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ミュージカル『王家の紋章』アイシス役の濱田めぐみにインタビュー!「“アイシス”は“アイーダ”とリンクする部分も多いんです」

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1976年から現在まで連載が続き、累計発行部数4000万部を誇る少女漫画の金字塔「王家の紋章」。これまでアニメ化、実写化のいずれもされなかった本作が、この夏、世界で初めてミュージカルとして上演される。

弟であるエジプト王・メンフィスに叶わぬ思いを抱き、現在と過去とを行き来する能力を持つ王女・アイシスを演じる濱田めぐみに話を聞いた。

『王家の紋章』濱田めぐみインタビュー

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気分はエジプト!“アイシス感”が高まる日々

――アイシスの衣裳がお似合いすぎてクラクラします!

良かった(笑)!エジプト関係の作品を長くやっていたこともあって、最初にこの衣裳に袖を通した時から気持ちがすっと入りました・・・エジプトの世界観をまとうことに全然違和感がなかったですね。

この衣裳もそうですし、『王家の紋章』の台本や楽曲に触れるたび、自分の中の“アイシス感”がどんどん高まってきて、最近ではエジプトの考古学のテレビ番組を目にすると、何だか頭にきちゃうんです。

――よくも自分たちの大切なものを暴いてくれたな・・・的な?

まさにそう(笑)!すでにアイシスやエジプトに心が向いているので、考古学の学者さんたちが悪者に思えちゃうんですよね・・・先生たちはお仕事しているだけなのに(笑)。そんな感じで、片鱗は現れているんですが、この先お稽古が進んだり、舞台の幕が開いたりした時に、自分の心の状態がすべてアイシスモードにならないよう、ちゃんとケアしていかなければ・・・と思っています。

『王家の紋章』濱田めぐみインタビュー_2

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――アイシスは「王家の紋章」の中でも、特に女性の共感を呼ぶキャラクターだと思います。

アイシスは観る人によって、大きくとらえ方が変わる役ですよね・・・キャロルに対しては相当当たりがキツいですし。アイシスの行動の根底にあるのは、弟であるメンフィスへの強い想いです。アイシスも最初は、いつか自分の思いが叶う日が来るとどこかで信じていたと思うんです。でも、キャロルの出現によって、そうはならないという現実を突きつけられてしまう。そのもどかしさや、自分の愛が報われない哀しさが、可愛さあまって憎さ百倍・・・みたいな感情に転化していくのではないかと。

それに加えて、アイシスは女性でありながら、実質的な国の統治も行っている訳です。その重圧も相当なものなのに、愛する弟は、可愛い女の子に恋をしていて、政治の世界に身を浸してはくれない・・・アイシスの哀しみやストレスは増すばかりです(笑)。

――そんなアイシスの“哀しみ”をリーヴァイさんが壮大な曲にしてくださったんですよね。

本当に美しく切ないナンバーだと思います。キーも私に合わせて作ってくださったので、難曲ではあるのですがピタッとハマる感じが凄い!演じる側が泣いてはいけないんですが、歌いながら自然に涙が出て来るような曲だと思います。

現代と古代エジプト・・・時空を超える感覚

『王家の紋章』濱田めぐみインタビュー_3

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――濱田さんは元々原作漫画のファンだったと伺っています。

そうです!特にハマったのが、劇団四季で『アイーダ』を演じていた頃・・・大阪公演の時だったと思うんですが、同じエジプトを描いている作品ということもあり、誰かが10巻くらい一気に買ってきたんです。そこからカンパニーで怒涛の回し読みが始まり(笑)、続きが気になる人がまた新しい巻を購入してみんなで読んで・・・と、そのループでした(笑)。特に女子チームは「王家の紋章」の話題で盛り上がって、メンフィス派とイズミル派に別れて、楽屋できゃあきゃあ言ってましたよ(笑)。

――その当時、メンフィスとイズミルのどちら推し?

多分・・・どちらでもなかったような(笑)と言うか、やっぱり私はあの頃からアイシスに魅かれていましたね。でもどちらかというと・・・メンフィス派かなあ・・・。ストレートで一直線なところが素敵!みたいな(笑)。

――漫画を読んでいた頃からやはり一番はアイシスだったんですね。

アイシスって自分の思いで自分自身をがんじがらめにして閉じ込めちゃってる人だと思うんです。ひとりの女性として愛に生きたいと願っているのに、国の政治的なことを担わなければいけない重圧も背負い、色々な意味で支えて欲しい弟は他の女性に気持ちが向いている。国と愛とに挟まれながら苦悩する女王・・・。

