましたね。最後に、公演を楽しみにしている皆さんへメッセージをお願いします。

太田:今回もくだらないことをしながら、自分たちが一生懸命楽しんで、お客さんにも楽しんでもらえるようにがんばりたいと思います。

加藤:今まで『Club SLAZY』をやってきて、いろんな世界観が広がってきました。けれどラストは、くだらないことで騒いで、でもショーはかっちりやるっていうこの作品の魅力を最後まで出して終われたらいいな、ということを一番に思っています。そして最後はライブで『Club SLAZY』らしく楽しく終われたら・・・一緒に楽しんでほしいです!

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◆『Club SLAZY The Final invitation ~Garnet~』公演情報
2016年12月7日(水)~12月13日(火) 東京・品川プリンスホテル クラブeX

【脚本】三浦 香/伊勢直弘
【演出】三浦 香
【楽曲制作】Asu(BMI Inc.)
【振付】當間里美
【出演】
太田基裕、米原幸佑、加藤良輔、井澤勇貴、法月康平/藤田 玲/倉貫匡弘(TRASHMASTERS)ほか

ご好評につき、追加公演決定!
詳細は公式HPまで⇒https://www.clie.asia/CSL-Fin/

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