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『夢の劇-ドリーム・プレイ-』早見あかりインタビュー!「観終わった後に“人間っていいな”って思ってもらえたら」

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『令嬢ジュリー』『死の舞踏』などで知られる、近代演劇の先駆者ヨハン・アウグスト・ストリンドベリの『夢の劇-ドリーム・プレイ-』が上演される。構成・演出に白井晃、上演台本に長塚圭史という強力タッグに注目が集まる中、本作で本格的な舞台初主演となるのが早見あかり。ドラマ、映画の出演作を重ね、女優としてのキャリアを重ねている彼女に、本作に向けての率直な思いを聞いた。

『夢の劇-ドリーム・プレイ-』早見あかりインタビュー

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――会見では舞台への不安から涙を流される一幕もありましたね。いざ稽古が始まって心境の変化はありましたか?

制作会見から稽古初日までが思ったより早かったですね。最初に舞台のお話をいただいた時にずいぶん先だなと思っていたのに、あっという間に稽古、本番がやってきた感じです。会見から今まで現実逃避していたんですけど(笑)、ついに始まってしまったので舞台のことをちゃんと考えなくては、と。

――会見から稽古初日まで1ヶ月くらいありましたが、その間は現実逃避?

そうです(笑)。考えたところで舞台は初めてだからどうしたらいいかも分からないですし、どうやって稽古をするかも始まってみないと分からないので。
いざ稽古に入ってみると、本読みは舞台でもやるんだ、とか、プリントアウトされた紙をクリップで綴じたものが台本と思っていたらやっぱり製本された台本だった、とか。本当に何も知らないので。

――とはいえ、稽古前に数日、演出の白井さんと二人でプレ稽古をされたとうかがいました。

はい。これから舞台に臨むために、ストレッチはこうやるとか、滑舌だったり、発声の練習などの基礎を分かりやすく教えていただきました。前半部分の本読みもやらせてもらって、冒頭の声のトーンはこんな感じがいいな、って言われたので、実際の稽古初日の本読みは全て未知でなかったのが良かったです。後半の、人間界を知ったアグネスがどういうふうに変化していくか、というところまではまだ詳しくお話をしていないので、この後そこも詰めていきたいねという話を白井さんとしています。

『夢の劇-ドリーム・プレイ-』早見あかりインタビュー_3

――これまでに白井さんに言われたことで印象に残っていることは?

私が演じるアグネスは、神インドラの娘です。インドラから地上の人々の姿を見てきなさいと地球に送り出されるんですが、アグネスは本当に何も知らない子なんです。なので「なんで?なんで?」って、思ったことをそのまま口に出しちゃうみたいな子をやってほしいと。でもそれは声のトーンを上げて子供っぽくするのではなく、トーンは低いまま、でも気持ちは出ちゃってるというようにと言われましたね。

――実際に、稽古初日に本読みをしたときの感想はいかがですか?

ドラマでも本読みはありますけど1話ごとですから、それと比べると舞台は長いですね。だから後半の方は口がもつれて(笑)。最後はわりと喋りまくっているので、口が回らなくなってめちゃめちゃカミました。これは改善させないと!

――作品についての印象は?

最初に台本を読んだ時は読解できませんでした。でも、稽古が近づくにつれて台本にも手が入って、ト書きが増えたり、舞台上での演出について補足されたものになっていくとわかりやすくなりました。それに加えて白井さんから、「夢って脈絡がないでしょ。関わったことがない人と同じ場所にいたり、不思議なことがいっぱい起こる。現実で起こる順序とは違ったりもする。普通じゃありえないけど、でもそれが夢だよね。それと同じだよ」と言われて。確かにこの作品のストーリーは1つのお話としては何の脈絡もないところに飛んで行ったりして、つなげて考えると難しく感じるかもしれません。けれど部分部分を切り取って見ると、人間ってこんなこと言ってるよな、自分が一番悲劇のヒロインだと思ってるんだよな、とか、すごく理解できるようになりました。

『夢の劇-ドリーム・プレイ-』早見あかりインタビュー_4

――ではその物語の中の、今回演じるアグネスの役作りについてはどう考えるようになりましたか?

普通の大人だったら、思ったことは口に出す前にまず頭で考えて、ここで言ってはいけないなと感じたことは言わないと思うんです。でも、そういう思考回路はアグネスには全くないんです。思ったことは言っちゃう、みたいな。それが嫌味でワザと言っちゃうのでは全然なくて、本当に純粋な気持ちで言ってしまう。本当に無垢な女の子だということを白井さんからも言われていますし、私も読んだ時にそう感じました。普通の女の子だったら絶対言わないようなことをさらっと言っちゃいますね。

――そういったキャラクターを演じるのは難しいですか?