アイシスは果たさなければいけないことと、望んでいることとのバランスが全然とれていないんですよね・・・きっとメンフィスの子どもも産みたかったと思います。自ら選んでいる道とはいえ、常に付きまとう束縛感と、国を背負う大きなプレッシャー、そして叶うことがない恋・・・そういうどうしようもない色々をどこにも発散できず、表向きは表情を隠して過ごしている女性・・・。でも心の中は、いつも“叫び”でいっぱいになっているんじゃないかと思うんです。

『王家の紋章』濱田めぐみインタビュー_4

――初挑戦となったソロ・ミュージカル『Tell Me on a Sunday』のエマとは全く違う次元で役を立ち上げていくことになりますね。

ふたりは真逆の存在です(笑)。エマは自分の目に映る出来事を主観のみで処理する女性で、何度も何度も痛い目に遭います。彼女が色々なことに気付いてやっと一歩前進するのは物語の最後・・・基本的に魂も幼い人なんです。

アイシスも悩んだり苦しんだりはするのですが、それでも彼女はどこか達観していて、生まれた時からの“使命”を受け容れて生きている人です。未熟なエマとは逆で、子どもの頃から大人の魂を宿した存在だったと思います。だからこそ、アイシスは自分の注いだ“愛”を、唯一の存在であるメンフィスに受け止めて欲しかったんでしょうね。

ふたりの愛の形やその方向は全然違うんですが、こじらせた時に取り返しがつかないのはやっぱりアイシスなんだと思いますよ。エマはひとしきり泣いたり落ち込んだりした後に立ち直って歩き出せるけど、アイシスはポキっと折れたまま戻れないんじゃないかな。

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――濱田さん自身はどちらに近い?

基本、両方違う気がしつつ・・・どちらかというとエマだと思います(笑)。でもエマほどぐにゃぐにゃに悩んだりもしないかも(笑)。私、自分の過去にさほど執着がないのか、終わったことはサバッと忘れちゃうんです。だから、昔の恋愛思い出トークが成立しないんですよね。記憶にないことも多くて「あの場所に一緒に行ったよね」みたいな話になっても一瞬「はて?」ってなっちゃったり(笑)。

――ありがとうございます(笑)。やはり長い間『アイーダ』に主演されたことは、今回のアイシス役にもリンクしますか?

製作発表の時に演出の荻田(浩一)さんが「古代エジプトの人々は皆、強く生きていた」とおっしゃっていたんですが、本当にその通りだと思いました。あの時代は太陽によって時間が支配され、誰もが自然の力を得て生きていたと思うんです・・・今みたいに情報の渦に巻き込まれたり、顔も見たことがない相手とネット上で貶め合ったりするようなこともあるはずはなくて。人の生命の重さも今とは違ったと思いますし。

『アイーダ』という作品で、あの時代の原始的、野性的な部分を体現させてもらったことで、当時の感覚のようなものは今でもちゃんと自分の中に残っています。さらに、アイーダは輪廻転生という形で現在と過去とを繋げるキャラクター・・・そういう意味でもアイシスはアイーダとリンクする部分は多いですね。役の人物として時空を超える感覚を掴むのってとても時間がかかるし、理屈ではない部分でそれを自分の中に入れ込んでいくのはすごく大変なことなんです。だから、ある程度自分の中に“礎”が出来ている状態でアイシスと向き合えるのは幸せなことだと思っています。

『王家の紋章』濱田めぐみインタビュー_5

メインキャストが舞台衣装で登場した『王家の紋章』製作発表。まさに“絢爛豪華”という言葉がぴったりの会見となった。その中で、ヒロイン・キャロルとは一味違う存在感をまとっていたのがアイシス役・濱田めぐみである。

アイシスは一方から見れば“かたき役”でもある。弟・メンフィスを愛するあまり、彼に近づく女性たちを次々と不幸な目に遭わせる恐ろしい存在・・・だが、その反面、彼女の実は純粋な思いや孤独、ひとりの人間を愛し抜く姿に共感する女性も多い。

濱田は自身が演じる役の“影”の部分にも必ず愛情ある“光”をあてる。きっと今回も、誰より強く凛とした姿で立つアイシスの哀しみや愛、深い思いを体現し、その姿・・・古代エジプトの地で生きるひとりの王女の姿を私たちに見せてくれるのだろう。

◆ミュージカル『王家の紋章』 帝国劇場
2016年8月3日(水)~4日(木)プレビュー
2016年8月5日(金)~27日(土)

(撮影/高橋将志)

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(文/上村由紀子)

王家の紋章

作品情報王家の紋章

少女漫画の金字塔、遂にミュージカル化が決定!

  • 公演:
  • キャスト:浦井健治、宮澤佐江、新妻聖子、宮野真守、平方元基、伊礼彼方、濱田めぐみ、山口祐一郎、 ほか

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