少年社中×東映舞台プロジェクト始動!『パラノイア★サーカス』松田凌&鈴木勝吾&毛利亘宏インタビュー


子ども心を忘れず、数々の『ファンタジー』を生み出してきた劇団「少年社中」と、数々の『スーパーヒーロー』を世に送り出してきた「東映」が、共同プロデュースし、新たなエンターテインメントを立ち上げる「少年社中×東映舞台プロジェクト」。そのコラボレーション企画の第一弾として、2016年2月26日(金)より『パラノイア★サーカス』が東京・サンシャイン劇場にて上演される。

『パラノイア★サーカス』インタビュー

物語の舞台となる“パラノイア★サーカス”で、江戸川乱歩作品をモチーフにしたキャラクターたちが、夢に現に躍動する。少年社中主宰であり、外部公演でも数々の演出を手がけてきた毛利亘宏と、その毛利と縁の深い松田凌、鈴木勝吾に話を聞いた。

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衣裳から広がる「少年社中」の世界観

――衣裳イメージも見させていただいたのですが、すごいですね!こちらは毛利さんの方で何かイメージソースとされたものはあったんですか?

毛利:特にこれっていうものはないんですが、いつもうちの衣装さんに「だいたいこんな感じでやりたい」ってざっとイメージを話すとあげてくれるんですよ。

鈴木:スチール撮影段階でも、すごくワクワクしました!そこから本番仕様にバージョンアップするのが楽しみ。衣裳合わせの時も、その芸術性とプロフェッショナルさに圧倒されました。

松田:全衣裳手作りって、めちゃめちゃ贅沢ですよね! 

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毛利:今回は和も洋も入って、すごくおもしろくなりそうです。

松田:これを、実際全キャスト着て舞台に並ぶって想像したら・・・もう、それだけで結構すごいですよね!稽古中も、毛利さんが衣裳を含めた舞台上での配置にこだわってる感じがします。

毛利:そうそう。全員が並んだり、揃ったりするシーンも結構あるから、衣裳の並びには今回すごくこだわっていて。「みんな衣裳持って並んで」って言って、よく並んでもらってるよね。色とかが偏ったりぶつかったりしないように。これも劇団をやってきて、学んだことですね。

二人をデビュー時から知っている毛利が描く役どころ

――衣裳や配役を見ているといろんな想像が膨らんでしまうのですが、今回の役どころについて、少し教えてもらえますか?

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鈴木:僕は・・・ “神”?!世界観自体がカオスで、未知な部分も多いので、どんな感じになるかはまだ僕らにも分からないんですよ。本来は役作りをしっかりしてから稽古に臨みたいタイプなんですけど、今回に関しては、この世界観の中にダイブして、冒険しながら見つけていく感じが強いですね。

――なるほど!ではこれからどんどん演者さんたちも変化されていくということですね。

鈴木:おそらく!役どころっていうより、役割っていうのかな。決まっているのは。個々の役の深度や、進化していく方向っていうのはまだ未知で。この世界観の中でどこが自分のエリアなのかっていうことは意識するようにしています。その点で言うと、僕は・・・“神”(笑)。

毛利:何気にこの5年、風間千景(毛利が演出を手がけるミュージカル『薄桜鬼』シリーズで、鈴木の演じる役)以外の勝吾をあまり見てないからね。見ていてすごく楽しいし、新鮮です。デビューした時から知ってるしね。

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松田:今回の勝吾くん、めちゃくちゃ面白いですよ。声色声質がすごく特徴的で。こういう怪盗もありなのかな、新しいなって思ってみています!演じている中に、0.00001%くらい勝吾くんが見えるんです。遊び心として。

――斬新な怪盗なんですね!コバヤシ少年を演じる松田さんはどうですか?松田さんも毛利さんとは長いお付き合いですが・・・。

松田:僕も勝吾くんと同じで普段は作り込むタイプなんですけど、今回はそれをしていない気がします。何も考えていないわけでは決してないんですけど・・・凝り固まらないというか。ただ、過去の自分がやった役とは、かぶりすぎないように意識していますね。

鈴木:今回に関しては、長年俺たちを見てきた毛利さんが書いているわけだから理にかなってるよね(笑)。

新プロジェクトが生み出す“PLAY”という感覚

――今回「少年社中×東映舞台プロジェクト」という新たな取り組みになりますが、毛利さんの中で、いつもと違う部分や新たなテーマみたいなものはあるんでしょうか?

毛利:もちろんスター達と一緒に、新たなプロジェクトとしての公演にはなるんですけど、基本的には劇団でやっていることをそのままやりたいというのがありすね。「少年社中」って名乗ってる以上、子ども心を忘れないというか・・・。

――劇団の色をそのままにといった感じですか?