アグネスと私、似ているんですよね(笑)。白井さんからも「早見さんにもアグネスと似てるところがあるかなと思ったんだけど」と言われました。それも、まだ2回くらいしかお会いしていない頃だったので「この人なんで早見あかりのことを知ってるんだろう?」って思いました(笑)。表に出ている仕事をしている私しか見ていないはずで、素の早見あかりは知る機会はなかったと思うんです。そこまで分かるんだ、って単純に驚きました。

――思ったことを考えずに言ってしまうところ以外にも、似ているところがあるんですか?

同じようなことですけど、「なんで?なんで?」って言っちゃうところも似ていますね。例えば、「信号機はなんであの赤青黄の3色なの?他の色でもいいじゃん」みたいなこととか、みんなが当たり前と思って気にしていないことが私は気になっちゃうんです。子どもの時ってこういうこと気になりますよね。「緑なのになんで青なの?」って(笑)。

――なるほど。そういう性格なら、新しい現場でも人見知りしないで早く馴染めそうですね。

私、相手が人見知りだとこっちも人見知りしちゃう、特殊な人見知りなんです。だから、ドラマの現場で3ヶ月毎日のように一緒にいても仲良くなれないこともあります。逆に、相手がオープンな人でぐいぐいコミュニケーション取るタイプだと、私もそれに乗せられて、すぐに仲良くなれるみたいです。

『夢の劇-ドリーム・プレイ-』早見あかりインタビュー_5

――今回のカンパニーは初共演の方が多いから、人見知りしちゃいそうですか?

いえ、みなさん優しく声をかけてくれるので安心です。それから、共演したことのある江口(のりこ)さんもいるのが本当に心強いですね。江口さんとは高校生の時に初共演していて、そのあと『マッサン』でご一緒しました。『マッサン』で同じシーンに登場することはなかったんですけど、現場で何度か会っていたので、また今回ご一緒できて本当に嬉しいです。共演している方が一人いるだけでだいぶ気持ちが違うなって感じています。

――まだ稽古も始まったばかりですが、本番の公演を観に来た方々に、こういうふうに伝わってほしいなと考えていることはあります?

もともと人間って、汚いところがあると思うんです。この作品ではそこにスポットを当てていて、すごく上手くいってる人たちより、全く上手くいってない人たちばかり出て来ます。彼らは、いろいろなことで落ち込むし後悔する、時にはイヤなことも口から出たりしますが、それも“人間だから”であって…。アグネスはそんな人間臭さを愛おしく思う、みたいなところを見せられると思うので、この舞台を観た時に、“だけど人間っていいな”と感じてもらえたらいいなと思います。みんな、ただハッピーなだけだったら人間じゃないし、ダメなところだけでも人間じゃない。良いところも悪いところもあるのが人間なんだって、そういうことを伝えられる作品だと思います。

――最後に、公演を楽しみにしている皆さんへ向けてのメッセージをお願いします。

白井さん、長塚さんでさえ、まだ本番の舞台がどうなるか分からないと思うんです。でも、このカンパニーで良い作品を作りたいと思いますし、観に来てくださった方にも何かを感じてもらえる作品にしたいです。早見あかりが泣いてまで挑戦した舞台を観に来てもらいたいなというのと、私以外の出演者の皆さんが本当に豪華ですから、絶対にすごいものができると思うのでぜひ観に来てほしいです。それから、もしかしたら演劇に興味がなかった、ちょっと興味あったけど観たことなかった人が、「あかりんが出てるんだったら観てみようかな」て思ってくれて、劇場に行くきっかけになったらいいなと思います。

『夢の劇-ドリーム・プレイ-』早見あかりインタビュー_2

◆プロフィール
早見あかり(はやみ・あかり)
1995年3月17日生まれ、東京都出身。2011年ももいろクローバーのサブリーダーを経て女優に転身。映画『百瀬、こっちを向いて』、『忘れないと誓ったぼくがいた』、ドラマ『ラーメン大好き小泉さん』など話題作に主演。14年、NHK連続テレビ小説『マッサン』のマッサンの妹・すみれ役で一躍注目を集める。そのほか最近の出演作に、『大杉探偵事務所』『ちかえもん』など。

◆『夢の劇-ドリーム・プレイ-』公演情報
【神奈川公演】2016年4月12日(火)~30日(土)KAAT神奈川芸術劇場<ホール内特設ステージ>
【松本公演】2016年5月4日(水・祝)、5日(木・祝)まつもと市民芸術館 実験劇場
【兵庫公演】2016年5月14日(土)、15日(日)兵庫県立芸術文化センター 阪急中ホール

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(文/金本美代)

夢の劇-ドリーム・プレイ-

作品情報夢の劇-ドリーム・プレイ-

日本の演劇界を牽引する二人の演出家、白井晃と長塚圭史がタッグを組み、ヨハン・アウグスト・ストリンドベリの戯曲に挑む!

  • 公演:
  • キャスト:早見あかり、田中圭、森山開次、長塚圭史、白井晃、

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