毛利:プロジェクトが大きくなっても、できるだけ劇団らしいままの公演にしたいと思っています。ありがたいことに、ゲストやスタッフの方々にもその辺をよくわかっていただけている環境なので、劇団公演をやる時と同じように、とにかくこのメンバーで楽しい作品を作っていけたらなって。

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――演者のお二人は、劇団という現場での作品づくりはいかがでしょうか? 

鈴木:僕たちからすると、「少年社中」という現場で感じることはすごく新鮮。毛利さんはじめ、これまで違う作品でご一緒してきた井俣太良さんや堀池直毅さんなど、劇団員の方のお芝居の趣向も、ホームだと少し違ったりしていて・・・。それを感じられるのが、めちゃくちゃ楽しいです。

松田:単純にすごいと思いました!ホームグラウンドに戻った時の少年社中の皆さんの大胆さというか。ここまで表現を大胆にして、かつ、それが毛利さんの思い描く演出に合致した時。その瞬間って稀にしか生まれないものだと思うんですけど、それがハマる瞬間を目の当たりにすると、自分もこういうことを経験しなきゃな・・・って痛感しました。

毛利:たしかにすごいよね。二人もそうだけど、よくこれだけのメンバーが一気に集まって、三回くらいやったら形が見えてくるというか、整ってくるって(笑)。

――それこそ、このプロジェクトならではですよね。外部公演でご一緒してきた役者さんと、毛利さんのホームである劇団で一緒に作品を作るっていうのは。

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毛利:楽しいというか、仕事じゃない感じがするというか・・・。いや、もちろん仕事なんだけどね(笑)。

鈴木:稽古場でも毛利さんすごい笑っていますしね!

毛利:稽古場での(役者との演出における)キャッチボールとかも、すごく楽しいんですよ。もちろん仕事としてね!しかも新プロジェクトだし!

松田:あはははは!

鈴木:でもその感じ、分かります! 演劇における“PLAY”っていう感覚。僕もあります。

作品のルーツは高校時代に?!

――“少年”社中ですから、遊び心が欠かせませんもんね(笑)。和やかで楽しいムードが伝わってきます!遊び心ついでに、ネタバレのない程度に内容についても少しお話いただけますか?

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毛利:どう言ったらいいかな。なんか全部がネタバレになりそうで・・・(笑)。とりあえずは、江戸川乱歩が出てきて、その江戸川乱歩の作品に出てくるキャラクターをモチーフにした登場人物に囲まれて楽しいことをするっていう設定で。

鈴木:僕もまだ自分の行く末がわかりません!

毛利:勝吾は〇〇〇で×××ってなるんだよ!予定では…だけど。

鈴木・松田:えーーー?!

松田:今衝撃が走りましたよ、この稽古場に!え、じゃあ最終的には・・・だめだ、いろんな想像が膨らんできた・・・!

鈴木:つまりは、世界観こんな感じなんですよ!何が起こるか本当に未知です!

――演者の方もドキドキしてしまうような展開とは・・・!その世界観に「サーカス」が絡むのも楽しみです。

松田:『パラノイア★サーカス』ってタイトルもすごくいいですよね。

鈴木:毛利さんはなんでサーカスを選んだんですか?

毛利:サーカスっていうネタ自体がものすごく好きなんだよね。これ自分では覚えてなかったんだけど、井俣曰く、俺が高校時代に書いた初めての脚本に「劇団パラノイア」っていうのが出てきていたらしくて。二本目はピエロが出てくるサーカスの話だったんですよ。だからわりと昔から好きな要素みたい。

――まさに、毛利さんの演劇におけるルーツ的なものなんですね。

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松田:すごい・・・!今の話、一番胸熱ですよ!!

毛利:東映さんとの大きなプロジェクトの一発目だから、一番好きなものをやろうと思ったんです。それを考えていた時に、ラスベガスでサーカスを見たんです。掘っ建て小屋みたいな、狭くてアナログな劇場だったんだけど、すっごい感動して。その時、何か根源的なものに訴えかけられた気がしたんだよね。一つの空間の中にいろんなキャラクターがいる。あぁ、これをやりたい・・・って思った。

鈴木:そういうの俺も観てみたい・・・。

松田:サーカスって絶妙ですよね。ある種の混沌というか。カオスの中で物語が展開していくって。

――「見ていいのかな?だめな気がするけど絶対みたいな」っていう人間の好奇心というか、本能が掻き立てられるようなただならぬムードがありますもんね。

毛利:そうそう。ちょうどそういう見せ物小屋的な、何が起こるかわからないことをやってみたいなっていうのがあったんです。

――全貌が明らかとなる日を楽しみにしています!最後に、公演に向けての意気込みとお客さんへのメッセージをお願いいたします。

鈴木:今回は、東映さんという僕のスタートとなった場所と、お世話になっている毛利さんの元でやらせていただくので、僕にとっても特別な公演です。私的なことですが、自分自身もちょうど今が役者として変化の時期だと思っているので。この公演で、今の自分を出し切って、次のステップへ進んでいけたらと思っています。一人の人間としても、役者としても、とても大切な公演になると思いますので、ぜひ多くの方にその姿を観に来ていただけたらなと思います。

松田:東映さんと少年社中さんの奇跡的なコラボレーションということで、「こんなにも夢の詰まった瞬間、絶対見逃せない!」っていう思いがあります。稽古中、思わず観る側の立場に立ってしまうほど…なので、みなさんにもその瞬間に立ち会ってほしいです。今まで見たことのない世界に、みなさんをお連れすることができると思います。僕らが描くミステリーと夢の断片を、ぜひ劇場で確かめていただけたらと思います!

毛利:ここに集結したキャストに スタッフ、このメンバーじゃないと絶対にできないもの、他では絶対に見られないものが出来上がりつつあります。再演を念頭に置くでもなく、演劇をやっている以上は、今、この瞬間にしか見られないものを作りたいと常々思っています。是非このメンバーで作る“今”を楽しんでいただければと思います。劇場でお待ちしております。

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◇少年社中×東映舞台プロジェクト「パラノイアサーカス」◇
2016年2月26日(金)~3月6日(日) 東京・サンシャイン劇場

【下記5公演では、スペシャルカーテンコールショーを実施!】
2月29日(月)19時開演/3月1日(火)19時開演/3月2日(水)19時開演
3月3日(木)19時開演/3月4日(金)19時開演
※スペシャルカーテンコールショーの詳細な内容は追って発表とのこと。

<脚本・演出>
毛利亘宏

<出演>
井俣太良・岩田有民・堀池直毅・廿浦裕介・加藤良子・長谷川太郎・杉山未央・山川ありそ・内山智絵・竹内尚文・川本裕之
小澤亮太・松田凌・松田岳・白又 敦・松本寛也・唐橋充・吉井怜・鈴木勝吾

<あらすじ>
『パラノイア★サー カス』 それは、孤島に本拠地とするサーカス団。 見世物は極上の『謎』。奇妙奇天烈なパフォーマーたちは謎に満ちた狂気と現実の境目を疾走する。稀代の大怪盗『カイジン20面相』がパラノイア★サーカスからあるものを盗み出した。それは『謎』そのものだった。 謎は、世界から消え去り、世界は音を立てて崩れ去っていく・・・。だが、そこに立ち上がる男かいた。ただ彼は観客だった。その観客は小説家に憧れ、『物語』そのものを愛していた。 彼は、依頼を受け、謎のなくなった世界の『謎』を取り戻していく。消えかかる世界を守り抜くことができるのか?
カイジン20面相の正体は?!パフォーマーたちの『パラノイア(妄想)』はステージの中で、混ざり合い溶け合い、現代の狂気を映し出す壮大なパノラマへと姿を変える―。

◆毛利亘宏(もうりのぶひろ)
1975年6月24日生まれ。愛知県出身。劇団「少年社中」主宰。1998年の旗揚げ公演から現在に至るまで、劇団の全公演作品の脚本・演出を手がけている。外部公演でもミュージカル『薄桜鬼』シリーズや『Messiah メサイア』シリーズの脚本や演出など、シリーズとして愛される様々な舞台を世に送り出した。また東映スーパーヒーロー作品では、『仮面ライダーゴースト』や『手裏剣戦隊ニンニンジャー』などの脚本も手がけている。

◆鈴木勝吾(すずきしょうご)
1989年2月4日生まれ。神奈川県出身。2009年東映のスーパー戦隊シリーズ『侍戦隊シンケンジャー』でデビュー。2010年からは舞台や映画などに活動の場を広げる。その後、ミュージカル『薄桜鬼』シリーズの風間千景役をはじめ、ドラマ「僕のいた時間」「ST 赤と白の捜査ファイル」、2016年にはミュージカル「Color of Life」出演、映画「任侠野郎」の公開が控えている。

◆松田凌(まつだりょう)
1991年9月13日 生まれ。兵庫県出身。毛利亘宏脚本・演出のミュージカル『薄桜鬼』斎藤一篇で初舞台・初主演を踏む。その後、舞台『K』での主演や、青山真治×古典プロジェクト『フェードル』など、多種多様な作風の舞台で経験を積む。東映の仮面ライダーシリーズでは『仮面ライダー鎧武/ガイム』に出演。最新作は2月13日(土)公開の映画『ライチ☆光クラブ』。

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